泰樹と照男。
剛男となつ。
考えが分かれるのです。
前者は、そういうものなのだと。
山田家も努力を重ねてメーカーと信頼関係を勝ち得れば、きっちりと評価されるだろう。経験からそう判断しています。
しかし後者は、違います。
干し草も同じ。味もそこまで違うわけじゃない。
ではナゼ安いのか? 中小だからメーカーに買い叩かれているのではないか? というわけです。
「努力すればよくなる」
「検査が間違っていたら?」
両者の対立を見ている照男は、なつをたしなめます。
「牛飼いというのは難しい」
剛男は、険しい顔をしています。
こういうことがあるからこそ、中小農家を救うためにすべきことがある。そんな使命感です。
助け合わなくては! 団結しなくては! そう語る剛男。
泰樹は立ち上がります。
「ごっつぉさん」
「じいちゃん! 変なこと言って、ごめんなさい」
なつはそう謝ります。
泰樹だって、薄々なつの言い分の正しさはわかっているはず。
ただ、認められないのでしょう。
夕見子のひねくれ激励
富士子は自力で生きてきたからこそ、集団に頼らない父に、理解を見せていましたっけ。
なつはそのことを思い出します。
そんな富士子は、台本がおもしろいと念押しします。
なつは、その台本でじいちゃんが傷つかないかと不安なのです。
「大丈夫っしょ。きっと喜んでくれるよ」
「いかった!」
なつは喜びます。
どうやらセリフが大量にあるそうです。けっぱれ、なっちゃん!
そんななつが風呂からあがってくると、夕見子が雪次郎の貸してくれた『俳優修行』を読んでいました。
そしてこれだよ。
「随分その気になってんだ〜」
なして!
なしてこいつは、いちいちいう事が、こうイジワルっぽいのさ?
まぁ、基本的に性格が直江兼続系だからね。仕方ないね。
ここでなつは、あの必殺技で対抗するしかない。
夕見子が動揺する雪次郎を出すこと。
貸してくれたのは雪次郎だと言い出すと、夕見子もちょっと落ち着きを失い、騒ぐわけです。横で寝ている明美が起きるぞ!
こりゃなつの作戦勝ちかな。
雪次郎はさておき。
なつは、じいちゃんのために演じたいと語るのです。
と、夕見子は即座に反論してきます。
「そーゆーところ、つまんない。やるなら自分のためにやりなよ。じいちゃんのためでなく、自分のためにやれ! そんなら応援してやれる。応援してやる。がんばれよ」
なしてこいつは〜!
夕見子の、このいちいち偉そうな口調!
それでもなつが大好きで気になっていて、応援したい。そういうところだぞ、そういうところがたまらんぞ!
夕見子はその高飛車軍師系言動のせいでわかりにくいのですが、とても優しくて思いやりがあるんですよね。
でも、素直にそれを表現できない。
いちいち高慢になる。
そこが魅力的なんだよな〜。
雪次郎が、そういう高慢さを受け止めて伸ばすくらいだといいんですけどね。応援していますからね!
そんな励ましを受け、なつは脚本の人物のイラストを描いています。父のタッチと似ています。
これも、彼女の才能であり父から受け継いだものなのでしょう。
絵を描くことで、表現できる。
夢中になれる。
それでこそ演劇に向き合える。
自分の心と向き合うために、絵を描くこと。
なつの父も、天陽も、なつもそうして来ました。
有名になりたい。
その才能を見せびらかしたい。
そうじゃないんだ。
生きるために、表現するために描く。そういう魂がそこにはあるのです。
なつは、そのまま寝落ちしてしまいました。
なつよ、さあ、新しい一日の始まりだ――。
描くことで、表現して来た父。
父の声が、同じものを受け継いだ娘にそう語りかけることが、本当に美しい。
そんなラストシーンでした。
夕見子はやっぱり、イジワル軍師だ
本作って、女の子も、男の子も、無双ババアも、開拓一世ジジイも、基本的に老若男女、めんこいと思います。
見た目じゃない、中身がともかくめんこい。
今日のめんこい大賞。
光部門が天陽なら、闇部門は夕見子でしょうか。
「応援してやる」
ってドヤァって、何様だよ!
だがそれがいい、うんうん、それでこそ夕見子なのです。
照男がことを荒立てないように、たしなめる謙虚なタイプであるのに対して、夕見子がむしろ心を引っ掻き回す、高慢なタイプであること。
これがもし、兄と妹が反対だったらば、ここまで面白くないかもしれない。
兄が勉強していて、家事を妹に投げっぱなし。本を読み漁って、生意気なことばっかり言っている。
それならば、もはやテンプレではありませんか。
****の生意気な天才設定少年なんか、まさにそのテンプレでした。
男性ならばありがちな設定でも、女性にするだけでものすごくエッジが効いてくる。
放映されたばかりの『ゲーム・オブ・スローンズ』のシーズン8エピソード2において、アリアがこのど真ん中を突き抜けています。
アリアは、
「私より強い敵に会いに行く……」
と不敵に言い切るわけですが、あれが男ならば少年漫画のテンプレですよね。
むしろ女ならば、
「そんなに怖い敵がいるなんて、私を守って!」
と、男に抱きついてこそ正しい――そんなテンプレがある。アリアはそれをぶち抜いていった。
女になるだけで、こいつは戦闘マニアだな、と驚かされるのです。
夕見子も、そういうアリアタイプです。
彼女の場合、アリアと違って知将ですけどね。
◆東大祝辞・上野千鶴子インタビュー 「当たり前のことを言っただけ」〈AERA〉(AERA dot.) – Yahoo!ニュース
──「女子は子どものときから『かわいい』ことを期待され」て、「相手を絶対におびやかさない」よう、いい成績を隠そうとすると指摘されました。
上智大卒の女性の友人が面白いことを言っていました。英オックスフォード大にいたとき、留学してきた東大卒男子が周りの女子学生を見て「女の人にもこんなに頭のいい人がいるんですねえ」と心底驚嘆したのを見て、「あなたの周囲にいた東大女子たちが、バカなふりをしてきたことに気がつかなかっただけだろう」って思ったって。
夕見子は、まさにこういう賢さを隠す年代ど真ん中です。
それでも、2019年ヒロインらしく、知性をむき出しにしています。
なつの葛藤。
演劇への思いも見事ですが、その横で生意気むき出しにする彼女も、十二分に魅力的なのでした。
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文:武者震之助
絵:小久ヒロ
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サイトデザインを変えられたのですね。
こちらの方がサクサク動いて快適です。
以前のは途中で読み込みのために数秒間止まっていました。
例えばですが、
FC制のコンビニのオーナーと、コンビニ運営会社との力関係は、あまりに圧倒的。
運営会社側からどんな一方的な扱いを受けても、FC店オーナー側は従うしかない。
「嫌なら辞めて構いません。代わりはいくらでも」の世界という具合。
「農協改革」の名の下に、まるで「農協がなくなれば農家も消費者もハッピー」と言わんばかりのことを主張する向きがありましたが、その発信元をよく見れば、単に農協を切り崩して、自分のビジネスチャンスを作りたかっただけの人が「虎の威を借りていただけ」というものも少なくありませんでした。
共同出荷に全く問題が無いなどと言うつもりはありません。運営に宜しきを得られていない例などもあります。淘汰されるでしょう。しかし、生産者側が個々に分断されてしまう状況になれば、冒頭のような扱いを受けてしまうことになる。
それで、誰が利益を得るのか。
農家でも消費者でもありません。
乳業メーカーの生乳買取りの不透明さが、だんだん明らかになってきました。
「奥様封筒」など、無理をして有力酪農家を囲い込もうとし続けた無理が、天陽一家など新興酪農家への対応に現れている感じ。
こういう実態を、泰樹が気づいていない筈もないでしょう。
泰樹は、どう動くのでしょうか。
私の使用環境では、以前のデザインの方が見やすく、扱いやすかったんですが。
わがままのようで申し訳ありませんけれども。
管理人様
早速のご対応、ありがとうございました。
お手数をおかけいたしますが今後ともよろしくお願いいたします。
>匿名様
タカちゃんと神部さんのご子息ですね。
まぁ、親バカで言ってただけで、
クソガキの一面しか映像に出てきませんでしたがw
>三太夫様
ページが開いた瞬間、一気に下へスクロールすると
そういった現象が出たりしまして。
ちょうどよい機会ですので、
これからサイトのデザインを変更してみます(いつか試そうと考えていたものです)。
しばし様子見していただけますと幸いです。
※※※※の生意気な天才設定の少年?
半分、青い。の律は天才設定でしたけど生意気というわけではなかった気がしますが。
その他直近の朝ドラというとわろてんかやまんぷくには天才設定の少年なんかいませんでしたよね?
誰のこと言ってるんでしょう?
管理人様
以前から気になっているのですがレヴュー本文の一部が読めません。
例えば本日分でいうと
『三毛別羆事件には震えるしかない ヒグマに襲われ死者7名・重傷3名』
の BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン)の囲み。
この囲みのため本文は
『まぁ、北海道はこういう危険もありますし。
(から)
出た、イジワル軍師・夕見子だ。』
に飛んでしまいます。
よく見ると囲みの右側に 『るなら一番』の文字が見えます。
これは私のPCのみの現象でしょうか。
改善策があればご教示ください。