なつぞら72話 感想あらすじ視聴率(6/22)雪次郎の乱!

雪次郎が店を辞めるって?

マダムは衝撃の事実を伝えます。
なんと雪次郎が店を辞めると言い出したのです。

理由は、劇団員になるから。
野上が苦い顔で「誰かさんがいる劇団だ」とほのめかします。

あの問題ばかりを起こす兄のせいかと、身構えるなつ。

いや、今回は冤罪のようです。魔性と前科があるからね。

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マダムは、
「そうではないけど、きっかけかも……」
と、言葉を濁すのです。

ある意味、短絡的なやらかしならばマシでした。

しかし、今回は違う。雪次郎は心の底から謀反をしている。そう察知したのでしょう。
実際、そういう前振りはあった……。

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思えば、第三幕だけでも毎日見ていたあたりで危険でした。

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雪次郎が仕事の後、三幕だけ毎日見にきたとか。
「30回も見るんですか?」
と驚いていた雪次郎。結局そのくらい見たのでは?

なつは慌てた様子で、雪次郎の部屋に行き、ドアをノック。

どこかさっぱりとした顔の雪次郎が出てくると「咲太郎さんから話を聞いたのか?」と続けます。

強引に部屋へ上がり込むと、ズバリと迫るなつ。

「お兄ちゃんのせい?」

そうではないと雪次郎。しかも、劇団に受かるかどうかの結果はまだでした。
オーディションが終わっただけなんですね。

「受かってもないのに?」

「なっちゃんも同じだべさ。受かる前に、酪農を辞めた」

決心するとはそういうこと。そうさっぱりした顔の雪次郎です。
なつは、帯広にはどう言うつもりかと問い詰めます。

雪次郎はきっぱりと言い切るのです。
他にきょうだいがいるなっちゃんとは違う。一人っ子だけに、本当に裏切ることになるのだと。

言われてみればそうです。
女性の大学進学が今よりもずっと困難な時代とはいえ、夕見子は二番目生まれの女子。だからこそ、地元から羽ばたいて札幌の北大進学ができた部分はありますね。

照男のように、地元で生きると言い切れる人ばかりではない。
雪次郎はそうではなかった。

「親の期待を裏切ってでも、俺は!」

「ダメ、それは絶対駄目!」

なつは驚き、とりあえず風車に雪次郎を連れて行くのですが……そこにいたのは、亜矢美、カスミ、レミ子というショウビズ軍団でした。

「思い切ったことをしたね!」

「よく決心した!」

「あんたには負けない!」

レミ子なんかライバル宣言だよ!
あーあ、ある意味、最悪の場所ですね。咲太郎も、もちろんここにいるし。

ああ、なつよ、君の悩みは尽きないけれど。
今の私に言えることは、来週に続けよ――。

父も投げたくなる、乱世の極みのような終わり方でした。

これからどうなる?

「全くわからん!」

【雪次郎の乱】勃発

雪次郎の乱――。

狙ってないですか?
乱世を狙っていませんか?

来週が恐ろしいことは確定しています。

【東:雪月軍 10万】

 

総大将:とよババア(徳川家康)

 

猛将:雪之助(本多忠勝)

 

知将:妙子(本多正信)

この陣営が黙っているわけはないのです。

ちょうどよいので徳川家から話を展開させてみますと……。
あの将軍家を見ても、血族による継承の難しさがわかります。

御三家はナゼあるのか?
なぜ側室が母である将軍ばかりなのか?

理由はシンプルなこと。
血だけで継承することは、無理があるのです。

嫡出子しか継承権がない――そんなキリスト教圏では、姻戚関係をたどり、途切れたら他家から後継者を探します。

そうでない場合、側室にも継承権を認める。
徳川家はハイブリッド型です。

とにかく血縁による継承は難しく、それは雪月も同じことでしょう。

確実に子供が生まれて、かつ継承して、商売を潰さない。
そういう不安定な要素に一か八かを賭けるぐらいなら、自分が納得して育成した後継者を選んだ方がよい。

そんな考え方もあるわけです。

実はこれは、前作****にも深い関係があります。

現実社会でのライバルである「東洋水産」創業者の森和夫氏は、同族経営を正面切って批判してきました。

親族ばかりが役員で、息子が後継者と決まっている。
それは企業の私物化であり、腐敗の温床である。

「企業は公器だ」
そう主張してきました。

そんな森氏の主張を、宣伝ズブズブで証明した****は、逆に最高の東洋水産PR企画だったと思います。

※同族経営企業戦士・****ナイトの運命は?

あっ、今日もマルちゃん正麺を食べなきゃ。

冷やし中華シリーズもいいんだよね。

ちょっと話がずれましたが、そういう同族経営のリスクや、後継者の夢を潰しかねない弊害。
そこまで本作は踏み込むのかもしれません。

たとえ雪次郎が元の道に戻っても、彼の人生には深い傷が残されます。
演劇を選んでも、怨恨は残ってしまう。

血縁で選ぶことが悪いとは言えないし、気持ちはわかります。
ただ、それがいつもよい結果を残すとは限りませんよね。

なんというドラマだ……。

何度か書いてきましたが、本作は朝ドラ枠で『ゲーム・オブ・スローンズ』をやっているようなところがあります。

あのドラマも【血縁による王位継承弊害】がテーマでした。
が、王位ではなく、帯広の菓子店というスケールで、そこまで踏み込んできました。

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来週が楽しみです、そしてちょっと怖い。

めんどくさい坂場の真骨頂

そんな乱に隠れておりますが、生きているだけで表裏比興になりかねない、坂場のウザさにもご注目ください。

今日は、こいつのウザさが発揮されていて、チベットスナギツネ顔になりました。
呆れるというか、身につまされるというか、辛い……。

◆この本をここまで読むつもりだったのに

→人が目の前にいても、読書をやめない。こいつは駄目な奴ですね!
いや、駄目にも駄目なりの理屈があるのはわかります。

 

彼なりに、食事しながら特定の章まで読むことをノルマとしているのかもしれない。

 

モモッチは、一人で寂しそうに思えた坂場に親切をしたつもりかもしれませんが、坂場からすれば予定が狂って鬱陶しい可能性も高いですよね。なんせ読書のためにお店に入ったぐらいなんですから。

 

◆分析すれば偶然なんてありません

→なつの元職場だという川村屋。ここでお洒落な茂木ならば、運命だの何だの言うことでしょう。

 

それを分析するこいつは、性格的にモテなくてキモくてウザい奴扱いされがちですね。ただ、本人にも自覚はあるし、劣等感はないでしょう。

 

◆別にバターカリーに興味がないのですが

→モモッチの空回りは続きます。

バターカリーを、別に食べたくない坂場。塩対応をしている自覚はありません。

 

オブラートに包むことを学んでいないだけです。

 

◆ナゼ世の中は、それがわからないのだろう?

→アニメーションの可能性に気づかない世の中。不思議だな〜。

そういう子供のような好奇心がそこにはあります。

第二印象が最悪だから

坂場よ……第一印象からしてなんだか煽るし、目つきも悪い。
そういうマコや夕見子と、きみは違う。

第一印象はとぼけていて、面白そう。なつはカチンコの失敗で、そう思っていましたね。
しかし、それはすぐに覆されるのです。

坂場よ、きみは第二印象が最悪なんだよ!
モモッチは寛大で、変人対応スキルもあるのでよいのです。

そうでないと、

「なんか理詰めでいちいち否定してきて、キモい」

「一人で寂しそうだから、話しかけたのに、なんなの?」

「こっちと話すより、露骨に本を読みたそうにしていて、ムカつく」

「雑談するつもりがない!」

「言っていることがよくわからない!」

「こやつは表裏比興……」

となりかねません。
嫌われる、性格が悪い――そう誤解されます。

周囲は第三印象までたどり着いてあげましょう。

不器用と言われたとき。
絵を描ける相手への尊敬。
アニメーションに憧れた理由。

そういう自分が説明したいこと、ちょっと困っていること。
からかわずに、真剣に聞くと、心を開いて素直でおもしろいところを見せてくれます。

味方にいれば、なかなか頼りにもなりましょう。
ともかくこの手の奴らは、情緒に疎い。お仲間典型例が『SHERLOCK』のシャーロック・ホームズではないでしょうか。

親友ジョン・ワトソンの前で自殺偽装。
それが「生きていたんだよぉ〜ん」とサプライズ登場するようなやつです。

相手の心理的な打撃を考慮しなさすぎて、喜ばれるどころか、殴り合いになりました。

※人の気持ちを考えろーッ!

あと『MAGI』の原マルティノ。

仲間が病気で死線をさまよっている時に、
「今ここでしか憧れの人と会うチャンスがないから。自分がいても、仲間を治療できないし、やることがないから」
という理屈で、一人で外出しました。

周囲は呆れかえっていたものです。
本当に、何を考えているのだ……。

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「空気を読め!」

「人の気持ちに配慮しろ!」

「バカじゃないのか!」

そう怒られても、よくわかっていない。
そこにいるだけで、ある意味、表裏比興です。

はっきりいってムカつくことこのうえないとは思いますが、使いようによってはとても便利ですし、我慢すればおもしろいところもあります。

表裏比興を、見捨ててはいけない。見守ってあげる余裕が必要だ。
彼らはドラマ始めフィクションにいると魅力的でも、実際に隣にいるとなると、本当にイライラすることがあります。

しかし、長い目で見てあげましょう。

こいつを演じる中川大志さんは、可能性があります。
こういう空気を読めない変人需要を、マルティノを好演した井ノ脇海さんと争ってください。

空気を読めない、そもそも空気を理解しようとすらしない、というか最初からする気がない。

まさに【生きているだけで表裏比興】なタイプに心当たりがあるとか知っている方。
そういう人にとって、『半分、青い。』と『なつぞら』は心にブスブス刺さりますね……。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

※北海道ネタ盛り沢山のコーナーは武将ジャパンの『ゴールデンカムイ特集』へ!

【参考】なつぞら公式HP

 

4 Comments

904型

めっきり少なくなったコメント投稿。私自身もあまり投稿しなくなったな、という自覚はあります。
もちろん『なつぞら』自体は見続けていますし、つまらなくなったなどという状況は全くない。むしろ重要な展開が続いて目が離せないほど。

あれこれ考えても追いつかない感じ。
また初期のように、「考えるな。感じろ」という具合になったのかも。

でんすけ

エースの二人に下山班の個性的な面々に加えて坂場くん登場。アニメーター編のキャラクター造形が深くて面白さが加速してきてますね。ここで一旦北海道に焦点を戻して原点回帰するのが心憎いです。近年にない深みのある朝ドラですね~。

そして宮崎駿をモデルにしたキャラが登場して、彼となつを坂場くんが引き連れて東洋を辞めてハイジ?、いやもしかすると幻の長くつ下のピッピルートなんてことになったらお祭りです。泰樹じいじモチーフのアルムおんじにも期待。その前に坂場くん監督の大作映画を東洋でやるのかな。もう、盛り上がる展開しか想像出来ない。

あしもと

意見を言うこと=素直じゃない、世間の認識ルールにしばらく気づかなかった人間です。

尖った人物が出てくる本作と、彼らを愛でる本レビューには、癒されたり考えさせられたり、いつもお世話になっています。

坂場は特に身をつまされます。私もやや同タイプです。あんなに突き抜けてはいませんが、、、

中川さん、ピュアでいたいけな印象で坂場を演じてくださってると思うのですが、それも、同タイプの身びいきなのか。

登場人物が増えるたび、それぞれ個性的で、ますます楽しみです!

むらた

なつのイラストがかわった!
半分、青い。(下山評)のコーデのなつだ、かわいい!

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