なつぞら73話 感想あらすじ視聴率(6/24)不安定だけど不幸じゃない

「大博打の始まりじゃあああ!」

思わずそう叫びたくなる【雪次郎の乱】、勃発――。
さて今週はどうなるか。

親を裏切るのか?

帯広の家族に相談もしないまま、役者の道へ突き進むという、ありのままの謀反を起こした雪次郎。
なつは止めます。

「そったらことわかってるけど! 決心したんでねえか!」

「親を裏切って決心したんだわ。そんなのダメだわ!」

なつは、たまらず咲太郎に助けを求めますが……。

「いまの雪次郎のことを、どうしてここで止められるんだ」

義理パラメータが高いなつは反発しています。
前世昌幸・泰樹の愛弟子でも、幸村はそういうところあるからね。なつはそれ系だな。

「雪次郎の生きる道は、雪次郎が考える」

「修行を無駄にすることを、後悔しないようにね」

といった調子の咲太郎と亜矢美です。
この二人はかぶき者系ですもんね。ありのままにかぶくから、そりゃそうなるでしょうよ。

裏切ったわけではない。苦しそうにそう絞り出す雪次郎。
川村屋を辞めるとはいえ、裏切りたくてそうするわけではないと言いたいのです。

ただ、魂が演劇へと向かってしまった。うーん、これは厄介だ。

「帯広の家族に相談するべきでしょ! そこを端折っちゃダメでしょ!」

なつはそう訴えるのです。

認めてもらえなくてもいい

かくして翌朝、雪次郎は川村屋に出勤。
早速、職長の杉本に辞職の決意を告げます。マダムには昨日伝えてあるとも付け加えましたが……。

「大変お世話になっておきながら、申し訳ありません!」

「役者ってお前、何考えてんだよ!」

修行が辛くなったのか?
と、確認する杉本。
そうではなく、菓子職人が夢だったと雪次郎は語ります。

そうそう、北大の夕見子ちゃんが認める、そんな美味しいお菓子を作る夢があった。

なつぞら43話 感想あらすじ視聴率(5/20)本当は凄い雪次郎

緊迫感の中で、雪次郎と杉本は争っています。

「つまらないことで人生を棒にふるな。認めない!」

「認めてもらえなくてもいい!」

「そうはいくか。お前は親父から預かってんだよ!」

あー、乱世だと人質になるシステムかな。
しっかりあなたの息子を育てますという、約定がそこにはあります。それを破ったら大問題です。

マダムでもない。杉本でもない。
辞めていいと認められるのは、親父だけだ。そうなって来るのです。

マダムも迷っています。

従業員本人の意思は尊重したいけれども、この件には雪之助がいるわけですから。

ここで、人の良さそうな雪之助の回想が入ります。

それにしても、マダムはよい人ですね。

2019年現在、世の中には退職代行サービスというものがあります。

◆”退職代行”で辞める若手の恐るべきホンネ

これを見て「今時の若者は軟弱だ」と思われる方、責任転嫁していませんか?
特に、ご自身が部下を抱える上司の立場だとすれば、あなたの指導に問題はありませんか?

むろん全てが、上司の責任とは言いません。
そもそもどんな道を選択しようが、大事なのは本人の意思です。

従業員の思いを尊重して退職を認める川村屋は、よい職場ですね。

※こうはならないよい職場

ただし、一人で決める前に、家族に相談すること。
そういう着地点になります。

カチンコを討ち取る気満々の軍師

一方でなつは?
『わんぱく牛若丸』の作業に身が入らず、ぼーっとしてしまいます。

茜は面倒臭すぎる坂場のせいかと気遣うのですが、なつは友人のことだと答えております。

すると下山が割って入ってきました。
あの馬の動きを描き直すという話ですね。

前回、坂場がおかしいと指摘した場面を既に下山は取り掛かっておりました。

なつぞら71話 感想あらすじ視聴率(6/21)厄介な東大イケメン坂場を分析だ!

「わかっておるな……あのカチンコめをギャフンと言わせろ」

不穏な目つきで、そうハッパを掛けてくるのがマコ。
こういう黒い軍師は負けず嫌い、かつ勝利宣言をしなければならないのでしょう。

まぁ、でも、ああいう表裏比興は、いくらやってもギャフンと言わせることはできませんね。
当人は、マコを煽ったと認識すらできていないと思われます。

なつはその下山の絵を見て、にっこり。
馬と牛若丸が戦っている!
生き生きしている!
そう見えるのです。

これを動画にすることは、簡単なことではない――そう思って気合が入ります。

本作の作画スタッフも、そうでしょうね。
こういうものって、脚本だとさらっとしか触れていないこともあるもの。
そこをどう膨らませるか、腕の見せ所です。今日もお疲れ様でした。

なつは一人で、四つん這いになりながら階段を降り、馬の動きや気持ちを探ろうとします。
と、そこへ、あいつが通りかかりました。めんどくさい坂場です。

「何か落としたんですか?」

「馬の気持ちを……体重移動を」

「ご苦労様です。そうですか」

ここでのやり取りが、やっぱり奴の真骨頂です。

今週もめんどくさい坂場

笑ったり、からかったり、そういう反応は一切なし。
馬の体重移動というなつの説明を、受け流します。

もしも、彼が空気を読むのであればどうなるか。
実際の彼と比較してみました。

空気読む坂場『馬の場面って、自分が指摘したところかもしれない』

実際→しかし坂場は、馬の場面はたくさんあるし、確定できないとでも思っているのでしょう。あるいは全く気づいていない。

 

空気読む坂場『階段でそんなことをするなんて、面白い人だなあ〜』

実際→アニメーターではそういう流儀があるかもしれない。ならば面白いわけでもない……とか結論出してませんか?

 

空気読む坂場『そういうところが嫌な奴なんだよ!』

実際→何かを落としたのであれば、拾うことを手伝うつもりはあった。ご苦労様ともねぎらった。それでも不十分ですか?

この先も、ウザすぎるんです。

「昨日はすみません」

「何を指しているのでしょう?」

「途中でいなくなってしまって」

「偶然会っただけです。偶然いなくなっても、おかしくはありません」

「バターカリーは食べましたか?」

「いいえ、すぐに帰りました」

どうしてお前ははそうなの!
そういう理詰めな話でなく、微笑むぐらいできないんだ!
具体的にどこが悪かったか指摘しろって、尋問でもしているつもりなのか!

と、彼の親ならば言いたくなりそうです。

それに、偶然会ったら偶然いなくなってもいいって……。
これって、職業人としてはある意味最低ですね。

他人の無断離脱を咎めない。気づかない。

自分は無断離脱する。咎められても何が悪いのかわからない。

圧倒的な駄目さがありますね……。
なんか音声アシスタントとの会話めいているわっ!

なつはめげずに、こう引き下がります。
※続きは次ページへ

1 Comment

晶雪

いつも楽しくレビュー拝見しております。
雪次郎の乱、目が離せませんね。「雪月」の皆さんの上京が待ち遠しくてなりません。
ちなみに坂場ですが、私はウザいともやな奴とも感じないのですが(笑)。
彼には悪意も他意もなく、他人を侮辱しようとも傷つけようとも思っていませんよね?
にも関わらず、周囲と軋轢が生まれてしまう。それは果たして彼だけのせいなのか。
彼のような変わり者でない「普通の人」の側に、「人というものは皆同じように物を見て、同じように物を考えるはず」という思い込みがあるとは言えないでしょうか。だから「ズレた」人を見ると、そこに本来は存在しない他意や悪意を勝手に読み取ってしまう。
「人間はみんな違う」という前提に立って彼の言動をよく観察すれば、「やな奴」とは思わないはず……ではないかと。
以上、自分も坂場と似たタイプかもしれない人間の言い訳でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA