下山は元警察官ですし、アクション得意ですし、そこにこだわりがあるんでしょうね。
ハードボイルド顔をする下山に、彼らしさが出ていないとイッキュウさんは言い切ります。
これも、下山が善人だからよいものの、心が狭ければ結構揉めそうな言い回しだなぁ。イッキュウさんらしいといえばそう。
もっと明るくする――そう提案するイッキュウさんを見て、マコは笑みを浮かべます。
「イッキュウさん、大人になったわね……」
まぁ、以前のイッキュウさんなら、揉めそうどころじゃない破壊力を発揮しそうではある。
マコさんもイッキュウさんに苛立っていた頃よりも、大人になっておりませんか? 余裕を感じさせますよ〜。
マコなりに、イッキュウさん対応はバッチリとして来たのでしょう。
キャラクターデザインもあるし、プロットも自由度が高い。
彼が泳ぎ回る環備を考えて整備してきたとわかるのです。
マコさん、今日もカッコいいです。
『キックジャガー』始動!
なつは『キックジャガー』の作画監督として、打ち合わせの先頭に立っています。
あんな可愛らしい魔法少女アニメから、劇画タッチの格闘技モノへ。
その作風の変化に、皆驚きを隠せません。
格闘技大好きな佐藤部長も「原作よりかっこいい!」とうれしそう。
なつは、ラフなスケッチ、クロッキー風のタッチを生かすことで、動きが制限されていても迫力が出せると説明します。
実際に、カッコいい絵です。
小道具さん、アニメ担当者さん、どれだけ頑張っているんだろう?
この『ブラックジャガー』は本当に面白そうで、見てみたくなるから困りますよね。
『半分、青い。』でも、鈴愛の漫画再現収録本を買っちゃったけど、本作でもそういうの出さないかなぁ? すでにあるなら買います、絶対。
中神拳也って主人公の名前もいいし、ライバルのブラックマンだって気になりますよ。
ここだけ見れば順調には思えます。
それでも、泰樹からゆずられた懐中時計を見るその顔は、どこか暗いのです。
作画監督として、大量の絵に目を通す。
アニメーターの質問には、丁寧に答える。
けれど、やっぱり、どこか心配で。
作画監督は、いくら時間があっても足りません。
なつはよく戦っている
茜の元へ向かったとき、時計はすでに午後8時を回っておりました。
「しーっ」
さっきちょうど寝たところだと、茜は告げます。
なつが茜に謝ると、彼女はこう返すのです。
「いいのよ、大変だってわかっているから」
茜に理解があってよかった。
例えば川村屋の野上は、いい人ではあってもアニメへの理解はないのです。そういう相手だと話が通じないこともある。茜ならば、その点安心できます。
そんな茜は、なつが仕事を持ち帰っていることにも気がつくのです。
「すぐ連れて帰りますから」
慌ただしく、優をあやすなつ。
そんななつに、父はこう語りかけるのです。
なつよ、よく戦っているぞ――。
その通りだと思います。
なつは育児と仕事、両方に向き合ってよく戦っている。
近年の朝ドラには、あるようでない視点だと思います。
2015年『あさが来た』ですら、育児をしていたとは私にはあまり思えませんでした。
母として子供に向き合うというよりも、世間の考える良妻賢母像に向き合っていた。
あの手のドラマは、幼少期の子供はこうだ。
「うちのお母さんは、よそのお母さんと違って働いている……」
そして思春期になると、タイマーをかけたようにグレだす。
本当の子供個々人の悩みというよりも、
「母親が働くと、子供は非行に走りますよ!」
という論調に乗っかったような、薄っぺらい広報ドラマめいた白々しさがありました。
そんな論調は、昭和の一時期特有のものでしょうに、自分たちが育った時代から進歩したくない多数派の顔色を窺って、そうしているような嫌なものがありました。
本作のスタッフは、そんな呪いとよく戦っていると思います!
神っちは熱い奴
神っちの役割は、モデルから結構外れているけれども、そこがいいと思えて来ました。
労働組合運動を丸めたとされる本作。
確かにそのとおりといえばそうなのですが。
◆朝ドラ『なつぞら』が宮崎駿・高畑勲も闘った「東映動画・労使紛争」を矮小化! 労働組合の意義、会社との対立をなかったことに
これを「矮小化!」と決めつけることには、ちょっと戸惑いがありまして。
というのも、女性労働、ジェンダー観点からすると、神っちもイッキュウさんも、上方修正されていると思えるのです。
こういう糾弾をやりすぎると、女性におにぎりを握らせて男ばかりがメガホンを握りしめる、鬱陶しいあの現象に到達しかねないので、私は遠慮しときます。
◆広河氏の「性暴力」が10年も放置された理由——セクハラを見えなくする力|BUSINESS INSIDER
本作は何か罠があるから、迂闊に踏み込めないんです。慎重にならざるを得ないんだな。
荷物を持つこととヒグマのこと
よいところはたくさんあります。
そのひとつ。
イッキュウさんも荷物をバッチリ持っているのが、いいと思うんですよね。
いやほら、こと育児関連となると妻にばかり荷物を持たせる男性もいるしさ……。
こういう、
「荷物を持たない彼氏を気遣ってこそいい女❤︎」
論調は有害でしかないので、きっちりと反論しましょうよ。
国や地域によっては、女性が荷物を持つこともあります。
ジャングルで生きているような場合だとままある現象。
野生動物に襲われた際、男が反撃し女性や子供を守るためです。
そうでない日本の市街地でそういうことをされた場合、
「ここはジャングルじゃないよ……?」
と、憐れみの目で見ればよいのではないでしょうか。
「は!? ここは市街地だけどヒグマ出るべ! なまらやばい!」
と、北海道民の彼氏が反論して来たら、
「あなたはマタギじゃないし、猟友会員でもないし、ヒグマ相手に抵抗しても無理。通報しよう」
で、終わります。
まぁ、道産子ならば銃もないのに、ヒグマに勝てるとは思っていないでしょうけれども。
門倉番長の話は、あくまで伝説ですから!
なつぞら19話 感想あらすじ視聴率(4/22)女がダメなのかって聞いてんのさ!ついでに、ヒグマのことでちょっと言いたい。
◆ヒグマ駆除に道外中心批判200件 札幌市対応に苦慮 – 毎日新聞
市街へ出てきて民家の庭にも侵入し、作物などを食して話題になっていたヒグマが駆除されました。
すると……。
14日にヒグマを駆除して以降、21日までに全国から約600件の意見が寄せられた。うち駆除に批判的な意見は207件あった。
中には「殺処分すべきではない」「麻酔銃を使って山に返すべきでは」といった駆除への抗議もあり、こうした声は道外から寄せられたものが多いという。
えぇと……、ヒグマについて、道外民が口を出していい問題ですかね……。
駆除以外の方法で対応できるなら、当然そうされてるでしょう。
しかし、人的被害が出てからでは遅いのであって。
上記の「女性や子供を中心に襲って、そして……」という三毛別羆事件も凄惨ですが、獲物に執着するヒグマの恐怖も凄まじいものがあります。
それがこちらの事件ですね。
↓
本ウィキペディアの中に以下のような指摘もあるほどです。
野生動物研究家の木村盛武は次の指摘をしている。
・ヒグマがあさった荷物を取り返してはいけない。
・ヒグマに遭遇したらすぐに下山しなければいけない。
・ヒグマに背を向けて逃げてはいけない。
・事前にヒグマに出会ったときの対処法をチェックしておかなければならない。
・ヒグマは時間や天候に関係なく行動する。
要は逃げるしかない。
人が山へ入っての遭遇だったら、麓へ降りて逃げればいい。
では、彼らから住宅街へやってきたら……?という話で。
火にも音にもビビらない実験結果もあるほどです。
↓
歌えば仲良くなれる森のくまさんじゃないんだから、それなりの対応するしかないでしょう。
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
赤ちゃんの演技がすごい。朝から泣かされました。最年少天才子役、ですね!
まこプロで話していた、
三代目、のハードボイルドでひょうきん者とは、
ルパン3世のことかな?
優ちゃん役の赤ちゃん、
なつに甘え、
茜さんでは泣く。
保育園1日目あるあるを、
見事に再現していて、すごい!!
お布団、オムツ、お着替え、
ものすごい荷物になるところの
再現も、ちゃんとしていて、
すごいと感心しました。
かみっち、マコさんが出て来ると、ほっとします。
もし、このドラマが先で、「あさが来た」が後だっら、あの、取ってつけたような、あさの育児に対する態度や思春期の娘とのバトルも入れなくてすんだかもしれないと思いました。
ヒグマ駆除の件、大いに賛同します。
勝手な雑音のなんとひどいことか。ヒグマの生息環境の回復・整備はもちろん図るべきですが、人里では絶対に共存はできないのに。
当局には雑音に屈せず、住民の安全を図ってもらいたい。
戦前の三毛別のヒグマ獣害事件のことは、私は吉村昭氏の小説『熊嵐』で知りました。あまりの内容に、その晩は眠れなくなってしまったほど。
野性動物をあなどってはならないと思います。