なつぞら139話 感想あらすじ視聴率(9/9)自分の幸せは、自分で決めなさい!

腕組みする【魔王】

そして奥原なつも、ついに魔王軍団ことマコプロへと出馬しました。

「なっちゃんまで揃うと、一気に懐かしくなる」

【魔王】マコさんは意気軒昂ですが、この人は本当に怖いよね。
東洋動画のことを思うと、本当にシャレになっていないと思います。

マコさんって、実は腕組みをしている場面が結構多いんですよ。

腕組みポーズ。
最近はラーメン店主や、歴史新書がベストセラーになった研究者写真というイメージがあるかもしれません。

◆なぜラーメン屋の店主は腕組みをして写真を撮るのか?【東京ラーメンショー2017特別対談第2回】

あれは職業的適性というよりも、心理的効果が関係しています。

腕組みは臨戦態勢、戦う気満々という効果を見せる。
この人は自信があって、手強い。そういう印象を醸し出せると。

ですので、武将を描きたいのであれば、おススメのポーズです。

ナポレオンを撃破したイギリスを代表する名将・初代ウェリントン公ことアーサー・ウェルズリー/wikipediaより引用

逆に、女性はやらない方がいいとされがちなもの。
若手女優の指差しがどうこうと、ニュースにまでなっていましたが。

あれが男優でも、失礼だなんだと盛り上がりました?
大事なのはそこじゃないかな?

女性の腕組みも、十分に攻撃的なポーズではあるのです。
就職マナーにせよ、#Kutooで問題視されているヒールやパンプスにせよ。

「女性のマナー」とは、無力感の演出、従順性を求められます。
その女性がそうしたいかどうか、そこは見極めてください。

男女共にそういう傾向はあります。年齢によるものも、もちろんあります。

ただし、そうであっても、女性への強制が強いことは確かでして。

映画のポスターにせよ、本の表紙にせよ、雑誌広告にせよ。男女ポーズの差を考えてみることは、なかなか面白いことではあるんですよ。

どうしてこんなポーズ心理学の話をしたか?
本作はそこまで考えていると思われるからなのです。

明確に男性的な目線やポーズを取っているのが、マコ、夕見子、成長後の明美あたりです。

逆に、イッキュウさんは男性的な目線やポーズが少なく、そもそものジェンダー的な特徴が出ていない方に入る。

声のトーンや話し方、ファッションも注目しましょう。

マコにせよ、モモッチにせよ、なつにせよ。
全員が好きなものを着ていて、男性の目線は二の次だと感じられます。

ほや顔でしたっけ? ほやは珍味か。
まぁともかく、女優がそういう顔に見えるのは、疑った方がいいかもしれません。

問題は相手ではなく自分では?
頭の中がほよほよしているのか、それとも違うのか?

それにNHK大阪とは、発声からして違うんですよね。
女性が顕著ですが、男性もそういう傾向があったものです。

**さぁんはじめ、教団員シャウトが辛かった……。

新作タイトルは『大草原の少女ソラ』

マコプロで手掛ける新作タイトルは『大草原の少女ソラ』でした。

ソラという名前は和風であり、洋風と説明されます。
どのへんが洋風かというと、発音のしやすさでしょう。

まぁ、教祖夫妻の名前からとった商品名もあった気がしますが。
あれは海外展開の発音については考慮したのかな。具材は洋風推しが激しかったけれども。

和風か?
洋風か?
ここも大事ですが、もうひとつの要素があるはず。

それは、姉妹の名前由来で明らかにされることでしょう。

話がデカくなるので、今日はやめておきます。
そこは、北海道ですからね。北海道だからこその名前がある。

イッキュウさんが、元気よくプレゼンしています。
そうそう、できる仕事人はプレゼンしなくちゃ。

プレゼンではなくて教団ダンスしかない。そんなナンチャラもあったっけ……。

イッキュウさんとマコの話を、ちょっとまとめましょう。

・舞台は大正時代から昭和にかけて

・舞台は日本の北海道

・とはいえ、世界的に見て通じるような、普遍的なものとしたい

・放送枠は「ミルコス漫画広場」

・放映時間は日曜夜のゴールデンタイム(※大河ドラマの前でもある)

・ミルコス社長が北海道開拓者出身であり、そのために通った

・関東プロダクションを通さない配給

・つまり、マコプロの伝えたいことを出せる

・放送開始は半年後の秋、10月から

・放送期間は半年

・視聴率低迷をすれば打ち切りがある

・そうならないように頑張るぞ!

・スタッフ交代なし

・演出は全てイッキュウさん。とことん自分の世界を突き詰める!

・キャラクターデザインと作画監督は奥原なつ、全てやる

・モモッチは色指定、仕上げの塗り

聞いていて、論旨が明快でいいな。
スッキリする。
仕事の参考にもなる。

話がずれて取っ散らかる傾向があるこちらとしては、参考になりました。

とはいえ、背景も見逃せません。
当時を再現した色ガラスの窓といい、細やかな仕事です。

そしてここで、最後の目玉!
東洋動画の悲鳴が聞こえてくるぞ!

「美術監督は、山田陽平さんッ!」

マコはここで、同期だった――とシレッと言います。
引き抜きよりも自由意志退社だと言いますが、どうでしょうね。

神っちは今朝もドヤ顔です。
地元の山田さんなら間違いないって。美術監督は彼しかないと思っていたって。

そして、その陽平がやって来ます。

記憶の中にあるものを勝手に描いたから、参考になるかわからない。
そう断りつつも、彼は十勝の景色を見せて来ます。

なつはじっとその絵を見ています。脳裏には、あの実際の景色が浮かんでくるのです。

テレビ漫画を意識していないと陽平は断りますが、それがかえっていいかもしれない。

とても素敵。
十勝を出せるのは、陽平さんだからこそ。皆そう興奮しています。

わかる。スタッフが十勝の自然を詰め込みたかった。そんな気持ちがわかります。

時間のなさと士気低下しか伝わってこない、そんな絵とは違うのだ。

ここで、北海道ロケハンの必要性が出て来ます。
下山も見たいってよ。

マコプロ軍、十勝に見参

マコが焦り始めます。

「予算はどこにあるのよ……」

マコはかつて神っちの才能に焦っていましたが。

彼女には、神っちにはない才能がある。
予算と締め切りへの配慮です。

なつぞら103話 感想あらすじ視聴率(7/29)謀反の種は蒔かれたか?

補給を考える知将・マコ。
奇策で戦うものの、補給を無視する勇将・神っち。

【魔王】は二人でひとつだな。

ここでなつが言いだします。

「十勝なら、交通費だけでいけるかもしれない」

かくして、マコプロの一団が十勝に上陸。
彼らが十勝の大地を歩み始めます。

なつよ、ここから、また新しい君が始まりそうだな――。

ラストスパートへ、本作が走りだします。

【魔王】の総仕上げ、とのとき東洋動画は

なつの退社経緯が、かなり丸められてはおります。

それも東洋動画への愛なのかな?

これも結構綺麗に割れている。

マコ:寿退社だと思った? 引き抜いて【魔王】になってやった……!

 

イッキュウさん:仲と井戸原を逆恨みし被害妄想に突っ込み、神っちともども謀反トークを繰り広げた挙句、会社に大損害を与える。そしてドヤ顏さわやか退社

 

神っち:スタイリッシュ退職届提出(推定)

 

モモッチ:むしろ会社の役目が終わった

 

下山:常識的な退社です(推定)

 

なつ:極めて常識的な退社です!

モモッチ以下はまだマシとして。
マコは結果的に策謀に突っ込んだだけとしましても。そういえば全然出てこないマコの夫は、どうしているんでしょう。引っかかっています。

イッキュウさんと神っちは、割と心底、このあたりが酷いとは思います。
神っちは推定ですけどね。映像化できなかったんではないか、と。

そのあたりの染谷将太さんは、来年の『麒麟がくる』に期待しましょう。

モデルの労組のほうが、むしろソフトランディングでは? と思ってしまう。

朝ドラでこんなことするんだ……。

覚悟の仕掛けて来た罠

興味深いことはいくつもあります。

マコプロの背水の陣と言いますか、気合い。
放送期間といい、本作への気合いを重ねているような気もするのです。

で、これは何度も指摘しておりますが、NHK東京は長いスタンスで準備をしている。

本作を観ていると『半分、青い。』の謎解きもできてしまう。

昨年の、律とより子の離婚です。
ナレ離婚だの、演出が雑だの、ひどい脚本だの、さんざん叩かれていましたっけ。

それについての反論はもう繰り返しませんが。

半分、青い。138話 感想あらすじ視聴率(9/8)私は看板にはなれない

あれは、心理的なダメージを受ける人がいたのだとわかってきました。

離婚というものは、致命的な理由がなければないカタストロフのはず。
悪質なDV、妻子への虐待、金を稼げない、不倫等。そう信じたい。

それが、あの夫妻はそうじゃない。
心理的なすれ違いでした。

しかも律の場合はと言いますと……

・イケメン。なんてったって佐藤健さん

・名門私大卒

・エリート企業社員

・鈴愛がいるにせよ、肉体的な不倫はしていない

・子供(しかも男児)もいる

・家事育児に協力的である

と、理想的ではあるんですね。

それが唐突に、心理的な配慮不足で離婚って、想像するだけで、そんなものを朝から見るだけで、嫌になる。
鋭いナイフを突きつけられたような気分になる人だっていることでしょう。

こんな離婚はやめろ!
よし、バッシングだ!
『真田丸』のナレなんちゃらを使えば、流行に敏感な今の若者っぽいし!

という考えになった、と。

叩く本人だって無意識下だから、余計に気の毒だと思います……。

◆”熟年離婚”を切り出される夫の3つの特徴

今日も、狙いをしぼった優の一撃「自分の幸せは、自分で決めなさい!」ですよ。

本作のなつ、マコ、イッキュウさんや神っち、マコプロチームには作り手が宿っているのかもしれない。

彼らは怖い。
短絡的な成功でなくて、自分の理論の正しさを証明してこそ、誇りだと思っているのかもしれない。

これは、もう、孔明の罠だ……。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】なつぞら公式HP

 

1 Comment

大阪のおばちゃん

確かに、大阪では飴に「ちゃん」をつけることがおおいです。しかし、飴を持ち歩いていて、周りに配るのはほとんど女性。男性が飴を配るのを私は見たことはありません。私の周りにいなかっただけかもしれませんが。男性が喉飴を持っているのは、自分の調子が悪いときののど飴くらいと思います。

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