スカーレット147話あらすじ感想(3/25)武志を助けたいと言える環境

武志は役場の鳥居に電話しています。

これも大事なことだとは思います。鳥居も、岩崎も、役場の人は上の世代の偉い陶芸家の「センセイ」対処は学んでいる。

けれども、同年代の陶芸家はあるかどうか。

そこで気のおけないつきあいを学ぶことも、若い世代につなぐリレーのバトンになるはずだと思うのです。

喜美子が冷たいだの、なんやかや言われているかもしれませんが、彼女なりの後継者育成の意志も感じます。

川原武志の作品を見て欲しい

武志は、楽しそうに鳥居と電話で話しています。そしてこう言います。

鳥居さんとは会うたことないけど、岩崎さんとは同じ中学だってよ。信楽の規模を感じるで

世界には【六次の隔たり】という概念があるとされています。何もかもが、6ステップ以内で繋がっとるということ。信楽は、6どころか2ステップくらいで繋がりますね。

武志は学と芽ぐみの結婚に「信楽狭っ!」と驚きました。そういう地方あるあるも面白く、また、そういう狭い世間が骨髄ドナーにおいても通じれば素晴らしい話なのです。

ドナー登録の話をこのドラマで知って、それを話して……それが広まれば、助かる人も増えるわけよ。

わたし ドナー登録&骨髄提供を体験しました【スカーレット特別寄稿】

昼食を取りながら、喜美子に電話の内容を報告する武志。お母ちゃんのコネを使わないことで、中学が同じ人を知ることができて、会話も弾んだようです。

「みんなの陶芸展」には、なんと、武志のための一角【ザ・川原武志コーナー】もできるそうです。

「図々しい!」

そういうものの、嬉しそうな喜美子。

「そらそや。無名の作家やもんな」

「まだ作家にもなってへん。そやから見に来るんや」

清々しい親子の会話やなぁ。

陶芸家でプロである以上、実力で勝負する。あの有名なお母ちゃんの隣、かわいそうな息子さんとして横に並ぶ。そうではない何かをつかみました。

昨年を思い出します。
あくまで個人的な意見ですけれども、芸能人にせよ、二世タレント推しはどうかと思っていると書いたんです。

ドラマのニュースで、あの有名人の子孫、先祖が出てくるとやたらとプッシュするのってどうなんでしょうね。

今年の大河『麒麟がくる』にも、ある著名な方のご先祖が主人公の親友役で出ておりますけれども。別にそこはプッシュしなくてもよいというか。あくまでトリビアで十分です。

うちはうち、あの子はあの子

この作品は、同じ技芸を持つ家族ならではの悩みも描いてきました。

夫婦が陶芸家でぶつかることは、見どころだと明言されていました。モチーフのように不倫をしないことが【お堅いNHKだから】だの、【あのカップルのせい】(※時期的にありえない)だの、なんだかんだ言われました。

喜美子の「電話を自分でしろ」と突き放した態度も、冷たいと言われているとか。

そこは考えんとあかん。

彼らは特殊なのです。このドラマでもセリフの中だけとはいえ、息子に陶芸教室はやらせないと言い切る大物のセンセイがいましたよね。

夫のために一歩下がるのか?

自分を曲げてでも、支え【内助の功】の中に収まるのか?

我が子を守るのか? 突き放すのか?

そういう二者択一で、自分は自分、相手は相手と切り離したところに、本作の真髄を見ます。

これは骨髄移植もそうで、たとえ親子でも、型が一致しなければそれまでなのです。

自立とは何か?
そこを考えさせられます。

本作を評してベタベタした【共依存】とまとめた意見も読みましたが、喜美子はむしろ突き放すところはそうする。そこが冷酷と言われがちなところもあると思いますが。

喜美子はここでこう言います。

「大丈夫なん? 味せんでも」

武志は味がわかると言い切ります。わからんでもわかる。食べ慣れたお母ちゃんの味や。お母ちゃんの味思い出しながら食うたらええ。

そう言われ、喜美子はほっとしたような、安堵したような顔になってこう言います。

「ほな残さんでよう食べぇ」

「熱ぅ」

味噌汁を飲んでそう武志は言うのでした。

そうそう、ここでちょっと武志の髪の毛について。

実際に脱毛症になった、あるいは周囲にそういう方がいれば想像ができるかもしれませんが……。

・髪の毛は、抜ける箇所に偏りがある場合もある。全体的に薄くなるかどうかはわからない

 

・そういう場合、スタイリングでカバーできることもある。ただ風で靡くため、屋外だけ対策が必要となることもある

 

・脱毛を知っていて、見てもショックを受けない相手と、そうでない相手との対処は変わってくる

 

・帽子はマナーや状態によって、脱ぎたくなることもある

武志が帽子を被っているか、被っていないか、場面ごとに違うことを「手抜きか!」というツッコミもあるようですが。

それは接している相手、屋内か屋外か、何をしているかによって変わります。当たり前です。

この場面は、喜美子相手で食事中ですので、無帽でもありえる状況ですね。役者さんに脱毛までしろと言うのは、流石に酷かと思います。『麒麟がくる』の太原雪斎のようにスキンヘッドならばむしろやりやすいわけで。

太原雪斎が今川家と義元を躍進させる~黒衣の宰相と呼ばれた参謀僧侶

軍隊の兵士のように、全員坊主が強制されている状況なのに長髪であるとか。

販売する食品調理中なのに、頭巾をかぶらないとか。

そういうあってはならないルール違反とは別物です。

そこを手抜きだのなんだの容易に批判し、あまつさえネットニュースにまでして配信し、そのリンクを投稿すると【思いやりも医療知識もろくにない外道、見舞いに来て欲しくない奴リスト】入りもありえますね。

批判は自由です。ただ、トンチンカンな発言とならぬよう、少しでも考えることで減らせるリスクはあるはずです。

これだけ医療考証がクレジットされたドラマに突っ込む。そんなチャレンジ、私は御免被ります。

ドラマ評ならまだしも、現実にいる病気で苦しむ方にそういうことをしているのではないか……と、懸念すらしてしまう。

『半分、青い。』の鈴愛叩きでもこれは感じたことです。鈴愛だけならまだしも、脚本家の病気を叩くような投稿をする人いましたからね。

心配になります。むろん、ただの憂慮で済めばよい話です。

綺麗な色で、洒落た器

そして役場から、鳥居と岩崎がやってきました。

「先生、こんにちは」

「お忙しいところ、すみません」

二人とも役場の職員らしさは出てきていますが、やはり同年代の武志相手だと、垣根が下がるようなところも見えまして。

彼らの上司である大野課長こと信作は、喜美子を「垣根を超えてくる」と表現しました。そういう人と人の間にある垣根を壊すことを、ずっと描いてきたドラマのように思えます。

工房で鳥居と岩崎はしみじみと、武志の皿を見てこう言います。

「ああ、きれいやな。ええやん……」

「こんな綺麗な色、見たことないです」

「洒落てんなあ。触ってもええですか」

これはええ反応です。

喜美子の作品は、若い人にはわからないと言っていた鳥居。そこを信作は叱ったわけですけれども、一面の真理はあります。

若い世代ならではの感覚がある。喜美子の作品とは違った魅力があります。

欲しくなりますよね。今頃、「朝ドラで見た、青い水の、ああいう皿ありますか?」という問い合わせが信楽に殺到していそう。

それに作風さえ確立できたら、穴窯と違って大量生産できそうでもあります。これは欲しいわ……。

このあと住田も、こうですから。

美術商・住田の評価は?

 

これはなかなかものんやな。

 

売れるんちゃうか。

 

結構な値段つけてもいけそうやな。

 

お母さんの川原喜美子先生より、お父さんの十代田の影響が強いような。

喜美子はこれを聞き、「住田さんのお眼鏡にかなった言うときます」と満足しています。

わかるわ。陶器欲しくなるわ。落ち着いたら滋賀県観光したなるわ。

住田は武志の通院、二週間に一度の診察日のことを聞き、うっかり忘れてしまったと言います。

「こんなええもん見てたら……」

そうなのです。先が短くとも、武志は成長をしている。生きている。感じている。彼には今日というかけがえのない一日があるのです。

ここで、彼女が登場します。

「家庭菜園照子やでぇ〜!」

「家庭菜園照子、久しぶりやな」

孫のお守りで忙しいってよ。

喜美子は展示会の準備中だと告げます。照子は「また行くでぇ。敏春さんと」と返すのですが、住田が「ぜひ来てください!」と言うあたりも細かいなぁ。

ここで喜美子は、これを見て欲しいと言いかけ、やっぱり「みんなの陶芸展」で見せたる、そこで初めて見せたると言い出します。

もったいぶられた感のある照子と一悶着。

「見せろ」「見せない」の押し問答の横で、電話が鳴ります。当たり前のように住田が代わって出るところに、彼の気遣いを感じますね。

相手は直子でした。

「もしもし直子? うんうん、ああドライブな」

喜美子はそう受けております。ああ、直子叔母ちゃんのドライブな。

直子おばちゃんのドライブやで

武志は電気釜で何か焼いています。工房では、真奈が粘土でたこ焼きを作っている。

「うちも作った! 素晴らしいたこ焼きや」

「まんまるにしただけやん」

「心がこもってる!」

「タコ入っとる」

「入ってへん!」

「わかったから、ほらほら」

そう無邪気なやりとりをします。

敢えてベタベタなロマンチックさを出さずに、何気ない会話を切り取る。そんな二人の時間です。真奈は今でも子ども時代の武志よりへたっぴぃですが、そこも可愛らしいのです。職場で花瓶に花を生けることに苦労しているのかも。

そこへ、全身ヒョウ柄の直子が登場します。

って、二度見してもうた、ほんまに全身ヒョウ柄やん。どんだけNHK大阪は頑張って衣装用意しとんねん!

約束通り、愛のドライブです。お節介にもほどがある。なんでも琵琶湖一周するとか。

おっ、ええんか? 大丈夫か? 200キロはあるでぇ(※地点によります)。

結構かかると思いますが、大丈夫でしょうか。

それで真奈も武志も、ちょっと洒落た格好をしていたわけですね。

直子もオシャレや。ヒョウ柄には「元気出したる!」という気合もあると。そういう大阪のおばちゃんへの理解を深める、ええ受信料の使い方やで。ただようわからん派手な服を着たいわけではなくて、元気を出したいのよ。

思い出を味わう

「疲れた〜!」

「ただいま帰りましたぁ」

はい、夜になってドライブ終了やで。

ここで「なんでや!」と思った人は多いはず。私も琵琶湖見たかった! 大丈夫、きっとこのあとあるはずや。

そこは気にせんとみたいのは、疲れ果ててぶっ倒れる関西のおばちゃんやで~。ヒョウ柄でコーデしても、寄る年波には勝てんのよ。いきなりバターっと倒れとるわ。

聞けば、琵琶湖一周どころかそのへんグルグルしていたと武志が語ります。

地図が読めなかったってよ。直子は地図が間違うてるといい、真奈もそれに同意します。うん、二人とも地図を読めんのやな。

これも空間認識とか、そういうことで。喜美子はむしろめっちゃ読めそうな気がする。しょうもない会話から、あったかもしれない未来も見えるわけです。

武志がおっちゃんになったかもしれない、そんな未来も……。

何を食べたのかと聞かれて、真奈はオムライス、武志はグラタン、直子はサンドイッチと答えます。

「洒落たもん食べてんなぁ」

「うん、うまかった、グラタン」

「うん、そらよかった」

親子の何気ない会話です。

母の味ではないならば、何を味わえばよいのでしょう? それはきっと、真奈や直子と過ごすことそのもの。あと熱さ。

「熱っ!」と言っていたことを考えると、熱いグラダンを選ぶあたりに、何かを感じてしまうのです。
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