スカーレット10話 感想あらすじ視聴率(10/10)手渡されたのは信楽の狸

てるちゃん救出作戦

喜美子は心配になって、野山を駆け回っております。
そして神社までやって来るのです。

「見せ物小屋で三味線? そんなのあかん! てるちゃんが、てるちゃんがはよう見つかりますように!」

ここで喜美子は【足による三味線引き】を想像してしまう。

なんでや!
無駄にこんなん実写化する意味ないやろ! 横溝奈帆さんになにすんねん、NHK大阪ぁ!

とまあ、突っ込みますよね。
こういう笑いをやる気らしい。これはもう、期待しかない。

“地味”だのなんだの理解する気のない薄情もんが何か言うとりますけど、気にせんでええんちゃう?

それはさておき、喜美子は真剣です。

「うまく弾けますように」

そう祈ってからその場を離れ、手袋を落としたことに気づくのです。

「あ、手袋!」

そのころ、照子は男にこう叫んでいました。

「やめて、いやや言うてるやん、離して!」

そう逃げようとするものの目の前に赤いものがあります。

「なんやこれ?」

手袋を拾い、捕まってしまう照子です。

「いやや! 離して!」

「てるちゃん、来い!」

ここで喜美子登場。
がんばって構えております。

「なに?」

「てるちゃん、逃げて! ここはええから、逃げて!」

お、おう……。
捨て身で親友を救おうとしてる。

「きみちゃん!」

「とやぁ〜! とやぁ。う〜ん! うちのことはええから! とやぁ、とやぁ!」

頑張って男を投げ飛ばそうとする喜美子。
これには照子も驚いています。

って、この男は、丸熊の陶工でした。

そういうオチか。
なんでも、照子が家出したので、帰るように説得していたんだとか。

和歌子はん……そこは情報共有しましょうや。結果的には、和歌子の勘違いやね。
ズコーッ!

いやいや、何もなくて、何よりでした。

さようなら、草間先生

このあと、喜美子はラジオを聞いています。

「小六女子児童に無理やり連れ回した二十代の男が昨夜逮捕……。詳しい動機を調べています……」

そう告げるわけです。

うーん、さすがはNHKやで。
ええ受信料の使い方してはる。

この時代のアナウンサーの喋り方は独特で、現代とは違います。
それを再現するとなれば、これはプロの仕事です。

本気出してきたね。スタッフのインタビューを読むと、手抜きしない仕事への思いがわかります。

ラジオを聞いて、喜美子はホッとしています。女の子も殴られただけだったって。
うん、まぁ、そりゃね。見世物小屋よりはね。

そう宗一郎に告げると、彼はこう返します。

「殴られただけでも大変なことだよ。きみちゃん、くれぐれも気をつけて、無理しないように」

宗一郎の心配は、わかりますよね。
成人男性相手に柔道は通じないと指導していないのか?とちょっと不安になりましたから。

喜美子のことならば、そこは吹っ飛ばしてでも照子を救いに行ったのかもしれないけど。

「草間さんも気ぃつけて!」

ここでマツがお弁当を持って来ます。

「これ、汽車の中で食べてください」

「白いおにぎり、奮発したなぁ!」

そうそう、この家で白米はまだ贅沢やね。

マツは直子と百合子にも送らせるというものの、寝ているのだからいいと宗一郎は断ります。

外では、慶乃川が宗一郎への餞別として信楽のタヌキを渡します。喜美子は重たくないかと心配していますが、荷物も少ないしうれしいと宗一郎は喜びます。

ジョーは、世話になった直子だけでも起こせといいますが、宗一郎はまた遊びにくるからいいと返します。

慶乃川は春には引退して、草津にいると伝えるのでした。
ん? 草津?

ここで陽子が、信作を連れてお礼を言いにきます。
柔道を習った子供たちの親が、見送りに来ています。

ジョーはこれだ。

「切りないなこれ、いつ終わんねんこれ」

こういうことをしれっというあたり、ジョーカスっぷりがちょっと出ていていいな。
かくして、今回は笑顔で宗一郎を見送ったきみちゃんです。

マツは、手袋をお巡りさんにもらった話をします。ジョーは複雑な顔と言いますか。

「お父ちゃんもほら! ぬくいやろ〜」

「ええなぁ」

「ええなぁ〜!」

「ええなぁ〜!」

娘二人が、真っ赤な手袋で浮かれているのでした。

これがきみちゃん十歳、冬の出来事でした――。

そしてきみちゃんはすくすく育ち、時は飛んで昭和28年(1953年)。

「なんやこれ〜、うわ〜止まらへん、なにこれ楽しい! 止まらへん!」

そう自転車ではしゃぐ。喜美子なのでした。
自転車は信作のもののようです。

信作、また受難の流れなん?

信楽の狸や

慶乃川から宗一郎が渡されたもの。
そう、あのタヌキです。

あのタヌキ。
よく見かけるベタなようで、実態は知っているようで知らんタヌキ。

それが、ちゃんと信楽に根付いていて、観光資源であり、お土産の定番であり、家にも飾ってあるとわかるのはええことですよね。

滋賀出身の新作役・林遣都さんのご実家にもあって、お母様が祈っていると知り、素晴らしいと思いました。

『なつぞら』での北海道木彫り熊といい、この信楽狸といい。
こういう伝統工芸品をピックアップしてこその朝ドラという気がします。

『エール』でも土湯こけしあたりをピックアップしてくださいね。期待してます!

さて、明日からいよいよ、本役ですね。

子役がなにかと話題になっておりましたが、子役がいいのであれば幸先はよいものです。

子役は演技指導や脚本の良さが一番出る鏡。
これから先も、期待は募ります。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
スカーレット/公式サイト

 

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