スカーレット49話あらすじ感想(11/25)二羽の鳥で繋がってますやん!

丸熊陶業社長、急逝す

喜美子は戻るため、八郎はやかんを返すために廊下に出ます。

そこへ加山が来ます。

「緊急事態や、社長が倒れて病院へ……」

なんと……。
さらに西牟田も来てこう言います。

「加山さん、亡くなられたそうです……」

月曜にいきなりだ。
昨夜、フカ先生と飲んだばかりなのに。

大野忠信も電話で訃報を聞き、驚いています。

川原家でも、ジョーを筆頭に驚く。突然の死に大騒ぎや。

しかも、遺言が厄介なものでして。
身内だけでの見送りだそうです。金の無駄だと先代の時に痛感したようです。

曹操の遺言かっ!

しかし、そういう薄葬遺言って遺族からすると困ります。
特に社長、しかも地方を代表する企業のトップとなりますと、困りものです。

香典。花輪。そういうものでステータスシンボルを示さなあかん。地方は葬儀のローカルルールもあるし、これは大波乱の予感がある。

ジョーはやはり戸惑っております。
この場に来ていた信作は、「あかまつ」に集まっておっさんどもが相談すると告げるのです。

ジョーが向かおうとすると、喜美子も行くと言い出します。
即座にジョーが止めます。

「あのな、子どもは引っ込んどけ」

信作も電話番しとけと言われたと返す。
信作はまだええ。うちはマスコットガールや。そうジョーはいうわけです。

喜美子はどうして新聞を知っているのかと疑念を抱き、マツがシラを切ろうとする。
コメディタッチでクスリとできるようで、なかなかえげつない。

信作は部外者であるからには仕方ないにせよ、喜美子は丸熊の従業員で、絵付け火鉢でヒットを飛ばしたわけです。稼ぎ頭や。
そう売り上げに貢献しても「子ども、マスコットガール」ですわ。

皆に飲みすぎないように言われるジョー。
こんな時こそ飲まずにいられんと開き直るジョー。

大黒柱として何かやると見せかけておいて、飲んだくれるだけやんか。

マスコットガールとあしらわれる姉の横で、百合子は理論で説得にかかります。

社長とお父ちゃんは同年代。
人ごとやあらへん。

百合子は「賢くてええ女」になりつつある。
社長のことを話している間、飲み物を静かに出していたのは彼女です。

ジッと話を聞いていて、アドバイスを出してくる。理想的なええ女になってはいる。
直子ではこれができない。本作はそれをひねってきそうですけれども。

信作は、伊賀のお祖母ちゃんのことを語り出します。

五分前までは元気だったのに、出掛けとうとしてそのまま。人ってこんな簡単に亡くなるんやと思いました。そう語ります。
遺体第一発見者は信作で、そのせいで何かを悟ったようです。彼なりに人生の儚さを学んだんやな。

「気ぃつけてな」

「気ぃつけてな」

「気ぃつけてな」

「気ぃつけてな」

そう四人に見送られ、複雑な顔になるジョー。無言の演技が今日もたまらんものがあります。

正直、北村一輝さんがこんなに味のある、おもろいお芝居をするとは予想外で、毎度驚かされます。
今週もええカスっぷりやで、ほんまに。

それはそうとして、怖いものがある場面でもあった。

冠婚葬祭はヒエラルキー、地方の慣習があらわになる場面。
家父長制の家制度がモロに出るから、その問題やえげつないところも出てくる。そういう場面でもあった。

このあと、籠に持った果物を抱えて照子が絵付け工房にやってくる場面になります。

この丸熊陶業務社長死去が、喜美子の人生にも大きな変化をもたらすのです。

なんや、何事や!
月曜から全力ダッシュの第9週の幕開けです。

それが愛やで……

イッキュウさんとなつはない――。
そんな予測が失敗した『なつぞら』でしたが、今回は二度目でわかりやすい気がする。

天陽ルートもありえるとは思いますが。
八郎が最終回まで退場しないかどうか、そこはわからへんけど。あ、ガイドブックの類は見とらんよ。

『なつぞら』では、天陽はなつと絵を通してつながると言った。

喜美子と八郎、絵でつながっとりますやん!

フカ先生と喜美子の鳥の描き方をみてください。喜美子は二羽の鳥から、寄り添って一緒に飛ぶ愛のある姿を連想して描いたわけです。
本人も無意識かもしれないけれども、これは愛やろ。

意匠には意味があります。

鶴と亀が描かれていたら、
「おっ、めでたいんやな」
と連想するのはそういうことです。

おしどり夫婦という言葉がある。生物学的にみて、別にそこまでラブラブでもないらしい。
それでも、おしどりがいると人間はええ夫婦やな〜と思って生きてきた。

二羽の鳥は、夫婦でなくてきょうだいや友達同士、たまたま隣にいただけかもしれないけれど。

それをどう解釈するか?
そこに何を込めるか?
それによって深層心理が見えてしまうわけですよ。

きみちゃん、この二羽の鳥。
これは愛やろ。

じゃあ喜美子はどのへんが好きになったのか?
やかんのこと?

そうではなくて、絵を描いていた段階で八郎にぐっとくる何かがあった。
フカ先生へ語る姿に、何か惹かれるものがあったのでしょう。

わかりにくいっちゃそうです。
あのミッコーでウザ絡みをされて、本当に嫌そうではあった。

時系列を整理しましょう。

八郎「ミッコーってなんですのん!」

喜美子(ウザっ……)

八郎「先生の絵を売りました!」

喜美子、絵を描く→おっ?

八郎、やかんを運ぶ

喜美子が絵を渡し、八郎が感謝する

喜美子は、八郎の精神性と本質を見抜いた。
そしてこれは、幼少期から喜美子の能力でもある。

幼い喜美子は、草間宗一郎から柔道を習いたいと言い、彼を救う役割を果たしました。
投げ飛ばしたい、かっこいい。
そんな思いが起点でも、彼女は精神性を習ったのです。

喜美子は、初日で大久保の食事は彼女にしか作れないと見抜き語りました。
その瞬間、大久保は喜美子を認めてしまっていた。

喜美子が他の会社で絵付けを習うことではなく、フカ先生でないとあかんと決めたのは、彼の話を聞いてその精神性に感激したからこそ。

公式サイトで「どこか謎めいたところのある」と書かれる八郎。
色々とめんどくさいことは、今日の放送回でも結構わかったかと思います。

そういうめんどくささをくぐり抜けて、いろいろあったなつよりもストレートにたどり着きそうな喜美子。

結婚はゴールではなくむしろスタート。
となると、結婚後が揉めそうで不安になってきますが、このまま結婚ロード邁進ではないかと思うのです。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
スカーレット/公式サイト

 

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