スカーレット72話あらすじ感想(12/21)待てあわてるな これはNHK大阪の……

予定外のこと

そうは言うても、かすがいはある。
子や。予定と違って、男児一名が生まれておりました。

さらに予定外だったのは、長距離運転の無理がたたって、ジョーの調子がすぐれないこと。足首の捻挫のようなわかりやすいことではなくて、もっと深刻な病、かつ早期発見できなかったようです。

おお、もぅ……増築はできたけれども、結果、失敗や。だからサプライズはやめておけと。

何度でも言う。
北海道でこう言うことをするとヒグマや気象条件が危ないし、牧場経営は無理だから柴田泰樹はやらんのじゃ。ジョータイプが開拓民だったらどうなっていたことか。

ジョーがむしろ帰還兵というのが、すごいとじわじわと思えてきた。

あの性格で、後遺症なしで戻ってきた柴田剛男もすごいけど。被害範囲がジョー1人ならまあ、マシかもしれん。

増築の借金がまだ残っていて、あいかわらず貧乏な川原家です。って、あかん!
百合子は短大を諦め、食品卸会社で納品の仕事をしています。

地獄かッッッ!
どういう地獄や!
喜美子も直子も、学費出す言うとったやん!

そこも辛いけど、それだけではない。食品卸会社の納品というのも、キツい話だと思う。
醤油、酒、油、米……重たいからね。

「男は大変やで。女は言うても重いもん男に運ばせるやろ」
というのは大嘘。

重たい食料品を運ぶ。育児。介護。全部体力勝負です。
そんなもん最近のことでもなくて、道路工事をする女性なんておりましたよね。いないと言い切るなら、偏見でしょう。

※『ヨイトマケの唄』でも聞いとけや

まぁ「カフェサニー」でこう言われるからマシに思えますけど。

「コーヒー飲んでいき」

大野一家とは、まさしく地獄に仏です。

これは想定内やろ ノートに書かれてないか

その大野家の信作は相変わらずでして。
「あかまつ」で何人目かわからん女相手にこれですわ。

またはっきりしろと迫られるわけよ。

「8:2、9:1で好きや」

「嘘や!」

いい加減、割合で答えるのをやめろよ、と。
信作は、幼なじみトリオで一番最初に結婚するとドヤ顔しておりました。それがこれですから、最高のボケだとは思う。

林遣都さんをどうするつもりや……。
朝ドラでヒロインの幼なじみだと聞いて引き受けて、顔面に水かけられまくるて、おかしいやろ!

ええよ、ええよぉ! もっとやりましょう!

ちや子は残念がる

ここで、川原家に懐かしいあの人が訪ねて来ます。
ちや子です。

琵琶湖大橋関連の取材が今日で終わりなんだってよ。
この橋は劇中の前年に開通しておりますね。

寂しくなるなぁ。そう語られますが、私もそう思います。

次の取材はまだ決まっていないそうです。
陶芸家・川原八郎密着取材、丸裸にするかぁ〜! と冗談半分でオラつくちや子ですが。

うーん、これはどこまで冗談やろ?
いや、八郎を現実に丸裸にしたい、そういうゲスな放送事故めいた話でなくて。

ここで、川原夫妻の子・武志が粘土で遊んでこう言います。

「見て〜、いちごケーキ」

「おぉ、すごいなあ! そしたらお父さんみたいに飾ったらええやん。武志の作品や」

「おおそれはええなぁ」

「はい、いっといで」

彼は二月上旬には、伊藤健太郎さんに交代するわけです。

【役柄紹介】

喜美子の長男。母親の喜美子のことを心の中で尊敬している。工房に出入りして育ち、常に陶芸が身近にあったが、将来進む道については迷っている。明るく優しい性格。ひょうきんな一面も。

と、あります。父でなく、母を尊敬していると。

ちや子はこう言います。

「一年で随分しっかりするもんやなあ」

「そうですか」

ちや子は結婚していないし、子どももいない。そうではないとセリフでわかりますね。
そして、こう伺うのです。きみちゃんも、そろそろ自分の作品を作らないのか?と。

育児が落ち着いたことをふまえてでしょうけれども。
喜美子は笑い飛ばす。
そんな時間ない、皿を百枚作って洗濯機を買えた。当時、革命的だった二槽式ですかね。

五年前と違い、大量に作れるようにはなった。
けれども、引っかかる。

橘の話と比較して、利益はどうなのでしょうか?
あの話を引き受けていれば、洗濯機どころではなかったのでは?
そう考えてしまうし。

八郎は一個五万じゃない。
その穴埋めを、喜美子がしているように思える。

これはあれやな、そろそろ熱い掌返し待機や。

既視感がある。

放送事故で「ダーリンは発明家ですぅ〜」とヒロインが言い、夫が自宅でなんかしている間に喫茶店で働いていた構図だ。

あれは喫茶店の客席でダラダラできるくらいふざけた態度だったし、パートなのに一家を楽々養える高給だったとしか思えない、デタラメそのものだったんですが。

喜美子がそんなはずはない……。
狙いに狙ってボディブローすんのやめて!

喜美子は、今の仕事にやりがいを感じているし、十分満足しているとは言い切る。
八郎も、一応は自分の作品を作ったらええと促したとは言う。

ちや子は、八郎よりすごいもん作るかもしれないと返すのです。

そしてこうだ。

「男にかなわん才能あって欲しい言う、同性としての希望やな。ほな、そろそろ行くわ」

またキッツイことを言う……。

「はい、お元気で!」

「きみちゃんもな、八郎さんもな。琵琶湖大橋渡ってな。まだやろ?」

「武志、さいならは?」

「さいなら!」

かくしてちや子が去る。
息子に手を拭かせて、片付けをする喜美子。八郎がやるとは言うものの、昨日やってもらったし自分がやると言う。

ここで八郎は息子を風呂に入れると言うから、救われる気がするのですが。

粘土をしまって蓋を閉める喜美子。
別にいらないような場面で、ちょっと怖い。

不満に蓋を閉めて、とりあえず忘れとこ。
でも、缶カンの中に粘土は溜まる。

心にも、不満は溜まるんやで。

独身時代、喜美子はちや子の前で本音を打ち明け、絵を描きたかったと泣き出しました。
今はもうそれができない。

そして、来週にはちや子が紹介した学校の講師、ええ方のジョージことジョージ富士川が再登場する。

波乱の予感がしてきたで!

待てあわてるな これはNHK大阪の罠……

朝ドラを見ていて、本気で気持ち悪くなった。
しばらくは、アベック(死語)になりそうな信作と百合子のことでも考えるしかないかも。

一昨年と昨年の放送事故は、ここまで現場崩壊したのかというウンザリ感があるので、真逆です。

週の前半で、キスで盛り上げておいて。
なんだか嫌な予感を持ち出して、地獄に蹴り落とされたよう。

まだ、本格的な地獄ではないけれども、なんかこう、引っ張られていく予感があってつらい。

冷静に考えてみよう。
どこから地獄が始まったのか?

・コーヒー茶碗で明らかになる、八郎のあかんところ

→結構細かく指摘してきた気がする。手放しで褒められない人物だと思う。
コーヒー茶碗関連のやらかしは、クリエイターとしてのピュアなところだと褒めるネットニュースが多いけれども。
あかんと思うし、キスでミスリードしているのか?とは思った。

・「僕も男やで……」

→めおとノートの回からあかんと思ったんですけれども。八郎のセリフで一番引っかかったのが、キスの前のこれでした。
八郎は家事をする。男や、女や。そういうことにこだわらないタイプだとは描かれてきているけれども、それでもこういうことを言ってしまう。

別の状況でこのセリフが出たら、最悪の展開になりそうで。
このドラマは繰り返すことで強調や反転させる地獄みのある傾向があるわけですよ。

ジョーのハッスルゆえの体調を壊す展開も、二度目が重大深刻になったわけですし、同じセリフが地獄みを帯びて出てきそうで怖い。

浮気でも、これ使えますよね。
男だから性欲があるという意味で、喜美子以外に使われたらものすごい地獄になる……。

・照子は言っていた。子どもができると夫婦は変わると

→あれもなんらかの伏線に思えてきます。

・いつ子と百合子の受け止め方

→コーヒー茶碗のやり取りで、川原家と十代田の反応が違う。
百合子は喜ぶ一方で、いつ子はそもそも陶芸家ではないはずだと不信感を見せます。

いつ子は敵に回すと恐ろしいタイプかもしれない……強そうなんよ!

・ホットケーキが出てきたわけですが

→パフェじゃない。
「カフェサニー」の新メニューはパフェでもいちごケーキでもなく、ミッコー記事のデマで八郎が混乱した、あのホットケーキです。

八郎は、女だからと取り上げるような報道に混乱して怒っているようにすら思えた。

フカ先生に対して喜美子は失礼だという意見にも思える。
このフカ先生を、自分に置き換えて「女だからチヤホヤされる喜美子はなんやねん!」となったらまさしく地獄一直線です。

・八郎の顔が怖い

→松下洸平さんをブレイクさせたる! そういう気合いは感じるわけです。
でも、キスを迫る天使ではあかん。ディーン・フジオカさんと同じでは二番煎じですよ。
それにあれは、役者の人気に引きずられて延命して、作品の質そのものは落としたあかん側面もあるわけでして。

それに、それやと『なつぞら』の天陽やん?
ええ夫路線でも、イッキュウさんがおるし。

よっしゃ、ここは地獄みのある演技みせたろ!
……みたいなことを考えてませんか?

今日の喜美子の横でムッとしている松下さんの演技がうますぎて、目眩がしてきたんですけど。

北村一輝さんの指導を受けているそうですし。
数年後、そういう映画で冷酷なアサシンを演じていても、驚かんよ……。

・仏の大野一家は聞いていた……

→あのコーヒー茶碗の交渉が「カフェサニー」であったこと。
そして一部始終を大野家が聞いていたこと。
大野家は、いつも川原家を助ける仏です。無意味にあそこで三人が映されたとも思えない。

・ちや子の懸念

→ちや子は喜美子の本心を引き出す、そういう存在です。
彼女は、喜美子が抱えるモヤモヤしたものを、彼女以上に感じているのかもしれない。いや、そうやろ。

・ジョーはいつも間違っているとも限らへん

→言動の八割ぐらいが間違い。柴田泰樹と比較するだけで悲哀を感じるジョーですが、泰樹がなつがらみで失敗したのとは逆で、ジョーは喜美子、特に創造性では正解を出すことがあります。

フカ先生が、喜美子はすぐ絵付け師を辞めると言った時、ジョーが反論したからこそ、喜美子は絵付け師になれたのです。
ジョーは金に目がくらんだいつものアレやと思わせるような反応で、もっと別の親の愛もあるかもしれないわけですし、ここはジョーが正しいと思える。

ジョーの出番は、もうこの先ないわけです。
ジョーが最後にええことをして、仏の笑顔で昇天する。そういうわけわからんVFXが出てきても、本作なら許せる気がする。草間に投げられた借金取りがすっ飛んでいったことだし。

そのええことって?
二度繰り返す本作ですから、八郎鉄拳制裁かもしれへんよ。体力ないけどさ。百合子がらみで信作には向かわんでええから。

『なつぞら』が諸葛孔明なら『スカーレット』は司馬仲達かな?
なんかどっちも怖いし、レビューしていておそろしいのですが。

こっちの方が、正直、あかん気がしてきた……。
全員まとめて地獄に落とす系の、確固たる意志を感じる。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
スカーレット/公式サイト

 

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