スカーレット114話あらすじ感想(2/15)親父のバナナ

アンリは、花をいける花瓶を喜美子に頼みます。

喜美子はアンリの手をみて、そのサイズをはかる。絵付けは任せるとのこと。

いつもこういうオーダーメイドをするのかと聞かれ、たまにすると答えます。

そのうえでアンリは5万の花瓶を買うと言い出すのでした。

アンリと喜美子

喜美子は、動揺しています。

アンリが気に障るようなこと言ったのかと考え、5万では安いのかと気づきます。あたった、あたりやな。そうはしゃぐアンリに、喜美子はキッパリと否定します。

5万は安くない。高い。お米どんだけ買えるか。うちやったら一人やし、半年もつくらい買える。喜美子はそう言います。

人気の陶芸家となった今、どれほど財産があるのかはわかりません。

けれども、衣食住は地味。うわついたところがまるでない。先生だと気取るわけでもない。浮世離れした人になりつつあります。武志にしたって、もう何かなければお金はかかりません。

ここでアンリは、美味しいワインを飲んだことあるかと聞いてきます。

ワイン?
喜美子はピンときていない。

美味しいものをどうやって作ってはるのかとアンリは考える。どういう人が作っているのか? そう考えてしまう。

陶器を作った先生のこと。どんな人やろ。そう思うているところ。知的好奇心が疼いている!

そう言い、指先で喜美子そのものを聞こうとします。

「なんやドス黒いメロディが聞こえるな」

喜美子は、ドス黒いは否定しつつ、いやぁなんやすごいなぁと思うていると言います。

おそらく本音でしょう。住田の値段の付け方は「相場」を気にしておりました。

住田は恩人、購入者もお客様。お客様は神様だから、反論はできないもの。本当に好きで評価しているのか。こうなるとわからなくなってしまう。

作品が本当に好きなのか?
何に対してお金が払われるのか?

そういう疑念を喜美子が抱いてもおかしくはない。

喜美子は、自分の作り出すものの価値が変遷するところを実感してきた。

草間が評価した絵を、ジョーは金にならんと一蹴する。

中学で金賞を獲得した絵。その製作過程を知る信作は感心したもの。フカ先生の兄弟子からはもっとすごい賞歴を持ち出されて、口を閉ざされる。

荒木荘でペン立て作りをしていると、大久保からそんなことより金になる内職をしろと勧められる。

絵付け火鉢は、マスコットガールミッコーの宣伝で売れた。

「陶芸好きのただのおばちゃん」そして「陶芸家・川原八郎の妻」から、穴窯の先生になる。

宣伝の仕方で価値が変わること。その虚しさを喜美子はわかっているはず。陶芸あっての生活だとは思う。それでも何か引っかかっているのでしょう。

喜美子は、いつも展示会でうちの作品を買うてくれる方は、お金があってすごいと思うと言います。

うちとは違う人生を生きてきはった方や。そう語る喜美子は、中卒のおばちゃんということもあるかもしれない。過去、そう言ったこともある。喜美子は黙ってはいるけれど、そのことを自覚していないとも思えないのです。

違う人生?
そこにアンリは反応します。

「おもろいやん。違う人生を生きてきて、交わることのなかった人間が、こうやって先生の作品によって出会うんやで。先生の作品がなかったら、うちは今ここにおらん」

芸術品は、見知らぬ人同士の人生を引き寄せる。美しい二人の人生が、交錯している。

美しいかどうか。そう苦笑しつつ、喜美子はうれしそうではあるのです。

お子さんのことをアンリは話します。雑誌で見たとか。

喜美子はホットケーキが好きと書かれていなかったかと、苦笑しています。あんまり当てにならないとそのうえで言うのです。

生々しいといいますか。本作の「脚本家と主演が衝突」という、いい加減な記事が出た後だと、余計にそう思えます。

NHKだって、作り手だって、そりゃいろんな記事をみて、「これはちゃうやろ」と突っ込んでいるんでしょうね。

ご主人が亡くなったと言い出したアンリに、八郎は名古屋で元気に暮らしていると訂正を入れる喜美子。息子もアパートを借りて元気に暮らしてます。そう言い切ります。

「ああ、ほんで先生一人なんやな。うちも一人や、今は独りぼっちや」

そうしんみりと言うと、ええことを思いついたと言い、日が暮れるまでに絶対戻ってくると、黄色いショールを残して出て行くのでした。

喜美子はそのまま待ちます。
夕食も食べる。そして朝になっても、アンリは戻ってきませんでした。

敏春、スーツにバナナをしまう

信楽窯業研究所では、掛井が電話を受けてびっくりしています。

「ええええ〜〜〜!」

電話を受け取ったのは、真奈という女性事務員でした。

病院にいる掛井の奥さんからかかってきて、呼びに行ったらあの調子だと武志に説明。掛井に事情を尋ねると、深刻な表情を浮かべます。

「そやねん。具合が悪い言うてな、病院行ってんねん」

そして、おめでたが判明したのでした。それであんなに喜んでいたんですね、おめでとうございます! ここは喜美子の作品で出産祝いでも。

廊下には、バナナを持った敏春がウロウロしておりました。バナナて……菓子折ではいかんのか?

彼の目線の先には、竜也がおります。粘土をこねる我が子を見守っているのです。

「こうですか?」

「ああそうや」

ここで、小栗と榊という男たちが竜也をからかいます。丸熊陶業の後継は、土触らんでもええ。たくさんおる陶工に作らせたらええ、だってよ。

掛井はここで熱血指導や。

「上に立つ人間だったら、陶芸のことは何も知らんとあとは継がれへんがな。なあ、みんなで丸熊陶業の後継ぎ、育てようやないか!」

「ほな教えようか」

「コツがあんねん」

「よろしゅうおねがいします」

これは泣いてまうかもしれん――そう言いたくなるほどの名台詞ではありませんか。

二位の永山は廃業したものの、一位の丸熊は健在。そしてその後継者が、こうして地元に根付いてこそ、続いていくと思える。熱い場面でした。

こういうの昨年も見たかったんやけどな……。大学で何したのかようわからん、言動の端々から性格と頭の悪さが伝わってくる。ともかく親父がスゴイと言い張るだけの二代目。そういう昨年にあった食品業界の劉禅よ……。

と、思っとったら敏春が先にすすり泣いてたわ。そらそうよ。

武志が敏春を見つけます。どういう会話をしたのか、バナナを持って室内に入る武志です。

なんだそれはと聞かれると、そこに落ちていたと言います。

「竜也、あとで食べようか」

「バナナ好物なんか?」

「親父の好物です」

この短い会話で、親子関係がわかるといいますか。

敏春
俺も好きやし、バナナ喜ぶやろなぁ。せやけど見守ってたとわかるの恥ずかしいし、あいつも独り立ちしたいやろし……
竜也
なんや親父思い出すわ。もしかして?

敏春は、すすり泣きしながらバナナを食べて(自分の分を残しといたんか!)、スーツにバナナの皮を入れる(汚れんのか?)。あまりにツッコミどころが多い、そんな父の姿を見せます。

笑えばいいのか、泣けばええのか。困るわこんなん。

不良更生物語に父子の愛情まで入れ込む、欲張りなドラマやで。

本田大輔さんの人気上昇中なのか、2月20日『あさイチ』にも出るそうです。本田さんの一皮剥ける出世作になったんちゃうか。若い有能な社長ぶりもカッコ良かったけれど、おっちゃんになってからの魅力も炸裂してます。

役者を育てるええドラマやで、ほんまに!

実はすごい男・住田

川原家で、住田が電話をしています。

小池家に電話して、実家に戻ったらご一報くださいと頼んでおります。そういえば、喜美子って最近こういう電話しとらんなぁ。

勤めることもない。PTAからも解放された。
それでドンと座り、電話をぶん投げた喜美子は武将感が半端ない。そういう世の雑事は任せる。そんな風格がある。

男性ならともかく、女性でこういう造形はおもしろいと思う。
※続きは次ページへ

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