【編集部より】
本日、武井風太(濱田岳さん)のモデル・林正之助さんの記事をアップしました。
てんのモデル・吉本せいさんと共に吉本興業を大きくされた実弟で、平成まで君臨したまさにお笑い界のドン。
現代のお笑いに対する影響は、創業者の吉本せいさんより大きいでしょう(平成3年、92才で没)。
風太が、しきりに「アホ!アホ!」言って怒鳴り散らしてるのも、もしかしたら正之助さんが「ライオン」とか「重爆撃機」等と言われたからかもしれません。まぁ、ドラマの中の粗暴な態度は少々行き過ぎかもしれませんが……。
ドラマ補完のため、よろしければご覧ください!
【本文】
昭和9年(1934年)、お笑い興業元「北村笑店」。
女社長の北村てんは、売れっ子女優のリリコを漫才師として売り出すことにしました。
しかし、肝心の相方がおりません。
一同は必死になって探し始めるのですが……。
リリコと四郎の出会いは音を外して決裂やで
リリコの相方候補として、栞が四郎なるアコーディオン奏者を連れて来ました。
トーキー映画のせいで仕事を失った楽士だそうです。
知ってた。昨日ぶつかった時点で四郎が来るってわかってた。なめとんか、いや、もうしゃあないか。
四郎のアコーディオン演奏に、リリコ以外のてん、トキ、歌子、楓は感心します。
しかし、楓がなんだか切ないキャラになっていまして。
「美男は三日で飽きるというけど、音楽の感動は一生もんや」
とかなんとか……。
比較対象にしてもなんじゃそりゃですし、面白くもないですし、滑っているネタをドヤ顔で「私頭いいんです!」とひけらかす臭が漂っている気が。考え過ぎ?
博識才女でちょっと生意気なキャラは、『ひよっこ』豊子の劣化コピーにも見えてしまいます。豊子は賢そうでチャーミングにも見えましたけど、楓は……。
ここでリリコは突然文句を付けはじめます。
「何もかも嫌なんや! 音かて外してた!」
むむー!
あの凄い演奏で、音が外れていたってよくわかりましたね。
フジテレビの『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』という番組で、音大出身などピアノ自慢の芸能人が演奏されてますが、私のようなシロウトにはちょっとした間違いは全くわかりません。
リリコ、音大生あるいは演奏家並の耳を持っていたのかぁ、と普通に感心してしまいました。
ただし、四郎はリリコの態度の悪さに腹を立て、決裂してしまいます。なんだかなあ。
こういうところが文化祭
風太はそれみたことか、とダメ出し。
あぁ、もぅ、こういうところが文化祭なんですよね(´・ω・`)
専務だったら、社長の計画がうまくいかなかったら同じく悔しがるか、あるいは
「ほな、こっちでリリコと組めそうな奴見つけてきまひょ」
ぐらい考えるのが当然じゃないでしょうか。
むろんてんも、たとえ風太にそう言われても、
「いや、これは私の問題。まだクチを出さんといて」
とか意地を見せる、そういう流れではダメなの?
風鳥亭では、キースとアサリが稽古中です。
これが売れっ子なのかぁorz
2人を見ると、漫才・話芸の一流どころがいかに凄いのかってわかりますね。それが一番の収穫かもしれません。
そこに楓が来て喧嘩を売るような態度を取ります。
キースとアサリが楓に反論し、アサリが「女子に負けたら笑いもの」とかなんとか……と、そこで楓がブチギレ! 更にきついセリフでキースとアサリに襲いかかります。
やっぱりここも文化祭ですよね。
「女を馬鹿にする男に言い返してスッキリ! 女子の皆さん、共感してね♥」
ということ?
いくら新聞記者の経験があっても、新入社員の楓が、北村笑店の売れっ子芸人に、こんなズケズケと言い返せるわけないじゃない。
世の労働者の皆さんが、理不尽なパワハラセクハラにもニッコリ笑顔で堪えて言い返せず、あとで愚痴るしかないのは、立場上言い返せないからでしょうに。
というか、楓は最初から喧嘩腰なんですよね。バランス感覚を欠いた危ない人に見えなくもない。
そもそもシナリオを作るのが仕事なので、早く文芸部に戻られた方が……。
「ひゃ~奇遇やわあ!」
トキが食事を作る背後で、飛鳥が遊んでいます。
また働く母親のせいで子供がいなくなるパターン?
栞は万々亭で四郎に食事を奢っています。
困窮しているせいか、がっつく四郎。そこへてんとリリコがやってきます。
「ひゃ~奇遇やわあ!」
おい。おいおいおい。
ボケてるのかマジなのか、一瞬よくわからない、このてんの「ひゃ~」リアクション。さすがにどうなんでしょう。
ここでもう一度、リリコと四郎が顔を合わせます。
なぜ2人の組み合わせにこだわるのか。その理由は特に見当たらないんですが、ともかく四郎が再び演奏すると、リリコが得意げに語り出します。
アコーディオンは修理したんやな、と。
リリコは、【素人だからわからないだろうと調律が狂ったまま演奏していたこと】に腹を立てていたようです。
相変わらず凄い耳です。
調律が狂っていた、ということは、ドコか鍵盤の音が少しズレていたということになります。
一つなのか、二つなのか、それとも全体なのか。わかりませんが、いずれにせよ演奏のミスではなかった。
となると、最初に演奏したシーンと、後の演奏シーン、本当に音のズレている鍵盤があるのか。
演奏家の方に聞いていただき、確認してみたくなりました。
いや、リリコの音感を疑うのではなく、制作スタッフがそこまで凝っていたとしたら、単純に凄いなぁ、と(なぜ、そこにだけこだわるのか、意味不明ではありますが)。
Web上でそんな報告を見かけましたらご一報いただければm(_ _)m
亀井のワンマンショーに引き込まれ
四郎が怒り出すと、てんが「リリコさんは口は悪いけど、性格はいい人です!」とフォロー。うーん、それはどうかなぁ。
仕方なく、てんは亀井に相談します。
ここからはもう亀井さんのワンマンショーです。
亀井はリリコと四郎を呼び出し、目の前に支度金を積み上げます。
最初からそうしろと思うんですけど、ここで臭い台詞をして泣き落とし、てん、トキ、楓らも泣き出すふりをします。
リリコは困惑し、偉そうな態度で我慢してやると言い出します。
四郎も金を掴まされて、断れない状況になったのでした。
亀井さん、やっぱりうまかったですね。
話を始めたとき、思わず引き込まれてしまいました。
今日のマトメ「ラブシーン、嫌だとゴネてたやん」
今更ですが、何がなにやら……なぜ女優とアコーディオン奏者で漫才コンビにするのか、疑問符だらけです。
モデルとなったミスワカナ・玉松一郎のキャリアを、つまみ食いするみたいに持ってくるからこうなったのでしょう。
ちなみにリリコのモデルとなったミスワカナは明治43年(1910年)生まれ。
てんのモデルとなった吉本せいは明治22年(1889年)生まれ。
この二人を同年代にしている時点で無理があります。
何より痛いのは、これまでリリコの人物像をきっちり作り上げてなかったことではないでしょうか?
制作側は、リリコはプロ意識が高い――という前提で作っているのだと思います。
乙女組の指導でも厳しいダメ出しをしていました。
ただ……肝心の、本人のシゴトで見せたプロ意識が皆無なんですよ(´・ω・`)
契約の話をしに来た栞に水ぶっかけたり、ラブシーンを演じたくないとダダをこねたり、そんなシーンばっかり。
これのドコがプロ?
美という才能だけで本人は努力をしない、単なるワガママな人という印象が拭えないのです。
だから、てんのベタなフォロー「口は悪いけど性格はいい」というのも嘘にしか思えない。
前述しましたが、楓も残念なキャラになっちゃって。
変な男女対立軸最大の犠牲者の気がします。
救いは亀井さん演じる内場勝則さんの名演技のみでした。
ベテラン、芸達者におんぶにだっこしているドラマです……。
著:武者震之助
絵:小久ヒロ
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【参考】
NHK公式サイト
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