わろてんか107話あらすじ感想(2/8)しゃべくらない漫才はアリかナシか

女性のための女性が作る漫才。
そのためにリリコとシローを売り出したいてんは、なかなか喋りの上達しない四郎を見て、作戦を思いつきます。

「シローを一切喋らせない漫才」

アワアワとセリフが出てこない四郎が面白かった――そこから着想した奇策です。
さて、どうなるのでしょうか。

 

その提案、デリカシーなさすぎでは?

てんの「しゃべくらない漫才」提案にドン引きするリリコとシローの二人。
必死で稽古しているのをちゃぶ台ひっくり返すわけですからね。そりゃあ、当然の反応でしょう。

「観客が笑ったのは、何も言えない四郎がおもしろかったから」
「とまどう姿が可愛らしかったから」
というてんと楓の言葉に、四郎は傷ついた顔をします。

アワワワワ><;

見ている私がハラハラしてきてしまいました。
なぜにこうも、どストレートにダメ出しするんですかね。
傷ついて当然です。

例えば少しずつ、シローのセリフを減らしてみたり、あるいは「わざと戸惑う」リアクションを混ぜていったらどうなんでしょう?
これなら「笑われてる」のではなく、あくまで「ボケてる」という方向に考えられる気がします。
毎日、高座に上がっているのですから、ちょっとの変化なら取り入れられるでしょう。

それで実際に、観客から笑いの反応が起きてくれば、本人たちも初めてそっちに進んだ方が良さそうだなぁ……と思うのではないでしょうか。
成功体験からの方向転換のほうがプラス思考で取り組めると思います。

一つ驚きなのが、こうしたデリカシーのない発言をしているおてんちゃんが、笑顔の優しいごりょんさん扱いというところでして。
今回の唐突な打診は、さすがに無神経だったのでは?

一応、あとで悪かったと頭を下げますが、四郎は悲壮感すら漂わせ、台詞覚えに熱中します。

 

キースとアサリの顔饅頭に風太もYES

楓は、リリコと四郎の許可を得ないまま、「しゃべらない漫才」に脚本を書き換えようとしています。
なんだか彼女も悪化してきたなぁ。登場直後のツンツンしたまま藤吉の元許嫁として退場できたらよかったものを。

隼也は、キースとアサリの顔がプリントされた紅白饅頭を試作して、風太に見せます。
さしもの風太もこのアイデアは気に入ったようです。
箱に印刷するのかと思ったら、饅頭に直接だったんですね。

リリコと四郎は高座にあがっていますが、やっぱり客の反応はイマイチ。それでも努力を重ねる四郎はエライと思います。
四郎はともかく熱心なのです。
今までこういう稽古熱心な芸人の場面がなかったから、なんか新鮮(それってどういうこっちゃねん)。

その様子を見たきた風太に、四郎は「しゃべらん漫才」を持ちかけられたと怒りながら話します。

風太は「社長はそんな人やない」、とフォロー。

いやいやいや。あの社長は、何の悪意もなくそういうことをしれっと言うから、余計にタチが悪いんですね。
ヘタすりゃ、シローの方が「意固地なヤツ」とでも描写されかねない。

 

夫婦ゲンカのような、夫婦の掛け合いなのか

風太は、四郎のことを話して、てんをたしなめます。

ここでの風太は正論かなぁとも思うのですが、「女の道楽」という一言に妻のトキが過剰反応。
怒鳴り散らすのですが、この二人のイライラケンカップルを見て、てんも隼也もおもしろいと評価をするのです。

うーーーーーーーーん???

正直、私は、風太とトキを見て
『こんなところで止めてぇ><;』
と思ってしまいました。

ガチの夫婦ゲンカなのか。
それとも、夫婦ゲンカのような、夫婦の掛け合いなのか。

掛け合いだったら面白くなるかもしれませんが、今回はどうだったか?

と考えますと(本当はこんなこと考えたくもないのですが)、トキの怒った理由が、風太の「女の道楽発言」からだったので、私には彼女の怒りがマジだと思いました。
なので、なんだか笑えない。
だってドラマの中でトキたちが大切にしている「女たちで作る漫才」を男女差別で否定されたら、そりゃあ怒るでしょうに。

なので、この夫婦ゲンカを見て
「オモロイ!」
という方は、私とは感覚が違うとしか……(´・ω・`)

 

リリコはあっさり陥落 しかし四郎は……

てんは、改めてリリコを呼び出し、頭を下げて謝ります。

「けど、うちはいい加減な気持ちで言うたんやない。ほんまに新しい漫才ができると思うんや。“しゃべらん漫才”」
だからその思考自体が失礼なんですよってば。

どんなものになるかわからないけど、信じて任せろと言う社長。プレゼンという概念はこの世界には存在しないんでしょうか。

あるいは漫才の台本に少し変化を織り交ぜて、観客の反応を見てみればいいじゃない?
なぜそれを提案すらせず、いきなりゼロから押し切ろうとするのか

ともかく頼み込む――そんなスキルを藤吉から継承しちゃったようですね……。

しかし、もう今日は木曜日です。
残り日数からして、揉めている時間はありませんYO!

と思ったら、リリコはあっさり陥落し、四郎の説得に乗り出します。

四郎はここで、リリコが金を貯めてドイツに行けると言ったため、かえって傷ついてしまいます。
せっかく芸と向き合ってきたのに、きみまで金目当てと思っていたのかと言い出します。

そして四郎、ドラマチックなBGMを背景に解散宣言!
まあ、土曜日までには大成功なんでしょうけど……。

 

今日のマトメ「てん唯一のセンスが痛々しい」

昨日、人が言葉に詰まって焦る姿を面白いというのは低レベル、炎上YouTuberレベルと書きました。
情けないことに、てんが笑える理由を説明したのって、この四郎のアワアワだけなんですよね。全然センスがない……。

今まで、明治大正昭和にあわせた世相の変化もろくに追わず、日本の伝統的な笑いもつまみ食いするだけ。
主人公の成長もやらないで、そしてやっと自分のセンスとして見つけてきたのが「言葉が出てこなくて困る姿」。

ここ数週間を考えてみれば、このドラマって「しゃべらない漫才」どころか「しゃべらないヒロイン」だったと思いますよ。

最愛の夫の死に際しても短い相槌を打つだけでした。
今週の展開は、そんな今までの展開への当てこすりか嫌味のようにも思えてきてしまうのです。

「敢えてしゃべらん朝ドラヒロイン、どうやろ?」
なんて考えていたのかなぁ、と。

それと、こんな記事を見て、イラ立ちすら感じたのですが……。

NHK朝ドラ『わろてんか』、松坂桃李は“疫病神”? 藤吉の死後に視聴率が急上昇

松坂さんは被害者でしょう。

彼は『梅ちゃん先生』では人気ありましたからね。
『わろてんか』では、むしろ松坂さんを浪費したようなものです。伊能栞は今もムダに削られてますけど。

藤吉の死で視聴率があがったとしたら、
「あの喋らないヒロインでどうやってドラマを回すの?」
という視聴者の好奇心だったかもしれませんよ。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【関連記事】
吉本せい 吉本興業の歴史 風太(林正之助) 伊能栞(小林一三)

【参考】
NHK公式サイト

 

2 Comments

匿名

どんでん返しの結末を描きたいから敢えてプレゼン無しでやろうというドラマの都合かなとは思いますが……
しゃべらん漫才しゃべらん漫才しか言わず何をして欲しいという意図も言わない。

違和感しかなくて残念ですね

匿名

ゲラでくだらない事でも笑わずにいられなく、高座をのぞき見しては笑ってたのに、目を皿にして芸を見守ってた事になってかと思えば、アワアワしてる様が面白い…
舞台への乱入ってアクシデントへの反応を「笑いの力」だと思ったのだから、てんの感性は最初からズレてましたね

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