半分、青い。6話あらすじ感想(4/7)二人の母キャラもしっかり

昭和ノスタルジーの漂う岐阜県東美濃市。
大衆食堂「つくし食堂」の楡野仙吉は、長年連れ添った愛妻・廉子を亡くして以来生きがいを失っています。

仙吉の孫・鈴愛は、そんな祖父を祖母と会話させたい――と、三途の川を渡る糸電話の実験を始めます。

ところが仙吉は自転車で転倒。
鈴愛の糸電話実験も失敗しそうで……。

 

和子が振りあげた手は……

律は水に濡れたら駄目なんだ、と焦る鈴愛たち。鈴愛は律を背負い、走り出します。

「替わろうか?」
ブッチャーがそう声を掛けると、
「デブは脚が遅い!」
と、子供ならではの残酷さで否定。鈴愛ちゃんヒドイよ! しかし、鈴愛は転んで膝をすりむいてしまいます。

慌てて萩尾家にたどり着くと、和子は怒っています。
喘息だけど、水は駄目なわけじゃない、むしろ医者からは水泳を勧められていると。

和子が怒ったのは、鈴愛たちではなく、律が嘘をついて鈴愛におぶらせたことに対してです。

和子は手をふりあげます。

鈴愛たちもビックリしますし、私も驚きました。
しかし、手をあげてもお尻をペチンと軽く叩くだけ。よい落としどころです。厳しいけれども、そこまで酷い暴力はふるわないと。

「尻かぁ~」
子供たちもホッとします。
危ないことはやめようと、和子は糸電話を没収。がっかりする鈴愛です。

 

萩尾家はお金持ちなれど生活は堅実で

律を風呂に入れて、皆にはあたたかいココアを入れる和子。
広告の裏紙を持って来て、クレヨンでお絵かきをしましょうと促します。

お金持ちのようで、広告に裏を使うあたりに、堅実な節約志向が見て取れます。
家やグランドピアノは立派ですがお小遣いも少なめですし、おそらくや和子の方針なのでしょう。

かたやブッチャー宅はいかにも贅沢志向で、こういうご家庭の気風の差が見えるのは良いことだと思います。

風呂場から律が「明るい青のクレヨンは使わないで」と呼びかけます。

鈴愛は、熱心にあしたのジョーや、マグマ大使の絵を描いております。
「なんでお前古いのばっか知ってんの? 実はババアなの?」
そう尋ねるブッチャー。

鈴愛は、年代的に古い漫画が好きだということで突っ込んでいましたが、その理由が明かされます。

つくし食堂は、実のところ味はイマイチでして。それを補うために、手塚治虫やちばてつやの漫画を全巻置いて、客を釣っているのだそうです。
そのため、鈴愛はやや古い漫画に通じていたり、あるいは時代考証で少し話題になったマグマ大使も知っていた(可能性がある?)、と。
考証ミスではなくて、そういう設定なんですね。これはうまい。

漫画喫茶なんてない時代なわけで。
言われてみれば納得感があります。

 

ライトブルーのクレヨン

鈴愛は、笛を吹きます。

ただの笛じゃんとブッチャーは言いますが、鈴愛の頭の中ではマグマ大使の独特な音として響くのだそうです。

 

何気ないやりとりではあるのですが、会話は過度に説明的ではなく、それでいて以下のような必要な情報も入っています。

・ナゼ鈴愛は古い漫画に詳しいのか?
・つくし食堂の味はイマイチである
・鈴愛はイマジネーション豊かで、絵が上手に描ける

鈴愛は、律が使って欲しくないライトブルーのクレヨンを使います。
このクレヨンは、伏線になるかも。

仙吉は、キミカ先生の診察を受けました。
幸い軽めの打撲だけ。むしろカエルに救われたかも、とキミカ先生が言います。

禁煙を促したのだから、カエルは廉子さんかも。あの年代はアッという前に歳をとる……。と、これ、仙吉さんの退場は、意外と早いかもしれませんね。

加齢描写もマトモで良いですね(前作『わろてんか』を思い出しつつ)。

子供の日々はまるで万華鏡、一日があっという間に過ぎてゆく――廉子さんのナレーションが染み入ります。

 

他愛のない夢の話で盛り上がる

その晩、鈴愛は母・晴の布団へ。
鈴愛が語る悪夢の話は、とりとめのないものです。

それで正解だと思います。子供が語る悪夢なんてそういうものでしょう。

晴は、鈴愛が胎内にいるときに糸電話で話したと語り出します。
鈴愛が難産だったこと、とても小さかったことを思い出し、感極まった様子。週の前半にコミカルな描かれ方をした出産も、当事者にとってはそりゃ感動的で大変なことだったわけです。

「神様ありがとう……」
そうつぶやく晴に対し、
隣で寝ている宇太郎は不満そうに
『俺には感謝ないのか?』
とコボします。

鈴愛はそんな母を励まします。
「おかあちゃん、大丈夫や! 鈴愛はいきとる!」

ここでワニが起きたぞ、と宇太郎もはしゃぎだします。

よい場面ですけど、ちょっとBGMがウルサイかな。
『わろてんか』のように無理矢理音楽で盛り上げなくても、十分に良い場面だと伝わって来ます。

 

ドバドバタイプのラー油瓶、もしかして……

さて、翌朝。
家族全員が揃って生卵を混ぜているのがちょっと面白いですね。

生卵に辣油を入れるのが宇太郎流だそうです。

※ラー油瓶の注ぎ口が「ドバドバ」と出るタイプでしたね。今は専用のキャップが付いて、振って数滴単位で出るのが主流です。
この辺の再現性も、たぶんこだわってのものですよね……すごい……

草太が真似しようとすると、まだ辛いからと止めます。

ここで鈴愛が、律が川に落ちたと報告。
晴はもっと早く報告しなさい、と言い出します。

確かに前夜の報告であれば、菓子折ぐらいもって謝罪に行けたかもしれませんよね。

しかし、鈴愛は
「今、報告した!」
と得意げ。

やっぱりちょっとおとぼけ系かなぁ。

そこへ、なんと早朝から萩尾和子さんが訪れました。
仙吉を出すわけにはいかないし、宇太郎は卵かけご飯に忙しいと言い訳するし、晴が戸惑いつつ応対に。

和子はいつも笑顔だ
けど、底知れぬ怖さがあるとびくびくしながら応対する晴。
昭和ぽいエフェクトかけつつ、ふくろう商店街美人女将対決は来週に持ち越しとのことです。

 

今日のマトメ「母親のキャラクターもしっかり演出」

本日はお母さん二人が主役でしたね。
当初は、晴がしっかり厳しいタイプで、和子がおっとりやさしく見えましたが、実は単純にそれだけではないかもと示されました。

和子は息子に駄目なことは駄目と言い、息子の友達には優しい、しっかりした女性であるとわかりました。
お絵かきには【広告の裏】を使うあたり、堅実感もある、と。

晴は心配性で、宇太郎よりも色々気にしてしまう性格のようです。
実は結構弱気そうなんですね。

誰かの台詞で説明をさせずに、行動の端々からキャラクター性を出すのがちゃんと出来ていることを感じます。
母親はともかく愛情深いというところで止まらずに、描き分けているのはよいと思いました。

第一週は、まだまだ前作『わろてんか』のロスではなく、後遺症をひきずっていまして。
比較するところが出来ているといちいち感動してしまい、若干甘めになったかもしれません。
子役もいい味を出していますが、そのパートがよいからって安心はできません。

とりあえず、つかみはオッケーかな、という印象です。
ちゃんと登場人物に対して愛着が湧いてきているので、この小さな芽が大きく育つといいなあ、と願っております。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
NHK公式サイト

 

1 Comment

匿名

傷に赤チンつけてましたね!
懐かしい(*^^*)

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