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半分、青い。感想あらすじ 半分、青い。

半分、青い。156話最終回 感想あらすじ視聴率(9/29)アナタのペンが新たな世界を作ってくれた

更新日:

2011年――。

楡野鈴愛と萩尾律の二人は、数ヶ月に及ぶ試行錯誤の末に「そよ風の扇風機」を開発。
あとは出資者を募って製品化に漕ぎ着けるだけでした。

そこでイベントを開いたところ、東日本大震災が発生。数日たっても仙台のユーコと連絡が途切れたままの日々を過ごします。

そしてボクテから知らされたユーコの死。
彼女は遺言のように最後の言葉をスマホに録音しておき、そこで鈴愛に向かって「何かを成し遂げて欲しい」と願っておりました……。

【156話(最終回)の視聴率は23.5%でした】

 

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七夕から始まり、七夕で終わる

つくし食堂では、笹の葉の飾り付けが行われています。
秋風羽織と書かれた花輪があるのが素敵。やっぱり彼はいつも見守ってくれているのですね。

扇風機で笹が揺れます。

そうです、今日は七夕。鈴愛と律が生まれた日。このドラマは、七夕から始まり、七夕で終わるのです。
上機嫌で、七夕の歌を口ずさむ鈴愛。

「まーきーばにゆーれる」
「軒端ですよ」
そう言いつつ、西園寺夫妻も登場。最後までイイ味出してる!

鈴愛の言い間違いも、初期から最終回まで残りました。

インスピレボリューションなんてのもありましたね。
こういう子供の頃からあるような癖が最終週まで残るのって、凄いこと。鈴愛が、制作側の頭の中で生きていればこそです。

2011年7月7日。
スパロウリズム「そよ風扇風機」の発売記念祝いでした。

 

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まさかのこばやん、マジで新聞記者になっていた

そこへ東海新聞の小林記者が取材に登場しました。
えっ? えっ、えっ? 小林ってまさか!

うぉおおおお、こばやんじゃないかー! 明治村で鈴愛と黒歴史デートをした相手だ!!

「回るモノが好きでしたね」

鈴愛に向かって、回る拷問妄想を炸裂させた思い出を、語り出すこばやん。
そうだそうだ。こばやんとのデート失敗も、正人との失恋も、今になっては笑い話だ。つらい思い出も、笑い話にできることがあるんだ。

「本当に新聞記者になったんだ」
鈴愛はそう言います。こばやんは新聞部員でしたからね。「初志貫徹」と語るところがカッコいい。

そうそう、鈴愛と律は初志貫徹できなかったけれども、できる人も、この世界にはいるのです。

「漫画家になると思ったのに、失敗した鈴愛の人生を意味がわからない」

本作に対して、そんな意見もあったようです。
そういう挫折した凸凹道を歩む人間だって、世界にはいるんですよ……というか、朝ドラはじめ、フィクションでは描かれにくいだけで、現実の世界はむしろフツーじゃありませんか?

 

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土壇場になって商品名を【マザー】に変更

こばやんの取材に対し、母の闘病中に扇風機を思いついたと、鈴愛は語ります。

短冊を飾り付ける晴の髪が風に揺れています。
ああ、優しい風だ。鈴愛はその姿を見て、ハッ!と何かを思いつきます。

律は東京のオフィスで、鈴愛からの電話を受けておりました。
鈴愛が、扇風機の名前は【マザー】の方がよくないかと提案したのです。

「マザー、マザーや!」
いいかも! 律も頷きます。

技術畑の律。
創造性、感受性、想像力の鈴愛。こういうコンビなのだ。
愛情や信頼だけではなく、能力の違いも、ちゃんとペアになっていて、どちらかが支えるわけじゃない。両輪で進む、それがこの二人です。

そんな二人の欠けた部分を補う津曲は、もう発注したのに「今さら名前を変更かよ」とボヤいております。

「そこをなんとか! 【マザー】の方が5倍は売れる!」

「【スパロウリズム】の【マザー】。すげえカッコいい!」
思わずそう津曲も同意。

「名前は大切です」
律の言葉に津曲もノリノリで、結局、改名に同意するのでした。
頑張れ津曲、期待しているぞ!

 

病気も、悪いことばかりではなかった

つくし食堂では、鈴愛が「短めに……」と前置きをしてから挨拶を始めます。

「短めにな!』

そうヤジを飛ばすブッチャー。相変わらずやな~。
梟商店街らしさが満ちています。

母の闘病から思いついたこの扇風機。
お母さんが扇いでくれるようなやさしい風。

この扇風機は【マザー】だと説明します。

木田原五郎が「思いついたばっか」と小さくニヤリとしながらツッコミます。梟商店街の人々が、この成功を見守っている!

ここで律も登場。
晴は、鈴愛と律にありがとうとお礼を言います。

「病院でそよ風扇風機のことを聞いたときはうれしかったけど、実現するとは思えなんだ。不思議や。病気になったのも、悪いことばっかりでなかった気がする。これが出来た」

ここで晴、こういうのは苦手や、と律を呼びます。

「なにはともあれ、晴さんと約束した【マザー】が出来てよかった。自分の話になってしまうけど、もし和子さんが生きとったら、この風を浴びせたいとずっと思って作っとった。この風は天にも届くと思っとる」

律は、鈴愛の親友であるユーコが震災で亡くなったことも語ります。

鈴愛はよく頑張った、ユーコに届けるために頑張ったとのだと、隣で見て思っとったのだと。

「死んでしまった人たちは、死んでしまったわけだけど。その思いは、ずっと残る。それを受け継いで生きていくんだと、【マザー】を作りながら思ってました」

 

「違うよ鈴愛、みんなおるよ」「そやな、みんなおるな」

ここで鈴愛に交代します。
「何にも、何にも言えん。ありがと。ユーコも、和子おばさんも、ここにおる人も、おらん人も。みんなありがと」

涙を流す娘に、晴が言います。

「違うよ鈴愛、みんなおるよ」
「そやな、みんなおるな」

ここにいない人。
遺影の中の人。
花輪を贈ってきた人。
彼らもちゃんとおる。

鈴愛のあとで、ブッチャーが言い出します。

「よっしゃー乾杯や!」
なんであんたが言う!と奥さんのナオちゃんに突っ込まれるブッチャー。

こういう奴なんだよなあ。いい味を出しております。

キミカ先生が、今日は鈴愛と律の誕生日だと告げます。

そうです、彼女が二人を取り上げて、物語が始まりました。

今も瞼を瞑れば、あの光景がアタマの中に浮かび上がってきます。
あぁ、あっという間やった……って嘆くには早いですね。

 

綺麗に聞こえる傘を作ったんだ

宴のあと。
鈴愛は律に「遅くまで手伝わせてごめんね」と謝っています。発売前で忙しく、朝一番には東京に戻るそうです。
きっと津曲も、今ごろは名前の変更で大忙しでしょうし、帰ってやらんとな。

律は、誕生日プレゼントだとして、鈴愛に傘を渡してきました。

「雨の音が綺麗に聞こえる傘を作ったんだ」
おっと!
それは昔、鈴愛が律に、そんな傘があるといいと言ったものですね。あんなちょっとしたことを覚えていたんだ……。

鈴愛は、プレゼント交換なんて小学校以来で用意していないと焦り出します。
「もうもらった、あそこで」

律は短冊をまたしても盗みました。
そう、あれは秋風塾で夢をみつけるために盗んで以来のこと。
あのとき盗んだ短冊は、律の夢になりました。夏虫駅での、悲しい別れにも登場しましたね。

そして、今回のはこう書いてありました。
「律のそばにいられますように」
「読むな」
「よう書いたな、こんな短冊。俺でいいの」
「律でないと駄目だ。私の律は、律だけなんで。一人だけなんで」

ここで二人、ちょっとぎこちないというか、まるで初めてみたいに抱き合います。
「俺の願いごとも言っていいですか」
「うん」
「鈴愛を幸せに出来ますように」

 

雨のメロディが聞こえてきた

主題歌が流れ始めました。

それは律が、このドラマが始まった、生まれたときから思っていたことです。
鈴愛も、ずっとそう思っていました。

最終回で、原点へと物語が戻ってゆきます。

鈴愛は雨の音を聞きたくて、待っています。
でも雨はなかなか降らなくて。

私は雨を待つ。
雨の音を想像する。

想像するのも、楽しい。
律はいつも私の知らない幸せをくれる。

そう思いながら、雨を待つ鈴愛。

そうです、人生には雨を待つ幸せがあるんです。

やっと天気雨が降り出しました。

雨や、天気雨や。
雨音を聞くのは、鈴愛と、晴、そして花野。背景には青空が広がりました。

「雨のメロディや」

幸せそうに、その音を聞く鈴愛でした。

 

今日のマトメ「ラストまで貫く姿勢」

最終週、すごかったです。
これはずっと書き続けてきましたが、何がすごいかと言うと、視聴者が見たい定番の場面よりも、描きたいものを頑固なまでに貫き通したところです。

「律は鈴愛と結婚したいって言えばいいのにぃ~」
「ラストに二人で抱き合えばいいのにぃ~」
ってな意見、出てきそうですよね。

でも、本作は違う。
律はいそいそと帰ってしまう。
そこが本作なのです。

律は、東京から岐阜の鈴愛を守る。知らない幸せを、傘を通して伝えてくれる。
この遠くから守る関係こそ、本作の根底にあります。

晴の台詞にあった、
「病気になったのも、悪いことばっかりでなかった気がする
というのも本作を貫いたテーマです。

鈴愛の左耳の失聴という要素があればこそ『半分、青い。』という感慨が生まれました。

希望と絶望が混ざり合う世界。
初志貫徹できた人と、挫折ばかりした人がいる世界。
生きている人が、死んでしまった人の気持ちを受け継いでいる世界。

それはまるで天気雨だ。
雨が降っているのに、背景は青い。

本作はナゼ『半分、青い。』なのか。
ラストシーンまで、その答えが貫かれていました。

青い空は半分だけだ。
雨も降っている。
雨の音が、聞こえてくる。

「この世界は私のために出来てはいない」

鈴愛は、かつてそう言いました。挫折だらけで、弾き出されてばかりの人生でした。

左耳の聴力を失う。
デートで大失敗。
面接に落ちる。
朝井正人に振られる。
漫画家として出発するものの、創造性に限界を感じて筆を折る。
夏虫駅で、律のプロポーズを断ってしまう。
涼次とは離婚。
100円ショップで苦闘。
岐阜犬で一山当てて上京したのに、事業に失敗。

楡野鈴愛さん。
あなたの人生は、本当に不器用でした。
性格的に、この世界に向いていないことは、見ていて伝わってきました。

良妻賢母タイプじゃない。
きみは、朝ドラのヒロインに、向いていない。適性ゼロだ。
むしろ、マイナスかもしれない。

けれど、そこが素晴らしかったのです。

誰もがヒロインになれるわけじゃない。
そんなヒロインになれない人でも、生きていてよいのだと、伝えてくれた。

本作が心に響いて、今、あなたのドラマが終わってしまったことに、膝を抱えたいぐらい動揺している人がいるでしょう。

彼らは、きっとあなたとドコかが似ています。
生きて行くのが辛くて、泣きたいような気分になることもある。

でも、そんなことはできない。
やったら、ただの変な奴。
空気を読めない愚か者になってしまう。
もう大人なんだ。我慢しなきゃ!

そう思って、こらえている。
生きていくことにとことん不器用で、世界が自分のためには出来ていない――そう思ってしまう。

時々、落ち込む。
心のどこかから、雨が降っている音がする。
人生が天気雨の人。凸凹道を歩んで来た人。青空の下で生きることができない人。

そういう人に、あなたは
「生きていてもええ!」
「生きていればええことがある!」
と、伝えてくれました。

そう。躓くことで、見つけられることもあるのだ、と。

ありがとう。
この作品に救われた人、励まされた人、人生の転機になった人も、きっといます。
あなたから知らない幸せをもらった人も、きっといます。

あなたは、私たちの人生に新たな絵を描き加え、別の世界を作ってくれたのです。

追記 【総評】を公開しました(以下のリンクをclick!)

半分、青い。総評(9/30)人生に深呼吸を与えてくれた

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文:武者震之助
絵:小久ヒロ

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