半分、青い。17話あらすじ感想(4/20)時代の徒花ハウスマヌカン

1989年のバブル真っ最中。
大人たちはギラギラしたバブルに浮かれ、甘酸っぱい青春を生きている高校生も、ロマンチックでバブリーな恋に憧れていた時代です。

岐阜県東美濃市のふくろう商店街もまた、
【ぎふサンバランド】
という、どうにもキナ臭いテーマパークの建設話で迷走中。

食堂の娘・楡野鈴愛も、恋がしたくて浮足立ち、高校最後の夏、落とし物をキッカケにある少年と出会うのですが………。

 

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新聞部です( ー`дー´)キリッ

鈴愛が落し物を届けた小林くん。しかし、出会いの予感はあるものの、割と地味です。
お礼に頭を深々と下げて学帽まで落としてしまうあたり、物腰は丁寧で性格は良さそう。

「もしかして、野球部とかですか?」
「新聞部です」

問題はナゼ、バットを持っているわけでもない、日焼けしていない彼に対して鈴愛はこんなことをいうのか?です。

運命の出会いなのか、ありか、なしか?
ナレーションの廉子さんは、
「もうイントロ? 星野源が歌い始めちゃう?」
と、第四の壁を超えたネタを発揮して戸惑っています。

いやぁ、攻めてきますね、本作!
※第四の壁:フィクションと現実の間に存在するとされる壁。この場合の廉子さんは明らかにこの壁を超えたいわゆる「メタ発言」

 

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左耳のことを自然に気遣ってきた

鈴愛は、クラゲ先生の世界史の授業を聞いています。

相変わらず滑舌の悪い先生と鈴愛の攻防は続いているようです。
※編集さんの高校時代にソックリな先生がいたそうで。変なオジサンみたいな風貌で、いつも赤い顔して、付いたあだ名が『アップル』。ドラマとよく似た状況ですね

そしてランチタイム。
机を向かい合わせて、鈴愛とナオちゃんの恋バナタイムです。

「えっ、真面目で噂のない鈴愛が?」
「うん、モテたこと、大切にしたい」
「モテてないし。お礼言われただけだよ。遅刻までしたのに。鈴愛は自転車通学しないの? そっか、苦手なんだっけ」

本当に何気ない会話なんですけど。ナオちゃんの性格のよさがあらわれていて。
【モテたわけではなくてお礼を言われただけ】と突っ込むわけですが、モテないという否定的なことは言いません。

もうひとつ。
鈴愛が耳のせいで自転車は危険だと思い出し、さっとその話題を終わらせています。
長い付き合いの中、自然と鈴愛の耳をふくめて気遣ってきたことがわかりました。

 

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「鈴愛がモテたなんてすげーし!」

ここでブッチャーがニヤつきながら乱入しようとすると、女同士の話だから、と断られようとします。

しかし、ブッチャーには武器が。
幻の人気ナンバーワンのおそうざいパン・じゃがまろで二人を釣ります。

律はバスケ部の後輩から、夏の大会も出て欲しいと言われているようです。
東大を目指す律は受験勉強もありますが、エースは辛いところです。

「鈴愛がモテたなんてすげーし!」
ブッチャーがそう言うと、律がハッと振り返ります。

なんでだよー!
なんでこんな反応しているのに鈴愛は気づかないで、じゃがまろを二個も嬉しそうに食べているんだよー!

ああもう、イライラドキドキする。青春ど真ん中かよー!!

 

喫茶ともしびでミラーボールがギラギラ回る

そのころ、ふくろう商店街の女性たちは、「つくし食堂」でサンバランドに懸念を示しています。

キミカ先生は、交通渋滞と野鳥のすみかが奪われることを気にしています。
他の女性は、そもそも、お父ちゃんたちが露出度の高いダンサーに鼻の下を伸ばしているのが気に入りません。

そこへ、鈴愛たち四人組がやってきます。
なんでも定番の喫茶「ともしび」は貸切なんだとか。どういうことや?

と、思ったら貸切の「ともしび」では、今日もランバダが流れ、ミラーボールがギラギラと回っています。
田舎の小さな喫茶店との組み合わせが似合わなくて、この時点で切ないようなニヤニヤしてしまうような、そんな気持ちが止まりません。

商店街の男たちは、ワンレンボディコン美女の瞳にデレデレになって、踊っています。

「さあ踊ることで、魂の解放をー!」
瞳さん、頑張るよなあ。

 

ハウスマヌカンだったんでしょ!

店の外では、車の助手席にハンサム社員トオルがいます。
上司から瞳を見習えとハッパをかけられているのです。安宿に泊まる転職組に負けてどうする、というわけ。

しかしトオルは、商店街のおばちゃんは堅実だし、と苦い顔。

ボディコン瞳に対しても
「だってあの人、前はハウスマヌカンだったんでしょ。一食260円の鮭弁当食べて、風呂なしアパートで、DCブランド着ていたんでしょ」
また面白いネタを、セリフに詰め込んじゃって。

このセリフの元ネタは、『夜霧のハウスマヌカン』です。

 

ハウスマヌカンというには、英語とフランス語が混ざったバランスの悪い単語でして。もはや死語ですね。

当時隆盛を誇っていた「デザイナーズ&キャラクターズブランド(DCブランド)」の服を売る、売り子さんです。
要するに洋服店店員、アパレル店員ということです。

彼女らは生きたマネキンのように、そのブランドの高級服を着なければなりません。
そのため食費、光熱費、家賃を抑えなければいけないのです。素敵な服に身を包んだ華麗な女性ながら、その生活は厳しいという、時代の徒花のような存在でした。

本当に本作、バブルのアホくささに切り込んできますよね。

ふっきった元ハウスマヌカンとして、笑顔をふりまく瞳役の佐藤江梨子さん。
トオル役の鈴木伸之さんもいい味出してるわ。

 

故郷こそが本作のテーマかも

さて、つくし食堂に戻りまして。

姉の友人にきっちり挨拶する草太です。
それでもブッチャーさんであって、あくまで龍之介と呼ばないあたりは笑えるのですが。

話題は鈴愛の出会いが運命か、どうなのかということ。
どうにも、弓道部の美少女にハートを射抜かれた律に比べると、シチュエーションが地味なのだそうで。

「もう一度会えたら運命ってことで」
という、なんだか微妙な落としどころを見つけて、四人は解散。

帰路、律はキミカ先生に出会います。
サンバランドについて意見を求められて、どちらでもいいと答える律です。

「この町にはね、私が取り上げた赤ん坊がたくさんいる。律くんもそうだけど。その子たちが出て行っても、戻ってきたときホッとする町だといい」

そうしみじみと語るキミカ先生。
確かにサンバランドは「ふるさと」にそぐわない気がしますね。

劇中歌として『ふるさと』が頻繁に登場しますし、故郷こそが本作のテーマかもしれません。

翌朝、鈴愛がバスを待っていると。あの小林が手を振って叫びます。

「カセット拾ってくれたひとー!」
しかし、左耳が聞こえない鈴愛はなかなか気づかないのです。

手を振る姿にやっと気づいた鈴愛。そこへバスが止まります。

ここで視点は小林側に。
バスが去っていくと、そこには鈴愛が立っています。

遅刻覚悟で残るということは、やっぱり運命?

 

今日のマトメ「ジレったいながらも微笑ましく見守りたい」

サンバランドがらみのハウスマヌカンネタも笑えたのですが。やっぱり気になるのは、鈴愛の恋愛模様です。

「恋に恋するお年頃」
これこそまさに鈴愛のことです。

人を好きになるよりも、ロマンチックな出会いを待つ。出会いがあれば、それがありかどうかで判断してしまう。

野球部とは思えない小林にそう聞いたのも、
「顔は普通だけど、スポーツのエースならば彼氏としてあり」
という、その手の判断でもあったのでしょうか。

ナオとの会話で「結婚したら浮気しない」とかなんとか、マセたことを言ったのも、相手のスペックがありかどうか判断したいわけです。

律の場合、高校一の美少女と運命的な出会いをしているのですから、百点満点、恋のシチュエーションとしてはバッチリ。
しかし鈴愛の場合、新聞部だし、美少年でもないし、シチュエーションがよいわけではないから、ビミョーだなと思っているわけです。

律も鈴愛も、相手の中身は何も知りません。見ようとすらしていません。
スペック的にありかなしか、それだけを見ています。

そこが二人の愚かさであり、若さであり、未熟なところです。
だからこそリアルです。

この二人が運命の恋愛と言い続けるのも、見ているこちらとしてはじれったい。
スペックではなく、中身がぴったりとあう、ソウルメイト的な相手は実は目の前にいるのに……距離が近すぎて気づかないで、間違った相手に対してドギマギしているのです。

おばかさん同士は、いつ、隣に運命の相手がいたと気づくのか?

微笑ましく見守りたいと思います。
サンバランドの行方もね。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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【参考】
NHK公式サイト

 

2 Comments

しおしお改め、七歳上

主人公たちより7歳上ですが、
当時、ハウスマヌカンって何や?
と聞かれたら、普通に
生きたマネキンみたいなもの、
と説明していました。

匿名

毎日面白く拝読しています。

すみません。ちょっと突っ込むと、「生きたマネキン」というのは違うのでは?もともと、「マネキン」は、人間のことで、服を着せている人形たちを「マネキン人形」も言うのでは?

失礼しました。

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