なんで世界が同じ意見で統一されないとアカンの?
はい、今朝はちょっと言わせてください。
『西郷どん』といい、本作といい、お前は貶してばかりだ! 最初から決めつけてないで、作品を見ろ!
という意見があるそうで。
だーかーらー!
『真田丸』、『おんな城主 直虎』、『半分、青い。』は肯定的に見ていたじゃないですか。
これね。
なんかイチャモンというより勘ぐりをしてしまうんです。
「私の嫌いな前作を褒めたくせに、私の好きな本作も褒めなさいよ!」
っていう押し付け。公式SNSでも言われたらしいですからね。
んなもん、知らんがな。
「あんたとは意見が合わないね」で別にいいじゃないですか。
なんで世界が全部自分と同じ意見で統一されないとアカンの? 本当にそうなると思ってるの?
わかりました、やってみましょう。褒めてみます。
『花燃ゆ』→音楽がいい、テロリスト集団ぽさはいい
『西郷どん』→犬がかわいい
『わろてんか』→主題歌がいい
『まんぷく』→音楽がいい、無駄使いだけど
以上です。
女性だと一層の【いたたまれなさ】を感じてしまうのです
さて、今年の朝ドラにも関わるニュースをふたつほど。
◆「日本は男女平等が進んでいない」ジェンダーギャップ指数2018、日本は110位でG7最下位。 #男女格差110位ショック
前作と今作朝ドラの評価とは何を反映しているか?
それはジェンダーギャップだと思います。
上記の記事で『朝ドラと関わりあるなぁ』とうなずいたのがここです。
なぜなら、女性が圧倒的なマイノリティーである環境下では、女性側にも「自分は実力で登用されたのだから『女性』として振る舞うのは嫌だ」「『女性枠』として扱われたたくない」といった反応が出てくるからです。不利な状況にあるのに、女性同士で団結するどころか、むしろ対立してしまう。
政治の場に限らず、ビジネスの場でも日本には「シスターフッド(女同士の絆)」が足りないと思います。「女性は同性の悪口を言うのが好きだから」などとよく揶揄されますが、違いますよ。つねに「多数派に対してどういうスタンスを取るか」を迫られるから、引き裂かれるんです。
シスターフッドの不足。
これはまさに、前作を叩く女性を見た時に私も感じました。
前作アンチには女性が多いというわけじゃないですよ。
ただ、女性だと、より一層の【いたたまれなさ】を感じたのです。
「ヒロインは生意気で非常識だ」
「脚本家は生意気な女だ」
「あんな女の作るドラマなんて認めない!」
そういう意見を女性が言う姿を、目にも耳にもしました。
そして同じ口から、
「ハセヒロさんのセクシーさにイチコロ!」
「あんな男にうっとりしたい!」
という声も……。
こりゃもう、戦うよりも、上にいる男性に従って生きた方がいい――そんな声じゃないかなぁと。
哀しいことですよ。
アンチにとってはどちらもナシでは
まさに前作と本作は、正反対と言いましょうか。
・男女差のある社会と戦う鈴愛
・男女差があるんだから従ってゴロニャンして生きる福子
それが受けるか受けないか?
実は前作アンチにとっては【どちらも受け入れられないものだ】と感じるようになりました。彼らにとっては「鈴愛が嫌だ」、かと言って「あんな横暴な夫信者ってのも」というワケで。
鈴愛は叩かれながらも、熱心に応援するファンがおりました。私もなんですけどね。
福子もドラマ開始直後は嫌われなかったものの、最近はそうでもなくなってきたようです。
ここで考えたいニュースがもうひとつ。
◆電車や飛行機で泣き叫ぶ赤ちゃん、どうすればいい? 「スマホ育児」を批判する背景に社会の不寛容
あなたはどちらに回りますか?
「今時のお母さんは、スマホなんか使って駄目ね。私の頃にはなかったのに」
「今のお母さんは、スマホで調べ物するもんね。私の頃も子供にテレビを見せるなんて、って叩かれたもんよ」
どちらでしょうか?
スマホがない時代だって、そのころはテレビを見せるな、漫画を読ませるな、布ではなく紙おむつとはけしからん、粉ミルクではなく母乳を飲ませろ、と叩かれたんです。
洗濯機、掃除機、炊飯器もそうでしょう。
テクノロジーを使う育児・家事労働を手抜きだというバッシングは、いつの時代にもありました。
実は、新しい生活様式におけるバッシングは、家事に対するものだけではありません。
例えば子供や若者向けの娯楽もそうでしょう。
今はスマホゲーが叩かれておりますが、明治時代は野球が叩かれたほどです!
もう一度言います。
現在では国民的スポーツとなった、あの野球が叩かれました!
※以下、関連記事です(来年の大河ドラマ『いだてん』でもやるかな?)
時代の流れ、その過渡期において、果敢に挑むもの新しいものは叩かれる。
2018年前半期の朝ドラもそうだったと、きっと振り返られることでしょう。
じゃ、同年後半期の朝ドラは?
古い時代に迎合しようとして失敗した、無残な失敗作になるのでは?
そうなる気がしてなりません。
※海外映画ではシスターフッドが絶好調!
『アナと雪の女王』、『マレフィセント』そして『マッドマックス 怒りのデスロード』です!
※スマホで『半分、青い。』や『八重の桜』
U-NEXTならスグ見れる!
↓
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
※まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!
手榴弾は密造だよね、密漁じゃないよね
土台が全然駄目。作り手に「こういう作品を作りたい。こういう話を視聴者に見せたい」という意思が全然ない。
こんな作り手に制作された作品が、小手先の演技で良くなる筈もない。
多少表情を変えようと、効果はない。
途方もない絶望から逃れるべく、藁にも縋る思いで非科学的なものに頼る。前作「半分、青い。」でも似たようなシーンがありました。
「このような行動をとっても何かが変わるわけではない。でも何かをせずにはいられない。」そういった悲壮感とでも呼ぶべき何かが、この回の放送には足りなかったのだと思います。
克子姉ちゃん一家全員、少しずれているというか、ぶっ壊れているというべきか。痛々しいとはこのことです。セリフはそのままに、ほんの少し悲しそうな顔をさせるだけでもよさそうなものですが。
福子が「吉田くん」でもいいかも。あと、世良は「デラックスファイター」だね。
何だか、萬平はアニメ『秘密結社 鷹の爪』の「総統」に、神部は同じく「吉田くん」に見えてきてしまう今日この頃。
いや、『秘密結社 鷹の爪』見た方が、なんぼか面白い!