ピストル暴発に荒くれ坑夫もびっくりぽんや!
あさはそのまま立ちあがると大阪には帰らないと決意表明。
昨日今日ではっきりわかったのですが、波瑠さんの演技で一番精彩を放つのは、ドスの利いた低音で啖呵を切っている時ではないでしょうか。
いつもの愛くるしい元気演義も悪くはありません。
されど本作を見ていて彼女の演技が凄いと思ったのは今回が初めてです。
武器を欲しがる理由がわかった……言うてる場合じゃない
気迫とピストルに坑夫も動揺。一方、あさはなぜか呆然としています。
武器ひとつでこんなに変わるから、戦では武器を欲しがるのかとつぶやく、あさ。
「んだんだ! これからはゲベール銃でねぐて、スペンサー銃だべ!」
そんな綾瀬はるかさんの声が聞こえてきそうです。
と、それはともかく、土方歳三に「刀と信用は真逆」と啖呵を切ったあさが、ピストルによる武力征圧を肯定してよいのでしょうか?
あさの元には坑夫の妻たちが夫の命乞いに集まってきます。
噂に尾ひれがついて、あさが石炭を掘るかここで死ぬか迫ったような話になっています。
命乞いされる朝ドラヒロインって斬新にもほどがある! びっくりぽんや!
大阪の賭場では、惣兵衛が賭場で因縁をつけられて逃げ回っていました。
するとそこへはつがやって来て、驚く惣兵衛の手を取って走り出します。
そのまま二人は、川縁までやって来ました。
自分は幸せを感じてよい人間なのか?
二年半ぶりの再会。
はつは惣兵衛に一生帰ってこないつもりだったのかと問い質します。
惣兵衛の心の闇とは何か?
今やっとわかります。
惣兵衛の口から出てきたのは、自責の念の言葉。
没落して生きる中で、ささやかな幸せを見いだした惣兵衛。
その幸せの中に、彼は罪悪感を覚えてしまうのでした。
愛するはつが自分のせいで苦労しているのに、幸せを感じてよいのか、と。
うわーっ!
あんた、どんだけはつが好きなんだよぉ!
はつが大事だからこそ、自分を許せない。罪悪感に堪えきれなくなった惣兵衛は、自分が笑ってはいけないとして姿を消しました。
笑えるようになった惣兵衛は、それではいけないと思ってしまったのです。
むろん惣兵衛の行動は褒められたものじゃありません。
妊娠を知らなかったとはいえ、身重の妻を放っての失踪。許し難いですが、かと言って責める気にはなりません。
だって本当に惣兵衛は不器用なんです。
本当は情けがあるとわかるから、責める気なんておきません。
「今更なにしに帰ってきたん!」
このやりとりで、惣兵衛が姑にいじめられたはつを思いやったとき、仮にはつが加野屋に嫁いだとしても「姑(よのさん)はクセがある」と言うところはちょっと笑ってしまいました。
あの強烈なよの襲来は、この前振りだったかもしれませんね。
はつは惣兵衛に合わせたい人がいると、住まいの納屋に案内します。そこにいるのは、遊び回る藍之助。
「今さら、ええ旦那様になるなんて思わなんといてください。ええお父ちゃん、になってください」
藍之助はキョトンとしています。
そこへ栄達が出てきて、息子の姿を認めます。栄達が惣兵衛の名前を呼ぶと、間髪入れずに菊が「惣兵衛やて!」と叫び、飛び出して来ます。
「今更なにしに帰ってきたん!」
強い口調で息子に迫る菊。そのまま惣兵衛の胸を叩き、抱きつくと嗚咽を漏らします。
抱き合う母と子。
朝っぱらからこんな泣ける場面を用意するなんて凄いですね。
いびつな関係だった親子が、ようやく修復されました。
それにしても似たもの親子ですね。母も息子も、分厚い仮面をかぶってなかなか外せませんでした。それがやっと、こうして……。
この場面はまさにカタルシスです。
駕籠の中から出てきたのは……
九州では、坑夫がピストルにびびったのか、炭坑を掘るということです。
そこへエッホエッホと駕籠がやって来ます。
現在ですと、黒塗り高級車、チャーターヘリ、プライベートジェット、そのあたりがやって来た感覚だと思います。
駕籠の中から出てきたのは、なんと新次郎!
「はぁ〜あ、来てしもうたがな!」
とか何とか言っていますが、果たして新次郎の狙いとは?
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文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『あさが来た感想』からお選びください
※あさが来たモデルの広岡浅子と、五代友厚についてもリンク先に伝記がございます
【参考】
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