あさが来た 1話 感想あらすじ「駄作大河&朝ドラで現れる救世主」

2015年秋。
ドラマファンは飢えに飢えていた。

朝の連続テレビ小説が、
『まれ』
『純と愛』
と続いて「朝の連続苦行」と称され、視聴率も大台20%を割る始末。

おまけに大河ドラマ『花燃ゆ』まで凄まじい駄作であり、
「おにぎりと義兄との不倫以外に興味を持つヒロインが見たいんだ……」
という怨嗟の声が渦巻いて——。

あれから3年後の2018年。
視聴者は、またもや苦しんでいた。

薩摩の英雄・西郷隆盛を描いた『西郷どん』は、時に2015年の『花燃ゆ』以下とも称されるほどの駄作であり、ついにが「最低幕末大河の薩長同盟」を達成するほど。

朝ドラ『まんぷく』も日清食品創業者の安藤百福という偉人を描いておきながら時代考証はズタボロで、本人の台湾ルーツを消したり、劇中では電気泥棒をして居直らせたり。

そんな時、天から舞い降りるようにして現れたのが
『あさが来た』
の再放送である。

幕末生まれの実業家・広岡浅子をモデルにした作品で、劇中には五代友厚が登場することで一気に話題が爆発。

嗚呼、今一度、あの名作を味わえるのか——。
ということで……。

朝ドラ&大河のレビューを担当している武者震之助です。
ちょんまげ朝ドラこと『あさが来た』のレビューを書かせていただきます。

正確には、かつて週に一度、武将ジャパンで掲載していた『あさが来た』レビューに修正を加え、今後は毎日、1話ごとに公開いたします。

では、早速、よろしくです!

日本初の女子大創設を宣言からスタート

時は明治34年(1901年)。
白いドレス姿で廊下を歩くヒロイン。

広岡浅子をモデルにした白岡あさは、女学生たちを前にして日本初の女子大創設を宣言します。

これは完全に「最低幕末大河薩長同盟」の存在意義を殺りにきました。
もう、いらなかったんだ!

大河や朝ドラのような一代記では、初回冒頭に主人公の到達点を描き、さかのぼるパターンがよくあります。
本作の場合、ヒロインは「日本初の女子大創設」に向けて進んで行くわけですね。

私はかつて『花燃ゆ』の大河レビューで、
初回から酷評(新大河ドラマ「花燃ゆ」感想マンガ第1話「嵐を呼ぶ(人を結ぶ)妹」に早速辛口の嵐
というレビューを書きました。

初回で示す到達点が、
【ヒロインが中学生くらいの年頃になったらおにぎりを握る】
ことで示されていたからです。

伸びしろが全然ないわけです。

その3年後、まさか西郷隆盛が主役で似たような絶望を味わうとは。
いや、さすがに『西郷どん』では主役が活躍はしますよ。ただ、その中身がスッカスカ!なだけで。

アイドルグループの主題歌は?

大河はさておき、『あさが来た』のつかみはオッケー!というところでしょう。

ヒロインあさの少女時代。いきなり木登りをしています。

このように木登りヒロインも「大河朝ドラあるある」ですが、それについては後述するとして、OPを見ていきましょう。

正直なところ、有名アイドルグループが主題歌というのは首をかしげるところがありました。
これは杞憂だったようで、さわやかな朝に似合っています。
歌詞の意味もあまりひねらず、素直です。

これまた爽やかで明るいイラストをバックに、主演女優が映る――なかなかセンスがよいものとなっております。
本作はポスターなどのデザインセンスもすっきり洒落ています。

おにぎりを捧げ持った薄笑いヒロインがポスターであるとか。
トランポリンジャンプする西郷どんとか。
超絶ダサいセンスですと出鼻を挫かれるものですが、本作についてはそういうことはないようです。

厳しい父に「おなごのくせに」と言われ

OPの後はいよいよ本編へ。
ヒロインの実家である京都随一の商家・今井家の場面です。

おてんばなヒロインに対し、姉はおしとやかな優等生という設定。
あさは開始早々、父親に叱られます。

このほのぼの場面のポイントとしては、「おなごのくせに」と言われること、父親がしっかりと厳しいところでしょう。
「女の規範からはみ出して無謀な行動をするはねっかえりヒロイン」があさの造形の基本です。

口癖は
「なんでどす?」

「びっくりポン」
で好奇心と反抗心を感じます。

このあさ、どこかで見覚えがあります。
と思ったら『八重の桜』の八重そっくりです。

これは、演じるのが同じ鈴木梨央さんということもありますが、木登りをし、女なのに男のようなことをしたがるというキャラクター的な部分が大きいでしょう。

今作のヒロインはある意味「テンプレ通り」でもあります。
『カーネーション』の糸子もこのタイプでした。

なぜこのようなタイプのヒロインが多いのか?

それはやはり物語として展開しやすいからでしょう。

「跳ねっ返り」系が輝きやすいから

今よりもずっと
【女は女らしく!】
という規範が強かった昔。

おとなしい性格の女の子ならば埋没してしまような時代、強く自ら物語を切り拓くにはバイタリティと負けず嫌いな性格、好奇心や向学心が必須です。

もう見飽きた!
また木に登ってらぁ!
と思われようと、その方が話になるのです。

こうした跳ねっ返りヒロインはどの時代でも動かしやすいものですが、明治から戦前にかけては「逆転のチャンス」があり、劇的な人生を送ることが可能。
女性の社会進出が急激に進んでいった時代では、マイナスとされていた部分がプラスに転じ、新たな時代の先駆者となることができました。

この時代のヒロインは、他の時代よりもずっと「跳ねっ返り」系が輝きやすい。

こういう性格だからこそ「女子にも学問が必要だ!」と信じて突き進み、女子教育革命を起こすことができたりするわけです。

本作の跳ねっ返り・あさもキラキラと輝いていますね。

子役があさ以下、全員可愛いことにも感心です。
『まれ』も『花燃ゆ』も、子役の目がどんよりとして動きすらぎこちなさを感じました。

子どもは敏感ですから、現場のよくない雰囲気を一番感じ取っているのかもしれません。

本作の特徴として、姉妹の仲はよいことがあるようです。
姉妹のダブルヒロインといえば『アナと雪の女王』を思い出します。

安易にそれに乗ったわけでもないのでしょうけれども、かつてどこぞの妹が病気の姉の夫を舌なめずりしながら狙う邪悪な展開に疲れ果てた心には、なんとも萌えが心にしみわたってきます。

3 Comments

匿名

今までの朝ドラで一番好きな作品なので本当に楽しみです。前回覚える位見ましたが、明日から又録画して大好きな世界に浸りたいです。

匿名

今日は国会中継の為、放送が無いようで残念です。
再放送を楽しみにしています。

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