依頼人の妻子をあんな酷い絵で紹介する?
本作の親子愛は異常です。
三田村の家族だって、病床におりませんでした。
彼ほどの大物ならば、大阪財政界からも世良以外駆けつけてもよいものでしょう。
ただし、そこまで人望がないから、福子の子に生まれ変わると考えれば納得できなくもありません。
なんだよ、結局、嫌われていたのか……って、そうじゃない!
こんな脚本を通すことが意味わからないのです。
東の不気味な似顔絵も不自然過ぎます。
絵って、下手くそだと自覚している成人は、むしろそんなに描かないものでは? 東の趣味がイラストならばともかく、そんな言及ありましたっけ?
ヘタウマと自称する人でも、それなりにちゃんとしたセンスがあるもの。
あんな露骨に不気味な絵を描く程度の画力だとわかっていたら、描いたとしても、見せないでしょ。
しかも依頼人の妻子です。怒られても当然です。
妻子を不気味に描かれても、軽く流す萬平。
どうして誰も彼もが、女の容姿いじりでウケを狙うのでしょうか?
答えは明らかです。
本作制作チームの精神に問題があるのです。手の施しようがない。
出演女優の容姿で笑いにするってマトモじゃない。
見ていて気分が悪くなるだけです。
金額の規模感がまったくわからない
財産差し押さえも目が点になりました。
これまた、二度目の逮捕の時を彷彿とさせて、このドラマのネタ切れ感はどういうことかと不安な気持ちになって来ます。
通帳と印鑑をセットで近くに保管するわ、儲かりましたと言わんばかりに肉を買うわ……(ALSOK)。
こんなもん、
【差し押さえてくれカモンカモン!】
アピールでしょ。アホちゃいますか!!
追徴課税金額も大仰です。
スケープゴートだの何だの、役者さんが難しい顔をして言うものの、
「あの人数の夜学奨学金のことでここまでするのか? 隠しているけどもっとヤバイことがあったのでは?」
という疑問しか湧いてこん。
台湾ルーツの削除という史実改悪はするのに、なぜ数字を合わせてこない?
主役たちの生活がガラッと変わる大事な場面です。
納得いくような説明が必要でしょうよ。
それ以上に意味不明なのが
【GHQと戦う萬平の正義アピール】
です。
まったく意味わからん!
これって誰かを笑顔でお腹いっぱいにする、そういうドラマですよね?
ダネイホン作りで毒性あるガマガエルを原材料候補にしてしまう。
そんな調子だから、そもそも食に対する興味がないんですかね。
だからGHQとの戦いをアピール?
焦点をあてる史実が根本的に間違っている気がしてなりません。
テレビオワコンを如実に感じさせた2018年
本作のスタッフが、育児知識ゼロであることはビンビンに伝わって来ます。
ちょっとした刺激で目を覚ましかねない新生児のスグ横で、笑顔の練習をする福子。
怖っ!
ついでに言うと、母乳を出すと体力を消耗します。
赤ん坊が寝ていたら、自身の体を休ませるために就寝してもよいところでしょう。
それなのに、主演女優を連日泣かせて、笑わせて、なんなんコレ。百面相大会かよ。
しかも、熱演している人の顔を酷い絵にして、母親には不気味と言わせてますからね。
何をどうすれば、こんな外道ドラマを作ることが出来ますか。
本作と『西郷どん』は、ある意味2018年にふさわしい作品だと思います。
今年は動画配信サービス(HuluやNetflix、U-NEXT等)に火が付き、これからますます広まるでしょう。
テレビにとっては非常に危険な状況。
にもかかわらず公共放送の朝の顔であるドラマを見ていると、一体この国はどうなったのかと驚くことがあります。
民放を見渡しても、老眼鏡、成人病対策のサプリ、葬儀会館、懐メロCD集、アンチエイジング化粧品等の広告ばかり。
番組は、日本がいかにスゴイかとアピールするもの、男尊女卑ネタで笑いを取るコント番組、懐メロ歌謡ショー、カラオケ等。
もう皆さん、ある世代以下ならば、最新のトレンド商品はネットで追うし、ドラマも配信で充分という時代です。
ハッキリ言いましょう。
テレビは古い。確実にオワコン化している。
しかし、作り手側は未だにトレンディ!(死語)でイケていて、ウケていないのは下の世代がバカだからと思っているような意識すら、作品の中にうっすらと滲ませている。
黒船に、槍と刀で斬り込むような、そんな無残な炎上コンテンツが増えつつあります。
『西郷どん』と『まんぷく』は、そんな状況下での二枚看板ですね。
2018年もそろそろ終わり。
年が明けたら、ますますくだらない作品は駆逐されるはずです。
だって海外ドラマの方が圧倒的に面白いんだもん。
『まんぷく』は、もはや挽回などは不可能でしょう。
視聴者ペルソナを勘違いした時点、つまりは最初から負け戦だったんです。
※ドラカリース!!
※スマホで『半分、青い。』や『八重の桜』
U-NEXTならスグ見れる!
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文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
※まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!
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第一子が産まれた時もそうなんですが、妊産婦に対するデリカシーがなさすぎてゾッとします。
出産直後に疲れ果てて寝間着姿で布団に横たわる女性の周りを、赤の他人の男たちが当たり前のように取り囲むシーン。強制徴収に来た国税局のことではありません。東弁護士と姉の夫のことです。
甥っ子たちは血が繋がっているし、まだ子供だからギリギリセーフとしても、他人の大人の男にそんなあられもない姿を見られるのって、70年も昔の人なら絶対に抵抗感があると思うし、当時の男性もなるべく目に触れないように気を遣うと思うんですが。
今40代の私の感覚でも、夫や実の親兄弟ならおkだけど、舅や義兄は絶対ムリ!(私の感覚がおかしいのでしょうか?)
それか制作サイドの人たちは、「女性も温泉旅館とかで浴衣姿でウロウロしてしているんだから別にいいじゃん」くらいに思っているんでしょうか?
「経産婦」アピールするなら、育児関連の演技については安藤サクラさん本人のアドリブでお願いしたらよろしいのでは?と思いました。
考証を役者にぶん投げる態度は大概ですが…
GHQや法律上のことは良く分かりませんけれども・・・
私が今日最初にずっこけたのは、「予定日より4日『も』早く生まれた」というコメントでした。「半月も」くらいならアリかなと思いますが、予定日通り生まれる赤ちゃんなんて、そもそもまれでしょ?しかも当時ならなおさら・・・。役者さんも突っ込まないのかな?という点が多すぎですね。