わろてんか45話あらすじ感想(11/22)ちんどん屋トンチンカン

時は明治。
日本一の「ゲラ(笑い上戸)」娘ことヒロインのてんは家を捨て、船場の米屋・北村屋の長男藤吉のもとへと嫁ごうとするものの、藤吉の実家で姑の啄子からは認められません。
そうこうしているうちに、藤吉が詐欺に引っかかり北村屋は倒産。店も家を失います。

藤吉とてんは、てんの実家藤岡家から五百円(現在の貨幣価値で五百万円)を借りて、寄席小屋を買い取り、寄席「風鳥亭」開業にこぎつけました。

ようやく軌道に乗りそうな「風鳥亭」の売り上げをさらに伸ばすため、てんは関西名物の冷やし飴を店先で売り好評を得ます。
ゴロゴロと氷の上で瓶を転がすしぐさの面白さも名物となるのでした。

そこへ伊能栞が現れ「てんが必要だ」と言い出します。

 

お気にのてんちゃんを側に置きたい?

栞がてんを欲しがる理由は「冷やし飴の売り方が斬新だから」でした。

いやいや、そんなの真似すればええだけですやん!
と藤吉だけでなく視聴者も揃って突っ込むと、
「発案者がいた方が売り込みに説得力があるから」
だそうで。

え? えぇええええ?
それって単に、お気にのおてんちゃんを側に置きたいだけでは……。

確かにゴロゴロ冷やし飴は斬新なアイデアでしたが、芸人で言えば、まだまだ一発屋の範疇で、伊能栞の実業にスカウトされるような腕ではないはずで。
伊能さんがドンドンおかしな方向へ><;

藤吉は栞の申し入れを笑い飛ばします。まぁ、それしか反応のしようが無いと言いましょうか。
そこへ啄子が顔を出し、自分の頼みを聞いてくれるなら、と言い出します。てんの意志確認は無視ですねw

 

栞様のチンドン屋コントとはこれいかに

啄子の頼みとは、チンドン屋の格好をして呼び込みをすること。
イケメンの二人が珍妙な格好をするのは面白いでしょ、という狙いなんですかね。

ここで栞様のイケメンコントでござ~い!
とばかりに、腰の曲がったおばあちゃんも、栞様スマイル一つで、杖も捨て、腰もシャンッ!と立ち上がる……。まぁ、ベタな展開でした。
でも、おばあちゃんが腰しゃっきり、って『ひよっこ』でも見たような……。

啄子は言います。
イケメンに頼まれたら女は断れない。
「これが商いです!」
って、それは松坂桃李さんと高橋一生さんを起用したこのドラマそのもので、製作サイドの本音じゃありません?

ここでてんが、女性にキャーキャー言われた藤吉に、軽くヤキモチを焼くところはよかったと思います。
可愛らしくて。
これまでこのカップルに、もっと感情移入ができていれば、更に面白かったんだろうなぁ。

 

なぜ、てんと藤吉から活躍の場を奪ってしまうのだ

ちんどん屋を終え、寄席の中で話をしていたら、突如、栞が閃きます。
このあたりには女性と老人が多いから、彼ら向けに昼間の寄席をやったらどうだろう?
要は「活動写真」(映画)と同じ上映ですね。

アイデアそのものはよいのですが、ここでもてんは何も思いつかず「ええですねえ!」と相槌を打つばかり。

呼び込みさせたのは啄子だし、昼間の営業を思いつくのも栞だし。
なぜ、このドラマは、てんと藤吉から活躍の場を奪ってしまうのでしょう、残念(´・ω・`)

しかし、
「さすが伊能さん!」
「ごりょんさんにはかないまへん!」
と、脳天気なもので。
本当は、今日も、冷やし飴に続く、てんのびっくり物販術を見たかったのですが。

ここで噂をされた啄子がくしゃみをする――おそらく笑いを取る場面が入ります。
いわゆる天丼ってやつで、二度くしゃみしていることから、狙ったシーンなのでしょう。

 

過剰サービスではなく次なるアイデアが見たいわけで

昼間も寄席を開けるアイデアは良いかもしれません。
しかし、問題がなくはない。

映画上映と違い、寄席は生身の人間がやるわけで。
昼も夜も短いローテーションで働くキースたちが心配です。

そこはさすがに藤吉も気になったらしく、「出演者を増やしてもらおう」と寺ギンにかけあうことにします。

一方、てんはニ笑顔で履物を磨いています。啄子が「今日は晴れているからそこまでやらんでも」と忠告してもニコニコと磨くのです。

これが、なんといいましょうか。ちょっとやり過ぎかなぁ、と。
公衆トイレでペーパーをわざわざ凝った折り方で出てくる人みたいで、自己満足に見えなくもないのです。

確かにお客さんを喜ばせようと試行錯誤するのは必要でしょう。
しかし、それならば他のアイデアに挑戦したほうが、ドラマ的にも面白くなるわけで、脚本も、そこにアタマをひねるべきではないでしょうか。

総じて見ると、てんの活躍ってこんなのばかり。
座布団つくろうとか、履き物磨くとか、いわば“機転”が足りないのです。

常に色々なアイデアを出して頑張るヒロインより、縁の下の力持ち系ヒロインを描きたいのであれば、そもそも題材が吉本せいではないほうがよいワケで……。

 

寺ギンから鋭すぎるご指摘「席主の器が小さいからや」

寺ギンのところに出向いた藤吉は、やっぱり今日も役立たず><;
明らかに貫禄に呑まれてしまい、ロクに交渉もできません。

まぁ、仕方ないでしょう。
茶目っ気まじえて言いにくいこともサラリと言ってのけるのが、関西弁ならではの特長であって、それがモゴモゴと喋って何も主張できない藤吉では、ナメられて仕方ありません。

実際、寺ギンに「席主の器が小さいからや」と看破されちゃってるんですよね。

寺ギンを銭ゲバとして描きたいのかもしれませんが、それよりも藤吉の情けなさのほうが際立っちゃってます。
ただし、こうやって視聴者をイライラさせるのが狙いであれば仕方ありませんが……。

日が変わり、藤吉は新聞記事でリリコが売れっ子になったと知ります。

栞から電話を借りて、リリコを祝うとともにまだ東京にいるのか、と問いかける藤吉。
未練タラタラです。東京で頑張りたいとリリコが電話を切ると、栞は思わせぶりな目線で藤吉見ます。

ここで「君も辛いねえ」とかなんとかいって、相撲を取り合います。

ヤメてぇええええええ!
イケメン同士をじゃれつかせれば、BL好きの女子が爆釣だって???
ない、ない(´・ω・`)
腰も入っていない相撲を見せられても、単に男2人がくっついて跳ねてるように見えて、お寒いだけッス><;

一方、てんが冷やし飴を売る風鳥亭の真には、落ち込んだ様子の風太が来ていたのでした。
火曜日から木曜日にかけて栞、リリコ、風太のローテーションが安定して参りました……。

 

今回のマトメ

せっかく面白かった昨日の放送。
そのラストシーンで伊能栞が余韻を半分壊しかけていたのですが、今日は冒頭から全てを破壊しつくした感があります。

てんを欲しいと言う爆弾発言がよくわかりません。
そのあとのチンドン屋コスプレに至ってはもう、ねぇ……。
啄子の「イケメンを出せば女は断れない」って制作側の姿勢がダダ漏れではないですか。

本作視聴者から、
「高橋一生さんを人質に取られているようだ」
「栞様登場アラートが欲しい」
といった声が出てきます。
つまらないけど、栞だけは見たいという悲痛な声です。まさにそうだと思いますね。

今日の展開など、
「高橋一生さんのチンドン屋コスプレにがヤバイ!」
「高橋一生さんと松坂桃李さんの“BL”に女子大興奮!?」
「有働アナもうっとり! 高橋一生さんの王子様ぶり」
という見出しのニュース配信を狙っていませんか?
『あさイチ』とセットで話題性狙いしていませんか?
(※8:30から朝ドラのあとにNHK総合で始まる情報番組。司会者が冒頭で朝ドラの感想を言います。特に有働由美子アナウンサーの反応はニュースになりやすいです)

私の考えすぎですかね。

しかし正直、本作の高橋一生さんの使い方は違和感ばかりで。
今日のチンドン屋王子様スマイルは、キャラクター的に三浦春馬さんあたりの方が似合っていると思うんですよね。

高橋さんは2.5枚目というか。
不憫な片思いなら、年齢が上過ぎるとはいえ風太あたりのほうが似合っている気がするのです。
こう、キラキラ王子系とは何か違うんじゃないのかと。

高橋一生さんをやたらと脱がせる某民放ドラマは苦戦中のようで、最近の彼は、魅力をきちんと引き出さない雑な使い方をされていて、心配になってきます……。

今日もやっぱり「手筋が違う」と思います。
役者の魅力に頼ってばかりではなく、てんの機転、活躍を見せて下さい。
それがストーリーの本筋のはずです。

先週土曜日の笹野高史さん独演会もそうでしたが、瞬間的に盛り上がっても本筋にはたいした関係もなく、魅力的な役者の出番が終わればまた元通りです。
ゴロゴロ冷やし飴の次に来る機転は何なのか? 少しだけ期待してお待ちしたいと思います。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【関連記事】
吉本せい 吉本興業の歴史

【参考】
NHK公式サイト

 

 

1 Comment

匿名

小野政次があまりにもよすぎたせいか、高橋一生さんのムダ使いをみていると「そうじゃないだろぉぉう!!」とツッコミたくなってきます。
それとも「決まりきった役ばかりでは俳優を潰してしまう。だから新しい境地を開拓する」のが狙いなんでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA