わろてんか46話あらすじ感想(11/23)儀兵衛、亡くなっていた

時は明治。
日本一の「ゲラ(笑い上戸)」娘ことヒロインのてんは家を捨て、船場の米屋・北村屋の長男藤吉のもとへと嫁ごうとするものの、藤吉の実家で姑の啄子からは認められません。
そうこうしているうちに、藤吉が詐欺に引っかかり北村屋は倒産。店も家を失います。

藤吉とてんは、てんの実家藤岡家から五百円(現在の貨幣価値で五百万円)を借りて、寄席小屋を買い取り、寄席「風鳥亭」開業にこぎつけました。

ようやく軌道に乗りそうな「風鳥亭」の売り上げをさらに伸ばすため、てんは関西名物の冷やし飴を店先で売り好評を得ます。
そんな中、風太が暗い顔をして風鳥亭に顔を出します。

 

「笑顔ブルドーザー」かっ!

風太があきらかに気落ちしているところへ、てんはいろいろと一方的に話しかけます。

えぇと……前から気になっていたのですが、てんは人の顔色や気配を読むのが苦手ですよね……。
第6週、父親が具合悪そうにしていても気遣いませんでしたし、今週キースと万丈目がお金をちょろまかそうとしたときも『生活苦しいのか?』とは微塵も思わないで怒り出しました。

藤吉が落ち込んでいても「何とかなりますよって!」のゴリ推しですし。
まさに「笑顔ブルドーザー」(´・ω・`)

たしかにお顔は可愛いですし、根はいい子なのでしょう。
が、こうも鈍感ですと、商売向きではない?なんて心配してしまいます。

風太の顔見たら、そりゃあ尋常ではないことが起きているのは誰の目にも明らかなわけで、それを話しやすくする雰囲気に持っていくのが、商売でも必要な気遣いではないでしょうか?

てんが一通り話し終えると、ようやく風太に「どうしたん?」と聞くてん。
そのクチから出てきたのは衝撃的な言葉でした。

 

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父の儀兵衛が亡くなった 四十九日も過ぎている

風太は深刻な表情で伝えます。
てんの父である儀兵衛が亡くなった――。

「な……何やって……」
スイッチが入ったように悲しみだすてんです。

「嘘や! そんなん嘘や! なんでやの?」
そう動揺するてんに、風太は口止めされていた、今から言っても四十九日も過ぎているから遅いと告げます。

「お父はんに会いたい! 会わせて! いやや!」
「てん! お前はここにおるんや! 帰ったらあかん!」
風太はそう言います。

ここからはてん独走状態で悲しむのですが、こういう悲しみ方ひとつとってもこの人は鈍感で強引だと感じてしまう。
自分の感情だけなんですよね。

普通の状況ならばそれでもいいとは思います。てんが女学生時代ならいいと思います。

しかしてんは、一度儀兵衛の意志に背いて駆け落ちまでしています。大金を借りておいて、返すあてすら現状でできていません。
そういうことへの申し訳なさ、不退転の覚悟みたいなものが伝わってきません。
感情の吐露の仕方がどうにも子供っぽく、幼稚に見えてしまうのです。

 

りんの結婚式はいつ行われたのだろう

気になるのは、風太に対するてんの態度です。
健気に「口止めされているのに京都から大阪までわざわざ来て、訃報を伝えてくれてありがとう」と風太に言ったりしないのでしょうか。

父の死の状況はどうであったか、遺言はないのか、他の家族はどうしているのか、そういうことは尋ねないのでしょうか?
一応体を悪くしていたと風太は言っていたものの、死因すら聞かないのはなんとも言えない気持ちに。
いや、画面に映らないところで聞いているのかもしれませんけど、ここは視聴者にも伝える意義はある気がします。

例えば、風太を気遣い、他の家族も気にして、借金のことを謝り、それを済ませてようやく一人きりになったところで「お父ちゃんに会いたい! 会いたい! ごめんなさい!」とでも泣き崩れるのならば、もっと感動出来たのでしょう。
というか、ワタシが真っ先に想像していたシーンはこれでした。
ド定番と言えばド定番ですが、やっぱり心を揺さぶられるじゃないですか。

たしかに本作は葵わかなさんの熱演で、どこを切り取っても総集編で感動できそうな場面だらけです。
しかし、毎日見ている限り、てんの鈍感さが気になってなかなか感情移入ができないんですよね……。

合間にてんと儀兵衛の回想シーンも入るのですが、そういえばこの時点で儀兵衛は具合が悪かったのに、てんは気遣うどころか寒い中で話していたんだなあ、と複雑な気持ちに。
そういえば、ちょっと前にりんが結婚式をあげた話もありましたが、皆の言うことが全て本当だと仮定すると、儀兵衛の死とりんの結婚式の間がかなり近い気がするんですが。

藤岡屋と関わりのあるもこのことを知らなかったのでしょうか。
口止めされていたのでてんに黙っていたのかもしれませんが、知っていた上であのチンドン屋コスプレしていたのかと思うと、何とも言えない気持ちに……。

 

「ええお父ちゃんやな。親のたった一つの願いは、子の幸せや」

悲しみのあまり、冷やし飴売りも手につかないてん。
そんなてんに、啄子は語りかけます。

「芸人は親の死に目に会えん。親が死んだ時、子供が笑って仕事しているなんて、親にとって悔いは無い」
「お父はんは、お前は笑とるかと、言いました」
「ええお父ちゃんやな。親のたった一つの願いは、子の幸せや」

こういう瞬間風速的に感動させる台詞は実にお上手だと思います。
その台詞同士のつながりがイマイチかみ合っていないだけで。

藤吉はてんを呼び出し、寄席を二人で並んで見ます。
そっと手を握る藤吉を見て、悲しみに寄り添う藤吉っていいなあ、という意図なのでしょう。
しかし、です……。

こらこら、藤吉はん。
あんた、儀兵衛さんが生きているうちにてんを嫁に出来んかったこと、借金返せなかったことをもうちっと反省せなアカンで。普段、土下座ばっかりしとるくせに、肝心なところで反省の色を見せン奴やなぁ。

ほんで、キース。
きみなぁ。芸がちっとも進歩しとらんやないかい。
演出でわざとかもしれんけど、テレビの前で視聴者が悶絶してもーてるがな。

すみません、感動すべきなのでしょうが、どうにもこのあたりが気になって仕方ないのです。

いや、もちろん「当時の芸なんて、今見たって笑えるわけがない」というご指摘はわかります。
現代漫才を生み出した「エンタツ・アチャコ」をNHKアーカイブで視聴できますが、まったく笑えるものであはりません(ご視聴されたい方はコチラへ)。

ならば舞台の上だけでも、今の人が見て笑える方向へと修正して演じさせたらいかがでしょう。
もちろん、その難易度はめちゃくちゃ高いです。が、吉本興業を題材に選んだ時点で、制作サイドにその覚悟はあったハズです。

ともかく序盤での熱演が目立った儀兵衛役の遠藤憲一さん、お疲れ様でした。

 

今回のマトメ

今日は冷やし飴エピソードに続いて「よかった」と言いたかったのですが……いろいろと気になりまして。

まず儀兵衛の死の時期ですね。
りんの結婚式と近いという設定自体は、死ぬ前に一目でも娘の晴れ姿を見たかったための結婚式強行ということでありかと思います。冠婚葬祭続いていろいろ大変そうではありますが。

問題は「伊能栞はいつ藤岡儀兵衛の死を知ったか?」ですね。

実は偵察と見せかけて、てんにそれとなく告げようとしていたとか?
そして、それを知った上であのチンドン屋パフォーマンスをしているなら、なかなか恐ろしい人だと思います。

てんと儀兵衛が語り合うシーンでそれとなくこの二人はもう再会しないとわかっていたわけで、問題はどこで儀兵衛を退場させるかでした。

借金を返す目処もたって、結婚式の準備をして、満を持して儀兵衛を寄席に招待したら既に亡くなっていた……もう少し早かったら><;
という鬼のようなタイミングでもよかったかと思いますが、万事ぬるめの本作ではなかったですね。

それでもやっぱりこのタイミングでの儀兵衛の死は残念です。
死そのものではなく、タイミング的に残念です。
盛り上げるネタが無いから無理矢理挿し込んだような気がするのは、気のせいでしょうか。考え過ぎでしょうか。

冷やし飴の時期は、物販で工夫をこらした、吉本せいの機転が輝く見せ場です。
今週は日替わりで物販に凝るてんを見たかったもの。
昨日と今日はせんべい販売に手を出す、そんな流れでよかったのでは?

もしかして、吉本せいの工夫がこれでおしまいになるかもしれないと思うと、せっかくのよい逸話を無駄にしている気がします。

あともう一点。
登場人物が「暑い暑い」と連呼しながら、そうは見えないのは何故か?と考えて思い当たりました。

ずっと同じ服なんですね。

しかもてんはいつも暖色系です。
冬の回想シーンも現在の夏のシーンもあまりに変化がなくて、本作の時間経過がわかりにくいのは衣装のせいもあると納得しました。

てんは寄席の開業以来ずっと同じ着物です。
娘時代のように、たまには着替えさせてあげてください。
貧乏設定とはいえ、季節感を喪わせるのはストーリー進行に問題がありましょう。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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【参考】
NHK公式サイト

 

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