あさが来た 56話 惣兵衛は変わった まるでミカンみたいにぴかぴかだ

はつが切々と訴えるのは惣兵衛の変化です。

声の緩急の付け方、目力、表情、全てが完璧。
宮崎あおいさんがクレジットとめに入る理由は、まさにこれですね。

惣兵衛は変わった、逃げ出して博打までしていた、でも今は違うと語ります。
弱いところはあっても性根はあたたかい、毎日太陽を浴びて働いて、まるでミカンみたいにぴかぴかだ。

白蛇から黒蛇、そしてミカンへと変貌を遂げた惣兵衛。
そんな彼を信じて欲しいと頼み混むはつ。

菊は無言で立ち上がると外に出て行ってしまいます。
それを追いかける栄達。

母である私こそ一番惣兵衛を知っている。
山王寺屋が潰れたのも息子のせいではないと言う菊。
「せやせや」と相づちを打つ辰巳琢郎さんもまた絶品です。栄達はあの子たちを信じてみようと言います。

眉山夫妻、二組の信頼

はつはあさと同じく口をつまんで「出過ぎたことを……」と反省中です。
やはり姉妹ですね。

そのはつの手を握り、目を見て礼を言う惣兵衛。夫婦の絆ですね。
そこに栄達が戻ってきて出立はいつにするかと尋ねます。

菊は無言でミカンを手に取り、座ると食べ始めるのでした。

眉山夫妻、二組の信頼を感じます。

翌朝、朝の光を浴びつつ川の中で立つはつが印象的。
決断のあとのあさをみずみずしく描くのが本作の魅力です。

お相手は誰かと言い合っていると、ふゆの登場!

一方あさは、招待状を書くのに四苦八苦。
どうしても豪快で大きな字になってしまいます。

手伝うのは亀助、うめの二人。

亀助はため息まじりに大番頭になれないことを嘆きます。
大番頭になることより実は嫁を持てないことが気になっているようですが。

でもきっと自分より大番頭の雁助の方が気落ちしているはずと亀助が口を滑らせると、噂をすれば何とやらでその雁助が入ってきます。
雁助は亀助が嫁をもらいたい、思い人がいるとバラします。

うめもバレバレと言い、炭坑で匂い袋を縫っていたとあさも証言。
お相手は誰かと言い合っていると、ふゆの登場です!

ふゆはここで匂い袋の礼を亀助に言い、あっさり全てバレます。

たまらず逃げ出す亀助。
微笑ましいけど、やはりふゆはもうちょっと年上の役者さんの方がバランスいいかな。

雁助はあさの書状の何枚かに駄目出し。プリンタもコピー機もない時代、招待状を出すだけで大仕事です。

江戸時代と変わらぬようでいて、ちらりと横切る人力車

新次郎は正吉の部屋に入ります。
ここの場面、障子からの光源が綺麗です。新次郎は伽羅の香りを焚いていると指摘します。

正吉も引退を決めて道楽熱が再燃です。
きまじめな彼の粋人としての顔がチラリと見えてきます。

ここで新次郎もあさと同じく正吉の体調を気遣います。正吉は新次郎の勘の鋭さに感心しているようです。
やはり体調不良なのでしょうか。

そして襲名披露当日。
江戸時代と変わらぬようでいて、ちらりと人力車が横切るのが時代の変化ですね。

五代や山屋もやってきて、いよいよというときにあさはよのに呼び出されます。なんと女性でありながら襲名披露の席に出るようにということでした。

女性が出席するのは異例のこと。
それを許す正吉の器の大きさもわかります。

よのは嫁ぐ時に持ってきて、ここぞという時に身につけた縁起のいい着物を出してあさに着るよう指示します。
昨日ちらりと映ったよのの嫁入り道具入りの箱、あさが新しく着物を仕立てなかったことの伏線回収です。

品で美しい着物を身にまとったあさが美しい!

一方、女子衆たちは調理で大忙し。
ここで上品な料理がちらっと映るのですが、思わず「うまそー!」と叫んでしまいました(前作のパティシェテーマの朝ドラ、大河のスイーツではそんなことなかったのに)。
鯛に水引、おめでたいですね。

あさはよのに礼を言います。

ここであさが締める帯の豪華さ。番頭たちや新次郎と榮三郎、正吉も着替えます。

シュッと効果音が入ったり、雁助が腰の低いところに締めた帯の位置を整えたり、新次郎が扇を腰に差したりするのがむっちゃくちゃ粋です!!
和服のプロモーションビデオかというくらい格好よいです。

そしてまた晴れの日に挑む雰囲気も出ます。
イケメンドラマというのはただの若手イケメンを出せばいいわけじゃないんですよね。こういう演出大事です。

そして極めつけは、貝殻の紅を指で唇につけるあさ。なんとも和の艶っぽさがあります。

野菜売りに来たはつは、うめに誘われ襲名披露を垣間見ます。

上品で美しい着物を身にまとったあさはなんとも言えず美しい!

宮崎さんができあがった魅力なら、波瑠さんは日々のびゆく成長途上の魅力があります。

炭坑で炭まみれになり、勇ましく啖呵を切るあさも魅力がありますが、今日もまた一段と素晴らしい!

五代の「ワオ!」が若干気を削ぐのはこの際置いておくことにしましょう。

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文:武者震之助
絵:小久ヒロ

※レビューの過去記事は『あさが来た感想』からお選びください

あさが来たモデル広岡浅子と、五代友厚についてもリンク先に伝記がございます

【参考】
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