お姫様のようにソファで目を閉じる五代友厚。
もうこのドラマ、キャラ萌えの貯金だけで回す作品になってませんか?
私の中ではそういう貯金が先週燃え尽きていて、現在は残高マイナスになってます。
綺麗な台詞だけで盛り上げるようになり、五代の功績もちゃんと説明されません。
せいぜい造幣局の桜を市民に開放したことあたりが語られます。
前半貯めたキャラ萌え貯金はまだ健在という作りのため(受け取り方は個々人によるでしょうが)、なんかいいことを言う五代とふらり〜とした新次郎が、「比翼の鳥」だとか感動的フレーズを並べたら、あとはもうそれでホイホイ釣れるって感じですかね……。
五代は会う人ごとに「自分が死んだあと自分の作った大阪が残ればいい」というニュアンスを語っているのでしょうか。
言うのはいいにしても、それを何度も映す必要はないと思います。
病み衰えた姿をあさに見せたくないとか、このキャラらしいかっこつけぶりで、BGMも盛り上げにきて頑張ってはいるんです。
最近は露骨に制作側もキャラ萌えアピールしてきますし、それで満足という人はいるんでしょう。
しかし前半の緻密さやキラキラした輝きはもうあまりない気がします。
社長がエクセル練習始めたような違和感
ここで加野屋に戻った新次郎の社長就任お披露目。
ニートを卒業したら店の者から胴上げをされております。
まだ萌え貯金があれば私もしらけずに見られたんでしょうか。
冷たい目で見ていると、本当に「台詞、演技、BGM」で盛り上げようとしている印象でしかなく、人の死でダラダラ間延びさせたまま引っ張るドラマだったことにびっくりぽんなのです。
そんな中、清涼剤となっているのは、演技達者なうめと雁助の場面です。
包帯を巻くうめの肩に手を回そうとするも、とまどう雁助さんが絶妙でした。
と思っていたら、いい加減しつこい「五代は体調悪いけど働いています」が挟まれてなぁ……ファンサービスですか?
社長になった新次郎はあさと一緒に算盤はじきながら帳面チェックします。
付け焼き刃な感じがちょっと……いや、悪くないかもしれないんですけどね。社長の仕事は算盤をはじくこととはまた別では?という思いが拭えません。
新次郎の人の話を聞く力を褒めたなら、そういうところを伸ばすべきというか、算盤はじきは下のもんに任せてもよいのでは?
現代でいうと、社長がエクセルマクロの練習始めたみたいな違和感があります。
今日も美和のレストランにいるあさに、ダメ押しで五代の体調が悪いこと、東京に行って戻ってこない可能性があることを、五代秘書の三坂が報告します。秘書として、機密情報とか主人の動静をダダ漏らし過ぎかもしれません。
言い方は悪いけど、さんざん似たような場面が続くだけに死ぬ死ぬ詐欺みたい。
まあ、明日あたり詐欺じゃなくなるんでしょうけど。
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文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『あさが来た感想』からお選びください
※あさが来たモデルの広岡浅子と、五代友厚についてもリンク先に伝記がございます
【参考】
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最後の最後まで魅せ続けドキドキさせ続けた前作って、ほんとすごかったんだなー