パッケージデザイン案を求めてはならない
パッケージデザインね。
「小道具担当者が、Illustratorでささっと仕上げました」
「元ネタそっくりで工夫も何もないな」
「こういうのは、試案があるとか。何点かあって選ぶ方が自然なのでは?」
「黙れ、小道具担当者にそんな余裕があると思っているのか! もういろいろ大変なんだ。出来上がっただけでもいい。現場は押せ押せなんだよ!」
「そうですよね。気持ちを切り替えましょう!」
「どうせあと一週間だ。こんなものでエエんだ」
そんな妄想台詞が脳内をぐーるぐる。
以前、「まんぷくラーメン」のパッケージ案を即断して、後からあーだこーだ悩んでいたじゃないですか。
それを教訓にする程度の知能もないの?
あまりにお粗末な展開が、どうしようもなく辛いです。
この作品を引きずらないでくださいね
演技指導が無茶苦茶なのはわかります。
それにしたって、見ていてしんどいツートップが弟子と世良です。東西横綱。この演技を、今後は引きずらないでくださいね。
更には、奇声を発する弟子さん。
この場面へのツッコミを最後に回したのは、辛さの限界に達したからでして。
何が、って?
弟子が教団支部『白薔薇』で悩むところですね……。
教団員が、クリエイターをどんな偏見で見ているのか、わかりました。
わかりすぎていたたまれないのです!
これの対極が、『半分、青い。』での描写でした。
比較にピッタリなので、ちょっと見ていきましょう。
あいつら奇声を発しているぜ、おかしいぜ
場面は、『半分、青い。』の明治村デート。
鈴愛が拷問器具の妄想を延々と喋って、デート相手のこばやんが困惑するというシーンがありました。
あの瞬間、私は「この作品は信じていいんだ!」と圧倒されました。
鈴愛の【一気に話しちゃう】ってのは「あるある」なんですね。
想像と妄想とアイデアが頭をぐるぐる回って、それをうっかり外に出してしまうと、ただの変な奴、アホになってしまう。
それを『半分、青い。』ではキッチリと落とし込んでくれた。
一方、『まんぷく』はどうか?
弟子が奇声を発すると、外野は明らかに【笑いもの】としておりました。
「あいつワケわかんねーよなwww」
「なに悩んでんだ? バカか?」
そんなイジメっ子意識が見えてきて、もう心にグサグサ刺さってくるのです。
※こういう思考回路ぐーるぐるをズバリ映像化したのが『SHERLOCK』です
その親切、ただの邪魔です
そして、得てして、こういうタイプは【励ますつもりで邪魔をしてくる】からタチが悪い。
エエことしてやった――。
教室の隅っこにいる陰キャ、コミュ障、オタクを相手にしてあげる
「俺らは寛大で優しい!」
ぐらいに思っているのでしょう。
いや、違うんだ。
帰ってくれ。
邪魔なんだ。
構わないでくれ。
話しかけられたことで、思考回路に邪魔が入る。
困るからやめてくれ――。
しかし、そう伝えるとキレられる。
「俺らの親切心がわからねえのかぁ!」
「そうよそうよ!」
そして最後はイジメというド定番パターン。
こうして、このタイプはヘッドフォンをつけて【構うなオーラ】を出すようになりますが、それが気にくわない信徒は、気に入らん、生意気だと突撃してくる……まぁ、地獄ですね。
そういう地獄を彷彿とさせるのが『白薔薇』オーナー夫妻の態度です。
鈴愛や律、秋風先生タイプなら、あの二人にこう言い切ったことでしょう。
「うるさい、邪魔だ。考え事をしているのに話しかけないでくれ」
「そのくらいのことは知っています。それを踏まえた上で、考えているのです」
秋風塾とスパロウリズムの熟考は、リアリティがありました。
秋風先生のアドバイスも適切でした。
「永野芽郁ちゃんは可愛い顔をしているのに、鈴愛はウザい」
「佐藤健さんというイケメンが演じているのに、律はキモい」
そういう信徒さんの攻撃をみかけましたが、ああいうタイプは散々幼少期から言われ慣れています。
放っておいてくれませんか……お互い不干渉の方が、幸せなんですよ。
アイデアを考える奴らが嫌いでしょ?
そんな教団員の驕りは、ビンビンに伝わって来ます。
「陰キャのオタクどもから、アイデアを盗んでやるのはむしろ親切だ。あんな暗くていじめられている連中は、よいアイデアがあろうが売り出しもできない。役に立てることもできないんだよ。俺らのノリでなんとかしないと」
「そうよそうよ! その通り!」
こうまとめますと、本作の特徴がわかりますよね。
どうして教団員が『半分、青い。』を憎んで攻撃するのか。
そこもバッチリと明らかになります。
思えば、主題歌の時点でそれは明らかだったかもしれません。
無限の可能性、イマジネーションが広がってゆく『アイデア』。
一方、本作のそれは「もらいナンチャラ」で自発性はなく、ノリとコネだけで「トゥラッタッタ♪」ですからね。
教団員は、出演者のエネルギーや品格すらもチュウチュウ吸い取ってしまうから恐ろしいです。
カンヌで注目された女優に顔芸をやらせていれば、ブランドだけで勝てっぞ!
そんな意識だから、手抜き脚本でも平気でまかり通るんでしょう。
それもあと一週間です。
次こそ、視聴後に想像して、考えて、明るい気分になりたい!
そう期待しています。
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↓
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
※まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!
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朝ドラではヒロインの出世作になることはもちろん、脇役の若手に注目が集まっることがよくあります。
有村架純、土屋太鳳、高畑充希は脇役からヒロインにステップアップを果たしたし、松岡茉優、吉岡里帆、菅田将暉、松本穂香、伊藤沙莉などなど、すでに他の作品で実績のあった人もいますが、朝ドラが一つの転機になったと思います。
翻って、今作品はこの手の話とは無縁で終わりそうです。タカ役が子役を使わずということで当初、話題になりましたが、消えてしまいました。
ポジション的には、主人公の友人や子供世代がこうした注目脇役になるケースが多いのですが、今回は誰も印象に残りません。まあ、どの役も典型的なモブで、性格とかバックグラウンドとかまったく描けていないんで、印象に残るわけないんでしょうね。
そんな作品に意図せずかかわってしまった役者の方々にお悔やみ申し上げます。
今日の放送では、「核家族化」というのは、唐突過ぎでした。そうした市場調査もやっていないのに。
『西郷どん』やこの作品は、どこかから圧力があるのだろうか。ヤフーは恐ろしい状況です。感想の方は、批判が段々多くなってきましたが。
わからないのはこのドラマ、トータル評価は高いんだよね。
そこが心から恐ろしい。
わろてんかは作品相応の評価が下されたけど、これはそうじゃない。
安定的に20%は成功例とされてしまう。
武者さんとしてはこの人の龍馬伝はどういう評価なんだろう。
かなり気になる。