なつぞら15話 感想あらすじ視聴率(4/17)No 調略 No Life

「農協」

なつは、富士子と剛男の会話を立ち聞きしてしまいます。
剛男はなつを手招きして、富士子ちゃんのお茶を飲んで行けと言うのです。

泰樹が反対する理由が判明しました。
農協は、牛乳をまとめてそれをメーカーに売る形式をとりたいわけです。

しかし、泰樹からすれば、
「他の農家の牛乳と混ぜてはけしからん!」
となるわけで。

剛男は、弱小農家を助けなくてはと主張します。

「音問別のために立ってくれ!」
そんな剛男になつが戸惑っていると、こいつが来やがりました。

「わしにもお茶をくれぬかのう」

夕見子だよ。
来おったな。
もうそこにいるだけで何かを企んでいる感が出ていて、本当にすごい。

「天陽くんだって幸せになれるんだ! 農協に賛成してくれ!」

剛男の言葉に、富士子は反発します。

なつが好意を抱いている(と、富士子は思っている)相手を利用するな!ってことでしょう。

「遠慮」

寝室の布団の中で、悩むなつ。
隣で本を読んでいる夕見子は、父の策に巻き込まれおって、と言い出します。

農業高校進学だって、じいちゃんの期待に応えるため。
そして今度は、父のため。

自分の人生を選べと、夕見子は言うのです。
私はだから普通高校だとも。

これは斜に構えた彼女なりの心配の仕方でしょう。

実の子ではないから、気を使って、無理にでも馴染もうとしていないか?
そう言いたい。

しかし、彼女のプライドというか、ひねくれた軍師気質が、温情に訴えかけることは許さない、と。
あくまで冷徹に、全て見抜いていると言うわけです。

「なつは遠慮してんだよ」
「余計なことを言うな、引っ掻き回すな!」

あっ、やっぱり日頃からそういうことをしているんだ。

夕見子は心の底から根性が悪いわけじゃない。
家事は周囲に丸投げするし、口も悪い。

けれども、なつは自由に生きるべきだ――ひねくれているようで優しい、軍師の信念が今後役立つはずです。

「調略」

翌朝、なつがあくびをしていると、悠吉が「眠いのかい? たるんでるんでないかい?」と声を掛けます。

すかさず息子・菊介が、初夏は一番寝ていて気持ちがいいとフォローを入れます。
親子の呼吸が本当にナイスですね。

おじいちゃんが農協のことをどう思っているか聞きたい。
なつが、そう照男に向かって言うと、来ました。

「反対しとらん。わしは関係ない」

げえっ、泰樹!

中国には、
【曹操の話をしていると、曹操がやって来る】
ということわざがあります。

抜け目ない謀将って、噂を察知して背後にいるんだよ〜、という意味ですね。
【噂をすれば影】ってこと。

そんな謀将を彷彿とさせる泰樹の登場です。

知略99謀将・泰樹は、
「わしの牛乳を他の牛乳と混ぜるな」
と主張します。

そしてこう来ました。
「お前を使って、わしを調略するつもりか?」

おいおい、何言っているんですか!

まぁ、それはともかくとして。
なつはもう、気分が真田信繁ですからね。自転車を漕いで通学路を進みながら、悩みが止まらないワケです。

「どうしたらいいの! 教えて山! 道! 風!」

朝だから元気出せとナレーターが後押ししていますが……どうなるんだよ、うぉおおおおおお!!

調略を見せる草刈正雄さん(2年ぶり、2度目)

はい、今朝はコレでしょう。

『真田丸』第8回「調略」

「真田丸」感想レビュー第8回「調略」 何かと騒がしい真田の女性たちも分析してみました

調略かよーーー!!
あの調略、調略、調略って楽しイィ〜!
磔柱使っちゃえ〜〜〜!!

って、昌幸がウキウキしていた序盤じゃないですか。

即座にこういう反応が出ておりました。

◆「なつぞら」草刈正雄の「調略」にネット反響「真田丸」真田昌幸彷彿「まさか朝ドラで」スポニチ

ワシも『真田丸』あってのこととは、昨日に見抜いておったわー!なんちって。

なつぞら14話 感想あらすじ視聴率(4/16)イジワル軍師・夕見子の魅力

心地よいほどに『真田丸』っぷりを見せつける本作。
【牛耳る】と【調略】を重ねることで、効果が増しているとも思います。

「私は武士の娘です!」
みたいな、わかりやすいセリフよりも、こういう頭を使うセリフで武士らしさは演出できるものでして。

『半分、青い。』では、鈴愛が時代劇大好きおじいちゃんの影響で、時代劇口調になっていました。
織田信長の本拠地生まれは違うよなぁ〜と面白かったものですが。

今年は、前世が真田昌幸だから仕方ないのじゃああああ!

謀将ランキングも作れます

何がすごい?
って、知略というか謀将っぷりが個々人によって差があるところですね。

一番これはやばいぞ、と思ったのはここです。

「農協が電気を引いたのですぞ!」
「いらん、電信柱を引き抜け!」

はい、ここで真田昌幸さんにちょっと解説してもらいましょう。

戦国時代、こんな手があった。
まぁ、史実かどうかはさておき。逸話としては伝わっておる。

水攻めにあった城でのことだ。
米を水に見せて馬を洗うフリをする。

すると、これを見ていた草がこう報告するわけよ。

「馬を洗うほど、城内には水があります!」

すると、攻め手は動揺する。その動揺につけ込み、勝ちを狙う。
【兵は詭道なり】とは、こういうことだ。

インフラを盾に何かを通そうとする。
そういう相手は、いわば水攻めや兵糧攻めをしているようなものじゃ。

誰が学費を払っていると思っているんだとか。嫌なら電気を使うなとか。
この手の相手は、こう言えば絶対に勝てると思っておって、次の手を考えておらん。

だから、この泰樹のように、開き直れば黙る。

まぁ、全員がそうというわけではない。
言質を取られて、こちらが窮地に陥ることも考えられぬわけではない。そこは次の手を考えておくように。

はい、なりきり昌幸ここまで。

このあと、夕見子が直江兼続顔で「この手は使える……」と納得していたあたり、謀将は謀将を理解するんだな、と納得しました。

◆謀将

泰樹(真田昌幸):生きているだけで調略を駆使してしまうんじゃあ!

No 調略 No Life

夕見子(直江兼続):その手があったんですね……ほほう

混沌を高みから見下ろしたいタイプ

◆謀将を理解できるけれど、道徳心との葛藤で『ああなってはいけない』と思う

なつ(真田信繁):心を引っ掻き回すなーー!

富士子(小松姫):弱みに付け込むようなことはやめなよ

◆謀将にはとてもなれない……

剛男(真田信之):ち、ちちうえ、勘弁してください!!

照男(小山田茂誠):気になるあの子とのんびり暮らせたら幸せなのに〜!

大博打の始まりじゃあーーーー!!

って、戦国時代なの?

※スマホで『なつぞら』や『いだてん』
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文:武者震之助
絵:小久ヒロ

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【参考】なつぞら公式HP

 

13 Comments

蛇丸

 土曜日にBSでまとめて視聴しています。そして、月曜日にこちらのレビューを拝見しているので、数日遅れのコメントになってしまうことをお詫びします。
「真田丸」・・・じゃなかった「なつぞら」面白いですよね! 前作を惰性と意地でなんとか完走した身としては、今作の期待を上回る内容にワクワクが止まりません。レビューを拝見するのも楽しくて楽しくて。
 今回のレビューは、小見出しが二文字縛りで「真田丸」仕様なんですね。嬉しくて思わずコメントしてしまいました。これからも楽しく読ませていただきます。

塩ラーメン好き。

ガブレンツ奮戦様
丁寧な補足をいただき、ありがとうございました。お考え、お気持ち受けとめました。
本日、18日の放送は夜のBSで視聴予定で、まだ見ておりませんが、
今後も、視聴者が腑に落ちるような展開になることを期待して、
ドラマも本レビューも楽しみたいと思います。

ガブレンツ奮戦

連続して失礼します。

『なつぞら』も本レビューも、農協そのものについては善とも悪とも言っていません。

ただ、コメントを見ていると、今回の描写から、農協自体を悪く受け止める理解・感想を持つ方もおられるのだなとは、思いました。

何故そのような理解・感想が生まれるのかなと思い、その背景を考えてみたものです。

ガブレンツ奮戦

わかりやすく言うと、

○規制改革会議や、規制改革推進会議の提言は、一つの考え方を示してはいるが、絶対的なものではない筈。
○しかし、特にTV報道に顕著なのは、規制改革会議・規制改革推進会議の言うことを絶対視し、異なる立場の意見を貶めるかのように受け取れる内容が多い(※個人的理解ですが)。
○農協関連について言えば、規制改革会議・規制改革推進会議の言い分も、利用者から見ればあまりにかけ離れた、利用者不在と受け取れるものも少なくなかった(※個人的理解ですが)。
○規制改革会議・規制改革推進会議の言い分ばかり無批判に丸呑みされると、特に報道等を通じてバイアスのかかった内容を丸呑みされると、肝腎の利用者が無視された、歪んだ理解になってしまう。そういう理解に基づいた「農協叩き」は意味がない。

ちなみに、作品に対する本レビューの分析・執筆方針については、私は前作の頃から賛同しています。

匿名

「『無批判に丸呑み』はいかんよ」という意見に、「内閣府規制改革ホットラインはすぐれたものなんだ」という反応を返すというのは、少し違うと思う。

独禁法の時間

「ここの電気も、農協が引いたんですよ。だから農協の事業にも協力してくださいよ」
→ これだけなら、○かな。

「ここの電気も、農協が引いたんですよ。だから農協の事業を利用しない人には電気は送りませんよ」(あるいは、「使用料を取りますよ」)
→ × 完全に独禁法違反

塩ラーメン好き。

ガブレンツ奮戦様の書かれている主旨は私にはよく理解できませんが、
内閣府の規制改革ホットラインは、国民の声がよく届く、
すぐれものだと感じています。
本作も、本レビューも、
私にとって、
痒いところに手の届く、
実にすぐれた作品と思います。

ガブレンツ奮戦

規制改革会議・規制改革推進会議も、現政権が言わば自ら「お墨付き」のようなものを出すために設けたものですからね。

連中の言ってることも、「的外れ」と決めつけるには及ばなくとも、少し引いて受け止めなければ。
無批判に丸呑みして、一方的に「○○叩き」なんかやってると、ごく一面的な歪んだ見方しかできなくなると思う。

コンドラチェンコ

>若年男性は、皆わりと似た髪型です。当時の流行でしょう。

今の流行で当時はあんな頭流行ってないですよ。
髪型に関してはもう少し昭和30年感出して欲しいですね。

904型

「何の話だ」
思わず牛達も注目!

つい吹き出してしまいました。

農協の預託乳牛事業や、共同出荷。
意義は作中で剛男が語った通り。当然、なるべく多く出荷量を確保して売り先に対し有利に販売をしたいところ。

しかし、同意の取り付け方があれではねえ…
下手くそ。どんな苦手な相手でも、組合長が胸襟を開いて話し合い、譲るべきは譲るつもりで望まねば。

規制改革会議あたりの言い分に乗せられて、単純に「農協悪玉論」で見てしまいがちですけれど、それではせっかくの描写がもったいない。
草の根レベルで生産者を農協がまとめ上げていくプロセスとして、善悪抜きで見てみれば、得るものも多いのでは。

羅蜜欧

自分の住む地域は東北電力管内です。
戦後間もないころだと地域(特に田舎)によっては電気を使うという生活は無く、
東北電力の営業マンが各家庭を回って、電気を引きませんかという営業をしていたと聞きました。
当然、電気製品を使っていない家庭では、そんなものは要らない、といって営業マンを追い返したという話です。
それでも、説得を続けて電気は便利なものですと何度も通って契約を取り付けるといった具合だったということです。
必要ないといわれる商品を売る営業マンも大変です。
いまは電気がなかったら死に値します。

柴田家でも今のところ電燈だけに電気を使っているようなので、今まではそれすらもいらなかったのでしょう。剛男の付き合いで契約しただけかもしれませんね。

三太夫

いや~~!今日は驚きました。
朝ドラが『ガイアの夜明け』並に日本の牛乳問題に踏み込みましたね。
(牛乳問題については【JA/牛乳/自由】等のキーワードで検索してみてください)
JAがの当初の『農家のための農協』という志を忘れて『農協のための農協』に変貌してしまった昨今。
このドラマなら当然、農家・酪農家の視点で描かれることでしょうが、成り行きがどのようになるにせよ、とにかく踏み込んだということに敬意を表したいと思います。

まったく前作の‥‥‥  は言わないでおきましょう。

匿名

今日の「電気」の辺りは、前作の盗電への皮肉ととらえてしまう。

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