なつぞら38話 感想あらすじ視聴率(5/14)嘘と鎖

【第38話の視聴率は21.1%でした】
なつぞら感想あらすじ
なつぞら全視聴率

生きていたなっちゃん!

「いかった、いかった!」
「お風呂焚こうか」

これぞ、北海道冬季のお出迎えです。

まずは安堵。お説教は後回し。体を温めることが一番大切です。
風邪をひきかねないどころか、いろいろと大変ですから。

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なつの生存報告完了!

風呂じゃない、まず迷惑をかけたんだから謝りなさい!
というのは、雪国ではない話です。

皆さんも、雪山で遭難しかけたような人がいたら、まずはともかくお風呂に入れてあげてください。

聞けばなつは、森に住む彫刻家親子に助けられたと言います。

「阿川さんかい?」

剛男が言います。
そういう人がいると噂には聞いているのだと。

これも残酷な話かもしれません。
山田家のように、東京から戦時戦後にやって来た人々でも、和人ならば認識されるもの。

しかし阿川親子は、そうでもない。孤立してしまう。
ただの性格ゆえに? そうではない何かのために? これは考えねばならないことでしょう。

「心配かけてごめんなさい。私はこの通り、生きているから」

このなつの謝罪も重たいんですよ。
生きていると言い切る――それほど北海道の冬は死と隣り合わせということです。

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私はアニメーターになりたい

なつは約束を破ったことを詫びながら、天陽を送っていきます。
天陽に話したいことがあると切り出します。

あっ、その前に、天陽の話を聞かなくちゃと言いますが、それはまた別の機会にすると言われ……このタイミングが、運命の差ですね。

なつは決意を語ります。

「やっぱり漫画映画をやってみたい。日本でこれからアニメを作る人、アニメーターになりたい」

目はキラキラするばかりです。

阿川弥市郎の言葉と、彫刻。
朝日の中を進むなつの場面、頰をすっと流れる涙、そしてナレーション。

こういう要素を拾っていけば、その気持ちの変化もわかります。

ただ、そういう点を点として認識していると、
「ワケわかんなーい!」
ってなりかねないんですよね。

そういう意味で、本作は挑発的、挑戦的、おそろしい作品だと思います。

このなつは日本初の女性アニメーターであるモデルはおりますが、かなり意識的に改変しています。

北海道舞台ということも大きいようです。

アイヌの伝説を元にした『白蛇伝説』で表現する喜びに目覚める。
アイヌの阿川父子の家からの帰り道、自然の美しさに目覚める。

こうした北海道の歴史と噛み合った覚醒の中、日本のアニメが生まれてゆく流れです。

そこには人種差別も何もない。人間の間には何の隔たりもない。
男だから、女だから。そういうものもない。

そういう人間社会のしがらみから離れたところに、芸術や想像がある。
そういう構図が、綺麗に収まってきていると思います。

ここまで意識的にするということは、制作側の大きな意図があるのでしょう。

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天陽は森の妖精さんかっ!

「そう決めた。一番話したかった」

「そうか、決めたか。なっちゃんの決意を聞けてよかった」

そう語る天陽の表情よ!
吉沢亮さぁーん!

天陽に要求される演技って、相当難しいと思います。他の登場人物もそうですが。

これではもう、恋心でなっちゃんを縛るわけにはいかない――。
でも、一番に打ち明けてくれた。自分はなっちゃんにとって特別だ。ありがとう――。

この悲しみと喜び、そして諦めが混じった顔を作る。
いや〜、これはやりがいありますよね?
頑張ってますね!

許してもらえるかわからないけど、そう戸惑いを語るなつ。
彼女は恋心というよりも、自分の背中を押してくれる存在として、天陽を認識しているのでしょう。

「俺はいいと思うよ。がんばれ」

彼はそう微笑むだけです。恋心を打ち明けられるわけがない。
言ってフラれたほうがマシだったかもしれない。

もやもやした、封印する恋心。
それを絵筆でぶつけていくしかないのか。
それが彼の生き方だから。

秘めた恋こそ美しい、そんな世界じゃないですか。

なんだこいつ、もう森の妖精さんかよっ!
なんて奥ゆかしいんだ〜〜!!

パンチラ、入浴、褌尻無双、エロマンボダンスでウハウハをしていた前作****は一体何だったのかな?
うん、悪い夢だったんだね……。

美形はこう使うんだ。
美形とは、入浴させればいいってもんじゃねえ!
これが正しい使い方なんだよ!

東京に行かせてください

そして、その日の夕飯。
なつはニコニコと明るい笑顔で食べています。

クマしか出てこないような森で暮らす彫刻家親子の話が興味深い。
なんと、ヒグマが、なまら綺麗な娘である砂良に、ラブレターを届けたそうです。

明美がクマに手紙が書けないと突っ込むと、それは「鮭なんだ」と説明されます。

うん、これぞ北海道だべ。

そしてここで、なつが砂良を「なまら綺麗」と言い切ったこと。
これも歴史を考えるとちょっと複雑なものがありまして。

和人の目からすると、アイヌの女性はとても美しく見える。
その結果が、松前藩支配時代から、深刻な虐待と搾取を生み出しています。

『永遠のニシパ』で、松浦武四郎がそのあたりに激怒するはずです。
是非ともご確認ください。

放浪大好き松浦武四郎と北海道~松潤ドラマ『永遠のニシパ』に登場!

ここでなつは、ついに切り出します。

「東京に行かせてください!」

「冬休みの間に?」

「そういうことではなくて、何年かしたら!」

「東京で暮らす。そういうことかい?」

富士子と剛男が戸惑いを見せ始めます。
泰樹と照男は言葉を失っています。

「東京行って、どうしたいのさ?」

ここでなつは、咄嗟に嘘をついてしまうのです。

「お兄ちゃんを支えたい。力になれたら。千遥を探したいし。今すぐでなくて、何年かしたら。高校まで行かせてもらったから、何もしていない……」

そうおずおずと言い出すなつに、泰樹が言い切ります。

「その必要はねえ。行きたければ行けばいい。牛飼いにしたのはわしの勝手だ。牛飼いとお前は何の関係もない。このうちとも一切関係ない。お前の顔は、二度と見たくねえ! 勝手に出てけ!」

「お父さん!」

「わかりました、どうもすみませんでした」

泰樹の剣幕に富士子はたしなめるものの、なつは逃げるようにそこを立ち去るしかできないのでした。

縛るくらいなら憎まれた方がいい

なつが荷造りを始めます。
アニメのセル画が、そんな彼女の目に入ります。

富士子がそこに来ました。

「どうするの? 今すぐ出て行くの? どこに行くの? こんな時間に出て行けば迷惑だべさ」

まずは事実と現状を淡々と言ってくる。
それが富士子です。

「ここにはいられない! 申し訳なくていられない!」

そこで、ビンタ一発。

「したらこれで帳消しにすればいいべ!」

富士子だって、手をあげることは悪いとわかっています。
そういう私の罪で、その申し訳なさを帳消しにしろ。理詰めですねぇ。

本作の女性って、実はかなり理詰めにしてきます。
口調もしっかりしていて、ゆるさがありません。

これは大事な点だと思います。どうしても、女性はゆるふわ感情的であって欲しいという押し付けがあるもの。

「すごぉぉ〜〜い! そうなんですぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜!!」

こういう頭までズルズルのふわふわ。知性ゼロ。お間抜け口調でダラダラ話す、そういう女性が揃っていた****とは好対照です。

「申し訳ないと思われるくらいなら、憎まれたほうがマシだわ!」

剛男もたじろぐ中、富士子はそう言い切ります。
負い目で縛るくらいなら、嫌われた方がいい。こちらの顔色をうかがわれてたまるか。

そんなのは家族じゃない、ただの虐待者、縛り付ける鎖だ。
そういう反発心が煮えたぎっています。

「一人で出て行くなら、家族はいらないっしょ!」

そう言う富士子に、なつはたまらずしっかりと抱きつき、涙を流すのでした。

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そのころ、照男は泰樹と向き合っています。
※続きは次ページへ

5 Comments

こけにわ

武者さんのレビューの切れ味が鋭く、
なんだか怖いくらいです。
愛の反対は無関心だと、無知だと思っていました。
執着、支配だとは。
愛がある環境にいられることは、
なんて幸せなことか。

作家の創造力の元になるものが愛であるかどうかは、ちゃんと伝わりますね。
確かになつぞらは厳しい、愛に溢れた作品です。

なつを包む朝日が感動的でした。

でんすけ

今回もまた切ないですね~。

弟子と見込んだ9歳のなつにバターチャーンを見せて、照男と築く柴田牧場の未来図を語っていた泰樹爺さんですから、自身の失敗も含めた失望感の大きさは相当なものでしょう。同調圧の少ない温かい柴田家で育っても、まだ心の底から自分をさらけ出せない、いや、さらけ出してはないらないと自分自身を縛っているなつ。

泰樹おんじがなつの嘘を見抜いているというご指摘にはなるほど~と思いました。確かに。負い目で自分の本当の夢を言い出せないなつと、でも間違いなくそれを受け入れて応援してくれそうな柴田家の人たち。今週の後半にたっぷりと泣かされる覚悟を、今からしておく必要がありそうです(笑)

あねもね

十勝出身者(アイヌ子孫の妻)様

私も公式の人物紹介を読んで
それから自己紹介のシーンを観ました。

なので奥様がアイヌなのかな?
と思いました。
弥市郎が北海道から連れ出さなければ
空襲で亡くなることも無かったのでは、と。

アイヌの人々の信頼を得た阿川青年が
愛する女性と東京で暮らして、愛娘を授かった。それなのに妻を守れなかった。
計り知れない後悔と怒りを木彫に刻んでいる…

全て推測に過ぎなくてお目汚し申し訳ないのですが、阿川親子とっても気になります。

そして勿論なつと泰樹のことも!

904型

今回も、胸が破れそうな、苦しくなる展開。

そのような中でも、よく見ると、
なつが嘘の理由で上京を申し出たときの、目を伏せた泰樹の姿。
なつの言葉の不自然さを見抜き、語られた目的が本心ではないことを看破したのか。

それで、「本当のことを言えないようなことに、我々をダシに使うな!」と、気持ちが爆発したのか。

しかし、レビュー本文の指摘のとおり、嘘をついていたのは自身も同じ。

自身への腹立たしさもあったのか。

どうなるのか。
やっぱり明日の展開に目が離せません。

十勝出身者(アイヌ子孫の妻)

阿川さん、砂良さんは東京から十勝に移り住んでる(奥さんは空襲でなくなった)のでアイヌの方ではないと思うのですが。公式サイトでも娘と東京から移住してきたとはっきり書いてますし。アイヌ魂はかなりもってるとは思いますが。

以下公式サイトから抜粋です。

阿川弥市郎(あがわ やいちろう)
十勝の深い森に住み、木彫りの熊など民芸品をつくり、暮らしている。以前は東京に住んでいたが、あることをきっかけに娘と一緒に十勝に移住してきた。吹雪の中で倒れたなつを救い出したことがきっかけで、柴田家とも交流を深めていく。

阿川砂良(あがわ さら)
弥市郎のひとり娘。十勝に移り住み、父とふたり、ひと気のない森の中で暮らしている。自ら狩りや漁をして、朴訥(ぼくとつ)な父を支える働き者の美しい娘。やがて、なつの家族との交流を通して、外の世界との関わりを持ち始める…

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