開業4年目の寄席「風鳥亭」。
ヒロインのてんと藤吉夫妻の経営は、一応好調のようで、前週までに二軒目の寄席小屋を買収。
幼馴染の風太は、芸人の元締め・寺ギンのもとで修行することになり、風鳥亭とは微妙な関係ながら、後に協力してくれそうな気配もありそうで。
てんと藤吉の寄席経営は、今週から新展開でいよいよ発展の時を迎えるでしょうか。
好景気の大阪は東洋のマンチェスターと呼ばれ
週明けは先週のダイジェストからスタート。
大阪は当時、東京を抜いて人口日本一になっていたと明かされます。
新聞では、
「東洋のマンチェスター(イギリスの工業都市)」
と呼ばれており、たいそう賑わっていると藤吉が説明します。
問題は、その賑わいがイマイチ画面から伝わってこない点でしょうか。CGで通天閣を映し出す場面はありますが、なんだか遠い異次元の世界のように見えてしまうのです(って、これはセットの予算もあり、仕方ないかもしれませんが)。
夫妻は、ついに隼也の子守としてタネという女性を雇います。
だ・か・ら、遅いっちゅーねん! リリコはちょっと名残惜しそうです。
リリコは芸人に戻る気はなく、
「新世界で女給にでもなろうかな~」
などと言っております。
やっぱり何も成長していないキースの芸
大阪では、賑わっているぶん治安が悪化し、スリや泥棒が増えていると言い出すトキ。
するとそこへ巡査が上がり込んできて、アサリが賽銭泥棒だと喚き出します。
結局は誤認逮捕未遂であったのですが、バタバタと結構な大騒ぎです。どうにも本作の笑わせるポイントって、刃物振り回したり、ドタバタしたりすることが多いようですが、あんまりうまくいっていないというか。
OPテロップに考証が並んでおりますが、笑いの監修も専属でつけた方がよかった気がします。
ここで創業当時四人組が、芸を披露するところが映ります。
万丈目はよいと思います。滑稽さのある動作です(ただ、さすがに見慣れた感も……)。
岩さんは、まぁ。笑いというかびっくり枠ですかね。
アサリの百面相も、ちょっと進歩したような。
キースは。
「ナポレオンは三世まで、喧嘩はよんせい!」
…………まるで成長していない……(´・ω・`)
風太が「笑いの神様に愛された男や」と驚嘆する落語家とは
ここで風太が集金に来ました。
風太は、最近流行りの芸人は何と言っても、月の井団吾だと語り出します。大変な評判で、通天閣と並ぶ大阪名物であるとか。
「笑いの神様に愛された男や」
そんな評判まであるとか。
借金をこさえてまで芸者遊びをする女好きで、女遊びは芸の肥やしと吹聴する男だそうです。
トキは最低の男やんかと言いますが、当時の典型的な芸人像とも言えますね。
ここで藤吉、「団吾を大看板にしたらどうか」と目を輝かせ始めます。
藤吉はその夜、5千円から1万円(現在の2,500万円から5,000万)のギャラで専属契約にしたらどうかとてんに相談します。いくらなんでも、と渋るてんです。
創業時からいる四人組芸人は、破格のギャラで団吾を抱えようとしていると知って文句タラタラ。
「わしらは創業した時からおるのに」
不満はもっともではありますが、そういう問題でもないと思います。
創業から四年経ってもまるで進歩せず、同じネタを使い回していれば、そりゃあ仕方ない。
そのネタがいつ何度見ても笑えるなら、自然とギャラは上がっていたはずです。
そんな彼らをなだめるてん。そこへ、団吾の落語を聞いて来た藤吉が帰って来ます。
団吾がいかに凄いかをまくしたてる藤吉。これは絶対に抱える気ですな。
そのころ団吾は、赤い人力車で街の喧騒を駆け抜けながら、借金取りを煙に巻こうとしていました。
今回のマトメ「藤吉がかなりマトモになってきた」
今日は割とよかったと思います。
藤吉は、かなりマシになってきました。
金の算段をろくにしないまま、寄席小屋を買おうととしていた第6週。
払う金もろくにないけど、ともかくファンだから出てくれとコネを使い、甘いカレーうどんで文鳥を籠絡していた第7週。
今は人を呼ぶのに金を積むことを、事前に考えるだけマシです。
やっと金勘定ができるようになったのかと、なんだか感動すらしてしまいました。
ある意味、今まで見てきて一番感動したかもしれません。
この“金をドンッ”と積み上げるのも、吉本イズムです。
「ギャラで芸人を縛る吉本」
というのは、吉本の悪どさとして芸人の間で語り草になっている話でして。
ただし、かつては札束を積み上げるえげつない行動とされてきたこうした話も、平成も終わりの今では「搾取ばっかりせずに、ギャラで縛るならええやん!」と思われるかもしれません。
懸念しているのは、てんが「お金より人情が大事!」とか言い出しそうなところですね。
とはいえ、先週のしょうもない夫婦喧嘩と育児展開よりも、事業を展開する今週はマシになりそうで一安心です。
期待できるもう一つの点は、月の井団吾を演じる波岡一喜(なみおか かずき)さんです。
映画『パッチギ!』で鮮烈な印象を残した役者さんで、又吉直樹さん原作のドラマ版『火花』でも大切な役どころ(主人公の先輩・神谷さん役で準主役)を熱演されてました。
いずれも好評で、彼が大阪出身というのもプラスに働くかもしれません。
伝統的な落語でしたら関西出身がプラスになるかどうか不明ですが、破天荒な新しい笑いを提供するような落語家という設定は、非常に相性が良さそうです。湘南出身の松坂桃李さんは、言葉の段階から苦労がありました。
なお、ドラマ『火花』では、今年のM-1で優勝した『とろサーモン』ツッコミの村田さんとコンビを組んでおり、優勝の翌日に登場というのもなんとな~く幸先の良い話で。
波岡一喜、“相方”とろサーモン村田のM-1優勝を祝福「ケントと2人で見て、優勝をした瞬間にチューしたわ(笑)」#とろサーモン #M1グランプリ #村田秀亮 #波岡一喜 #林遣都 #火花 @toromurata @hibanajp
▼ 詳細は記事へhttps://t.co/qJB7pvY490— AbemaTIMES (@AbemaTIMES) December 3, 2017
著:武者震之助
絵:小久ヒロ
【参考】
NHK公式サイト
コメントを残す