第二次上海事変後の上海/wikipediaより引用

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わろてんか131話あらすじ感想(3/8)反戦の取扱が雑すぎて逮捕→拷問

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昭和14年(1939年)。

日本軍慰問のため、北村笑店の「わろてんか隊」一行は上海に到着します。

死を目の前にした兵士たちに、どうやって笑いを届けるか。
頭を悩ませる一行でした。

 

必死に頼み込まれ思わず受け取る

ファンレターを渡したように見えた若い兵士。
実はそれ、天満にいる好きな女性宛ての恋文でした。

「検閲あるさかい……」
と必死に頼み込まれて、感極まった様子のリリコです。
そして受け取ります。

あーあー\(^o^)/
あーあー\(^o^)/
嫌な予感がしてましたが、やっぱりやってしもたorz

このお手紙メインにするのであれば、朝ドラワーストワン争いに本格参戦することになるでしょう。
理由は後述します。

リリコは恋文を預かったことで、負けん気が出てきたようです。
花を髪に飾り、万丈目に台本の気持ちを書き換えるように頼みます。

そして高座にあがったリリコは、恋文ネタの漫才を披露します。

そういえば気になるのがSEです。
兵士しかいないはずなのに、女声まで混ざってません?

 

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怒鳴られ、公演中止

こんな恋愛ネタ、軍部が許すわけない。
と思っていたら、案の定、阿久津に怒鳴られ、公演中止となります。

当たり前です。
そもそも、ここで恋文ネタを入れるのが、本当に兵士のためになるとも思えない。
リリコは風太に兵士の気持ちがどうのこうの言っていましたけれども、リリコこそ恋文を受け取っただけで、何をわかった気になっているのかと言いたくなります。

好きな女性のことも忘れて、漫才のときぐらい何も考えずに笑わせてやるのがよいのでは?
そっちの方が本当の優しさではないでしょうか。
リリコのアイデアは、若い兵隊たちの心をエグる危険性を孕んでいます。

実際、風太はリリコを叱り飛ばしました。
当然でしょう。

しかし、ここでリリコが恋文を預かっていることが発覚。歌子はじめ周囲も庇います。

あー……もう。
ここは風太が正論だろうに……。

 

「写真がないのはいい知らせ」って、どこの格言?

一方、大阪のおてんちゃんは新聞を見てニコニコ地蔵さんです。
トキは風太の写真がないと不満そう。

「写真がないのはいい知らせ」
とかなんとか、真理なのかトンチンカンなのか、よくわからんコトをおっしゃるおてんちゃん。
現在でもそうですけど、写真の有無や記事の長短は「ニュースの重大性」で決まるものでしょう。

むしろ社長であるおてんちゃんが、ナゼ電報なり他の手段で部下の動向を把握していないのか?
昨日もツッコミましたけど、新聞で動向を追いかけるって、普通のファンじゃないんだからさぁ(´・ω・`)

は映画が検閲受けそう、とダルい様子。
昭和14年(1939年)には映画法が成立しておりまして、それも仕方ないことではあります。

ただ、作中にそのへんは出てこない。
新世紀キネマとの合併がどうこう、言われます。

このあと、栞は部下から突き上げをくらる流れでしょう。
映画作りに妥協しない栞と、時勢に阿る部下。
ただ、本作の仕事しないことで評判の栞様を見ていると、自業自得に映ってしまいそうです。

というか……史実の小林一三が第二次近衛内閣で商工大臣をつとめていたことを考えると、何とも矮小化されて、つまらん話になったなぁ。
そんな愚痴のひとつも言いたくなります。

ここまで別物なら、完全なオリジナルキャラクターでOKですよね。
これは他のキャラにも言えることですが。

 

いくら亀井さんでもこれは笑えない

台本を考え、アタマを悩ませている楓。
なんと与謝野晶子の反戦詩『君死にたまふことなかれ』を入れたそうです。

マジか……。

ここでしんみりと、亀井が兵隊にとられた落語家の話をします。
死んでしまったのかと聞かれると、軍人として生きていると言います。

そのあと、
「暗い話でも笑えるでしょ」
と言うわけですが、いくら数少ない良キャラの亀さんでも笑えなかったなぁ。

「死んだと思った?
残念、生きてましたぁ!!!」
って、戦争ネタを取り扱う場面であまりに短慮ではないでしょうか。
デリカシーなさすぎて引きます。

 

栞も念能力を発動させる気か!

栞はセーブポイント仏壇前にやって来ました。

栞「藤吉君と話したいと思ってね」

アイテム「鳥の鈴」を使いますか?
→はい
いいえ
*このアイテムはおてんしか使えません!*

ここは藤吉を念能力で呼び出したいところですが、制限があるんですね。
まぁ、仕方ない。

それにしても、この栞様の【何言っているんだ】感が半端ないです。
こんな時でも藤吉くんなら後先考えずに突っ走るはず、ってそういう人物でしたっけ?

私の記憶にある限りでは、藤吉ならむしろ目をキラキラさせて、
「お国のために尽くしてこそ北村や! こないに名誉なことはあらへん!」
ってノリノリで突き進みそうじゃないですか。

軽薄な性格ですし、労働問題でストを起こした芸人相手にも冷たい態度でした。

周囲で少しでも戦争に対して非協力的な態度が見えたら、
「お前らなぁ、このご時世で戦争アカンなんちゅう奴は、アカしかおらへんで」
くらい言いそうです。

キースとアサリはしんみりと、内地に帰ってもお前と漫才と言い出しています。死亡フラグ?

歌子は、笑った兵隊が自分の家族のように思えるとしんみり。
真面目に万丈目と話し合っていますが、兵隊が通りかかると照れ隠しで夫をどつきます。

風太は恋文を預かって、涙目になります。
演じる濱田岳さんは何一つ悪くありません。とにかく脚本と演出がイカンです。

 

第二次上海事変が発生した頃では

風太は、自分の荷物に恋文を入れて運ぶと言い出します。
ばれたらえらいこっちゃで、と言われてもやるそうです。リリコとシローにも好きにせえ、と。

SEに爆撃音、戦闘の音すら入り始めました。
『タイタニック』の楽団でも意識しているのかもしれませんが、ここは陸ですので、流石に逃げたほうがよいのでは?

昨日に続いて、移籍騒動で年代をいじった結果、時代考証が破綻した件についての突っ込みです。

劇中の上海は、昭和14年(1939年)ですと「第二次上海事変」が発生しています。
あれほど安全にこだわりながら、よりにもよって上海を舞台にしたのはミスではないでしょうか。

こちらが事件まえの上海で

1920年の上海/wikipediaより引用

いざ事件が起きてしまうと

第二次上海事変後の上海/wikipediaより引用

ここまでの被害が生じております。

作っている側は「たかが一年後にしただけ」と思っているかもしれませんが、一年の誤差でとんでもないことになるのは歴史ものでは当然のことです。
なんせ、戦地ですからね。

取ってつけたような戦闘音SEも途中で入りましたが、にしたって暢気すぎ。
最前線へ送られるどころか、自分たちも危なくなってます。

ちなみに史実における「わらわし隊」でも、戦死者が出ています。

劇中では能天気なものですが、吉本最大の危難であったというのが、この慰問隊の派遣。
思い入れも強い話ですから、何度も舞台や映像化されております。

慰問先ではドラマに入れたら面白そうなエピソードがもたくさんあります。
子供たちに食べ物を分け与えるミス・ワカナ。
女性に間違われたアチャコ。
そうしたものはまるでスルーして、しょーもない恋文パシリをねじ込む。

本作の駄目さ加減を、今週は総決算するようになりそうです。

 

今日のマトメpart.1「最悪の頂点へ」

さて、今日は満を持してこう言いたいです。

【今日の出来こそ、今まででワースト】

いろいろ突っ込みどころはありますが、恋文をプロットの中心に持ってきたのが壊滅的に駄目です。
「検閲通らないの? かわいそう。じゃあ預かっとくわ」
この発想の時点で、リリコはもう底抜けのアホとしか言いようがありません。

検閲の意味、わかっていますか?

秘密保持のためですよ。
戦地から内地に送る場合は、うっかり機密を漏らすこともありえるわけです。
この兵士は、罪のない、考えの甘い青年でしょうけど、スパイの可能性だってありえるのです。

もちろん、
「見つかったらえらいこっちゃ」
という台詞はあります。

しかし、その「えらいこっちゃ」の中身を、書いている側も、キャラクター自身も、理解しているとは到底思えません。
小林多喜二がどんな目に遭ったかくらい、知っていて欲しいものです。

万丈目も、楓も、ありえないくらいに底が抜けています。

そのまんま恋文ネタを漫才に入れるって……。
よりにもよって発表当時から物議をかもした『君死にたまふことなかれ』をそのまんま台本に入れるって……。

【ド直球ストレート馬鹿】としか言いようがありません。

ハッキリ言いまして、こんなものは書いた楓自身も、上演した北村商店関係者も、全員、逮捕拷問されるレベルのやらかしですよ。

おそらく書いている側は、
「なんで誰も戦争に反対しなかったの?」
と、キラキラした目で言ってくるピュアなお子様レベルなんだろうなぁ、と脱力しました。

ナゼ、誰も反戦を言わなかったか、って?
んなもん、言えば逮捕、拘束、拷問の憂き目にあったからです。

戦時中でも反戦活動をしていた人は、それこそ地下に潜るか、『はだしのゲン』一家のように村八分になるか、どちらかでした。

確かに表現者が権力に阿るよう迫られて、抵抗する話は定番のテーマです。
本作がそれをやりたかったことは理解します。
三谷幸喜さんの『笑の大学』なんか有名ですよね。

ただ、本作の場合は、それがあまりにドストレート直球で、とにかく稚拙なのです。
検閲をどうやってかいくぐるか?
その長い長い歴史を振り返れば、何らかの工夫が必要なことぐらい子供でもわかる話ですよ。

例えば、楊貴妃の死を描いた『長恨歌』は、こう始まります。
漢皇色を重んじて傾国を思ふ
【意訳】漢の皇帝は色に溺れ、傾国の美女を愛していた

内容的には当時の玄宗皇帝を指していますが、それを指摘されたら「いやあ、これは漢の皇帝の話ですよ」と逃げられるようにアリバイを作っているわけです。
江戸時代の『仮名手本忠臣蔵』も、「室町幕府の設定です」ということで検閲逃れをしています。

現代の中国でも、中国では「習近平酷い!」なんて直接書けない。だから、批判者はくまのプーさんに託しているわけです。

BBCニュース - 中国当局、なぜまたクマのプーさんを検閲? 主席任期延長案で 

本作はそういう検閲をかいくぐるための工夫なんて、何一つない。
髪飾りやめろと言われたら、花をさす。恋文をそのままネタにする。反戦詩をそのまんま台本に入れる……一体何を考えているのか。

絶望的にアイデアがありません。

まぁ、この先、検閲をくぐるために努力するのかもしれませんけど……。
工夫するようになりました、と言うのかもしれませんけど……。

けど……そんなん当たり前のことやからな!

 

今日のマトメpart.2「朗報もあります>再放送」

悪いニュースばかりでは何ですので、朗報を。

再放送情報「マッサン」
再放送情報「カーネーション」

来月から、NHK大阪の朝ドラ『マッサン』と『カーネーション』が再放送されることが決定しました!

両方ともよい作品です。

NHK大阪は駄目な朝ドラばかり作っているわけではありません。

特に『カーネーション』はここ10年最良ともいえるほどであり、戦時中の描写が出色の出来。
嫁いびり、つまらない子育て描写、薄っぺらい戦時中描写……『わろてんか』で見せた駄目な部分がない、奇跡的な作品です。

そしてこれは両方に通じることですが、
【主人公の優秀さと仕事内容が描かれている
のです。

そんなん当たり前のハードルではあるのですが、それが本当に嬉しいんですね。

マッサンは人間的には多少ぼんくらでも、ウイスキー作りにかけてはエキスパート。
糸子は情熱的に仕事に取り組む、できる女性です。
洋服のセンスも抜群だ!
ナゼ、リリコは『カーネーション』の衣装を使い回ししなかった!

というわけで、本作のことは忘れて、再放送枠に期待しようではありませんか。
もちろん、新作もですね。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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【参考】
NHK公式サイト

 

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