なつぞら53話 感想あらすじ視聴率(5/31)兄の部屋

封筒を開け、中身をじっと見つめるなつ。

ごろんと仰向けになり、足をバタバタさせます。

「やったやったやったやった……やったー!」

同室の佐知子が部屋に入ってきて声を掛けると、合格だと告げます。

おめでとう、なつ!
佐知子、そして父もナレーションで祝福するのでした。

広瀬すずさんが絶品ですね。
表情と仕草だけで、爆発するような感情を表現して、そして告げる。素晴らしい!喜びが伝わって来ます。

演技ってこういうことなんだなぁ。

軍師は素直になれんのじゃぁああ!

柴田家でも、乾杯をしています。
なつの席には身代わりの【木彫りの熊】が……。

よりにもよって熊でなくてもいいと突っ込まれ、照男がなつが好きだったからと言います。

好きなのは照男自身だと、明美が鋭いツッコミを入れます。
ラブレター(=鮭)を抱えた熊だと、砂良への恋心まで突っ込まれる兄。

まぁ、目がうっとりとしていますからね。
こりゃバレるわ。演技がいいなぁ〜。

それにしても明美が、姉不在を補おうと軍師化しているのがおもしろいですな。
柴田家姉妹は、幼い頃から賢く、そして容赦がありません。

「帰ってこんのがいい知らせじゃ」

「すごい強がり!」

「うるさい!」

泰樹が言えば、富士子が突っ込む。
いいですね、軍師の強がり。

場面変わって、今度は北海道でも札幌。
夕見子がなつに電話をかけてきました。柴田家の場面でも不在だったあのイジワル軍師だー!

「電話代がかかるから、手短に」
いきなりそれかーい!

「いいか、なつ、負けんな。中に入ったら、負けんな。負けたらつまらんぞ!」

「負けんぞ、特に夕見子には負けんから!」

「はいはい、お金もったいないから切るね」

そしてもう切っている、と。
なつは、すぐ照れんだから、じいちゃんそっくりと言うのです。

完全に軍師ですわ。
祖父の軍師の血が、孫まで伝わっています。

賢いのはよいことです。
しかし、軍師は人の気持ちを踏んづける。
特に女性である場合、無愛想な奴と言われかねない。

モテそうにないでしょ?
めんこいね、と近づいてくる男性がいても、最初のデートで終わりそう。
そういう軍師なんだよなぁ……直江兼続だから。

※煽ってくるからさ……

でも、この電話の場面を見て、
「夕見子ちゃん、めんこい❤︎」
とうっとりしたアナタ!
おめでとうございます。雪次郎になれますよ。

そんな容赦ない毒舌夕見子に認めてもらってこそ、雪次郎も熱くなりますね。
今日は出番なかったけど、頑張れ、雪次郎!

きょうだい一緒に風車で

このあと、なつは風車にやって来ます。
亜矢美は、おばんおばんおばんとおばんラッシュ状態で迎えます。

山口智子さんってば……昨日のマダム対決モードと違いすぎる!
服装だけではなくて、雰囲気も。うまいですねぇ。

なつぞら52話 感想あらすじ視聴率(5/30)噛み合わない兄妹

テンションが高いのは、咲太郎から合格について聞いたからのようです。
彼女から祝いの言葉が出ます。
咲太郎も嬉しかったんでしょうね。

なつは、亜矢美に兄の絵を返そうとしますが、彼女は断ります。

と、今日はもうひとつ別の用件、亜矢美に頼みがありました。
川村屋を出ることになるから、ここに置いて欲しいと告げるわけです。

「いいの、本当に?」

「ご迷惑でなければ」

「いつでもいらっしゃいよ! 狭いけど、大歓迎!」

亜矢美は歓迎モードになります。
無駄に部屋が余っていたのかもしれないし、どうせなら身元が確かな下宿人がいい。そういうことよりも、これは朗報です。

咲太郎は、せめて住むところだけでもと、風車でなつと暮らそうと言い出していました。

なつぞら46話 感想あらすじ視聴率(5/23)なつの“北海道”に戸惑う兄

回り道をしたけれど、そこにまで到達。やったね!

なつよ、次の一歩を踏み出したな――。

ナレーターの父も、そう祝福する出発でした。

問題は解決したのかな?

これを指摘するのはちょっと気がひけますが、おめでたい今日ですから、敢えてチェックしておきましょう。

◆面接で不合格だった理由を、咲太郎は誤解している

→なつが真相を告げなかった結果、咲太郎は「孤児院育ちとバラしたせいだ」と誤解しています。

◆仲と陽平の説得成否不明

→大杉の誤解を解くと仲はなつに誓ったわけですが、面接に不在でした。つまり、説得成否がわかりません。

なつぞら51話 感想あらすじ視聴率(5/29)コネなど不要、実力で勝負だ

◆赤い星座の女優・亀山蘭子

→ちらりと出てきただけの彼女は、まだ出番があります。結構大きな役のようです。

入社後に、このあたりの要素が絡み合い、また何かあるのでしょう。
咲太郎ほどのトラブルメーカーが、ここで終わるわけもない。

きょうだいの和解は感動的でしたが、この程度であの爆弾男は終わらないのでしょう。
怖いような、期待したいような……。

大森氏の伏線の張り方は怖いからなぁ。

趣味は大事です

前回の、父に似た咲太郎の絵も衝撃的でした。
描き慣れていなければ、ああはならないと思えたのです。

そして今朝、部屋に貼られた絵の数々。

今まで見てきたのは、夜の咲太郎でした。
踊り、歌い、酔っ払い、女の子といちゃつき、警察の世話になる。

本日は、それだけではない、そんな一面が見えました。
昼の咲太郎は、繊細で絵が好き。
そんな青年なのです。

夜の顔だけでは生きていけない。だからこそ、昼にこういうものと向き合う。
彼も天陽と陽平、そしてなつと同じ、絵を愛する心があるのでしょう。

いや、表現そのものか。
歌い踊ることも、愛しているのか。
それなのに、照れくさそうに、自分の歌と踊りでは飯が食えないと言ってしまう。

それの何が悪いのさ!
そう言いたくなりますよね。

プロでなくて、アマチュアだって趣味で表現に打ち込んでもいいはず。
そのことが、世の中の役に立つことだってあるでしょう。

こういうことに、厳しい作品がありましたからね。前作****だよ!
発明家というクリエイターとして食っていけない**さぁんに、*ちゃんがこう告げた時にはぶっ飛んだものです。

「クリエイターとして食っていないで収監されている……お前はもう、死んでいる」

ひでぶっ!

それはさておき。

そういう生きるため以外のこと。
趣味や娯楽に優しい作品だと思えました。

なつのアニメだって、泰樹ですらよくわかっていないし、野上からすれば怠け者のすることに思えています。
生きるために地道に働いている人からすれば、そういうものなのでしょう。

でも、それだけじゃない。
無駄なようなことでも、とても大事です。
文化や趣味や芸術。一段下に見られかねない。そういうことを本作は大事にしています。

プロアニメーターを描く作品ということだけではなく、その作品から力をもらう、そんなファンにも優しいのです。

咲太郎は、一連のセリフからして、そんなファン代表になるかもしれません。
容赦なく厳しいところもありながら、時にとても優しくて、懐が広い。

アニメが好きなあなたも応援している。
そう告げてくるような優しさが本作にはあります。

※スマホで『なつぞら』や『いだてん』
U-NEXTならスグ見れる!

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

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【参考】なつぞら公式HP

 

3 Comments

904型

なつと咲太郎の間の10年の隔たり。これからようやくそれを埋める日々が始まるのでしょうか。

東洋動画の社屋前の様子にしても、雰囲気はよく出ているし、夕見子が電話をしている札幌の町は、鐘の音の響きでそれを象徴させている感じ。
いずれも、簡潔にして適切。

やっぱりあの「『明治の幽霊電車』を含む新宿の街角」シーンだけが、本作中では際立って異質な存在。
前にも書きましたが、あんなシーンなど全く無しで新宿の雰囲気を出すのはいくらでも可能。かえって「昭和30年の新宿」に見えない意味不明なものになっています。
おそらくまとめて撮影してしまっている関係で、NHKとしては使いたくなってしまうのでしょうが、もはや邪魔でしかありませんし、もう使用は潔く全廃してもらいたいです。

それに対して
「風車」の近辺のような町並みは、最近の実際の新宿でも、表通りから少し入り込んだところには随所に残っています。リアリティは十分。巧みな表現と思います。

高橋

ここまで落ち着いた?ところで千遥の件知りたいと思うのはまだ早いでしょうか

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