なつぞら83話 感想あらすじ視聴率(7/5)戦災孤児の境遇を浮き彫りに

姿を消してから二日後――。
柴田の家に届いた千遥の手紙は、帯広の消印でした。

その手紙を、なつが読み始めます。

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千遥の人生とは

お兄ちゃん、お姉ちゃん、急に帰ってごめんなさい。

 

柴田牧場の皆さんにも、失礼なことをしました――。

そこから始まり、千遥の人生が語られます。

おばの家から逃げ出し、線路沿いを歩き始めた千遥。

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この線路を歩いていけば、咲太郎のいる東京につくと信じておりました。

そして駅で。
今では顔も思い出せない復員兵に保護されると、そのまま自分の娘と偽り、復員兵は置屋に彼女を売り払ったのです。

光山なほ子という女将の元で、千遥は育ちました。
奥原千遥ではなく、独身の女将の養女となって、育てられたのです。

これは昔はよくあることでした。
戦前は家族の絆が強かった……というのは、あくまで一面的な話です。

芸者のような稼業の場合、養女として育成することは多かったものです。
剛男のような婿養子や、子がいない家が養子をもらうことも、今より頻繁に行われておりました。

そんな時代で、戦災孤児になるということが、どれほど辛いことか。
家長を失い、大人の後ろ盾をなくし、彼らは苦労を重ねたのです。

そんな千遥に、最近結婚して欲しいという人が現れました。
立派な家柄は、不釣り合いとも言えるほどで――。

なつはここまで読み、すすり泣いてしまいます。
富士子が心配して、止めようとするのです。

「なんならもう、読んでくれなくていいんだよ」

しかし、なつは読み続けます。

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家族と縁を切らなければ

嫁ぐ直前になって、千遥の義母は咲太郎の手紙を差し出しました。
荷物の中にあって、今まで預かってきたものの、見せる機会を逸していたのです。

当時の千遥は、字が読めず、中身がよくわかっていなかったのでした。

そこには、なつの住所が書いてありました。
女将は連絡するかどうか、判断できなかったのです。

忘れてならないのは、戦災孤児が虐待に遭う危険性もあった点です。
そこは判断しようがありません。
手放せず、考えているうちに、ここまで来てしまった……。

女将は手紙を隠していたことを謝ります。
千遥は、謝ることなんてひとつもないと言い、感謝を見せます。

ここで、女将は言うのです。

結婚するのならば、家族と縁を切らなければならない――。
戦災孤児であるとわかったら、破談になってしまう。

そう告げられ、千遥はこう返します。
私には兄や姉の記憶はない。

「あるのは、ここに来てからの、幸せな記憶ばかりです。お母さんの望みなら、結婚します」

それに対し女将は、千遥が幸せになることが望みだと返します。

千遥は、私は幸せだと語ります。
だからこそ、結婚しようと思ったのだと。

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永遠に別れなければならない

それでも、義母の許しを得て北海道までやって来ました。

もし、お姉ちゃんが不幸でいたのならば。
今の自分の幸せを放り出してでも、助けるつもりだったのです。

しかしお姉ちゃんが幸せならば、結婚を機に永遠に別れなければならない。
そう決意を固め、北海道まで来たのでした。

千遥は、なつが幸せな暮らしをしていたとわかるまで、時間はかかりませんでした。

そして電話で声を聞いた瞬間、思い出したのです。

空襲のあと、おばあさんに芋をもらったこと。

米兵の靴を磨き、チョコレートをもらったこと。

お兄ちゃんが格好良く踊っていたこと。

ノブさんも一緒で、池のほとりでザリガニを焼いたこと。

石蹴りをして転び、母に会いたいと泣きじゃくる自分を、お姉ちゃんが抱きしめてくれたこと。

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お姉ちゃんの服を着て、牧場で働いていると、まるでお姉ちゃんに抱きしめられているような気がしたのです。

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そして、千遥は怖くなってしまいました。

お兄ちゃんとお姉ちゃんに会ったら、別れられなくなる。
それが怖くなって、逃げ出してしまったのです。

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一生会うことは、もうありません。会えません。
お兄ちゃんも元気でいて、本当によかった。

 

私は一生、自分の過去は忘れません。
柴田牧場で過ごしたことも、忘れることはありません。

 

お元気で、さようなら、ごめんなさい。
千遥

※続きは次ページへ

6 Comments

でんすけ

このまま千遥ちゃんが結婚をしたら、人身売買紛い女将さんの行為を美談化するようなもの。個人的には別の結末が用意されていると期待しています。

かなた

いつも素敵な文章をありがとうございます。楽しみに拝読しています。

思えばほぼ全編が手紙に沿った振りかえりのみだったのに、過去から未来に続く情景が深淵で身が切られるような回でした。
4人が絵でつながる収束シーンはぶっこみ感が少々…な気もしましたが、それでもちゃんときゅんとしました(笑)
お父さんとともに見守っているというお母さんとの具体的なつながりも、どこかで描かれるといいなあ。

ご紹介いただいた文春の記事も興味深かったです。
同記事も含め、60〜70年前の記憶や知識のある人や、SNS中毒(被毒)でないまともな人がすでに絶滅しているかのようなネットライターの口ぶりには、いつも驚愕させられます。

さて、この兄妹のつながりの深さからして千遥ちゃんがこれで退場というのはありえないはず?なので、縁談先の名家がどの人物の関係者かという推測も楽しみつつ、さらなる展開への期待にわくわくしています。
武者さんの記事も日々楽しみにしてますので、夏に向けみなさまにはくれぐれもご自愛くださいm(_ _)m

ガブレンツ奮戦

文春があんな低レベルの記事しか書けないとは。

まあ、日本経済新聞ですら、「トンデモ論調」を展開してしまうくらいですからね(第81話のコメントを参照)。
週刊誌の芸能記事など、思いつきで書きたい放題でしょう。

けいいち

文春の記事は、いわゆる読書感想文って感じですね。
とくになにも分析してなくて、長いSNS投稿みたいな印象です。
武者さんのレビューの凄さが改めてよく分かりました。
これからも楽しませてください!

でんすけ

戸籍上での千遥ちゃんは、復員兵の実子で女将さんの養子ということですかね。戦災孤児だった過去を知るのは咲太郎の手紙を読んだ女将さんだけ。名目上は名家との縁談に支障なし。

実によく練られた設定だなと感心しきりです。

求婚者の人となりに千遥も女将さんも触れてないので、武者さんが仰る通り、容姿で見初められたシンデレラパターンでしょうか。「家」の人形になる人生になるのか娘の幸せを思う女将さんが壊してくれるのか。後者であってほしい~

こけにわ

千遥の綺麗なワンピースが悲しい、
なつの服を大事に持ってお嫁に行くのでしょうね。
なつが不幸なら、助けるつもりだったなんて、しっかりした末っ子。
どうか、どうか幸せに。
ポスターになつの名前が出た時に、
千遥が映画館でなつのアニメを楽しむシーンが見たい!
そんな気持ちになりました。
3人それぞれの育ての親が見られて、
なんて奥深いドラマなんだろうと感心しました。

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