なつぞら70話 感想あらすじ視聴率(6/20)天才なんだと褒めたいけれど……

『白雪姫』に憧れてはいかんのか

ランチは近所の喫茶店らしき店。
下山は、堀内に『白蛇姫』で辞めるかと思ったと切り出します。

これにはマコも同意。
芸大卒で、アニメは合わないと失望して辞める人が多いのだとか。

堀内も本音では、アニメが好きではなかったようです。
それでもこのタイミングで辞めるのは【使えなかった】と証明するようなものだから留まりました。

この場面でも、なつは美味しそうにランチを食べていて、マイペースなんだなぁ。

マコは芸大卒でも、アニメが好きで入った、志望したということが明かされます。
ディズニーの『白雪姫』に感動したのだそうです。

「それであの常盤になるんですか……」

茜がそう突っ込みます。

いや、気持ちはわかるけれど。
それを言ってはいかん!

「描く人が出るから……」
フォローでさらに傷口を抉る下山。おいっ!

マコも自覚はあるようで、自分がディズニーに憧れてはいかんのかとブツブツ言っています。
この人、面白すぎるでしょ!

茜はなんとなく入ったそうです。
のんびりスケッチをするのが好きな、山下清系の趣味があったとか。

漫画映画も、なんとなく面白そうだから入ったそうです。

「裸の大将」山下清はドラマと違い渋い男前だった!?

絵を描いても儲からないけど、と照れる茜です。

一方、リーダーの下山は、元々、拳銃を撃ちたくて警察官になったとか。
アクションが好きなのか。
アニメーターになってもそういう場面ばかりだそうです。

色っぽい場面は苦手で、常盤は回ってこないかもしれない。
そうボヤいております。

なつは、蘭子が声を当てる常盤を担当したいと熱心に言います。
そんななつの情熱を、茜は好きでいっぱいだと感心するのですが。

「できると思ってんの?」

そうマコは突っ込みます。

「できるようになる!」

「よろしい」

なつはめげずに返します。

マコははっきりいって友達は少なそうですし、嫌っている人もいるでしょうし、本人も自覚はあることでしょう。

それを受け止め、流す。
そういうなつのことを気に入り始めている。そんな気持ちも伝わってきます。いいキャラだなぁ!

ライブアクションが始まる

下山班も「ライブアクション」に参加しました。

俳優の動きを見てスケッチし、取り入れること。
ディズニーが取り入れているライブアクションを、東洋動画でもやるわけです。

牛若丸だけではなく、平安装束を着た蘭子も登場しました。

付き人の咲太郎を見つけ、なつが手を振る。
あのきょうだいが、よくぞここまでたどりつきました。

なつぞら52話 感想あらすじ視聴率(5/30)噛み合わない兄妹

今回の場面は、常盤が牛若丸を突き放すところ。
比叡山で修行する牛若丸は、こっそりと常盤に会いに来ました。

しかし、もしも見つかれば、平家の武士に殺されてしまう。

常盤は心を鬼にして、我が子を突き放すのです。

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「ここはふつうに喋っていいの?」

蘭子がそう確認をすると、良いそうです。

ここで助手の青年がカチンコを鳴らそうとして、
【へこっ……】
と間抜けな音を立ててしまいます。

カチンコ一つ鳴らせないのか!と怒鳴られる、不器用な青年。

なつが彼に目を合わせます。

なぜか私も気になります――。
そう父が語るわけですが、私ももちろん気になります。

何者?
明日が待ち遠しくてなりません!

色気ってどういうことだろう?

朝ドラで色気というと、前作****における**さぁんのパンチラや入浴を思い出して、吐き気がこみ上げてきそうですが。

あの作品は、若い女をジャッジする。
女性モデルにエロマンボを踊らせ、視覚障害を回復させるようなゲス描写もてんこもりでした。

そういうエロはどうでもエエ。有害です。

しかし、本作にはあるべき色気があります。

茂木です。

・なつのおしゃれを気になる男性のせいだと推理する

 

・女の子のいる店に行くと亜矢美がバラす

 

・なつのお祝いにやって来る

 

・なつにきっちりとプレゼントを買って渡す

なつを若いレディとして扱っていると、言動からわかります。

若い女ならともかくブランド物あげればいい。
そういう短絡的な誤解もあるものですが、茂木は違います。なつならば喜ぶ、必要なものを選び、取り寄せ、買って来るのです。

茂木は店の女の子にもプレゼントをあげているかもしれません。
そうであれば個々人の好み、似合うものをきっちりチェックして選んでいることでしょう。

このあたりは****と比べてもわかります。

ともかく名門大学卒業をアピールするとか。
相手の趣味も調べずに、映画に誘えばセオリーだとか。いちいち雑でした。

そして自己中心的。
相手に何かを与えるのではなく、エロを搾取したいゲヘヘオーラが滲んでいて、不愉快極まりないものがあったものです。

そうではなくて、見返りを求めず、与える。
茂木にはそういうダンディさがあります。

こういうのが、大人の色気じゃありませんか?
年下のものを見守り、ちょっと手を差し伸べ、粋に見守る。

ダンディな、大人の男です。

軍師マコは辛い

マコが実は『白雪姫』に憧れていた――。

自他共にみとめるギャップがそこにはあります。
茜も下山も突っ込みたい気持ちが溢れていますが、一番辛いのは本人かもしれません。

理詰め軍師として、この感動は何なのか。
彼女なりに考えに考え、悩んできたことでしょう。
ディズニーの歴史やテクニックを調べ、その秘密を探ってきたはず。

しかし、ポーンと軽やかに、あの感動を表現することがなかなかできない。

あのセンスは何だろう?
そうモヤモヤしているところに、なつがやって来るのです。

芸大出の堀内が、あの振り向く表現を考え抜いて出してきたのならば、まだいい。

それを、いきなり新人がポーンと出してしまう。

なつぞら58話 感想あらすじ視聴率(6/6)諫言は耳に痛く 叱咤激励もまた難し

自分にあると信じていた何かを、なつは持っている。

理詰めではない、別の何かで感じてしまうことが、わかってきてしまった。

それを常盤案でもわかってきている。

なつぞら69話 感想あらすじ視聴率(6/19)謝罪なんて要らないんだゼ!

マコは、なつの才能を仲ほど素直には認められないのです。

やっぱり悔しい!

自分にはない【情】で飛んでしまう。
そういうなつを認めたいようで、認められない。それで嫌味を出してしまう。

そんなマコの葛藤を感じます。

あいつらが羨ましい

彼女の葛藤は、陽平が「天陽のほうがずるい」と言った気持ちにも通じるものがあるのでしょう。

その才能で、彼自身が苦しんでいても、持ってない側からすれば、ずるいんです。

なつぞら39話 感想あらすじ視聴率(5/15)才能ゆえの孤独と悲しみ

陽平といい、マコといい。
そういう嫉妬と悔しさの混じった気持ちが、なんとも生々しくて。

女性同士の嫉妬といえば、男や美貌をめぐるものと思われがちです。前作****にもそういうところがありました。

そうではなく、自分と違う才能に嫉妬する。
そんな世界がそこにはあります。

理詰めの軍師・夕見子にもそんなところがあったっけ。

「あの子、腹立つ!」

悔しそうにそう言う夕見子からは、自分の予想と違う行動をするなつへの苛立ちがありました。
この二人は目指す分野が別なので、対立はしませんでした。

こういう理詰めガチガチが、よくわからない概念ですっ飛んでいくライバルと火花を散らしていたのが、大森氏の『風林火山』でもありました。

勘助の主君である武田信玄は、勢いに任せるのではなく、ガチガチの理詰め。

そのライバルの上杉謙信は、

・毘沙門天の生まれ変わりだの言い出し、
・人間離れしたことをやらかし、

ハッキリ言って意味がわからなかった!

Gackt起用でザワついた大河ドラマ『風林火山』名作だったことを再確認

理詰めガチガチの軍師だからこそ、謙信やなつのように吹っ飛ぶタイプが羨ましくて。憧れていて、悔しい。
そういう作り手のなまなましい気持ち、創作へのアプローチが見えて、本作は手応えを感じるのです。

天才だと褒めたいけれど、ワンクッション置いて悔しがる。

そういう気持ちをもって、なつや天陽を動かしている。
そんな思いを感じます。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

※北海道ネタ盛り沢山のコーナーは武将ジャパンの『ゴールデンカムイ特集』へ!

【参考】なつぞら公式HP

 

2 Comments

けいいち

千遥の無事を祈ることと、なつの夢を叶えることを、一直線に重ねたことは見事でした。
なつは、千遥がそんな辛い目にあっていたのに自分だけ夢を叶えようとしていると葛藤していましたもんね。気持ちが反対方向に引っ張り合っていました。
なつの夢が叶ったときに、千遥と再会できる。いまは、気持ちが同じ方向を向いています。
本当によく考えられていると感心しました。

904型

松嶋菜々子さんつながりで…
前世があの『火垂るの墓』の「鬼叔母」だった富士子の、手紙を抱き締める姿。

成り行き次第で、あの「前世」の繰り返しという事態だって、起こり得ないわけではなかった。千遥のことを打ち明けるなつの手紙を前にした、富士子の姿には何とも複雑な感慨を誘われるものがあります。

前世が「書店員」だった茜の今後も、注目したいです。

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