なつぞら111話 感想あらすじ視聴率(8/6)反対派を動かした菊介の言葉に坂場の魂

これにて決着! 王国を作るぞ!

かくして、連合軍は十勝市庁舎に到着。
そこには、マスコミが待ち受けておりました。

「フッ……斯様なことに備え、呼んでおいたのだ」

ドヤァ……!
軍師の【檄文】【流言飛語】発動で、ドヤァ……!

なしてこんな軍師顔をできるんだ、福地桃子さん。そう驚愕するほどです。
そこには、あの信哉も来ているのでした。

そうか。
こうして関わることもできるんだな。

かくして、田辺政人組合長と大清水洋市庁舎長の対峙します。

演じる森崎博之さんは、北海道を代表するTEAM NACSのメンバーです。

NACSとは「North (北の) Actors (役者の) Club (集まり) Special (特別な)」の略称(AMUSE公式サイト)。

またすごい配役をしおって(なつぞら公式サイト)。

ここでのセリフのやりとりも、なまら熱いんだわ。

「ここまで騒ぎが大きくなったからには、矢面に立たざるを得んわ……確かに受け取ったぞ……!」

「市庁舎長殿ッ、何卒、どうか何卒、十勝農業の苦しみを、今回のことをッ、我らを潰さぬよう、お願いいたす!」

「潰すとは言っておらぬぞ」

「それでは今回のやり方は何でござったか!」

剛男がここでそう告げます。成長したなぁ。

「酪農を守れ!」

「それでもあんたは道産子かッ!」

「あいや、それがしこそ骨の髄から、道産子でござる! 北海道を思う気持ちは、あなた方にも負けぬ! この大清水、必ずや、十勝を酪農王国にしてみせますぞ! どうか皆さんも、頑張ってください!」

「どうもありがとうございます!」

ガッと熱く手を握りあい、興奮したのか、組合長がよろめきます。

「大丈夫だ、問題ない」

興奮ですよね?
病気じゃないよね?
本作は伏線が細かいから不安ではあるのですが。

なつよ、十勝にとって、歴史的な日になったな――。

父がそう締めくくる中、波乱のなんだかすごい水曜日が終わってゆくのでした。

『なつぞら』の五虎大将軍よ……

そろそろじっくり考えたい、TEAM NACSのこと。
今回ではっきりしたのですが、『なつぞら』の五虎大将軍になりそうですね。

大清水が再登場するかどうかは、わかりません。
ただ、十勝酪農王国建国戦において、重大な役割を果たしたことは確か。ここぞという時に、投入されたと。

菊介のスピーチは唐突だとか。
山田正治はなんなのかとか。

だいたい説明はできるかな?

TEAM NACS

 

1 森崎博之さん(関羽):十勝酪農王国建国を誓う、大清水洋市庁舎長。こやつに任せておけば間違いない。そんな大物感があるぞ!

 

2 安田顕さん(張飛):雪月の勇将・雪之助。今後、農協で作ったバターで、何か十勝を変えた菓子を作るのか?

 

3 戸次重幸さん(趙雲):山田家の誠意・正治。世の流れに疑念を抱く、知勇兼備の将。その透き通った思考は、周囲に好影響を与える。

 

4 大泉洋さん(馬超):???????? 前世では、泰樹の嫡男であったが……?

 

5 音尾琢真さん(黄忠):やったぞ、戸村菊介ッ! 学のない牛飼いと自認しながら、この局面で演説し、局面を変えた。その勇気が、事態を好転させるぞ!

作劇上、かなり重要な役割を持っているとわかりました。

となると、気になるのが空白の大泉洋さんなんだよなぁ。
どうなるのかな?

なまら道産子応援ドラマだべした。

道産子の、道産子による、道産子のためのドラマ

本作のなまらすごいところは、道産子が好きそうなものを出すだけじゃないべさ。

坂場のスピーチありきの菊介ではある。

なつぞら109話 感想あらすじ視聴率(8/4)同志、十勝で相まみえる

ただ、あの場で坂場が言うわけでもない。
あくまで言うのは、坂場の影響で覚醒した菊介なのです。そういう事情を知らなければ、英雄は菊介になるべや。

演じる宇梶剛士さんのことをふまえると、総大将が彼だということも大事です。

道産子以外も好影響を与えるけれども、あくまで最終決定権は道産子、北海道に生まれ育ちルーツを持つ人にある。

そのことを、道産子以外が文句を言わないんだわ。
道産子のものは、道産子のものだべさ。

あそこで坂場が出しゃばったら、そういう意味でも台無しですから。
こういう意識は、ちょっとしたところに出ています。

天陽と坂場のやりとりで、お互いになつのことをトロフィー扱いしない。
自分の女だと思えば、そこで対立も生まれるのかもしれませんが、そうじゃない。

彼女は彼女自身のものだ。
そうわかっているからには、汚らしい執着を見せないのです。そんなものはなつにとっても鬱陶しいだけでしょう。

女は誰かのトロフィーじゃない。

なつぞら35話 感想あらすじ視聴率(5/10)ヒロインはトロフィーじゃないんだ

比較対象として出すと、前作****の缶詰泥棒ですね。
既婚者のヒロインに、自分も好きだったと気持ち悪い執着を見せていたものです。**さぁんにせよ、娘を自分のもの扱いしていて、不気味だったものです。

泰樹が目立たない、さっぱりした顔、むしろ満足げであったことも、興味深いものです。

彼は後継者を見つけたのです。
そうなったからには、自分は目立たなくていい。これで安心して退場できる。そう確信した顔でした。

それができないと、晩年の孫権状態になりますからのぅ……。
『仁義なき戦い』の山守もそうじゃけえ。
前作****の**さぁんもそうか。

泰樹は明治生まれです。
同年代の悠吉も、腰痛が出てきている。となると、舞台から身を引くかもしれない。

言うまでもなく大好きな泰樹ではありますが、彼がいなくなってもロスにはならないと断言します。
彼の魂はもう、次世代に引き継がれたから。泣くことはない。そう思えるんです。

まぁ、いざそうなったら、どうなるかはわからないけれど。

どういう朝ドラなんだ……

いや、まさかもうとっくに古い『グラップラー刃牙』の選手入場コピペだの、怒涛の『三国志』ネタだの、なして使うのか自分でもわかりませんね。

しかも朝ドラで……全くわからん!

本作がすごいことはわかる。
規格外なんだわ。

労働運動、政治思想にも関わることを、ここで爆発させてきましたね。

これはかなり異色です。

以前も突っ込みましたが、津田梅子がドラマ化されない理由ですね。

彼女は明確なフェミニズム思想を持っていた。
今のものと当時のものは違いますが、そこは確かなのです。

6才で渡米した津田梅子が帰国後に感じた絶望~それでも女子教育に生涯を賭けて

こういう思想は、朝ドラから引き抜かれる。
『花子とアン』も、『あさが来た』も、史実でのモデルが持っていたフェミニズムといえる思想はなくなっておりました。

本作のなつ、坂場、神地モデルの周辺を考えますと、労働組合大好きという思想も、実は引き抜けないはず。

とはいえ、正直期待薄でした。
理由?
朝ドラはそういうものでしょう。

坂場が大好きでたまらない労働組合運動への情熱は、何十年もかけて「ダサくて」「暑苦しい」ものとして消えてゆきました。

70年代までは、そういう熱気はあったものの、それが『半分、青い。』のヒロインたちが青春時代を送った80年代ともなると、ダサいと敬遠されていきます。
高度経済成長期が爛熟した時代に権利を求めて団結するなんて、くだらないと敬遠されるわけです。

何もしなくたって、給料は高い。
そんな労働者の権利を求めるくらいなら、スキー場やビーチ、海外旅行で楽しく生きていければいいじゃん♪
そういう流れ、トレンディ〜。

バブル崩壊後、労働条件は崩壊して苦しむ人々が大勢出てきましたが、彼らを守る労働組合はダサいとレッテルを貼られて、もう衰退しきっていました。

「権利を主張する前に義務を果たせ!」
という、はっきり言って因果関係が無茶苦茶な理屈も、語られるようになっていました。

そのおかしなところは説明しません、各自勉強していただければ。

空気を読むことこそ、トレンディとなった。
そんな日本は、変わらなかったのです。

『半分、青い。』では、シングルマザーとなった鈴愛は、苦労を重ねていました。

萩尾律のロボットを作る夢は、景気悪化により企業の方針ごと頓挫。
リストラ担当となり、彼の心には風が吹かなくなっていました。

そんな彼らに、アンチは容赦ない声を投げていましたっけ。

自己責任。
キモい。
最低最悪。

苦しい現実よりも、キラキラした良妻賢母。昭和の夢や幻が、朝ドラには求められていたはず。

NHK東京は、本気でそれを破壊したいようです。

一年目の『半分、青い。』では、これだけの例外かと思っていたものですが、二作目となると本気を感じざるを得ないのです。

来年はどうなるのか?
変わるのは土曜放映がなくなるだけ?
それともそうじゃない?

NHK東京朝ドラ班にも、なんだかすごい軍師、猛将、勇将がいるようだな……。

※抗議は歴史を変える

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】なつぞら公式HP

 

7 Comments

ガブレンツ奮戦

前の匿名さんの仰るように、機構改革により、現在の北海道庁の地方機関は変わっていますので、正確には、「支庁制がとられていた」ということになります。

十勝編の頃、農水省公式サイトの『なつぞら』応援特設ページが話題になっていましたが、先月、この特設ページが久しぶりに更新されていました。泰樹が牧場を離れて上京したことに関連して、現在はこのようなときには「酪農ヘルパー」が利用できることを紹介していました。

農水省の生産局畜産部主体で運営されているこの特設ページですが、生乳共同販売や、今週の工場設立など、経営局協同組織課からの解説もあると、より理解に資するものとなるでしょう。

ガブレンツ奮戦

田辺組合長と菊介さんの言葉で、もう全て言い尽くされた感じです。胸のすくような。これ以上のことはないくらい。

大清水氏の職名は「市庁舎長」ではなく「支庁長」ですね。農水省の行政の実務を担うのは都道府県。北海道は地域別の支庁制がとられているので、現場の行政機関は支庁ということになります。

匿名

× 市庁舎長
○支庁長

十勝支庁(当時)です。

匿名

正しくはこうです。

番長「よーし、全員で殴り込みだ!」
よっちゃん「違うべさ、百姓一揆だべっ!」
夕見子「よし、行くぞ!」

思い込みが強すぎて、正確性に欠ける記述が多過ぎます。

高橋

市庁舎長、、支庁長。
私の出身は空知でした。

すずめっこ

大清水洋と言う市長舎長のお名前から、大泉洋さんを連想しました。ここでそのお名前を使うって事は、ご本人は出てこないって事なのかあと思いました。残念ですが。それにしても、ここまで組合の事を描ける本作のスタッフには拍手喝采です!

Miho☆

百姓一揆って言ったのはよっちゃんのような気がします…ご確認を。

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