スカーレット7話 感想あらすじ視聴率(10/7)作り物やない大阪のアカン奴や

スカーレット7話 感想あらすじ~視聴率は19.7%でした

 

スカーレット感想
スカーレット視聴率リスト

昭和22年(1947年)――。

借金を抱えたままに迎えた、川原一家、信楽初の冬。
ところがジョーは逃げきれんかった!

借金取り対応でクリフハンガー(※週またぎ)という、斬新な本作、第二週開始!

借金取りが憎めへん

家長たるジョーがいない中。
借金取りの工藤に風呂を沸かしつつ、喜美子は考えます。

薪をくべたら熱うなる!
これひとつで二度、これなら三度……そう理解しているあたりに、才能を感じます。なかなか策がえげつない。戦国武将かっ!

「ううっ、あっつ! 帰ります!」

これで借金取りも帰るはずやで!

ナレーション処理をしないで、映像で半裸逃走する工藤の姿を描くあたり、ええNHK大阪のセンスを感じます。ベッタベタや。

ほくそ笑む喜美子に、浴室で風呂につかる工藤が話しかけます。

「お〜い、ここには年寄りおらんのか? おじいちゃんやおばあちゃんおらんのか?」

喜美子は戸惑いつつ、こう返します。

「おじいちゃんとおばあちゃん、うちが生まれる前に死にました。母方は元気らしいけど、会うたことないんで知りません」

おっ、なかなか複雑な家庭事情です。

「なんでや?」

「詳しいことは知りません」

「年寄りがおったら、身の丈に合わん借金やめろと止めとってくれたのにな」

工藤はどうしてそこを気にするのか?
そう思っていたら、喜美子にも視聴者にもドキリとするようなことを言い始めました。

工藤は、悪い男ではないのです。

ジョーは大阪でリスキーな商売に手を出し、二倍にして返すと言って逃げおった――工藤は続けます。

「わしにもな、五歳なる娘がおる。そっちから見たら借金取りにきた悪い男やろ。けどうちの娘から見たら、そっちが借金返さへん悪い男や。どんな人間でも、ええ面悪い面がある。怖い男に見えても優しい男かもしれん。もうええで。ちょうどええ湯加減や。ありがとうな」

つらい……。
なにがつらいって、敵は、根っからのゲスで悪じゃないとわかることです。

『なつぞら』の東映もそうでしたね。
なまじ、いい人がいると、全力で殴れない。殴れる奴もたまにいるけど(『なつぞら』のイッキュウさんと神っちあたり)、大抵はそうじゃないのだ。

こんなん言われて、熱湯風呂にできます?
喜美子はむしろ、小さな胸に人の奥深さを刻まれてしまうのです。

工藤の関西弁も、なかなか柔らかくて。
単に柄の悪いおっちゃんでなくて。人の良さが伝わってくる。関西弁の一番残酷な使い方かもしれず、たまらんもんがあります。

河内弁でゲスな罵倒をする。
そういう『半分、青い。』の秋風先生もありですが。人情に訴えかけたときのこの関西弁は、それはそれでよいものなのです。

【秋風先生による河内弁罵倒例】
「ホンマにおどれは人のDNA刺激するやっちゃのう! 何を言うとんじゃ、ワレ! 一回、死んでこい! おどれはなんでそないな時だけ、人がカチンとくること、ポンポン出てくるんかのぉ! おっ? そんな賢いんやったら、もっとええセリフ書いてこいや! あ? あほんだら! おどれのその鳥の脳みそぐらいの頭、もっと有効に使わんでどないすんじゃボケ、クズ、あほんだら!」

これぞ大阪の、ガラの悪い借金取りや

風呂を沸かした喜美子が、口を尖らせながら戻ってくると、マツはジョーの酒瓶を抱えております。

口を尖らせる癖は、喜美子のトレードマークだそうです。

そこでは、本木が酒を飲みつつ、ゆで卵をつまみにしております。

味もつけてないゆで卵を、つまみ?
酒も濁り酒で安そうですし、うまくはないのでしょう。そういうこの時代らしさが出てはおります。

この本木の柄の悪さは感動的や。
片膝立てる。悪趣味革ジャン。無精髭。

見せてあげますよ、柄の悪い大阪の借金取りを! そんな気合いを感じさせる。

「うん、うまいうまい」

「ゆで卵、うちも食べたい!」

「何や?」

酒はまだいい。けれども、ゆで卵はあかん。直子が刺激されています。

ここで喜美子は考えて、言葉を絞り出すのです。

「ゆで卵、全部食べんといでください」

「あァ?」

「だってそれ、うちが買うた卵や」

「そんなことは金返してから言わんかい!」

そう脅されても、喜美子はめげません。

「妹は思うようにならんと癇癪起こします。空襲の時に怖い目にあわしてしもうたから。そん時のことが忘れられんで。心が弱いところあるんで。一個でええ。妹にゆで卵やってください。やってください!」

ちょっと感動してしまった。
それというのも、まだ幼く、PTSDを抱えていそうな直子を、わがままだと責め立てる感想を読んでしまったから。

子供には、理屈は通じないもの――子供である喜美子はそこを理解している。大人も理解せんとね。

そう訴える喜美子の脳裏には、工藤の言葉がありました。

怖い男に見えても優しい男かもしれん――。

BGMも感動的だ。さあどう出る?

「誰がやるか!」

「優しい男ちゃうのん?」

ズコーッ!
そういう落ちか〜い。

ここで我慢できない直子は、本木からゆで卵をむしりとり、逃げます。おぉおい、直子ぉ!

家まで走ったところで、直子は追いつかれてしまいました。

「待てこのガキ〜! おとなしくせぇ、クソガキぃ!」

「嫌がってるでしょう、離しなさい!」

そこで本木をがっと制止したのは、なんと草間宗一郎でした。

「草間さん!」

そう驚く喜美子。直子は家族の元に戻ります。

「大丈夫?」

「なにさらすんじゃ! おらぁ!」

そう絡む本木を掴み、宗一郎は投げ飛ばすのです。

あっという間の出来事でしたが、きみちゃんの目には、まるで空を飛んでいくかのように見えました。
ナレーションとともに、本木がクルクル吹っ飛ぶ無駄なVFX処理が入ります。

いや、無駄やない!
こういうベタなギャグが、NHK大阪の本気なのでしょう。吉本のギャグ以前と言いますか、もっと根源的な上方の笑いにまで回帰している気配すら感じます。

草間の披露したのは柔道でした。喜美子は、こうして柔道と出会います。

宗一郎は文武両道のエリートなのでした。

お土産抱えて帰宅するはずが

そのころ大野雑貨店にジョーがやって来ました。

「オゥちゃん! はよ終わったさかい帰ってきたん。高かったでぇ、はよう渡したくてな」

その首には、女の子用の赤いかわいい手袋がかかっています。
喜美子と直子へのお土産です。こういうところは、ええおっちゃんではあるのですが。

お土産はそれだけではありません。

「あれやあれ、ラジオ!」

こう言われて、忠信はあわててラジオを取り出してきます。

「べらぼうに安い中古の掘り出しもん、きれいに磨いときましたんで」

「はようはよう、はよ出してや、もう!」

こういうところを見ていると、憎めないおっちゃんではある。そんなジョーです。

そのころ、川原家では。
宗一郎を加えて、借金取りがこう話しております。

「ほなこれ、借金の一部にさせてもらいまっさ。おたくのお金でっしゃろ。年寄りの代わりにこんなええ人おってよかったな。けど、残りの借金はまだまだあるで。約束破ったらまた追いかけてくんで」

工藤はそう強く言い、本木は凄みます。

宗一郎が止めに入りました。

「子供にそんな、やめてください」

喜美子は強い目をしながら、こう言い返します。

「約束します。借りたもんは、必ずお返ししします」

工藤はその答えを聞いて、ちょっと辛そうな顔にはなります。
どうしたって、自分の娘と重ねてしまうのでしょう。工藤も、ええおっちゃんや。

「ほな退散しよか」

そこへジョーが戻ってきます。
ラジオに手袋を持って、ウキウキと。そして借金取りと出会してしまう。

本木がすごみます。

「こいつ!」

工藤は一枚上手かも。

「ええもん持ってまんな。川原常治さんですよね? 無駄足ならんで済みました。また来月もよろしゅう」

「ちょお待ってくれ、どういうことや」

この「ちょっと」が「ちょお」になるあたりがいいですね。

「草間はんいう方がおりまして。しょうもない男の代わりに、千円ばかし払ってくれました。ほな」

「ほな」

借金取りの前で、呆然とするジョーなのでした。
※続きは次ページへ

4 Comments

さなこ

はい、先日コメントでナオコをわがままと言ったのは私ですσ(^_^;そんな公開処刑しなくても…(つд`)
私は幼い頃犯罪に遭ったことがあって、そのトラウマが言動に出ると(癇癪は決して起こしませんでしたが)理解のない両親に罵倒され、時には殴られました。周りの大人は誰も理解なんてしてくれなかったし、過去のことを引きずる自分がダメな人間なんだと刷り込まれて思い込んで。二次被害もいいところでしたよ。
ナオコに腹が立ちつつ、どこかで感情をぶちまけても守ってもらえる、許してもらえるところが羨ましいのかもしれませんね。
アダルトチルドレンの私には、やっぱり「ゆでたまご食べたい!」もカチンときましたごめんなさい(´-ω-`)

匿名

ジョーが嫌って人が多いみたいですね。このドラマで一番美味しい魅力的な役どころなのに!若いか、酔っ払いにトラウマがあるか、自分の正しさを信じて疑わない人なんでしょうね。
そういう批判が多いのか、わざわざ「人間はいい面と悪い面がある」とエクスキューズを作中で入れたように感じました。ジョーの良い面と悪い面、あんなに分かりやすく描いてあるのに~。喜美子のほっぺたをつまんで「かわえぇなぁ」って言うところなんか、愛情丸出しのだだ漏れで、本当に良かったと思いますよ。今回の脚本家さん、凄いですね。
それにお母さんには批判はないんでしょうか。お嬢様なら、どうして喜美子に最低限の読み書きくらい家で教えてあげられなかったのかと。本も紙も鉛筆一本もなかったのかもしれませんが、それでも我が子を思ったら少しでも何か出来たのではないかと思います。
お母さんは良い人ではあるけれど、喜美子に頼り切って精神的にも肉体的にも弱いという設定なんでしょうかね。

さつき

半分、青い。以来。ご無沙汰してますしております。

今回の「スカーレット」。本サイト管理人さんがどんな感想を書かれているか楽しみになり、再びお邪魔しております。

そう、このドラマ。往年の名漫画、「じゃりん子チエ」を思わせますよね。70年代~80年代前半くらい迄は大人の犠牲?になった不遇な子はまだあちこちにいたのではないでしょうか。そして、21世紀になって再び… 今と違うのは(あくまで虚構だからかもですが)子供達の物凄い生きようとする力ですかね。そういう意味でもこれはやはり昔を描きつつ現代の物語である、という王道朝ドラ作品ですね。
そして、先週の照子の脳内のルンルン♪ はまるで文楽の色恋物のようでしたし、信楽と大阪、2つの地を通して「関西」もたっぷり描いてほしいですね。

小原正靖

日本の真ん中は大阪ではないと思います。あるアンケートでは中京の中心名古屋が第1位兵庫県明石市が2位岐阜県関市の3位。

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