おはようございます。
まずこれは言っておきたい!
本作はすごい。高度な朝ドラです。
・週をまたいでいる
・しかもタスクが複数ある(農協問題と演劇部)
週またぎをせず、雑に金曜土曜で終わらせる。しかもシングルタスクだけ。時間稼ぎはエロや恋愛ネタ。
そういう手抜きはない。
気合いが入っています。
演劇部の稽古はハード
時は昭和30年(1955年)7月。
演劇部に入ったなつは、苦闘しています。
十勝農業高校は体育会系なところがありまして、ランニングと腹筋ばかりが続くのです。
そして舌を噛みそうな発音練習。
これは確かに、どこが演劇なの? と戸惑ってしまうかも。
顧問の倉田は、ひたすら脚本を書いています。
どうなってんのさ!
新春新人シャンソン歌手〜!
そんな言葉を繰り返すなつでした。
牛舎での仕事でも、筋肉痛でアイタタと苦しそう。
一言多い戸村悠吉は、歳をとったみたいだと言い出します。
きっちりと、若いからこそできることだと反論するなつ。
この性格、大事ですよ。きっちり理詰めで反論できる。そういう性格です。
富士子はそんななつに対して、仕事をしなくてもいいよと気遣います。
戸村菊介も、好きなことを今までしていなかったんだからと優しい言葉をかけます。
「なんもなんも」
出た、なんも!
そう言い切ります。
牛も好き。農業高校にも行かせてもらった。好きなようにしていると。
確かに柴田家は、高校の学費をきっちりと払っているんですよね。
それは好きでしているのか?
無意識のうちに柴田家の期待を背負っていないか?
この問いかけは、結構大事。
イジワル軍師の夕見子は、先週の時点で投げかけていましたっけ。
泰樹は、どうせやるからには一番を目指せと励まします。
「やるからには、一番を目指さんとつまらん!」
出たぞぉ、いいぞぉ、泰樹!
今週も前世が真田昌幸です。
しかし、やるからには一番を目指す戦国魂が、農協にとってはなかなか大変なことになっています。
時は酪農戦国時代!
そのころ音問別農協は、国衆がまとまらず紛糾していた――。
そんな風に有働アナがナレーションをしてもおかしくない状況。剛男がまとめようと酪農家に宣言しても、こんな感じです。
「泰樹殿を説得できないで、ほざきおる!」
田辺組合長が割って入っても、駄目なもんはダメ。話し合いにならないってよ。
「メーカーはどんなことをしてでも牛乳を買いたい。世はまさに酪農戦国時代! 我々の牛乳を農協が奪う一方、泰樹殿だけが儲けるのか? ふざけおって!」
なんなんすか、この武田家滅亡後の国衆紛糾とまるかぶりな状況は。
しかも引っ掻き回すのが真田昌幸と同じ顔をした柴田泰樹ですからね。ワクワクするわ~。
泰樹(知略99)がいないとまとまらんか!
どうするんだ、これ!
なつよ、これからどうするのか?
場面は変わって薪割りをするなつ。
そこへ照男が近づき、こう話しかけます。
「じいちゃんにあんまり期待持たせんな」
なつは演劇部のことだと誤解していますが、柴田牧場の後継についてでした。
これもね。照男がどうして進学しなかったのか、ちょっとわかりません。
時代は変わっている。なつのように、しっかり学んでそれを酪農に生かす。そういうことなんです。
どの牛同士でかけあわせたらいい乳になるかとか。
開拓一世や二世は、体で覚えたこと。目で盗んで覚えたことかもしれない。
けれども、照男の世代はそうではなくなって来ます。知略がないとね。
幼い頃から見せていた、なつの酪農への適性がどうしても気になるのです。この前は、牛の難産も解決しておりました。
「ずっとここにいていいのか?」
「どういうこと?」
「ここにいるのか、いないのか? 考えとけ」
照男はそう言うのです。
アプローチは違いますが、夕見子と同じ問いかけです。
なつは卒業後も、柴田家にとどまりたい。酪農を愛しています。
一方で、今でも兄がいるはずのない孤児院に、手紙を書いているのです。
まだ柴田家に恩返しはできていない。
卒業後も、ここに残ってじいちゃんの夢であるバター作りを手伝いたい。
でも、毎日お兄ちゃんと千遥に会いたい――。
今でも毎日会いたいです。
会いたくて、会いたくてたまりません。
これがなつの本音です。
柴田家の人たちを家族と呼んでいても、奥原家としての自覚もある。
どちらか決められない。それがなつの迷いでした。
よっちゃんの乙女心
張り切って練習に行くなつに、親友のよっちゃんは張り切っているねと語りかけます。
演劇部に誘うと、
「いいよ私は。お誘いもないし……」
と複雑そうなよっちゃん。
雪次郎が裏方はたくさんいた方がいいと、雑に誘ってしまいます。
これにはムッとしてしまうよっちゃんです。
よっちゃんは、典型的な少女らしいロマンチックな性格なのでしょう。
ヒロインとしてお誘いがないかな、内心そんな風に思っていると。
それなのに、鈍感な雪次郎となつ。
いいなぁ、よっちゃん、可愛いなぁ〜。
こういうプンプンしている女の子っぽさが可愛い!
ここに、一年生がやって来ます。
後輩なのに、ぶっきらぼうにこう言いだすのです。
「門倉さんがおよびです」
門倉努、農業科三年。
なんと彼は、バンカラの気風を残すこの高校での番長でした。
あっ、バンカラというのは『いだてん』アシストですね。
ててんのぐー!
こと天狗倶楽部。あれが明治のバンカラ典型です。
北海道の番長はヒグマとやりあわないと!
ここから先の展開は、もう卑怯っていうかさぁ。
バキッといきなり木を素手で折って、凄む門倉番長。
突然、こう言い出す。
「演劇部に入ったそうじゃねえか」
雪次郎とよっちゃんが答えようとして、そっちじゃないと言われます。
この二人のボケっぷりも笑えます。
門倉はなつに聞いているのです。が、雪次郎とよっちゃんがビビるのに対し、彼女は一切怯みません。
「それがあんたに関係あるんですか!」
「女入れていいと思ってんのか?」
「女が駄目なのかって聞いてんのさ!」
女が演劇をして何が悪いのか。
なつはテキパキと問い詰めます。
※続きは次ページへ
>Miho☆様
ご意見ありがとうございます。
今後の展開を確認してから、その辺、言及させてください。
著者の武者にそう伝えておきます^^
白蛇伝説ですが、アニメ化された中国の話ではなく、アイヌの伝説の方ではないでしょうか?
https://www.town.shikaoi.lg.jp/sightseeing/history/densho/
こんにちは。半分青い以来、朝ドラとこちらのレビューを楽しみにする毎日が戻ってきて嬉しい限りです。
今作は、レビューでも度々拝見するように、女性の描き方に配慮がされている素晴らしい作品だと思いますが、一点、よっちゃんの扱いが気になります。女優をやらせてもらえないこともそうですし、ふくよかな体型をギャグとして扱われているような。今までの丁寧な脚本からすると、のちのち解決される気もするのですが、何だかんだ言っても男性脚本家なので、スルーされるのではと良からぬ心配をしています。お考えをお聞かせ頂けると嬉しいです!
「極端な高値とはならなくとも、農協の共同出荷に参加し、長期的な安定性を目指すか」
それとも
「スポット的で安定性に劣るとしても、酪農家が個別に乳業メーカーと交渉し高値取引できる方を選ぶか」
でも、生乳は長期保存も効かない以上、目先のスポット的な高値買取りに惹かれてメーカー直接取引を選んでも、生乳は必ずだぶつく時がくる。
するとメーカーには足元を見られて買い叩かれ、よほど競争力のある一部酪農家以外は乳業メーカーに従属的になってしまう…
なんでそれをわかってくれない…
剛男や組合長のもどかしさが伝わってくるよう。
こういう生乳の生産・取引特性は、今も基本的には変わっていません。
何度か触れた「指定生乳生産者団体制度」。一昨年に制度改正が加えられましたが、極力、広域的な生乳生産者団体の機能は保たれるよう計らわれたとされるものの、賛否両論があり。
酪農家の経営が安定しつつ、工夫ある取引も実現できるのか。
消費者側にも、飲用乳やバター等が、不足・価格高騰を来さず安定して供給されるのか。
現実の生乳・加工乳取引制度の改正の方も、まだ見守る必要があります。
テレビ朝日系で放映中の『やすらぎの刻~道』では、展開が劇中劇の『道』に移り、今日は登場人物の浅井しの(清野菜名さん演)が、有力者の息子の不良共を、鍛え上げた薙刀の技でコテンパンに。
本作『なつぞら』では、今日、なつが門倉を理詰めで追い詰め、降す。
作中の時点でおよそ四半世紀を隔てて並行するこれら二つの物語。
それぞれに制作者の想いや造り込みが込められた見応えのある作品だと思います。
どちらも録画で見てますが、目が離せなくなっています。
なつぞらはお陰様で本気見しています。やすらぎの刻はつらつら流し見していましたが、今日、教師が特高に捕まったらしいエピになり、ドラマの中の断片情報から推測して、どうも生活綴り方運動への弾圧っぽい。
なつぞらの現時点でのテーマが生活者(農業高校生)による芸術表現、であるので奇しくも2ドラマで似通ったことを扱うなあと。
ちょっとこの2人の脚本家さんがこの時代に投げかけたいものごとに注目しようと思います。
閑人さま
白蛇はんですね。私もおーっと思いました。
倉田先生の前世まで伏線が引かれているとは!!!!
知らない人は、あさが来た で検索してね
でました!白蛇伝!伏線の張り方がお見事です。
これはいずれジブリのレジェンド(モデルのキャラクター)も出てくるでしょうね。
期待して待っています。
今日の番長とのやりとりは、前作への皮肉でしたね。あと、武者様が紹介した記事は、ヤフーに出てたら、袋叩きですね。最近のヤフーは、ある種の全体主義者に牛耳られた感が半端ないです。