咲太郎逮捕の衝撃!
信哉の説明によれば、悪いことはしていないそうです。
なつはちょっと理解できない様子。無許可の場所でサンドイッチマンをしていて、取り調べを受けたとか。
まぁ、****の**さぁんじゃあるまいし、前科はつきませんもんね。
咲太郎は歌舞伎町にいると聞き、なつと信哉はそこへ向かいます。
街の道化者サンドイッチマン
スウィートホールという店の前。
サンドイッチマンになった咲太郎は、レミ子と客の呼び込みをしています。
ステージ上では、煙カスミが『街のサンドイッチマン』を歌っているのです。
戸田恵子さん、今朝も素敵な歌声をありがとうございます!
鶴田浩二さんのこの曲のヒットもあり、サンドイッチマンはちょっとしたブームなんだとこのあとセリフにでてきます。
タップダンスをしながら、サンドイッチマン、街の道化者として愛嬌を振りまく咲太郎。
そんな兄を、なつは悲しげな目で見ています。
そしてスタスタと兄に近寄り……。
「お兄ちゃん!」
「おう、なつ」
「何してんの?」
すると酔客が割り込んできて、この子は店の子か?と馴れ馴れしく話しかけました。
すぐさま追い払う咲太郎。
「触んなおめえ!」
そして信哉に、なつを連れてきたのかと怒りを見せるのです。
なつは、そんな咲太郎を路地裏に引っ張っていきました。
「一体なんなんだ!」
「わかんない。お兄ちゃんが何やってんのか」
タップダンスを踏む兄の姿は、幼い頃と変わりません。
だからこそ、なつにはわからないのです。
お兄ちゃんは何をしたいの?
お兄ちゃんが何やってんのか、全然わかんない――。
咲太郎は、そう問い詰めるなつの辛さがわかると言い出します。
東洋動画に不合格で、当たっていると思ったのでしょう。
むしろあんな会社入らなくてよかった。そう言い切ります。
孤児院育ちを差別するような会社だと勘違いしているのです。
このスレ違いがなんとも辛い……。
孤児への差別をぶつける咲太郎を、信哉が止めます。
それは理由ではありません。
「お兄ちゃん、何やってんのさ!」
鶴田浩二ブームに乗ったサンドイッチマンだと説明しますが、なつには通じません。
「それがお兄ちゃんのやりたいこと?」
マダムへの借金を返すために。
なつを少しでも楽にするために。
そういうことではないか? なつはそう問いかけます。
「私のためだったら、やめてよ!」
タップダンスを踊る兄を見て、なつは悲しくなりました。
幼い妹二人を抱えて踊っていた時と、昔と同じじゃないか。
昔は楽しかったけれど、今は違う。なつはキッパリと言います。
すると横からレミ子が食ってかかります。
なつだって生きるために牛の乳搾りをしてきただろう。
「(咲太郎も)生きるために踊っているんだよ!」
彼女の強い口調にも、なつは引きません。
ムーランルージュを復活させる夢。
それも亜矢美のためではないか。
なつは叫びます。
「もう人のことは、ほっといてよ!」
そしてたまらず泣き始めると、警察官が通り掛かります。
不良が女の子を泣かせる構図に見えたのでしょう。
信哉が弁解をしようとしたようですが、これまた捕まってしまいます。
彼を理解できない妹と、理解するマダム
翌朝、なつは川村屋でマダムに謝っておりました。どうやらマダムが釈放に尽力したようです。
「お兄さんと何かあったの?」
「兄がわからない……」
それはずっと離れていたからだと、マダムは励まします。
兄はいつも人のことばかり。兄自身、ちゃんと生きていない。
なつにはそう思えてしまうのです。
「私のせいでもある」
私が新宿に来たばっかりに……そう自分を責めています。
そんななつに、マダムはこう告げるのです。
「自分のためより、人のために生きるのが好き。そういう人もいる……」
マダムの祖母、つまりは先代のマダムは、咲太郎を可愛がっていたそうです。
事実、一度は川村屋に雇おうともしました。
咲太郎は喜んだものの、これを断るのです。
ムーランルージュを再建して、亜矢美の居場所を作ることが夢だから。
「そういう人を思う気持ちがまっすぐなのよ。さいちゃんの求めるものは、あなたの夢……」
マダムはそう分析するのです。
そこへ、野上が亜矢美が来たと告げるのでした。
恋をしたって認めちゃいなよ
亜矢美は、咲太郎のことで世話になったと頭を下げます。
いつものおでん屋女将ルックではなく、洒落たファッションがゆきとどいた姿。
帽子までおしゃれ。当時の最先端ですね!
『わろてんか』ではリリコが魔王になり、おてんちゃんがマリオ。
前作****では*ちゃんがルイージで、**はピカチュウ。
そんな朝ドラのファッションセンスと時代考証には、もはや微塵の期待もありませんが、そうじゃないんだ!
本作はNHK東京ですからね。
『半分、青い。』では鈴愛ボディコンがキラリと光っていたNHK東京ですからね、そこはバッチリだ!
山口智子さん、お綺麗です……朝から眼福、あぁ、幸せですね。
亜矢美は一万円をマダムに返そうとします。
が、ここで昭和らしいもみ合いになります。
受け取る筋合いはない!
咲太郎の借金は私の借金!
ここで亜矢美が策を繰り出します。知略が高いぞ。
「いくらマダムが咲太郎に恋をしていたからって……」
うわー、えげつないわー!
※続きは次ページへ
マダムが「恋」!
図星なのか? こじつけなのか?
可笑しかったですねえ。
「人のために尽くす」ことが悦びだという生き方。
マダムとのやりとりから、なつに理解の糸口のようなものが芽生えていたら良いのですが。