スカーレット55話あらすじ感想視聴率(12/2)気付いたら自然に好きになってな

深野組が解散された夏――。
信楽を去り、丸熊陶業の絵付け係は喜美子一人のまま、寂しい秋を迎えました。

そんな秋、喜美子デザインの絵付け火鉢試作品ができあがったのです。
実りの秋に、完成品を見せたい人もできました。

それは、心ゆれるあの夏に出会い、火まつりで共に松明を担いだ、十代田八郎でした。

届けたい人に届く喜び

喜美子は集中している八郎を、じっと見つめています。

どれだけ見ていたのでしょうか。

八郎がふと振り向いて、ようやく気がつくのです。

「ああ! いつからそこに!」

声かけたら邪魔かな思うて。見守っていたと喜美子は言います。

『なつぞら』のイッキュウさんもそういうところがありましたが、マイペースでのめり込んでいると異変にすら気づかない。
そういうタイプなのでしょう。

見守り距離感を保つなつに対して、喜美子はツッコミ型。
東西のヒロインで対処パターンが違っていて、そこも面白いので注目しています。

全く気づかない自分はアホちゃうかと突っ込みつつ、手を拭く八郎。喜美子はうれしそうに、絵付け火鉢を見せてきます。

八郎はしみじみと言う。

「深野先生が見たらなんて言い張ったやろ」

「それはきっと……」

「ええよお!」

二人はそう言い合い、笑います。

八郎は言葉を続けます。

「どんな人が買うてくれるんやろ。うれしいですね? 愛おしいですね?」

ここも八郎らしさかな。
照子は売れるんちゃう?と経営者視点になる。八郎は受け止める相手のことを想像しています。

喜美子は説明を続けます。
あのいろいろあったマスコットガールミッコー記事のおかげで、注文がある。えらい数ではなく、一人でなんとかなる程度ではありますが。

ほっほー!
そこはええことですやん。

ミッコーの火鉢を買う人は、好奇心や宣伝に乗せられた人も多いことでしょう。ただ、その中には、女性を応援したい人もいるかもしれない。単純にデザインに惹かれた人もいるでしょう。

ちょうど今日は12月になってからの初回です。

HIV/AIDSの啓発と援助を目的とした、Appleはじめとする(PRODUCT)REDキャンペーン強化月間。
啓発や援助は、企業の姿勢をアピールできます。

マスコットガールは胡散臭いけれども、賃金もアップした敏春は、宣伝を考えるだけではない「意識が高い系」社長かもしれませんよね。

そういう人をおちょくって偽善者扱いする意識こそ、むしろ古いんとちゃいますか。

夢みる二人

ここで八郎は切り出します。

話したいけど土固くなる……って。

喜美子は仕事かと気遣いますが、そうではないようです。
八郎は、作業しながら話したいと説明しながら、ろくろの前に座りました。

どうやら当時はまだ珍しい電気釜が入ったそうです。若社長に、自分の作品を作らせて欲しいと頼んだそうです。

仕事さえしっかりやってくれたらええ。
始業前と終業後、朝夕一時間なら自由に使えるそうです。

敏春が有能かつ素晴らしい経営者で、こんなん感動するしかないやろ!
ドケチ社長なら、電気代の無駄だ、自分で買え、と叱り飛ばしてもおかしくない。

「ありがたいことです。これでやっと、ここにきてからやっと。自分の作品作りができるようになりました」

八郎はそう言います。
喜美子は興味津々。

「ほんでこれは? 何を作ってはるんです?」

大鉢だそうです。
注文を受けて誰かに作ったのかと聞かれると、八郎は笑い飛ばします。

「あはは、それやったらうれしいなあ。欲しいわ言われて、その人のために作って僕の作った器で美味しそうに食べてもらえたら……」

八郎は陶芸家ではないから、頼まれて作ってはいないと言います。喜美子は驚きます。

学校で基本は学んだけれど、すぐに陶芸家になれるわけではない。
いきなり卒業して今日から陶芸家です、とはならない。

作品を認めてもらって、独り立ちして食べていけるようになるまで、四年か、五年か……いや、何年かかるかわからへん。
ろくろを使えるようになるのにも、二年三年はかかる。

喜美子はそう聞かされ、食べていけるようになることを目指していると納得します。

祖父の家にあった深野先生の絵。

大事に大事に飾っていた。
ああいうふうに、誰かにとって、大事な大事な宝物になるような作品を作る。

それが夢その一だと、八郎は語るのです。
その一ということはまだあるのかと喜美子に聞かれて、その二、その三もあると八郎は照れ臭そうに言います。

喜美子は欲張りやなあ、と八郎をからかいつつ、その中身を聞きたがる。

「よう言わん!」

「なんで?」

「言わん、言わん!」

八郎は照れています。
子どもっぽいところがあるし、かつ会話のキャッチボールは苦手。喜美子のようにグイグイ来る相手だと心地良さそうです。

男と女は、会話だけでなく男がリードするとか。上とか。
夫唱婦随なんて言いますけれども、それだとあかんこともあるという例を、ジョーとマツで見せてきて。

反対でもええという例を、喜美子と八郎で見せてくるのでしょう。

喜美子はしみじみと、こうやって間近でじっくり見たことがないと言います。
雄太郎さんの芸名に「信楽太郎」を勧めるのに、言われてみればそうでした。

思えば慶乃川さん以来だと振り返る喜美子。作品に容赦ないダメ出しをして、草間宗一郎に叱られた時ですわ。慶乃川から陶芸家は金にならんと聞いたという喜美子です。

八郎は苦笑しております。

喜美子は自分の生い立ちを語ります。
中卒で大阪で働いてから、絵付けを始めた。始めてからは絵付けに必死で、他のことは目にはいらなった。

陶芸をやったことはない。一度も、土を練ったこともない。

「ほやから見てたい。ずっと見てたい」

「そんなん改めて言われたら恥ずかしいな。見られてることを急に気にしてしまうさかい。いやほんまに」

うん、わかる。

八郎は鈍感なのでこういう反応ですけれども、
【絵付け以外目に入らなかったきみちゃんが、陶芸に関心を?】
ですからね。
もしかして、ひょっとすると、恋ですやん。

ここで喜美子はちょっとズレていて、テンプレからはみ出すので薄目の変顔をします。

「こんな目ェして見ときましょか?」

「それやらしんちゃう!」

「ほな閉じましょか、見えへんやん!」

「何言うてんねん!」

「戸の向こうに隠れて……見えへんやん!」

「何やってんねん!」

立ち上がって戸の向こうに行ってしまったり。
後ろに回ってこうだ。

「こういう感じで、おるかおらんかわからん感じで見てます!」

「気のせいちゃう、おるやん!」

「恥ずかしい言うたから」

一たす一は二どころでなくて……

BGMもノリノリで軽快に。

「ほな、ここにいてもええですか」

「しゃあないな、座って見とき」

ちょっとした掛け合いの後、喜美子はやっと座るのですが。

「ふふふふふ……」

八郎は思い出し笑いをしてしまう。
喜美子は、何? 怖いと言い出します。

「さっきの……もうええです」

「ええことないよ、なんです?」

八郎は笑い出す。さっきの喜美子の顔が面白くて笑っちゃうらしい。
薄目だった喜美子の顔真似をします。

「こんな顔してた!」

「してへんよ! 真面目にやりぃ! しっかり見させてもらうよぉ!」

「見てください」

八郎は、思い出し笑いをして一人で笑っちゃって、なんかおかしな奴、気持ち悪いと突っ込まれるタイプとみました。感情が隠せないんだね。

うーん、このケミストリー。
ボーカルユニットの話ちゃうよ。【化学反応】や【相互作用】という意味です。エンタメですと、役者同士の相性です。

単数だといいのに、複数になるとどうにも噛み合わない。そういう場合は、【ケミストリー】が合っていないということです。

年齢とか。事務所とか。出身とか。そういうことでなくて、不思議な要素でぴったりハマる。
これができるかどうか、キャスティングの妙です。

『なつぞら』では、広瀬すずさんと中川大志さんもこの点よかったのですが、頂点は泰樹ととよであったと思います。
『真田丸』で草刈正雄さんと高畑淳子さんの【ケミストリー】を確認した上での配役だったんでしょう。

そういう能書きは置いといて、何が言いたいかというと、戸田恵梨香さんと松下洸平さんは近年朝ドラカップルでも最上位クラスの【ケミストリー】だということです。

一人でもええ。
けれども、二人が画面に揃うだけでパアッと何か不思議な明るさが溢れてくる。絶品です。

撮影チームも、見守りながら「お二人、ええよぉ!」と思っているんでしょうねえ。そういう雰囲気が伝わってきます。

お見合い大・作・戦!(ドヤ顔)

そのころ、川原家では。

「お見合い大作戦?」

なんかジョーがカスっぽいことを言い出しました。今週も、月曜から土曜まで、カス打線を維持していく気やな!

そしてそこには、カスバッテリーを結成できそうな信作もおります。
喜美子が帰って来ていると思ったそうです。

百合子もマツも、遅いことには気づく。けれども、色気も何もない喜美子のことですから、まさか恋の予感が始まっているとは思わない……これはあかん予感がする。

信作は、伊賀の親戚や役場にもお見合いで声を掛けていたとか。
そして話がでかくなって、こうなった。

集団見合い!

百合子が盛り上げます。ともちゃんが言うてた、大勢がいっぺんにお見合いするやつや!

うーん、これも歴史やね。
戦前の家制度が強い時代は、お見合いがむしろ普通です。当たり前や。人口を増やすためにも、お見合いでちゃちゃっとくっつけたろ。家同士の釣り合いも重視する。

圭介とあき子も、釣り合いが背後にあった。

そこからはみ出して駆け落ちしたジョーとマツは、ちょっとズレていて、かつ困窮しております。

お見合いはダサい。恋愛結婚!
そうシフトする中で、こういう企画もあったわけです。

ねるとん。合コン。オンラインデート。
まぁ、名称は変えつつ、色々とこういう場はセッティングされおりますね。

信作は、ドヤ顔で当時の信楽出会いの最前線イベントチラシを見せます。
仕事のできる小道具さんが、Illustrator臭を除去して作ったええやつや。

「名付けてお見合い大・作・戦! じゃじゃーん! 喜美子にも参加してもらいます!」

見ているこちらが恥ずかしい。
林遣都さんの振り切り、昭和くささ、ダサさが噛み合ったものすごい瞬間。この演技そのものがもはや卑怯なレベルです。

「ええでしょ!」

「ええなあこれ!」

ジョーは、今回も濁声で同意します。

北村一輝さんにせよ、戸田恵梨香さんにせよ、この声も配役の理由かもしれへんね。
濁声やアルトはマイナスではなく、むしろプラス。この声でないと、この二人はあかんと思う。

このジョーの濁声とドヤ顔があると、嫌な予感がする。
※続きは次ページへ

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