わろてんか103話あらすじ感想(2/3)ジョフリーばっかりやないか!

亡き夫の遺志を継ぎ、女興行師としてお笑い興業元「北村笑店」をもり立てようとする北村てん。

彼女が売りだそうとしている漫才コンビが、元女優のリリコとアコーディオン奏者の四郎でした。

しかし、相性最悪の二人は決裂でして……。
てんが悩んでいると、亡き夫・藤吉の幽霊があらわれます。

 

夕陽がどんどん、どんどん、デカくなりすぎ!

最愛の夫が幽霊とはいえ、登場。そのとき、てんは……。

「ひゃ~、あっあっあっ! やめて~」
って、ほんと、何なのでしょう、このリアクションorz

ベタでユル~い少女漫画を、わざとちょっとずらしてお笑いっぽくして、結果、全てがぶち壊しになってません?
真剣に見ている自分がバカみたいに思えてしまいます(´・ω・`)

てんの反応を素直に受け止めれば、夫に毒を盛って殺した妻が、突如現れたその幽霊に慌てている――そんな構図に見えちゃいます。

しかも、ギラギラした夕陽のきついこと。
藤吉に光を浴びせて、非人間的な超常現象ぽくしたいのでしょうか。
どんどん光が大きくなって、隕石でも近づいているのかと思うほどでした。

ここで藤吉、ボソボソとてんを励ましはじめます。
構図としては無能な人が、無能な人を励ます図。彼のアドバイスは。
「怒れ」
「えっ?」
「怒ったれ」
まぁ、そんなもんですわな……。なんたって藤吉ですもんね。

 

四郎に反省って必要だったでしょうか

てんがハッと目を覚ますと、あたりはすっかり夜……っておいおいおいおい。

戸を開けっぱなしで寝てたんかーい! 危なっかしいやろ! 寒いやろ!
しかも、煌々とロウソクつきっぱなしで、違和感が(´・ω・`)

幽霊をこのタイミングで出すのも陳腐ですが、その場面のせいで色んな設定まで破綻しちゃって。
本当にどうしたことでしょう。
残り1/3ほどで、やっつけ仕事とかなんですかね。

ここで四郎の反省シーン。
四郎はベルリンに音楽留学したいんだそうです。
その学費目当てで、半端な気持ちあったのがリリコに見破られたんだ、と反省します。

見方によっては「いじめられる方が悪い」とも受け取られないこの表現。いかがなものでしょう。
たとえ四郎にそういう面があったとしても、今回ばかりはリリコの罵詈雑言はキツすぎましたし、それを止めなかった周囲も無責任です。

それなのになぜ、四郎に反省が必要なのか……。

リリコは、乙女組に対しても同様の態度でした。
大女優になれたのだって、本作を見る限りでは縁故採用のゴリ推しみたいに思えます。

 

「2人とも、ちゃんと向き合いなはれ!」

リリコと四郎。
二人を椅子に座らせたてんは、突然、切れました。

机をバンッ!と叩いて、強い口調で言います。

「2人とも、ちゃんと向き合いなはれ!」

 

ようやく怒った。
初めて真剣に仕事と向き合ったシーンだったとすら思えてきます。
ただ……やっぱり迫力不足なんですよね。

藤吉が亡くなってから4年間。
その間、色々と修羅場も遭ったでしょう。
そして、それを乗り越えるたびに彼女自身は強くなっていったでしょう。

しかし、そんなシーンは微塵もなかったわけで、彼女から成長の機会を奪ってしまいました。

にもかかわらず、今さら、怒らせることで、女興行師としての迫力を出したいとしても、どうしたって足りない。
五社英雄シリーズの岩下志麻さんや名取裕子さん、かたせ梨乃さんの、せめて1/10でもあれば……。

今回は
『珍しく、長いセリフでしたね』
程度の感慨しか湧いてきませんでした。

 

漫才大会の本番に向けリリコとシローが本気を出す!?

トキは衣装を調達。楓は台本を手直し。さてリリコと四郎は?

「さっさとよこし!」
「ぼくが読む」
台本を奪い合う二人です。やる気を出したのはいいのですが、結局、リリコの傲慢さが目立ってしまい(´・ω・`)

それでも背景には、うるさいほどのBGMが鳴っています。
土曜にこの曲がかかると、クエストクリアの合図ですね。RPGの戦闘終了時に流れる、勝利のファンファーレみたい。

かくして漫才大会スタート!

実は今週悩んでいた点がありました。
本来、しゃべくり漫才が出てきた時点で「万歳」から「漫才」表記になるのです。
ところが本作は、その切り替えがない。

どこから漫才にするのだろう?
そんな風に考えていたら、ここでさらっと風太の台詞で流されました。

お笑いをテーマとした作品ですから、結構、大事な話だと思うのです。
それが本作では、まるで芸能史に後ろ足で砂を引っかけるみたいなスルーや設定ばかり。

もったいないなぁ……そういう面もしっかりフォローしておけば、「昔の芸能史を知りたかったら『わろてんか』がめっちゃ参考になる」という評価も得られたでしょうに、真逆ですからね。

 

隼也って、なんだか栞に似てません?

漫才大会の楽屋。

偉そうな態度で入ってくるキースとアサリを見て、ぞっとしました。
この二人が師匠と呼ばれて大物扱いであることに、どうしても納得できないのです。

リリコが周囲を突き飛ばしながら乱入し、メンチきって宣戦布告。
ここで栞と隼也が並んでスカしたトークをしているのですが……。

『あっ、あかん、隼也って、周囲が言うほど藤吉には似ていないのに、栞には似とるやんけ><; スーツのスカした奴って、キャラモロ被りやんけ!』

私も半分ネタにしていましたけど、
「てんと栞が共謀して、邪魔な夫・藤吉を殺害した」
というシナリオを強化していません?

ただ、栞と、栞のパチモン隼也が並ぶと、今度は役者の違いが際立ちますよね。
やっぱり高橋一生さんがスゴいなぁと……。

むろん脚本はやっぱりダメダメで。
栞に「女興行師としてのデビュー!」と、ここでわざわざ言わせる意味って何なのでしょう。
藤吉が亡くなってから四年間、何してたん?

吉本せいのキャリアを短縮して悪化させて本作は何がしたいのか。
大河ドラマは主人公の業績を上方修正しますけど、出来の悪い朝ドラは下方修正してしまうようで><;

 

文鳥、団真、団吾までが限界でした

いよいよミス・リリコ・アンド・シローの登場となりました。

漫才の中身は……。

わかります。出演者が一生懸命練習したであろうこと。
入賞すらしない結果ですから、わざと滑らせたのかなということも。

しかしこれは厳しい。

劇中の演目で引っ張る構成は、文鳥、団真、団吾までが限界でした。

広瀬アリスさんも相当頑張ってはいると思うのですが、やっぱり女優さんと舞台の上に立つ本物の芸人は、まるで違うんですよね。まぁ、それ言ったら文鳥・団吾・団真はどないやねん、ということなんですけど。

歌も、チョット厳しかったなぁ><;

もちろんヘタではありません。お上手です。
しかし「皆が聞き惚れ、四郎が音楽の才能があるとまで褒めた歌声」には聞こえない。
柴咲コウさんレベルでないと説得力に欠けるのではないでしょうか。

リリコと四郎は入賞できなかったそうです。当然の結果としか思えませんが、てんは満足そうです。

「ようやった、面白かったで!」

ここでいつものナレーションが、今週は「女興行師として歩み始めた」と仰ってます。

 

今日のマトメ『不快感の底が見えない(´・ω・`)』

吉本せいは、こんなわけのわからない怒り方をする女性ではありません。
史実ではむしろ、せいが飴で、実弟の林正之助(風太のモデル)が鞭(むち)。そういう役割分担でした。

せいは出演者の乱れた髪を楽屋でとかしてあげたり、うまい芸人にはそっとおひねりを渡したりする、そんな細やかな気遣いや優しさで人を魅了していたのです。迫力を出させようとするあまり、いささか理不尽になった感が否めません。

怒らせるだけが女興行師としての迫力を増す方法ではないでしょうに(´・ω・`)

なぜ、本作の脚本は、そのための工夫を考えないのでしょうか。
これでは、キースやアサリなどが芸人ストライキを行ったときに、突然キレた藤吉と同じ流れではないですか(わろてんか62話あらすじ感想(12/12))。

言うこと聞かない馬は鞭で叩け、みたいなパワハラじみた理屈。
んなもん美談調で朝から流してほしくないなぁ。
昨日はいじめ、今日はパワハラでした。

そういえば、AmazonプライムでHBOのドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』が配信開始になりました。

大変面白い作品ですが、同時に不愉快な人物が大勢出て来まして。
中でもダントツで嫌われているのがジョフリー王という人物。

何がすごいって、本作はジョフリー並の人物がどんどん出てきます。しかも悪役ではなく、主人公側で出るのがスゴい。

見方によっては、『ジョフリーとサーセイの方が、善人面している藤吉とてんよりマシ』と考えられるかもしれません。
って、さすがに言い過ぎかなぁ。ゲースロを知らない方は申し訳ありませんm(_ _)m

ともかく底が見えないドラマです。

ゲームオブスローンズ シーズン7 登場人物や背景をスッキリ解説!

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【関連記事】
吉本せい 吉本興業の歴史 風太(林正之助) 伊能栞(小林一三)

【参考】
NHK公式サイト

 

1 Comment

匿名

いつも意味不明の展開を強引に終了させるのに用いられる、あの「…なのでございまぁす。」というナレーション、いい加減もう聞くだけでイラッとするようになってしまいました。
おかげで最近は、その声の主、小野文恵アナが出ている番組で本人を見てもイライラモヤモヤしてしまう始末。小野アナのせいではないのはわかっているんですが。
この番組は、小野アナにもダメージになってしまっているのではないでしょうか。

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