わろてんか130話あらすじ感想(3/7)リリコとシローの再登場、早っ!

苦渋の思いで我が子・隼也を勘当してから早4年。

昭和14年(1939年)、日本と中国の戦争はいよいよ激化して参りました。

新聞社の提言で、北村笑店も中国へ慰問隊「わろてんか隊」を派遣することに。
てんの胸中は……。

 

軍服で漫才することに

「わろてんか隊」が無事、上海に到着しました。
明治村ロケ感あふれる建物を前に「上海」というテロップが出ます。

うーん……。
予算がないのはわかります。
当時の「魔都」と呼ばれた上海を再現することに限界もあるでしょうけど、CGを使う技術や予算はないのかなぁ。

ちなみに本物はこんな感じです。

1920年の上海/wikipediaより引用

「東洋のマンチェスター」こと大阪の街並みもほとんどスルーされていて、上海も……とはさすがに無理ですね、サーセン(´・ω・`)

慰問隊は舞台衣装を身につけ
「記念撮影や♪」
とはしゃいでおります。

しかし、阿久津少佐という軍の担当者に
「里心がつくといけない」
という理由で、軍服で演じるように言い渡されてしまいます。

ここでその慰問隊、作中設定では【一流芸人による抱腹絶倒もののショー】が始まります。
その出来については今更何か言う気もございません。

本作の第一話が始まる前に「一日一回笑わせる!」と断言していたことも、今ではスッカリ忘れておりました。

 

あの華麗(で謎センス)なファッションリーダー・リリコが

出番のあと、風太が呼び出されます。

怒られるのかと身構えていると、地味な格好のリリコが入ってきます。

あの華麗なファッションリーダーであったリリコが! と言いたいのかもしれません(謎のセンスの持ち主ではありましたが)。
確かに私も少しそう思いました。

どうやら二人が目指した上海の楽団は、時勢の混乱の中であっさりと解散。
シローはバーのピアノ弾き、リリコは食堂の店員として食いつないでいるというのです。

それでも彼に付いていくと啖呵を切った手前、北村には連絡をできなかったと。

先週あれだけ晴れがましく出発しながら、なんとも寂しい着地ではあります。
時間すっとばしのせいであっさりと諦めたように思えますが、時代が時代ですし、劇中では4年間経過したことになっております。
そういうこともあるでしょう。

ただ、リリコとシローは依然として北村笑店の社員であります。
そこで風太は慰問隊に加えることにしました。

「これで北村の売れっ子全員勢揃いや!」

なんだか、ピンチになったウルトラマンタロウを助けに、他のウルトラ兄弟が集まるみたいですね。
敵がタイラントで全員ぶっ殺されないことを願うばかりですが……。

 

電報ぐらいしてくださいよ

生活苦で輝きを失っていたリリコ・アンド・シロー。
大阪で留守を預かるてんたちは、新聞で再結成を知りました。

おいおい! おいおいお~~~~いっ!
せめて電報ぐらい打ちましょうよ(´・ω・`)
今や、風太が社長にしか見えません。

川崎では、隼也が自宅でつばきと団らんを楽しんでいます。

細かいことですけど、整髪料を使わなくなった隼也の髪の毛が、あまりにサラサラキューティクルヘアで違和感が。
このように【毎日シャンプーしてます】感のある髪型は昭和前期らしくないと思います。
きれい過ぎて、工場労働で苦労している感じもありません。

これはつばきにも言えることでして。
財産を捨てて、苦労している元お嬢さんの雰囲気ではないですよね。

何の屈託もなしにてんが送ってきたおむつをありがたがっておりますし、これでは本当にただ遠方にいる若夫婦。
おむつに風鳥亭の鳥さんマークを刺繍するてんのセンスもなぁ。

思わず笑ってしまう――というより複雑な表情になってしまいました。
なんというんですかね。
本人に悪気はないんでしょうけど、これ、何やねん!と本人にツッコミたくなるような。

確かに愛情は感じられますが、恥ずかしさが少し上回るというか……。

 

多少なりとも重い展開 本作にしては良心的

リリコは、髪飾りを取るように指導されました。
国元の娘さんを思い出すような髪飾りはよろしくないそうです。

ここで芸人たちは、兵隊たちは明日戦地へと向かうと、少佐から聞かされます。

芸人たちの芸を見て、大いに笑う彼らの明るさも、明日は死ぬかもしれないからなのか……と顔を曇らせる一同。
戦争の慰問という責務に、改めてハッとさせられます。

今更という気はしますが、多少なりとも重い展開になるのは、本作にしてはなかなか良心的ではないでしょうか。

リリコは、すれ違った兵士から手紙を渡されます。
ファンレター?

 

今日のマトメ「しわ寄せはリリコ・アンド・シローに」

先週時系列をいじった結果のしわ寄せが、今週押し寄せておりますね。

リリコ・アンド・シローのモデルであるミス・リリコと玉松一郎は、昭和13年(1938年)に慰問隊として中国大陸に派遣され、翌年の帰国後に他事務所に引き抜かれています。

本作では何が何でも引き抜かれた事実を隠したかったようで、そのために時系列をひっくり返し、しかも夢を追うかたちでの一時離脱に変更しておりました。
果たして、それはうまくいったのでしょうか?

劇中では4年が経過していても、見ている側としてはあれだけ大騒ぎして上海に行ったのに、あっさりと失敗したように見えてしまう。
『キミら、一体なんだったの?』とツッコミたくなった視聴者さんも少なくなかったでしょう。

結局、リリコとシローの魅力は、モデルよりも大幅に失われてしまっているのです。
いくらでも描きようのあるドラマで、これは失敗というほかありません。

理由はもうウンザリするほど申し上げてますように、おてんちゃんを庇い続けた結果ですね。
彼女には、とにかくお金にまつわることや、人事のこと、要は生々しい話には触れさせないようにしてきました。

その弊害が今週も出てしまった。
そして、おてんちゃんの魅力そのものも喪われて、もう取り戻せないところまで来てしまっています。

たしかに夢を追うという身勝手な理由で北村を出たシロー、そしてそれについて行ったリリコです。
何も言えないのは致し方ないところでしょう。

それでも劇中の北村笑店は、2人に対して、冷酷に見えてしまう。

送り出した時はいつでも帰って来いと言いながら、全く気に掛けていませんでしたよね。
少なくとも、日中間で戦争に突入した昨日の時点、あるいは「わろてんか隊」が上海に送られるとわかった時点、そこでリリコとシローの話は出てもよさそうなものです。
※実際、2人が窮乏していたことを全く知りませんでしたし……

こうなると次に気になるのが、亡き藤吉の実母・啄子です。

今後、普通にストーリーが進めば太平洋戦争へ突入するでしょう。
このとき彼女の扱いをどうするか。

啄子はアメリカに渡っています。
当時の在米日本人と日系人は強制収容されて、大変な目に遭うのですが、藤吉亡き今、そこはスルーですかね。

下手すりゃ、啄子の再婚相手が経営しているという十数店舗のクリーニング店も全滅です。

※ふと思い出したのですが、吉本せいを書いた山崎豊子さんの別作品に『二つの祖国』がありまして。
主人公の父親は戦前に渡米後、苦労してクリーニング店を開業し、日米開戦で没収されるという憂き目に遭いました。まさか……。

まぁ、啄子については、このままフェードアウトの可能性が高そうですね。

こうした、キャラに対する冷酷さが、おてんちゃんを真に優しく見せられない要因の一つではないでしょうか。

今後、念能力を発動して、幽霊藤吉を呼び出したとき、「アメリカの母ちゃんは大丈夫やろか?」と尋ねられたらどうするのでしょう。
って、今や念能力がデフォかーい><;

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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吉本せい 吉本興業の歴史

【参考】
NHK公式サイト

 

1 Comment

匿名

啄子さん、とっくに亡くなってるんじゃないですか。かなりのお歳のはずですし。
そういうことスルーするのこのドラマのお得意ですし。
妹のりんは出てきても実家のお母はんのことは、まったく触れないですし。

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