わろてんか134話あらすじ感想(3/12)戦争イヤなのに勲章貰って歓喜の矛盾

日中間での戦火が広がる昭和14年(1939年)。

北村笑店の慰問隊「わろてんか隊」は、慰問隊としての役目を果たし無事帰国を果たします。

一方、国内では厳しくなりつつある検閲に対し、色々とアレルギー反応を示しつつも四苦八苦しているようで……。

 

スポンサーリンク

「孝行忠義の映画を作れというのか?」

今週も検閲への抵抗がメインです。

今のスタンスですと、
【幹部連中は命の危険性が><;】
と、不安でしかたないのですが、実際、様は初っ端からブーたれ顔で、専務に向かってこう言うのです。

「孝行忠義の映画を作れというのか?」

いやいや、いやいや。
先週、散々突っ込んで、もう本当にウンザリも通り超えて、疲れ果ててしまいましたが、映画の検閲って
【道徳教材のような真面目な作品を作りましょう】
ということではありません。

わろてんか132話あらすじ感想(3/9)で記しましたとおり

・戦意を昂揚させる
・軍部を礼賛する
・他国への敵意を煽る

ということです。
史実の改変は問題ありませんが、大前提となる社会状況までまるっと変えて(間違えて)しまうのはさすがに御法度でしょう。

 

スポンサーリンク

それ、単なる地方巡業では?

時間的には、先週から半年だけ経過したようです。
お得意の年代ジャンプで数年すっとばして、時勢を一気に悪化させたほうがよかったのでは?と切実に思ってしまいます。

なんせ、放送日は残りあと三週間しかありません。
……にしても三週間かぁ。
それでも藤吉の霊だけ残りそうやな。

わろてんか隊は国内にも慰問へ行くことになりました……って、あのですね……orz

慰問の意味、わかっていますよね?
前線で戦う兵隊さんを慰めるために行くわけですよね。

内地のどこに戦線が展開されているのでしょうか。
兵隊さんがいても戦っていないのであれば、ただの地方巡業やん。

※史実での「わらわし隊」は中国大陸にしか行っていません

ここで、行き先に広島があると聞いてドキッとしました。

まさか「桜隊」あたりと混同しているのでしょうか。
本作が原爆を扱うことはないと思いますし、本作スタッフの稚拙な力量で、軽々しく触れるべきではないと思いますが。

※「桜隊」……戦中にも地方巡業していた劇団。巡業中に原爆が投下され、元タカラジェンヌの園井恵子はじめ、当時広島にいた全員が被爆死しました

 

スポンサーリンク

検閲に引っかかりまくり

それにしても、全国各地で人気だというこの「わろてんか隊」。
代わり映えしないなんですよね~。寒々しい。

「風鳥亭」開演当初、芸人四人組の寒いルーチンで不評を買っておりましたが、あそこからまるで成長していないのでは?

岩さんだけはいつの間にか消えています。
初期メンバーを劇中で売れっ子にするのは、無理があったと今更ながら思います。
キースとアサリが売れっ子と言われても、未だに信じられんのです。

栞様の映画は検閲に引っかかりまくっています。

当たり前やがな。
検閲をくぐる何の工夫もない本作の表現者は、先週さんざん悪態をつきました。
何の工夫もしないで毎回正面突破狙ったら、苦戦失敗は当然でしょう。

そこで、栞様、渾身のドヤ顔スマイル!

「見て見て! 高橋一生さんの不敵なスマイル、素敵でしょ♪」
なんて言われた気がしまして。

同時に私は、一年前のことを思い出しておりました。
『おんな城主直虎』の小野但馬守政次……ちょうど3月頃は主君である井伊直親を、己の不覚で死に追いやってしまう頃でした。

苦悩して震える迫真の演技。
私は思わず息を呑んだものでした。

それがどうでしょう。
歴史ドラマ界の至宝・高橋一生さんですら腐らせてしまう本作の脚本。
どんな名花すら黄色く枯れさせてしまう、毒の沼地であります。

 

唐突すぎて驚いた、おてんちゃんの勲章

キースとアサリは稽古中。相撲ネタのようです。
これはリリコの持ち歌もそうですが、本作の芸人って持ちネタが一つしかないんですね。

相撲ネタはモデルとなったエンタツ・アチャコの「早慶戦」を相撲に置き換えただけのもので、コンビ結成初期のネタです。
鉄板なんですね、と好意的に見たいところではありますが、無理です、ゴメンナサイ(´・ω・`)

キースは主演映画のチラシを見て嬉しそうです。
北村も映画を作ろうと言い出します。ナゼか恋愛映画のようですが。

これ、ちょっと考えればわかるんですけど。

今が人気絶頂の売れっ子お笑い芸人で、恋愛ものを作ります?
普通は素直にお笑い珍道中では? お笑い+恋愛ものだそうですけど。

そして、ここでビッグニュース!
なんと、おてんちゃんが勲章をもらったとか。
しかも、大喜び。唐突過ぎて、私も驚きました。

もう、こうなると、何してなくても勲章もらえるんだなぁ~と力なく笑うしかありません。
今日の「わろ点」ですね。

 

内務省は優しい ダメなところを教えてくれる

おてんちゃんが家にいると、栞から勲章の件で電話がかかってきます。
その電話中にトキが「煮物を作りすぎて~」といきなり入ってきます。

おトキちゃん、結構大きな器に煮物持って来ていますけどね。作りすぎたっていうレベルやない。
50代の一人暮し女性が食べるにしては、むしろ迷惑な量かも……。

こんな調子で、物資不足の戦中でも「煮物作りすぎて~」ってお裾分けしてきそうなのが、今から懸念です。

栞様はドヤ顔で内務省に呼び出しくらっています。
キスシーンが駄目なんですって。ふーん。

なんという親切でソフトな内務省でしょう。
憲兵隊がどやどや乗り込んで来るのではなく、呼び出して親切に何が駄目か教えてくれるんですね。

何度も同じ作品を貼るのは気が引けますけど、栞様が遭ってもおかしくない、ハードモード検閲はこの動画の3:50あたりからご覧ください。

 

栞様は憤懣やるかたない様子。
「自由恋愛が下劣だなんて、世も末だ」

うーん。
私はむしろ、本作の出来の悪さ、時代考証のお粗末さに、これは世も末だ、朝ドラは末期的だと危機感を覚えます。

にしても栞様の馬鹿さ加減が凄い。
内務省が親切に駄目ポイントを教えてくれたのに、
『民衆の恋』
とかいうタイトルからして痛い台本を読んでいます。

そもそもですよ。
50男が恋愛映画しか作れない、常に恋愛映画の台本を読んでいるって、どうなんです?
もっと別のところに興味があってしかるべきでしょうに。

しかもその栞の前で、聞こえるくらい大きな声で栞のダメ出しをする部下。
もう、終わりやで。

 

【表現の自由を掲げる栞様VSゲス専務】

栞は北村笑店まで来て、キースの映画が検閲をくらったと報告します。
おてんちゃんはじめ、深刻に語り合うのですが……検閲されるくらいなら、封切りを断る俺たちカッコイイという幼稚な理屈でドヤ顔ってなんなのよ。
もう意味がわからん。

キースの主演映画で、そんなにキスシーンが重要?
お笑い+恋愛映画ですよね。
むしろ、恋愛を削ってもよいのでは?

一体これは何の映画なんですか。
全盛期のお笑い芸人のパフォーマンスを楽しむ映画じゃないんですか?

チラシからするとそういう印象ですけど、栞様を見ていると、
【自由恋愛を高らかに歌い上げたロマンス】
に思える。

『キースの恋の珍道中』ってタイトルとあのチラシで、そんな中身だったらむしろ宣伝詐欺やろ。

一方、無能の極みのような栞様に愛想を尽かした山下専務は、新世紀シネマ関係者と接触しています。
【表現の自由を掲げる栞様VSゲス専務】
を目指しているのでしょう。

しかし、
【無能な栞VSまっとうな専務】
にしか見えない。

こんな栞様の元では早晩会社は潰れてしまうでしょう。
関西を代表する偉大な実業家・小林一三をモデルにして、ナゼこんな悲惨なことに……。

栞は案の定、下剋上されて会社を追われました。

「もしもし、栞さん?」
ビジネスマナーができていないおてんちゃんは、能天気に電話をかけて栞解任を知るのでした。

これからは一緒にイチャイチャしながら北村で映画作りできますね。
嗚呼、自由恋愛って素晴らしいなぁ……orz

 

今日のマトメ「勲章貰って歓喜して、戦争反対ちゃうんかい?」

今日はおてんちゃんの勲章と「女太閤」について補足します。

史実の吉本せいも、昭和3年(1928年)に紫綬褒章を受章しています。
彼女は、社会奉仕活動団体に献金していたからです。長年のそうした功績を評してのことでした。

本作はそういう献金部分をバッサリと削ったため、やむなくこの位置で入れたのでしょう。
時系列いじりのセンスのなさには定評のある本作。またしょーもない改悪となってしまいました。

おてんちゃんは慰問隊の派遣に、ウジウジと悩んでいます。
戦争協力は嫌やわあ、というわけですね。

それなのに、その戦争協力である慰問隊派遣で勲章をもらうと、何の葛藤もなしに大騒ぎ!
アリバイのように悩んでいた描写も、そのせいで吹っ飛んでいます。

「お国から褒められた〜!」
ってさ、おいおいおいw

そのお国ってあなたが嫌がる戦争をしていて、それに協力して勲章をもらったわけでしょう?
無邪気に喜ぶところですか?

「お国から勲章をいただいたんは、名誉なことや。せやけど、これは今まで協力知れた皆のおかげや。風太、みんな、危険を冒して戦地まで行ってくれておおきにありがとう。ほんまはこの勲章をもらうべきなのは、うちやのうて隊員や兵隊さんのはずなのに……」
ぐらいのスピーチしましょうよ。
無邪気に喜んでいる場合じゃない。
ただでさえ本作は地蔵状態で何もしていないのに……。

あとトキとの会話。
「女だてらに……」というところに、脚本家さんの真意が垣間見えて興味深かったです。

要は、事業バリバリにやる吉本せいタイプが嫌いなんだろうなぁ、という嫌悪感が背景にあるのかなぁと。
だったら、ナゼ、この仕事を受けたのか?って話で苦笑するしかありません。

ついでに申しますと、おてんちゃんが通天閣を買ったエピソードもすっぽ抜けてしまいましたね。
勲章よりこちらをフォローすべきじゃないかと思いますし、そのくらいしていないと「女太閤」と呼ばれても何のこっちゃ、になってしまいます。

たしか、最初に買った寄席から、遠くの通天閣を眺めるシーンがあり、それが後の伏線になると思ってたんですけど。
アレは一体なんだったんだorz

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【関連記事】
吉本せい 吉本興業の歴史

スポンサーリンク

【参考】
NHK公式サイト

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA