わろてんか147話あらすじ感想(3/27)そしてカルト教祖は完成した

昭和20年(1945年)、3月13日。

大阪を襲った大空襲で、北村の寄席もすべて焼け落ちてしまいました。

そんな戦火の中でも、てんは疎開先で笑いたいと願います。

 

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リアルな場面で言えますか?

疎開先の滋賀・米原。
トキは、風太に向けて出した電報の返事がないと気を揉んでいます。

そこでおてんちゃんは、
「笑いの神様がついているから大丈夫♥ どんな時でも笑って暮らせば大丈夫。笑いの神様に、わろてわろて、お供えしましょ」
と、ヘラヘラ笑いで言い出すのでした。

そりゃあ、助かることがわかっているから、こんな台詞が出ちゃうんだろうけどさぁ。
リアルな場面で、こんな無責任の極みなコト、言えますかね。
この理屈、気づけば規模のデカい話になっていて、現代だったら北朝鮮の核開発問題もミサイル実験も、全部笑顔でクリアできそうやん。

藤一郎と飛鳥は、福笑いで遊んでいます。
学校は行かなくてもええんかな。

福が来るようにとアハハハハと笑い転げていると、治平が怒鳴り込んできました。
「大阪がどうなったか知っているのか! 出て行け!」
うーん、これは治平が正しいと思います……。

 

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いつものように……「戦争はアホ」

どうやら治平は、孫が出征してから笑えなくなったようです。

そこでおてんちゃんが隣に来て、自らの思いを地蔵顔でサラッと語ります。
何も情感がこもっていないので、スーパーで買い物したときのレシートみたいに台詞が流れていく印象です。

・息子が出征した
・どこにいるかもわからん
・苦しうて、苦しうて、泣きたいくらい
・でも泣いてもあの子が喜ぶわけじゃない
・亡くなった兄が言っていた
・人間はお金や名誉や地位を競い合い、戦争までするアホな生き物や
・だからこそ人生には笑いが必要なんや、人生は笑わなければならない

そして、いつものように……「戦争はアホ」って平気で言ってるしorz

笑顔を失ってしまった治平。
その原因は孫が出征して心配だからであって、ヘタをすればその出征の意義を否定するような印象を与えかねません。

それのどこがイイ台詞なんですかね。
当時の情勢を考えてもデリカシーのなさすぎる発言でしかない。

とにかく何度もバカみたいに繰り返すこの教え、本作の病巣がギュウギュウに詰まってるんですね。

 

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お金や名誉を競い合ったら、なんでダメなのかしら

確かに「笑いは人を幸せにする」とか「笑いは薬」というテーマ自体はいいと思うのです。
シンプルでわかりやすい。
作品を通じて訴える価値もありそうです。

しかし、です。
中二病の中高生じゃないんだから、上っ面だけ捉えて、したり顔で語るのが、ほんと辛い。

それが顕著に出ているのが
【人間はお金や名誉や地位を競い合い、戦争までするアホな生き物や】
という台詞ですね。

人は、お金や名誉、地位を欲するあまりに戦争をするってこと? 戦争の原因は、金銭欲や名誉欲だってこと?

この文章の前後半って、どう繋がっているんでしょう。
雰囲気だけで書いた原稿にありがちな台詞で、意味がわかりにくい。

そもそも、お金や名誉、地位を競い合ったらイケないんですかね?

その理屈ですと、客が入りやすいように入場料を5銭だか10銭だかに値下げした北村笑店も悪です。
彼らは「誰にでも安い料金でお笑いを」と考えたのかもしれませんが、結果的には「他の寄席から客を奪って(ときには寄席ごと買収して)」、経営を拡大させました。ゴリゴリに競い合ってます。

団吾師匠を大金で引き抜いてきたのもアウトですね。
競争率の高い人気芸人をお金で競い合ったワケですから、かなり極悪。

というか、ですね。

おてんちゃん、勲章貰ってムチャクチャ喜んでたやん! それで検閲のお目こぼしを貰おうとすら考えたやん!

彼女は名誉を競ったつもりはない――と言い返されるかもしれませんが、それを言うなら、受賞者のほとんどはそうじゃありません?

もう、何をどう言い繕っても論理破綻しているというか、中二病というか。

バンドやラップを始めた中高生が
「ノーワー!(NO WAR!) ノーワー(NO WAR!)」
と、英語の発音も間違って、ラブアンドピースを叫んでいる――そんなカオスな状況を彷彿とさせます。

 

今日も出ました「大根尽くし」の古民家カフェ

そして、こんな戯言でころっと改心(?)する治平さん。
最終週に突然降臨させた弊害が出てますよね。
展開が慌ただしい。

あるいはおてんちゃんが、ネクロマンサーどころではなく、もっと別の黒魔術でもマスターしているかもしれません。
こんなくだらないスピーチと【エエ場面用BGM】でコロリと改心させるなんて……きよし師匠が可哀想(´・ω・`)

挙句の果てには
「笑う門には福来たるかあ」
と、一人で福笑いをさせちゃってorz

このあと、おてんちゃんに屈した一家は「大根尽くし」をします。
なんだか豪華絢爛な古民家カフェのメニューですよね。

戦時中にこれだけの食事を用意するって、どうなのよ。
このあと大根はスタッフで美味しくいただいたってか? ばかやろう。

食べ物テーマの『ごちそうさん』すら、戦時中はろくに食べ物映さなかったのになぁ。

「笑いの神様にいただきます!」
とか言われても、ハハハ、どんな顔すればいいかわからん、こやつめハハハ!

 

大阪から米原まで140km まさか……歩き?

ここで謎の男の姿が映ります。
なんと、風太がやって来て倒れるのでした。

一瞬、ずっと歩いてきたかのような雰囲気ですけど、

今の高速を使っても139kmの距離です。

現代人ですと一日30~40kmが徒歩の限界かと思いますが、死ぬほど頑張れば50~60kmはいけますかね。それでも2~3日はかかる。
さすがに鉄道は使ったと思いたいなぁ。本作のことだから歩いてもまったく不思議じゃないんですけど。

再会した時の風太とトキ夫妻の演技は感動的です。
この二人は次回作に期待したいです。

ただ、その割にシャツが綺麗で、ネクタイもしているのが気になりますが……。

風太は、寄席が燃えてしまった、看板だけ守った、と言います。
そして
「てん、すまん!」
と土下座する風太に、てんは地蔵顔で言うのでした。

「アホ……こんなもんのために命張ったんか」

って、違うんだよなぁ(´・ω・`)
この意味ありげな台詞も、全てはリアクション次第かと思います。

目に涙をため、こぼしながら、抱きつかんばかりにして言うのならば、きっと多くの視聴者も感動したはず。
てんの言葉にならない、風太を思いやる気持ちが溢れてくるのが伝わってきたでしょう。

しかし、単に台詞を読むだけでは、おてんちゃんが冷血な人に見えかねない。というか私にはそう見えました。
一体どういうつもりでこのシーンを撮影したんですかね。

 

「人財」ってなんだったんだろう

看板より何より、芸人の安否も心配すべきでは?

と思ったら、リリコら芸人の安否を気遣います。

一連のヤリトリを冷静に見ると、人の命より北村笑店(寄席)が大事にも思えてきます。
まぁ、文鳥、団真、団吾、乙女組の使い捨てっぷりを思い出せば、今さら驚くことでもないんですけどね。

散々「芸人が大事」「人財」とか言ってきたのはなんだったのでしょう。

風太が大阪に戻ると言うと、さすがに引き留められます。
それでも「寄席こそ芸人の目印や」と主張する風太。

一体、このドラマは何をしているのですかね。
史実では、もう寄席もない、芸人もない、吉本もない、そんな状況です。

嘘っぱちのハリボテ悲壮感を守る為に、茶番を繰り返しているのかと思うと、もう何が目的なのか、本当にわからなくなってきます。

しかも酷いのが、これだけズタボロになった風太が、翌朝、大阪に出立したとナレーションで語られるところです。

つくづく冷たい。
時間すらない。そういう脚本。
風太に土下座ばっかりさせていないで、風呂に入って貰うとか、なけなしのねぎらいをするとか、温情を示すことはできたんでは?

 

今日のマトメ「うちが笑い飛ばしたこの札(ふだ)飲めば、病気が治ります!」

おてんちゃん、最終週でついにカルト教祖になったんやなぁ、としみじみ思いました。
まるで黄巾党の張角みたい。

「うちが笑い飛ばしたこのお札飲めば、病気が治ります!」とか言い出しそうなんで。
治平が心変わりするまでの過程なんて、ただの洗脳じゃないですか。

「笑いの神様がついていれば不幸にならない、お供えのために笑え」って簡単に言いますけどね。

ソレって、
「この浄水器を買えば、不幸にならないし、難病も治るし、宝くじだって当選しちゃう!」
と言うのと大差ないのでは?

吉本せいの、笑いの陰に涙もあった人生を全否定しているような、デリカシーのない話だと思います。

まぁ、おてんちゃんにそんな大事な教えを言ってくれた新一兄さんが、夭折している時点で、話は破綻しているんですけどね。

こんなカルトめいた教え、新一兄さんを一生懸命笑わせたのに、その甲斐もなく亡くなった時点で、
【笑えば幸せになれるのが理想だけど、それだけじゃ駄目なんだ】
と気づいてなければ単なるアホです。

逆に、そこに気づいて奮闘するドラマだったら、さぞかし楽しかっただろうなぁ。

とにかく、「どんなときでも笑え!」というカルトな教えが、本作の病巣です。
辛く悲しいときでもヘラヘラ笑っていて、陰翳(いんえい)がない。

普通ならば、山有り谷有りの人生で視聴者の心に訴えかけるものが、ロードローラーで押し潰されたかのように平坦な道。
そこを歩いていたら、空からボロボロと幸運が落ちてくる。

よくまぁ、ドラマにしたもんですわ。

当初は「必ず笑わせる」というふれこみで始まった本作。
全く笑えないどころか、戦争に突入してからは毎回毎回神経を逆撫でさせられています。
それって私だけではないのでは?

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【関連記事】
吉本せい 吉本興業の歴史

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【参考】
NHK公式サイト

 

2 Comments

匿名

災害時、家族を心配する友人を前に「笑ったら~」なんて言えませんでした、というかそんな発想すら出なかった
おてんちゃんは勘当や駆け落ち死別すら無効にして来ましたから、感性が違うのでしょう
りんちゃんが料理に「姉さんの味や」って言った気がしましたが気のせいでしょうか
戦争も「勝ったら」じゃなくて「終わったら」を連呼するのも地味に気になります

匿名

同感です!
私は11月末頃には、あまりの酷さに見ていられなくなり、ドラマ視聴を脱落しましたが、その後こちらの感想で物語のあらすじを追って、改めてダメダメ振りを知りつつ、筆者様の的確なツッコミに笑いを頂きました。
この脚本、演出は文化祭以下のレベルなのでは、と思いますし、この脚本等にGOサインを出したNHKの方々の気が知れません。

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