半分、青い。47話 感想あらすじ視聴率(5/25)朝ドラヒロインの業と対峙する

まだ携帯電話も、電子メールも、SNSも、普及していない。
そんな1990年(平成2年)。

岐阜県の梟町から上京し、漫画家・秋風羽織に弟子入りした楡野鈴愛は、幼なじみで近所に住んでいる萩尾律やアシスタント仲間と楽しく暮らしています。
律の友人・朝井正人は鈴愛に興味があるようで。

そんな折、秋風羽織が書き置きを残し失踪。
突如、梟町に現れたのです。

それを知らない羽織のマネージャー・菱本は、悲嘆に暮れてしまいます。実は羽織、5年前にガンの手術を受けていたのです。
まさかの再発?

【47話の視聴率は20.9%でした】

 

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東でも、西でもなくて、名古屋に近いようで、山奥のようで

菱本の肩に手をのせ、慰める律。
「ふぎょぎょ!」
その様子を見て鈴愛が驚くと、菱本は違うの、と否定します。

泣いている菱本を見て鈴愛は律に何かされたのかとさらにビックリ!
菱本は旅に出るという羽織の書き置きを見せます。

「箱根の温泉にでも行くのか?」
そうキョトンとする鈴愛。

「この子バカなの?」
さすがにそう突っ込みたくなりますね。

鈴愛はハッとします。
「先生ならつくし食堂にいる!」

そうなのです。その頃、つくし食堂で羽織先生は、鈴愛のルーツである宇太郎の漫画コレクションを見ています。

手塚治虫、ちばでつや、梶原一騎。
王道だな、と感心する羽織。

晴はそのころ、和子に電話で、羽織の来訪を告げておりまして。
羽織は岐阜県が自分のふるさとのような気がするんだそうです。

岐阜県ってそういう魅力、あるかも。
東でもなくて、西でもなくて、名古屋に近いようで、山奥にあるようで。川の流れが美しくて、スキーできる観光地もあって。

誰にとっても故郷となれるような、そんな雰囲気があるんですよね。

そんな岐阜県にサンバランドは似合わなかった。
企画段階でおかしいのがバレバレで、そこが笑えました。

 

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ローカル有名人のサインあるある

和子は、羽織先生からサインをもらえば、と言います。

あるあるw
ちょっと田舎の食堂に有名人のサイン色紙飾ってあるあるだ!

地方独特のアナウンサーとか、ローカル有名人だったりすると、そこがまた素朴でよいんですよね~。

菱本は、締め切りは守るから先生は戻ります、と断言。
律は抗がん剤や再手術という治療はしていないのかと問いかけますが、菱本は否定します。

「あの様子は、死に支度をしているの」
「まだわからん!」

鈴愛は否定します。

鈴愛はボクテとユーコにカンパしてもらい、ガンの本を買うことにしました。
それなら図書館で調べたら、と提案するユーコ。

このころはパソコンで検索なんかできませんでしたから、と説明し夢のようだと語るナレーションの廉子ですが……。
これは一長一短かもなあと立ち止まって考えさせられました。

インターネットの検索情報はデタラメも紛れ込んでおります。こと病気に関してはWELQ問題でDeNAが炎上したように、あきらかに間違った治療法まで出てきてしまいますので、現在でもやっぱり図書館や書店は役に立つ局面がありますよね。

ただし、かつての時代を描くだけではなく、一長一短を考えさせるのですから、単なるノスタルジーだけでもない。
懐メロが朝から懐かしいというのもそれはそれで魅力ですが、そこだけにとどまらないのです。

 

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ボクテの漫画で読むひしもっちゃん劇場!

ここで鈴愛、そういえば“ひしもっちゃん”こと菱本って何者なの、と言い出します。
ボクテの漫画劇場開始です。

ボクテの漫画が、
「うまくまとまっていて、個性の片鱗も感じさます。菱元という主人公のキャラクター性も感じさせる。しかし、全体的に甘さや弱さが残る。細部を丁寧に仕上げること、動きを出すことも意識して欲しい(秋風羽織風選評で書いてみました)」
という、アシスタントとしてはありだけど、プロにはちょっと甘いかな……であえて止めているのが巧みです。

秋風羽織のタッチにはまだ及ばないけど、鈴愛の作画よりは洗練がある、そういうレベルです。

これはちょっと発明ですな。
『わろてんか』は、本業じゃない役者がレベルを変えつつお笑いを演じるという部分がすごく難しくて、実際、スベッていましたが、本作はプロにお任せすればいいわけです。
絶妙に力を抜かねばならない漫画家さんはそれはそれで大変でしょうけど。

さて、そんなボクテの漫画でたどる菱本の物語。
前日、秋風や菱本の背景も知りたいと思ったら今日この展開ですから、やったぜ!

 

美人だけど男耐性がなく、不倫にハマって……

御茶ノ水女子大を卒業し、大手の散英社に入った菱本。
その美貌で注目を集めるものの、キツい性格&個性の強すぎるフリフリファッションで男たちは引いてしまったのでした。

あー、これ、リアリティありますね。
ユーコもそういう部分が出ていますが、女子校出身者あるあるですね。

フィクションの女子校って「お姉様」とか呼び合っていそうな、そういうやたらと甘い乙女チックなイメージありますけど、それとは真逆のパターンもありまして。

DC映画の『ワンダーウーマン』では、女だらけの島で住民が戦士としてたくましく生きていました。
現実では、むしろ、あのタイプのほうが多い。同作品を見た女子校出身者の友人は、昔を思い出してしみじみしていました。

「わかる〜、体育祭とか男子の目を意識しないから、ああいうアマゾネス軍団だったよね」
って。菱本もワンダーウーマンタイプの女子校出身者だったのかもしれません。

そんな菱本は27才で遅い恋をします。
しかし、相手は妻子持ち!

いわば不倫。
「土曜の夜と日曜のあなたが欲しい」
ってやつだそうです。

相手はクズですね。
美人だけど男に耐性のない、しかも部下と社内恋愛ですから、ドクズですね、はい。

廉子さんもクズの中のクズ、キング・オブ・クズと、あのおっとりした声で断言します。

案の定バレて捨てられ、クビになり……菱本は当時中堅漫画家だった秋風羽織に救われたのです。

秋風が売れっ子になったのも、菱本のマネジメント能力あってのおかげ。
いい二人三脚じゃありませんか。

「えっ不倫! おかあちゃんが憧れとったやつ!」
「そこなの!?」
「そこでしょ!」

不倫に注目する鈴愛とボクテ。
ここで、せんべいをかじりながら不倫ドラマを見る晴の姿が映ります。

朝から不倫は憧れかしら、なんて茶化してしまう廉子さん。
確かに『朝ドラで不倫の連呼をしちゃうんだ……』とは、ちょっと思いました。

 

「私にはプランがある。私の名作はこの世に残るだろう」

そして羽織が帰ってきます。

お土産は、さるぼぼ人形です。
パッと見かわいいけど、よく見ると結構怖い、岐阜の民芸品です。

鈴愛のルーツがわかった、王道だ、と説明する羽織。
菱本は尋ねます。

「再発しているんですか?」
「……黙っていてすまなかった。私にはプランがある。私の名作はこの世に残るだろう」

羽織のプランとは、自分の漫画への情熱や魂を弟子に継承させることでした。

家庭も持たず、漫画のために疾走してきた二人。
彼らにとって弟子たちは、子供たちのようにも思えなくもありません。秋風塾は、そういうものなのかもしれない。

「あまりもう時間はない。協力してくれ」
そう語りかける羽織。

やっぱり羽織と菱本の関係って好きなんですよね。こういうのが、信頼のあるいわゆるバディ関係なんだと思います(公式サイトでバディと宣伝していてちっともバディ関係を構築できていない某ドラマも反省して欲しい……)。

 

元気いっぱいヒロインの負の一面

律がフランソワに餌をあげていると、和子から電話がかかってきます。

ガンに効く漢方薬を送りたいけれども、その箇所を知りたいと。
これは結構律にとっては嫌なお願いなんじゃないかと思います。

律は鈴愛にガンについて聞くため、オフィスティカーベルに向かいます。

そっと聞こうと思うのに、漢方の件をペラペラと喋ってしまう鈴愛。
律は止めようとしますが、周囲は皆知っているからいいと鈴愛は思っているのです。

「鈴愛ちゃん、岐阜の人にも喋ったの?」
流石に気を揉む菱本。
鈴愛はサメの軟骨も効くから仙吉が送ってくれるとペラペラ喋っています。

「秋風先生の了承は得たのか?」
律は思わずキツい口調になって鈴愛を止めようとします。

そういうことは周囲にいうな、先生は一人で戦おうとしているかもしれないじゃないか、と。
お前の口は羽より軽い、その口の軽さで人が傷つくことも想像できないのか、と。

しかし鈴愛には理解できない。
プライバシーなんてプランクトンだ、みんなで支えるんだと一歩も引きません。
左耳失聴のときだって律が支えたじゃないか、というわけです。

鈴愛は、とても純粋で、天真爛漫で、だからこそ鈍感で、人を傷つけかねないんだと思います。
こういう、いかにも朝ドラの、元気いっぱいヒロインが持つ【マイナス】が出ていると思いました。

「律は助けてくれた! そんなこといってたら死んでまう! 先生には生きてもらう!」

切迫した口調で鈴愛が言い出したとき。菱本があることに気づいて口を挟みます。

かかりつけである信濃町大学病院の領収書がない、ということでした。

ケチな羽織は絶対に領収書をよこすのだそうです。
実際、歯科医の領収書は提出済み。

ここで羽織の本名が【美濃権太】あると判明します。
あれ? 美濃って、岐阜県南部ですよね? 岐阜に親しみを覚える理由が名前に秘密があるのかな?

というのはさておき、ペンネームとのギャップがすごい。

鈴愛も本名に驚いていますが、ここからが菱本の推理です。

もしや羽織は、通院せずに思い込みで再発したと言っているだけでは?

 

今日のマトメ「命にかかわるガンと民間療法、そして……」

今日も濃い内容です。

和子の漢方薬頼り。
領収書をやたらと切る羽織という、ロングパスを今日も投げてきました。

挑戦的な部分もありました。
朝から不倫もなかなかギリギリですが、ガンに漢方、サメの軟骨という【民間療法】の話が、私には攻めているように感じました。

こうした代替治療は効果がなく、しかもこうした治療だけを受けてしまう場合だと、かえって手遅れにしてしまうこともあります。
鈴愛が治らないのに漢方を飲み続けても、金の無駄になるだけ。

しかし、ガンの場合は命に関わる問題です。
デリケートな問題です。
あまりメディアで触れたくない話だと思います。

今日言及されたインターネットの検索結果でも、この手の話は渦巻いていますよね。
ガンは切らずに治すだの、ガンになりたくなければアレを食べるな、コレを飲めとか。

こういう問題の難しいところは、相手は善意で言ってきていることでして。
律の複雑そうな表情や言動からも、この話のややこしさが伝わってきます。

彼は、漢方薬の効果を信じていない。でも母をたしなめることもできない。そういうモヤモヤ感です。

そんな善意から来ていても問題のある言動を、主人公周辺にさせるのはなかなか難しいことだと思うのです。

絵に描いたような理想的な家族像が、どうしても多くなりますよね。
和子や晴は別に悪い人ではない。

でも欠点はあるのです。

これは鈴愛にも言えるところ。
みんなでガン患者を助けるとオープンにベラベラ語るあたり、朝ドラヒロインの業を結構批判的に描いているなあ、と思いました。

彼女たちは総じて押し付けがましいところがあって、大抵はその元気な善意がプラスに持っていかれるから【いい子】になっているけれども。
一歩間違えるとただの暑苦しい勘違い女になりかねないんです。

『わろてんか』でヒロインが、恋のライバルが密かに詠んでいた和歌を音読する場面でウゲッとなったもんです。

私はあの作品のヒロインを【笑顔ブルトーザー】と呼びました。
まさに善意の押し売りでなんとかするヒロインだったからです。

過去作品でそのあたりを扱っていた作品もありますし、善意暴走しないヒロインも存在しないわけではありません。

こうしたチャレンジを果敢に挑んだのが『純と愛』でした。

あの作品の根底にあるのはヒロインの善意だけで何とかなるものか、という意地の悪い精神性。
ワサビをしこたまぶち込んだ寿司を客に食わせるような邪悪さはありましたが、テーマ性を脚本に織り込む点ではレベルがかなり高かったと思います。

本作は、そういう善意暴走を自覚して批判的に扱っているということが今回わかりました。

ガンの件は羽織の勘違いオチで処理するにせよ、この鈴愛の抱える問題は解決しないはず。
朝ドラヒロインの業とどう向き合うのか。

俄然気になってきました。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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【参考】
NHK公式サイト

 

2 Comments

しおしお改め、七歳上

こちらにお邪魔するとホッとします。前作にイライラしても、
こちらで自分の感覚を確認し、
ホッとしていました。
前作は途中でやめましたが。
今作では、武者さんの解説で、
心なごんでいます。
ヤ○ーのコメントなんか、
読んでいてツライものがありますので。

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