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半分、青い。感想あらすじ 半分、青い。

半分、青い。155話 感想あらすじ視聴率(9/28)You may dream

更新日:

時は2011年。
楡野鈴愛と萩尾律は【スパロウリズム】を設立し、試行錯誤の末に「そよ風の扇風機」を開発します。

あとは出資者を募って製品化にこぎつけるだけ。
そのための展示イベントを開催したその日に起きたのが、東日本大震災でした。

数日後、都内はなんとなく日常に戻る一方、仙台にいたユーコは連絡が取れないまま。
ボクテからの連絡で、ユーコの死を知った鈴愛は、仙台へ出向き、彼女の遺骨を抱きしめるのでした。

【155話の視聴率は23.1%でした】

 

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鈴愛、鈴愛と、こっちがヤキモチ焼くぐらい

「そよ風扇風機はどうなりましたか」
ユーコの夫・洋二が、鈴愛に尋ねました。

なんでもユーコは、そよ風の扇風機は病院の患者やお年寄りに優しいはず――出来上がったらぜひ導入したいと話していたようです。
それだけでなく普段から鈴愛の話をよくしていたと語りだします。

「何かっていうと、鈴愛、鈴愛。嬉しそうな顔ったらなくて。こっちがヤキモチ焼いてしまうくらいでした」

そうですね。
ユーコにとって鈴愛は生きる力だったのです。お互い、特別な仲でした。

そのころ東京では、正人がオフィスにやってきました。本の装丁イラストを取りに来た帰りだそうです。中央線沿線にはイラストレーターや漫画家さんが多く住んでいて、ここに来ても些細なリアルが素晴らしい。

鈴愛が仙台に行った。
そう律から聴くと「とうとう行ったのか」とつぶやきます。
なんでも出版業会も亀の歩みで、なかなか大変なのだとか(実際は)。

 

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二人に届いた秋風からの手紙

そこへ、速達郵便が届きます。
律と鈴愛、連名の封筒は秋風羽織からのものでした。

鈴愛と律が元気だろうか、と尋ねるところから始まります。そこには、秋風先生からの短い励ましの言葉が書かれておりました。

人生は希望と絶望の繰り返しである。
人には想像力がある。夢見る力がある。生きる力がある。
明日を、これからを、どんなひどい今日からだって。
夢見る希望を持つのは自由。
もう駄目だと思うのも。
希望を見るのも自由だ。
律と鈴愛には希望を見る力があると信じています。

そう励ます羽織です。
声だけとはいえ……秋風先生、ありがとう。あなたはいつも見守ってくれています。

鈴愛を見守っているのは、律だけじゃない。
家族も、秋風先生も、秋風塾も守っています。

秋風先生は、弟子なんか取ることは向いていないと言っておりました。
ああ、それはご謙遜でもなく、怖かったのかもしれない。ここまで弟子に愛を注ぐ、そういう自分の姿に躊躇してしまったのかもしれません。

なにせ、弟子が旅立ったとき、涙を描いた先生ですからね!
人が嫌いで犬ばかり愛していると言われていたけれど、人を愛することもできたのです。

何かが怖かっただけで……。

 

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最期まで動けない患者に寄り添い続けた

仙台で、洋二は前置きしてから3.11当日の話を始めます。

ユーコは、あの朝いつものように出かけました。
あとから振り返ると、大きめの前震はありました。けれども、まさかあんなことになるとは皆思っていなかった。いつもと同じ朝だったのです。

そして地震が来て、津波が来てしまった……。

ユーコは、患者を上へ、上へとあげました。しかし、全員を動かせるわけじゃない。
寝たきりの人。集中治療室の人。
ユーコは、最期まで動けない患者に寄り添い続けたのです。

そうなんですよね。それにこういう事例は、この大震災以外にもあった……。
ピンチの時、男が女を守るというのはあくまでタイタニック号事件あたりからのイメージでして。

実際、災害発生時に助かる確率は女性より男性の方が高い。
いわばタイタニックが特異な例なのです。

そもそも性別関係なく、精神の働きによって人を助けるために犠牲となる、そういう事例は多いです。

ユーコもその一人。
彼女は責任感が強く、優しい。そういう人でした。

 

だから俺はここにいる

東京のオフィスで正人は、鈴愛を「一人で行かせて大丈夫だったの?」と、律に聞きます。
ユーコと鈴愛の関係は二人のものだ、自分は余計なのだと返答する律。

そうなんですよね、カップルだから常に一緒にいるというものでもありません。ベタつかせてラブラブにすればいいってもんじゃない。

律は、鈴愛は一人で向き合うことがいいと思ったのだと。
そうでないと、受け入れられたり、乗り越えたりできない。

「鈴愛はユーコにとって、ただの親友じゃない。特別な存在だったと思うんだ。だから俺はここにいる」

遠くにいたり、近くにいたり。そうしながら、守っている。生まれた意味はそれなんで、あいつを守るため。そう言い切る律です。

そんな律の宣言に、突っ込む正人。
「本人に言わないの?」
「言わないね。言うなよ」

りーつーーーーー!! あんたって人は!!

正人も痛感したでしょう。かつてと同じ、律と鈴愛の間には入れないこと。一度目はそれで鈴愛を振って、ニ度目は鈴愛から振られております。その理由がわかったことでしょう。

守るって、こういうことだ。
遠くにいても、守ることはできる。

律の出番が途絶えたことすら本作にはありました。
でも、そのときでも彼はどこからか鈴愛を守っていたのでしょう。

見返りなんかないのに。
そうすることで、得られるものがあるかわからないのに。
それでも見守る。そういう関係だったのです。

そして律だけでなく、秋風先生も、ユーコも。どこかで鈴愛を守っているんだ……。

 

最期まで慌ただしい それがユーコの人生だった

洋二は、ユーコの打ち上がった携帯電話を見せてきます。

電話としては故障しているけれども、中には録音が残っていました。
ユーコの遺言です。

それを流すのか……。
本作はもう……本当に1ミリも逃げないな……そんな生々しいものを。

ユーコのものから、洋二のスマートフォンに録音された声が流れだします。

「えーっと、ユーコです、ふふっ。あんまり暗くなりたくない。言いたいこと言います」

笑い声からは、まだ状況を信じられていないような、あの日のあまりに突然すぎて、心がついていけなかったことを感じさせます。
いきなり暗くならない。
まるで普通の日常を過ごしているだけのような声です。

まずはクウちゃん。
母として、ママがいなくても生きるんだよ、君は大丈夫だからね、と語りかけています。

夫の洋二には、ごめんなさいと謝ります。
患者さんを置いてはいけない、クウちゃんをよろしくと。今までありがとうと感謝を告げるのです。

ボクテには、ちゃんと漫画を描きなよ、秋風塾唯一の生き残りである売れっ子頑張れ、と励ましの言葉を送るのでした。

そして鈴愛には。
「鈴愛、鈴愛、生きろ! 暑苦しいことを言って申し訳ないが、私の分まで生きてくれ! 何かを成し遂げてくれ。それが私の夢だ、生きろ、鈴愛!」

ここで、ユーコは自分を呼ぶ同僚に答えて「呼ばれてる、じゃあね」と録音を切ったのです。

「最期まで慌ただしい」
そう言う洋二。それがユーコの人生でした。

 

You may dream

鈴愛は、海が見える桟橋に向かいます。

ユーコの好きだったシーナ&ロケッツの『ユー・メイ・ドリーム』を歌う鈴愛。
ジュースを二本、自分の分とユーコの分を置くのでした。

 

「ユーコ、歌ってよ」

座りこんだ鈴愛は、ボクテのお守りであるキャラメルを噛み締めます。

脳裏に浮かぶのは、鈴愛断筆後に、秋風塾三人ではしゃいだこと。
鈴愛が座り込んでいると、ペンで描いた鳥が空を飛んで行きます。

You may dream――あなたは夢を見る

今にして思えば、なんていう曲名でしょう。
鈴愛は律の元へ帰ってきます。

「律、そよ風ファンを作ろう」
「おう」
「鈴愛、生きろ。私の分まで。生きてくれ。そして何かを成し遂げてくれ。私は生きて、ユーコの夢を叶える」

鈴愛はそう言い切るのでした。

You may dream――あなたは夢を見る。
鈴愛も、ユーコも。
夢を見ています。

 

今日のマトメ「二人の魂が結びついていることは明らかだ!」

ブラボー!
ずっと楽しんできた本作ですが、最終週は毎日息をのんでいます。
何がすごいって、本作の根底にあるテーマは何であるか、丁寧に見せてくるところ。

【生きていくうえで創造性が何を果たすのか】

本作のOPでは、鈴愛の想像力が景色や日常にあふれるちょっとしたものに手を加え、別のものとなる様子が描かれます。
秋風羽織は、弟子が去ったあと、壁に描かれた笑う顔にペンで涙を描きました。
そして今日、空にはペン画の鳥が飛び立ちました。

創造力が、日常生活を変えること。

それはプラスの面だけではありません。
羽織が涙を描いたように、悲しみが増幅されることもあります。傷つくことも、周囲を傷つけることも。変な奴だと嫌われることもあります。
感受性の鋭さや創造性は、褒められるだけの長所ではないのです。

それでも、鈴愛や羽織、そして秋風塾の面々のような、創造性を持つ人間はそういうものを吐き出さないといけません。

どういう結果であろうと、吐き出さなければ苦しくなってしまう。
息が詰まる。
そんな創造性が、道を拓くことがある。

そのことを、秋風羽織の手紙が示しています。

人生に希望を描き加えたこと。
創造性、その力。
それで生きる力を見出すことができる。

鈴愛もユーコも、創造性で食べていく道である漫画家を諦めました。

それでは創造性は無意味なのか?
漫画家を目指したことは無駄だったのか?

いいや、そんなことはない。
今日、はっきりそう描かれました。

羽織の手紙の文面、鈴愛の前へ進む力。これこそ、本作の根幹にあるテーマではないでしょうか。

【希望と絶望の世界】

最終週で、ナゼ震災をやるのか、ユーコの死を扱うのか。
意味がわからない、話題性狙いでしょ、そんなアンチの声を見かけました。

そうした批判に、本作は答えを突きつけました。

人生は、希望と絶望の繰り返しです。
秋風の手紙が語る通り、本作はその繰り返しでした。

鈴愛の左耳の失聴。
漫画家として希望をつかみかけて、創造性を心ゆくまで楽しんだ。その後、筆を折る絶望。
鈴愛と律の、夏虫駅でのプロポーズ決裂。
鈴愛と律の結婚。二人には離婚という絶望が待っていました。それでも、子供という希望が残っています。

そうなのだ。
これはセットだ!
『半分、青い。』世界なんだから、このふたつがセットであってこそなのです。

成功してよかったねという明るさ希望だけでは、この物語にならないんだ!!

【守るということ、相手を開放すること】

本作のよいところは、親子であれ、夫婦であれ、師弟であれ、相手を開放できるところです。

宇太郎はちょっと拗ねながらも、晴の写真教室通いの背中を押します。
津曲だって、タイプの違う息子の修次郎に自分の生き方を強制しない。
秋風も、鈴愛が筆を折ると言ったらば受け入れました。

それはそうです。
皆、別人格を持って生きているのだから。

血のつながりがあろうが、家族だろうが、相手を支配することなんかできない。
本来、そうあるべき。

今日、律の言動がまさしくこのことを示していました。

カップルだから常にべったりしているべき、男だから女を守るべき、というのはそういうことじゃない。
鈴愛はユーコと、一人で向き合うべきなのです。

離れていても、守ることができる。
律はより子の夫であるときも、鈴愛を守っていたのでしょう。

律と鈴愛のハグの時、「浮気だー!」というバッシングがあり、『なんか違うのでは?』と思ったんですけれども、その理由も、最終週でより深まってゆく気がします。

【二人の世界】

より子という妻がありながら、鈴愛との仲を重んじる律には批判もありました。

でも、人間関係ってそういうものではありませんか?
結婚や交際相手以外は振り向くな、というのはただの束縛であり嫉妬ではないでしょうか?

私も、鈴愛とユーコの関係から何か特別なものを感じておりました。これがもし男女の組み合わせなら叩かれるかもなぁ、と思ったこともありまして。

性別がどうあれ、特別な関係ってありますよね。

配偶者とは作り上げられない、濃厚な世界を作ってしまう二人。
元住吉と涼次からも、それを感じておりました。
互いに違う配偶者がいるときの鈴愛と律も、言うまでもありません。
秋風と菱元だと、男女であるから「好きなんじゃないの!?」というツッコミもありましたけど。
ボクテのセクシュアリティが同性愛者じゃなかったら、ユーコとくっつけよという声があがったかもな、と思ったり。

そういうことじゃない!
恋愛でもないけれど、ともかく濃厚で、この人としか見られない世界がある。そういう関係を、最終週まで示し続けたのが、本作なのです。

性的関係があっても全くかみ合わず、別の世界を歩んだ二人もおりますね。
ボディコン瞳さんとゲス上司とか。
本作は恋愛のようで、恋愛じゃない、濃厚な関係を見せてくれました。

男女がいればくっつき、同性同士ならない、とか、そういうことじゃない。
本作の鈴愛と律がハグしたり、キスしたり、そういうカップル的な行動を取ると、盛り上がっておりました。

ただ私としては、腕組みをしながら秋風羽織先生の口調を真似して、
「こんなことで盛り上がらなくてもいい! この二人の魂が結びついていることは明らかだ! もう、今更ハグしてもキスしても、それは当然のことだ!」
と言いたい気持ちがあった。
もう充分、結びついているじゃないか!って。

人間には、性別なんか関係なく、魂と魂が結びついてしまう相手がいる。
そのことを、本作は見せてくれました。

深いな、この作品は。
本作には戸惑う視聴者がおり、
「ここはもっと、普通は盛り上げるよね」
「なんでこうなるのかわからない」
という批判がつきまといました。
そういう視聴者への忖度が清々しいほど存在しない作品ですよね。

「どうせ話題作りでしょ」
という批判もありましたけど。いや、本作はのびのびと創造性を発揮して、周囲なんて知らないと走り抜けた作品です。
一緒に走れる人だけ走ろう。そういう風を感じました。

今日を含めてあと二日。明日は最終回です。
テレビでの物語が終わったとしても、私は本作と走りたい――心からそう思います。

※『半分、青い。』ほか多数の朝ドラ・大河作品がU-NEXTで視聴できます。

詳細は以下のサイトをご覧ください。
スマホでもOKですよ。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

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【参考】
NHK公式サイト

動画配信サービス
主要7社ぜんぶ入ってみました
当サイトのリポートです


 

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