『半分、青い。』の時の優しさはどこに言ったのか?
そんな風にご指摘をくださる皆様。
私は『西郷どん』も『わろてんか』も、それ以前の大河にも同様のスタンスです。
ちなみにレビュー時のスタイルで参考にしているのは、イギリス人モータージャーナリストのジェレミー・クラークソン。
彼は気に入った自動車をとことん褒め称えます。
その表現はまるで詩のよう。
この製品を買えない者は、全員不幸なんじゃないか――。
そんな風に思うのですが、これは駄目だとなると、一転して情け容赦ない。
製品そのものを大破壊するわ、メーカーとも何度もトラブルになるわ……というジャーナリストです。
知名度は世界的にも高く、彼が取り上げれば売り上げアップは間違いなし。
しかし、貶されたら大変なことになるわけで。
自動車メーカーの一部からは嫌われております。
それでも彼は
「えー、あるメーカーの車をレビューしようとして、提供を申し込んだら、断られました。番組で買って乗ってみましたわ〜〜」
と、レビューを決行し
「このメーカーは私にレビューされたくないくらい自信がないそうですよ」
という嫌味までくっつけます。
頭の隅にある彼のスタンス。
私ごときがあの境地まで行くのは大変でしょうけれども……目指す時点で高望みだということはわかってますとも……それでも挑戦してこそ人生じゃないですか!
Amazonプライムでは、彼の番組『トップ・ギア』、『グランドツアー』が視聴できます。
抱腹絶倒ものです。
是非どうぞ。
【4話の視聴率は22.3%でした】
フロントの女性を舐めてないか?
ナレーション曰く、福子(まんぷく立花福子モデル→安藤仁子)は勤務後僅か1ヶ月でフロントに異動になった、とのこと。
ナレーターに罪はない。
しかし、人選側の罪は重たい。
毎回そう思ってしまいます。
ナレーターは、ベテラン女優やアナウンサーが多いもので、じっくりと聞くとき、耳に良いからです。
それが、本作は子供の声でナレーション。
ただの可愛らしさ重視でしょうか? しかも、中身の説明がほとんどない――つまり情報量が少ないのです。
プレゼンの資料として、萌えキャラがドドーンと描かれていて、説明がほとんどないものだったら?
その製品はもう終わりだと判断できませんか。というかワケわからないでしょう。
どうしてこんなことが起きたのか?
このナレーションを聞いた時点で、私の顔はひきつりました。これは凶兆に他なりません。
そしてもう一点。
福子のフロント異動がもう、絶望的だ!
・電話交換手の時点で仕事ぶりに問題がある
・上司に相談せず、いきなり客室に行って変な言動で謝罪するくらい、ホテル業務への理解が低い
・清潔感に乏しい髪型
・ヘラヘラと常に不自然なまでに笑っている
・研修している描写すらない
フロントを、顔のいい女性が立つ、華やかなだけの業務扱いしないで欲しい。
客のトラブル、揉め事、そういうものにも対応しなくてはならないわけです。
精神年齢が極めて低く、電話交換手の時点で無能極まりない福子を抜擢?
いやいや、一ヶ月しか働いていない時点でおかしい。学生でもできるビジホの深夜バイトじゃないんだから。高級ホテルなら、しかるべき素養が必要ではありませんか?
ただ食ってるだけやん
プロット作りとしても、どうかと思います。
せっかく福子を交換手にして、立花(まんぷくモデル→安藤百福)が電話を何度か掛けているわけです。
顔が見えない状態で互いに惹かれ合い、顔を見た瞬間に驚く――そんな展開の方がロマンチックではないですか。
毎日しみじみと思う本作のブレない点は、相場よりはるかに高いお金を払ってこの高級ホテルに泊まる価値はあるのか?ということ。
インスタントラーメン製造会社もこのノリだったら、関係者が真顔で「あんな人ではありません」と言い出すかもしれません。
『花子とアン』ルートです。
考証面で問題がなかったとは言い切れないけれど、『マッサン』のウイスキー関連描写はしっかりしていた。それがナゼ?
案の定、フロント業務で、福子は不気味な笑いを常に浮かべています。
帰ったら帰ったで、
「せつやくぅーせつやくぅーあはははー」
と笑っている。
会話になっていないって。
18歳ならこれから自分の給料で母娘暮らしていくことを、もうちょっと真面目に考えましょう。
キャラクターの作り込みの甘さは、父の失敗で没落した設定の割に、金銭感覚が鈍感なところにもあらわれています。
真一がこの後、咲の結婚指輪を買いに来ました。
こういう描写、本当に【インスタントラーメン産みの親】の話に必要ですかね?
いかにも「女の子はロマンチックに胸キュンするはず!」という狙いだけで甘ったるい描写をやるところが、やっぱり『花燃ゆ』を彷彿とさせるんだよなぁ。
このあと、ラーメンを三人娘が食べています。
「ええなーーーー!!」
……って、おいおい。やっぱり福子の味覚描写などの伏線がないんだな。
コンビーフの味を考えるとか、ラーメンを家で作るのならばどうするかとか。なぜ、そうした描写が一切ない。
ただ食ってるだけやん。
これでラーメンをテーマにしたと言えるの?
『花燃ゆ』の文ちゃんだって、もっといろいろ考えていた気がするぞ。
今の小学生がファミコンで驚くようなもんやで
立花は、写真を投影する幻灯機について加治谷と話しております。
こちらも時代考証は大丈夫でしょうか。
この手の静止画を見せるものはずっと前にありまして。
日本への到達は嘉永年間です。
幕末です。
明治時代になりますと、エンタメとして人気を集めております。
「えーがみたーい!」
と福子は言っておりますが、映画があるならこういうものも一緒に知っていないと不自然なんですよ。
むしろ母親の鈴さんあたりが若い頃に楽しんでいてもおかしくない。
これ、現代モノで喩えたら、今の小学生が初代ファミコンをみて
「うわぁ、テレビにゲームが映るなんてすげぇ!!!」
って驚くようなもんでは?
『わろてんか』では、映画関連が情報が数十年単位でズレて驚かされたものですが、今回も絶望感しか湧いてこない……。
陸軍だって「んなもん持っとるわ!」で門前払いでは?
映画のある時代にスライド……動画のある時代に静止画像でドヤ顔………。
時代設定が『ゴールデンカムイ』と間違えてねーか!
勤務先備品をパクったり、無料で商品を貸出したりさぁ
チャップリンの映画は考えごとをとしていてロクに見ない。
でもスライドには夢中になる福子ちゃん。
一生懸命に説明する立花を遮ります。話を途中で遮られることが好きではない私にとって、どうかと思いますが、立花はそうではないようですね。
結婚式に無料で貸し出すと言い出します。加地谷も驚きます。
ったく。
好きな女のために、勤務先備品をパクったり、勤務先の商品を無料で貸し出すことを、いい話にしてません?
このあと、咲に惚れていた歯医者の話をして今井家が盛り上がります。
馬が可哀想だわ。こんなセンスのない場面に使われてしまって。
なんでも実話ベースなんだそうですが、だから何?としか言いようがない。
前半のしょーもないことに予算を使って、後半息切れする姿が目に見えるようです。
こういう、女たちが恋愛話をしてキャッキャウフフしているところが見たい、そういう脳内女子校や給湯室が好きな方の、そういう願望だけは強く伝わってきますよ。
鈴がわざとらしく、咲の花嫁姿をあなたに見せたかった、と父の遺影に語りかけます。
お父さんはどんな人だったの?
家族からは一切、父の情報は出てきません。こういった雑な流れからも、本作の作り込みの薄さが伝わってくるんですよね。
咲が頭を下げ、こう言いました。はい、エエ場面用BGMも盛り上げてくるよー。
「お母さん、今まで育ててくださってありがとうございました」
「幸せになるのよ、咲」
「はい」
コスプレ感が今日もヤバイです。
時代考証が間違いだらけでも全く気にしない視聴者が、ぼんやりと『戦前はいい時代だ』なんて考えそうな。ありきたりで作り物みたいな場面ばかりじゃないですか。
私の言いたいこと全て言ってくれました。何だかやたら安易に話が進む。あんなに萬平さんとのこと反対してたのに、直ぐに結婚許すし、歯医者咲が亡くなったのに恵に求婚するし。とにかく微妙な心理描写がないので共感が持てない。
多分分かりやすいものが良い人には受けるんでしょう。
>あうこ。さん
一話レビューに理由が書かれているので、
そちらをお読みくださいm(_ _)m
見ていないので、記事の感想ですが、「姉がいかにもてたか」を姉の結婚式で話したのですか?それだけで破断になりそうな気がします。私の母は昭和4年生まれですが、恋愛ははしたないと言われていたそうです。小説も読むと怒られた。父とは写真による三択で結婚しました。
9月に予告編などが流れたとき、「『わろてんか』のノリ丸出しで作ってるみたい」と感じ、嫌な予感がしていましたが、始まってみると果たしてそれは的中。
なので、2話で視るのをやめました。
NHK大阪では『わろてんか』の教訓はまるで活かされてない…と言うより、むしろアレを「成功作」と勘違いしているのではないかと、疑わざるを得ないひどさ。
この調子では、同じような愚作は繰り返されるでしょう。
コメント、書かせていただいて反映されたのも確認したのに今見たら消えちゃってたので、ちょっと短めにもう一回書かせてもらいますね。
前2作に関しては最初の1ヶ月くらいは描かれたことに関しての感想といい点、悪い点を書かれてた気がしますが
『まんぷく』には最初から手厳しいんですね。
なんでそんなに戦いモードなんですか?
自分などは、顔が可愛いというだけで何を言っても許される鈴愛さんの方が大問題だと感じてましたが…
不細工な女の子や男性が言ったらアウトなセリフのオンパレードでしたし…
人の目線て、本当に色々ですね。