まんぷく 17話 感想あらすじ視聴率(10/19)飛び降り前に全てを話すサスペンス

『べっぴんさん』を見返していて気づきました。
伝記や社史と、ドラマの展開が連動しているのです(当然ですが)。この史実を基にしてこういう展開にするのか……と頷かされるワケですね。

一方で『まんぷく』。
モデルの人生とかけ離れすぎていて、もうわけがわからない。

思えば『わろてんか』も酷いものでした。
ヒロインの人生を、モデルとした吉本せいではなく、人気作『あさが来た』に強引に寄せてきた印象。

そこまで捏造するならば、どうしてその人の人生を取り上げるのか?

結局は、【成功した】という結果だけが欲しいのであって、その人の人生なんてどうでもよいとしか思えません。

もちろん何もかも史実通りにしろ!なんて微塵も思いません。フィクションとは、視聴者がワクワク楽しむためにあるものです。
しかし、誰かをモデルとする以上は、その人物に対しリスペクトを払うべきであって、あたかもコケにするような紛い物であってはならないでしょう。

そもそも『わろてんか』は、主人公のルーツを
・大阪の一市民家庭出身者
から
・京都のお嬢様にした
ということで、ブーイングが起きておりました。

本作『まんぷく』も同じ誤ち、というかもっとスケールの酷いことをやっています。
台湾ルーツを削除して、国境を跨いだゲス行為を働いてしまっているんですね。

伝記モノとして、一番やってはイカン、無礼極まりない作品。
それを二年連続で作っているって、もう絶望感しかありません。

【17話の視聴率は22.4%でした】

ボタン連打で問題解決劇場の始まり

今日は冒頭、月を見ながら福子(まんぷく立花福子モデル安藤仁子)と立花(まんぷくモデル安藤百福)がまた会えることを願っているとナレーションで説明されます。

福子:クエスト依頼のみ
立花:無実連呼だけ

ったく、何もしないで、よくまぁ!

このあと世良による竹ノ原尋問タイム。
ゲームシステム的にボタン連打で、全部吐きますよ。

・ピュアソウルの持ち主である立花さんは無実です!
・会社内部事情を全部説明します! こういう状況だから、横流しを加地谷さんにバレずにしない方法はないんです!
・加地谷さんが会いに行くと言っている遠藤という社長は実在しないんです!
・ここまでわかりやすく白状するのは、入隊間近でもう会社に恩義がないから!

すごっ……。ボタン連打だけでクリア確定だす。
【遠藤】という、社員に簡単にバレる嘘をつき続けた加地谷も無能ですし、それに気がつかない立花もどっこいどっこい。

しかし、それも低スペックな8bit仕様だから仕方ないんですね。
いや、8bitでもエエゲームはあった。要は、本作がクソゲーなだけだ。

飛び降り前に全部話すサスペンスドラマ

そして今日も、セクシー立花拷問タイム♪
竹刀を振るうモーションがいかにも手抜き感満載で、ここまで来ると、アレですね。笑いをこらえるのが辛いです。

香港アクションの帝王にして宇宙最強ことドニー・イェンさんの盟友である谷垣健治氏さんあたりに、アクション指導してもらったほうがええんちゃう?
香港映画の拷問シーンは見ていて脂汗滲みますよ。朝ドラだからこんなもんなのかな。

※ドニー・イェン主演、谷垣さんも参加したこの映画『捜査官X』、好きなんですわ~

このあと、次のボタン連打イベントシーンです。

戦時中でいよいよ大変ってときに、戦後のような屋台の場面。
めちゃめちゃ優雅ですやん。
本作における屋台とは【RPGの酒場ではないか?疑惑】がますます濃厚になっております。

ここで何が起こるか?
って、端的に言えば片岡愛之助丈の無駄遣いっすね!

三谷幸喜さんの『真田丸』と『風雲児たち』は本当に良かった。

正直に申しますと、私は彼の歌舞伎を何度か鑑賞したこともあります。
もう、素晴らしいという言葉しか出てこない、ほんとうに素晴らしい役者さんです。

それがなんですか、この扱い。
屋台で、加谷地が共犯者を相手にして、説明台詞をひたすら読み上げるという、この苦痛。

見ているうちに自分の中で何かが死んでゆく気がしました。それでも片岡愛之助丈のことは、好きですけどね。

とにかく、説明セリフの内容がひどい。

・立花が軍事兵器作らないんだもん
・戦争さえなければこんなことにならなかったのに
・日本はどうせイギリスとアメリカなんかに勝てるわけないもん、知ってるもーん

ダメなサスペンスドラマだと、犯人が崖から飛び降りる前に動機から犯行テクニックまで吐き出しますけど、本作はそれ以下ではないでしょうか。

誰がいるかわからん場所で、大声で真相を吐き出す。
しかも、聞かれたら絶対にあかん【日本は負ける発言】まで。

もう、時代考証がおかしいというレベルじゃない。
何かが……というか、全部ぶっ壊れている。

なぜ大阪の救世主扱いされてるんだ?

ゲームのシナリオに沿って、次の会話イベントへ。
大物・三田村の知人である退役した陸軍大将の自宅です。これもボタン連打でサクサク進みます。

大いに引っかかったのは、立花がイキナリ
・大阪の救世主扱い
されていること。

やっちまったな……。
特に実績もないまま成功してしまうパターンを実装しました。

本人の実績を積み上げていくことはしません。しょうもない脇役の恋愛や、吉本新喜劇に例えたらそれはいくらなんでも失礼と突っ込みたくなるレベルのつまらん喜劇もどき。
そんなサイドストーリーばかりやるパターンでもあります。

NHK大阪だから、なんでも笑いのネタにしてエエんやで!
って、それ『わろてんか』で思い切りコケたよね?

あの無能のどこが救世主なんだ?
大阪って無能な人しかいないように思えてきてしまうぞ、NHK大阪!
『わろてんか』のおてんちゃんと栞様もダメダメだったしなぁ。

こうなったら、もう、再放送枠の『あさが来た』に期待するしかありません。あさ(広岡浅子)と五代様(五代友厚)。彼らを見てれば、大阪経済がそんな甘くないこともご理解いただけるでしょう。

木・金で解決したら金・土曜で次のクエストか

昨日、このドラマは
・月曜日に雑な問題提起
・土曜日におざなりな解決
と指摘しましたが、すみません。木・金曜日で解決して、金・土曜で第2クエストをやる流れですね。

なぜ水曜日まで、あんなダラダラ過ごしてしまったのでしょう。
ここまで雑な会話ボタン連打をやるとは、さすがに思いませんでした。

第2クエストは【ブケムスメプログラム】風呂沸かしモードが説明してくれます。

帰宅が遅れた福子に、
「みんなあなたを応援する! 私の味方がいない!』
という鈴さんです。

あなた、一体、何歳ですか?
というより、どこが武士の娘なの?

今朝もバグがひどい……というか、これってバグじゃないんですよね。

【次のクエストは私の説得です・クリア時間は金曜土曜】
という親切仕様なんですよね。

6 Comments

匿名

わろてんかはそれでも、
吉本せいさん、小林一三さんをモチーフにして描く
としていたから一線があったけど、
今回は安藤さん夫妻をモデルそれもかなりの伝記っぽく
って感じの触れ込みだからひどい。
日清食品から制作放映の中止を強行されてもしょうがない。

匿名

>まぁ、ともかう二人の再会ですわ。

お疲れ様です。
ご自愛くださいませ。

さかな

今日の回を見て、私も視聴者を馬鹿にした作りだなと感じました。
うまくいえませんが、「朝ドラ視聴者にはこのくらいでいいだろう」という手抜き感。
何より、このドラマは女性の頭の中には恋愛ごとしかないようで、これまで朝ドラで描かれてきた困難に立ち向かい生きる女性像がガラガラと崩壊していくようで悲しいです。
なぜこのように自分のない主人公にしてしまったのでしょう。朝ドラファンとして、本当に悲しいです。

匿名

Twitterの感想はあまり読んだことがないのですが、「面白い」「素晴らしい」「満足」の中にはクレイジーな前作アンチがかなりの数おられるのではないかと推察します。このような絶賛は「まんぷく」にとってはむしろ迷惑な話ではないかと思えるのですが。

三太夫

大阪商工会議所の三田村【会長】。
普通、商工会議所のトップは【会頭】なんだけど
これはフィクションだからってことかな。
ちなみに大阪商工会議所の初代会頭は
『あさが来た』の五代友厚。
昭和17年頃の会頭は13代片岡安氏ですね。

匿名

いつもレビューをお届けくださり、ありがとうございます。

私は本日の回をみて、スタッフは全力で確信を持って、(ボタン連打でもクリアできる)「わかりやすさ」「゛優しい゛世界」を描き、「゛重すぎない゛朝のひととき」をお届けしようとしているのだなとの確信をもちました。

「頼むだけなら誰でも出来る」等の突っ込み台詞は、突っ込まずにはおれない人びとへの、「分かっててわざとやっているんだよ、そのくらい分かるでしょ」というエクスキューズなのでしょう。

全力で「視聴者のニーズ」に応えて、何を犠牲にしても「わかりやすさ」(ボタン連打でクリアできるレベル)を保つことを重視しているものと思われます。

それにしても、今日は実にやりすぎでした。
「ボタン連打クリアって的確すぎる表現!!」と、変な喜びまで浮かんでしまいました。

制作側が意図してあのストーリーを作っている以上、何かその裏を読んで読み取ることの出来るような仕掛けがあるのかどうなのか…。

もし何の仕掛けもないなら、視聴者がバカにされすぎじゃないか、と憤りも感じたりしますが、Twitterの感想をみると素直に何の含みもなさそうに「面白い」「満足」などの感想が多数みられ、目眩がしております。

武者様のレビューが楽しみなので、「まんぷく」引き続き視聴したいと思っております。

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