まんぷく 12話 感想あらすじ視聴率(10/13)一読オススメ『戦争中の暮しの記録』

昭和17年(1942年)夏まで、時間が経過。
日本勝利の報道が続いているものの、生活は苦しくなってきました、とナレーションで説明が入ります。

確かにそういう描写は今後出てきます。

が、服も街並みもピッカピカ。
戦前にいたはず、あったはずの貧しい世界はまるで出てきません。

まぁ朝ドラの宿痾みたいなもんで、ここ最近では『カーネーション』ぐらいですかね、戦災孤児が登場したりしたのは。

あるいは『べっぴんさん』のような、上流階級の日本人が主役であれば、貧しい描写も不要でしょう。

しかし、何度も言います。
本作の主人公・夫は、台湾ルーツゆえに苦しんだ人物です。

そういった環境のもとで苦しみ開発したインスタントラーメンの話。
辛い暮らしもなく、しかも手柄の付け替えが行われたら、なんと恥知らずなことでしょうか。

【12話の視聴率は20.9%でした】

 

スポンサーリンク

戦争の状況描写が曖昧すぎやしないか?

福子(まんぷく立花福子モデル安藤仁子)の勤務先は、お客様が減ってきているそうです。

「外国人客もいませんねえ」
と能天気そうな福子。

「日本が勝ったらまた賑やかになりますもんね」
とも言っております。

なんだ、この、取ってつけたような言い回しは。本当に、心の底から勝つと思ってます?

このあたり、本作の引っかかるところで、本音と建前の区別が付きづらい。
特に【戦争の状況描写】が気になる。

もしも本作が「王道」の朝ドラならば、ヒロインは戦争の嫌な予感を覚えていてもよさそうなものです。『花子とアン』のヒロインなんか、戦争協力していた部分がバッサリカットされておりました。
かといって『ごちそうさん』のような、戦意昂揚に乗っかってイケイケドンドンでもない。

要するに、戦時中の心理描写がまったく伝わって来ません。
見ざる言わざるで逃げてんのかな?

ともかく、いつもと変わらず明るい様子の福子。
姉の死を隠して振舞っているんですよ、とは保科のフォローですが、相変わらず説明的な台詞が多いなぁ。

説明せずに描写でやるべきではないか?と思うことが毎日あります。

 

スポンサーリンク

「お昼寝をしていたら、夢に咲が出てきた」

福子が帰宅すると、鈴さんは、灯りの消えた仏間におりました。

出た。
今日の【ブケムスメプログラム】がよ。

んで、何なん?
今日は何のバグ?
と思っていると、「お昼寝をしていたら、夢に咲が出てきた」んですって。

ひゃーーーーーー!
『わろてんか』の亡霊召喚チリンチリン♪よりマシだけど、ベッタベタな展開で参っちゃう。

いや、別にベタが悪いっていうわけじゃないんです。

けど、毎日毎日、
・展開
・演出
・演技
の三拍子がヒネリ0の退屈動画を見せられると、さすがにウンザリしちゃうという話です。

鈴に続き、福子も姉を思い出す場面となり、
「咲ねえちゃ〜ん」
そう言いながら顔をくしゃくしゃにして泣いてます。

本当に21歳女性でしょうか?
その半分ぐらいの年齢にしか思えませんよ。なぜここまで徹底して、ヒロインの精神年齢を低く設定するのか。

答えは想像つくんですけど、最後にマトメます。

 

スポンサーリンク

戦争が、まるで天災のよう

立花(まんぷくモデル安藤百福)と加地谷の会社にいる若手社員にも、赤紙が来ました。
加地谷はアッサリ「おめでとう」と言います。

もう、この人、存在自体が不思議です。
なぜ常に白スーツなのか。これは牧なんかも一張羅状態なので、そういうもんなのでしょうけれど。

「おめでとう」
という祝意についても、出征兵士相手にしてはテンションが低いっちゅうか。「御国のために戦って来い」という感じが微妙。

あるいは本音を言えば、働き手を失うことでもあり、困るわけです。

『カーネーション』では、ヒロインのナレーションで
「こんなに火に炭をくべるように兵隊にして、この国は大丈夫か」
的な懸念が示されたんですけれどもね。

本作の戦争描写、明らかにおかしい。
まるで天災のようで、人が戦って死ぬという点について極力避けているような印象すら受けます。

そして、そういう戦争描写は、偶然とも思えません。
大河ドラマの『西郷どん』の戊辰戦争も、偶発的に起こる戦闘に対して、あれよあれよと西郷隆盛が巻き込まれていくような描き方なんですよ。

西郷自ら戦争を進めていったのであって、もちろん間違い、真逆です。

NHKが考証できないはずがない。
それどころか綿密にできますし、実績もある。どうしてそんな局が、看板ドラマでこういうことになるのか?
今年は大河もそうですから、二枚看板が自ら泥を塗りたくっています。

 

なぜ福子と立花の恋愛に興味津々なのか

ここで言い訳レベルの戦争描写終了。
加地谷が、立花の恋愛について口を出します。

姉の回復次第、お付き合いできると思っていたのに、死んでしまったと聞くと、別の女にしておけとアドバイスします。

冷たい奴や――って、そう思う視聴者さんもいるでしょう。

私が感じたのは、
『どうしてみんな、それほどまでに福子と立花の恋愛に興味関心を抱くのだろうか?』
ってことでした。

福子が名門のお嬢様で、使用人が気にするならわかります。
しかし、いわば同僚の恋愛に興味を持つって、ご自身の身近で考えたら、気持ち悪くありません?

なんてことを考えていたら、ホテルから軍へと金属が供出されてゆきました。

がっかりする保科ですけれども、だから、そういうことをペラペラと気軽に話すのは危険ですってば!
なぜ「御国のためですから仕方ありません」ぐらいのことが言えないのか。

脚本家さんは【本音と建前】の使い分けって知らんのですかね。
御国のためと建前を言いつつも、憂いを帯びた顔で本音をのぞかせる――本作は、そんな程度のことすらできないわけだ。

それと
「戦争で勝ったら元どおりになる」
というお約束。

こういうバカな台詞を言わせて、戦争描写を軽くしているように思えます。

 

本来はしっかり者で美人の彼女の扱いが酷い

ここで野呂。
そして乗馬歯科医の牧が登場して、ぺろぺろとヘンテコなSEが流れ出します。

保科が男2人にモテて困っちゃうということらしい。
って、あまりに酷い、彼女の扱い。

後輩指導は失敗としか思えないけど、本来はしっかり者で美人の彼女。
それなのに福子と咲というヒロイン姉妹にフラれた男どもに迫られるだけとは……。

確かに脇役の恋愛描写は朝ドラの定番です。
しかし、こんなリサイクル感満々の、おもしろくもなければ、ひたすらくだらないだけのエピソードをぶち込むとは、もうビックリです。

当初懸念していたように、牧の愛馬も軍事目的で徴収されてました。

ここも「おめでとう」の一言で済まされておりますが、愛馬と別れる辛さが微塵も感じさせないあたり、本作は一体何なのか?としか言いようがない。

スポンサーリンク

一事が万事、人の感情的な動きが雑でお粗末です。

16 Comments

あきら

本当に戦争中の生活についての時代考証が滅茶苦茶ですね。ありえません。福子の友人 敏子とハナがホテルに来て何か食べようという場面の一張羅の服に首飾り、会社が早く終わったからってこれが通勤着?NHKでこれですか。もう視るのやめます。今後は武将さんのレビューだけを楽しみにしています。

ゆきんこ

毎日、楽しく読ませていただいております。

私は「あまちゃん」からの朝ドラウォッチャーですが、確かに大阪制作は防御を固めてる感じです。

「ごちそうさん」はそうでもなかった、
モデルもいない専業主婦で、ヒロインは気が強く自己主張するタイプでした。

前作の鈴愛と違うのは、目立ちすぎて近所の人から煙たがられたり、
息子が戦死して何も手につかなくなったのに、自家農園を放置したと疎開先の義姉に怒られたり、とにかく守られてなかったところです。

フォージャー

私は、朝ドラで戦争を挟む時期を描くなら、戦争の理不尽さや苦しみをきちんと描いてもらいたいと思う。

どんな時代を舞台に選んでも、その時代時代の苦労はあるのだし、昭和10~20年代を描くのなら、その時代に降りかかった最大の苦労に誠実に向き合った作品を作ってほしい。

ごちそうさんやべっぴんさんでできたのだから、今更できないのがおかしい。

miyuki

こんにちは!前回コメントを書かせて貰ったときには、もう少し見てみます!と書いたのですが、頑張って視ましたがもう駄目です!
私はどこが面白いのか、笑えるのか、泣けるのか・・・わかりません。

例えば、召集令状を受け取った人がお国のために役に立てるときが来た!と表面的に話すのはわかりますが、その中に死があることを描写して欲しかったですし
結核で家族を亡くす悲しさを表現するなら、医者にも行かずに悪化させる描写はいらないです。

俳優さんについても、「わろてんか」で桃李や一生さんが魅力なく描かれていたと同じような扱いをされているように感じます。松坂慶子さんに何度も口癖?で「武士の娘です」なんて言わせないで、ここぞと思うところで言わせた方が効果的です。
このドラマをみていると体のどこかが痒いけどかけない!気分に襲われます。

それと、個人的な意見ですが戦争時代を描くドラマはもうみたくありません。
戦争を入れると全て同じような苦労の描写で重苦しくしなくてはいけなくなるからです。反戦を訴えるのなら他でやってもらいたいものです。

私は離脱しますが、武者さんはお体に響きませんようにご自愛ください。

kyoko

武将ジャパンさん、初めまして。最近こちらを知った者です。頷きながら本当に楽しく読ませて頂いています。私は前作「半分、青い」で初めて朝ドラにハマる、を体験し、毎日録画してリピート視聴しました。その続きで「まんぷく」を見始めましたが,正直、勘弁して欲しいと言いたくなってきました。
全てがかつて見たことのある、かつて聞いたことがあるというトーンで彩られています。私は50年近く朝ドラを見ていますが、テレビ視聴歴の長い年配の人ほど被ってしまうネタに飽き飽きして斬新なものを求める、という面があると思います。どうせ年寄りが見るのだからお約束の定番さえ流しておけば、という姿勢が透けて見える気がしてげんなりします。
前作が「半分、青い」でなければ私の評価ももう少し甘かったかも知れませんが、今年のNHKの大河と朝ドラは大変な秀作とひどい駄作に見事に2極分化したなと思います。TVドラマ、テレビそのものが大きなターニングポイントにいると感じられてなりません。

すずめっこ

初めてコメントします。「わろてんか」以来、レビューを毎日楽しませてもらっています。時代考証の視点が新鮮であり、毎回納得させられております。
「まんぷく」は、ストーリーと人の気持ちに繋がりが見られず、面白みが全く感じられないので、早々にリタイアしました。学芸会の劇の脚本並みでは?と思ったりしてしまいます。「半青」では、呼吸や目の使い方だけでも気持ちが充分伝わって来るような場面が沢山あり、役者さんの演技が輝いていました。それに比べて、本作では、力のある役者さんの使われ方が余りにもお粗末だと感じます。
ドラマは脱落しましたが、こちらのレビューはこれからも楽しみにしております。

ビーチボーイさんのご指摘、全くその通りです。
登場人物の会話に全然深みが無いし、話も広がらない。引っかかる所がなにもないから聞いていてつまらない。
かといってさりげない動作や表情で演出しているわけでもなく、ただ単に「考えられていない」だけ。
オープニングを見てもわかる通り、素人目にもBGMや画面効果の使い方も下手だと感じる。

私も半青ロスの症状が酷いです。
全く粗がない訳ではないし、決して鈴愛の性格が好きとかではなかったけれど、あの世界観、人々がいる物語の中へ帰りたいと思ってしまう。
あそこには一人一人の行動理念があり、考え方の違いによるすれ違いや衝突があり、それが自然だった。だから登場人物生きていると感じられた。…いまだに終わってしまったのが寂しくて仕方ないです…。

ひよっこに関しては続編放送が決定しましたね。
これだけの期間が開いての続編ですから、半青もしばらくは希望があるかな!?

ビーチボーイ

武者さんごぶさたしました。
半青ロスの2週間、何の期待もなく見てみたまんぷく、いやもう予想よりはるかにひどい代物です。もちろん速攻でリタイア。私はそれで済むけど、武者さんはこのどうしょうもない番組をまだあと5ヶ月半も毎日論評して叱り続けなきゃならない、とそのしんどさを思うと気が遠くなります。
たとえば、福子と萬平の結婚に反対し「ちゃんとした企業の社員しか認めない」と主張する母親に対して、当事者二人は何の反論もせず黙ってるだけ。これがひよっこや半青ならば、母のこの発言はそこから人物間の葛藤が始まりさまざまに展開していく重要な発端になるでしょう。でもまんぷくの場合は、何も始まらない。広がらない。深まらない。その場限りの言葉のやり取りだけ。(いや、「やり取り」じゃなく言葉の一方通行の方が多いですね。)だから見てて面白くも何ともない。わろてんかと同じです。大阪の制作陣て結局何がしたいんやほんまにイ、と呆れるばかりです。
わろてんかの時と同様、TV画面上でなんか役者さん達が台本の台詞しゃべってるね、って以外何も感じない。ドラマを見る楽しさがゼロに等しいこんな三文芝居を『まんぷく』なんて。こちらは全く満たされないんだから『くうふく』に改名してほしいです 笑

さかな

初めてコメントさせていただきます。
レビューのひとつひとつに共感しています。
私が今作にがっかりしているのは、主人公が「朝ドラ主人公」という記号でしかないところです。
ここまで型にはめられ、個性も思い入れの一つも描かれない主人公は近年記憶にありません。
これをベテラン女優にオファーして演じさせているのは侮辱にさえ思えます。
これが世間にうけているのならば、もはや朝ドラはその存在意義もないのかもしれません。
歴代の朝ドラ達が泣いていると思います。

重航空巡洋艦

「役者さんは頑張っている」という言いぶりも、『わろてんか』のときは、脚本・考証のいい加減ぶり、作品としての致命的な欠点を糊塗し、目を逸らさせるのに多用されていたことが強く思い出されてなりません。

『わろてんか』も終盤を迎え、番組自体の迷走・混沌ぶりがもはや取り返しのつかない状態に至っていた今年2~3月頃ですら、『あさイチ』などのトーク番組に演者が登場し、現場でいかに努力しているかなどを延々と語っていましたが、それで糊塗しようという制作側の浅はかな意図が見え見えで、失笑すら禁じ得ませんでした。
演者さんには二重に気の毒でしたが。

『まんぷく』に関して、この頃頻繁に耳目に入ってくる「役者さんは頑張っている」という趣旨の言葉。『わろてんか』で既にさんざん悪い印象が染み付いているだけに、「二の舞確定!」を印象付ける言葉に受け取れます。

匿名

考証関連の壊滅は諦めるとして、makiさまがご指摘のように、役者さんは与えられた条件の中で良いお芝居をされているなあと感じます
それだけに缶詰やら、武家の娘やら、一言で表現出来てしまうキャラ設定の単純さが恨めしいというか……
来週以降は世相が暗く、雰囲気も少しは落ち着くのかと思いますが、少しは人物に深みが加わると良いですね

あかさたな

しっかり観てるわけじゃないんで
見逃してるのかもしれませんが。
福子や立花、野呂とか、なんで相手を
好きになったんでしょう?
なんかきっかけありましたっけ?
みんな一目惚れ?
なんか好きになるのが適当すぎ。
てなわけで、まんぷくはリタイヤ。
ここのレビューだけが楽しみです。

ぬぬ

あーなんか不自然と思った点に
「大阪なのに金の話が少なすぎる」がありました。
起業家のお話なのにね。不思議!

戦前は 大正の好景気(大大阪時代)から突然の昭和恐慌
その後 戦争突入で 大阪の地位低下、東京に負けて行った時代なのでは…。
そんな頃の話だったら 東京への妬み or 東京進出した奴の懐事情とか
日常的に言わない訳ないと思います。大阪らしい所なのに なんで削るんだろう?
ラーメンだけでも「値段はいくらで 庶民の生活費的にどのくらいの負担なのか」
くらいは 強調してほしいかなあ。

匿名

第一話見て言い知れぬ気色悪さを抱えていたら、武将さんのレビュー見て気色悪さが全て書かれてあり安心しました。
そして第三話見て視聴をやめました。長編ドラマは第一話(45分)見て何も訴えて来なければ視聴継続はしない。
今期はがまんすることないな、と。
今日は「どうなってるんだろ?」と武将さんフィルターを通したあのドラマ世界を覗きに来てみました。TLのアルファツイッタラーたちが激推ししてるのでもしかして面白くなっているのか?と。
前作の鈴愛を嫌っていた人たちは旧に復したと大喜びのようですが、酷評だったわろてんかより今作はつまらないのではと思っています。わろてんかはあれでも最後まで見た。
前作の鈴愛を愛したぼくは、もう鈴愛以前には戻れなくなっていて、心に鈴愛を一人養っているような感じです。がっきー主演のドラマが放映されたのですが、鈴愛だったら秒で反撃するのにと忸怩たる思いを抱いたり。まあ、あのドラマは継続して見ようと思っています。半青のいい比較対象になりそうなドラマかなあと。

maki

牧先生が、馬が徴収されたことを話すシーン、私はとっても切なくなりました。戦争中ですから人前で辛い気持ちを表してはいけない、だから笑顔で話すしかない。くるっと回ってこちらに顔が見えたとき、無理やり笑顔を作っているけれど歯を食いしばって耐えているようにも見えて、胸が痛くなりました。
福子がのんきに見えるのは、性格が楽天的なせいもありますが、まだ昭和17年だからだと思います。戦況が悪くなるにつれてどんどん世の中が暗くなっていくのを見せるために、今はあえて明るく見せているのかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA