「これぞ王道……まったくわからん!」
さて、そのころ立花は根菜切断機を完成させたようです。
どういう原理なのか、工夫なのか。
そこはサッパリですが、王道たる朝ドラはきっと説明しなくてもよいのでしょうね。レッツエンジョイ♪
ここで立花は、加地谷に結核専門医のツテを聞いています。
い、いや、この朝ドラは王道だから……決して立花は、調べていなかったわけでも、知らなかったわけでもないんです。なるべく捜索範囲を広げようとしているだけだ。きっとそうなんだ!
だったらなぜあれほど自信満々だったのか――なんて思ったらダメ。
咲は一進一退だそうす。
具体的な症状や時間経過は伝えられず、それをしかも戦時中の舞台でやってもエエんかいという疑問は湧いてきます。王道朝ドラはそういうゆるさも魅力なんでしょう!
そして、仏壇で祈る鈴……。
しょうもない親娘喧嘩ネタにしかできなかった女どもに、立派な男である立花が、名医について調べてきたと言います。
そうそう!
男は解決脳を持っていますからね。家族が病でもオロオロする女と違って、こういうナイスなアドバイスができるんです。素直な女なら、こういう男の知性に惚れるものでしょ♪
ここで鈴が福子に関わるなとかなんとか言いますけど、愚かな女に言い負かされるようじゃあ、知的な立花じゃありません。
「申し訳ありません、それはできません。お姉様が元気になったら、結婚を申し込むつもりです」
エエ場面用BGMもかかっているし、ここは立花のスマートな振る舞いに惚れてこそですね。これぞ王道朝ドラだ!!
見終えて一言。
「王道……まったくわからん!」(真田昌幸ボイスで)
マンスプレイニングですわ
脚本家ワールドと揶揄されることもありますが、私は脚本家がのびのびとワールドを作ることができるならば、それはそれでよいと思います。
好き嫌いは分かれるでしょうけど。
問題は……
「どう考えても、この人は、こんな【ワールドになっていないワールド】を作る人じゃない!」
というシロモノです。
本作の脚本家氏は、男性かつ知名度、実力もある方です。
結果的に、このことが性差別的な条件反射をしてぶったたく層からの防御になるでしょうけれども、絶対に何かがおかしい、という違和感はあるものです。
これが「戦略」ミスですな。
脚本家の「戦術」ミスだけでは片付かないレベル。では、その「戦略」の中身は何かって話です。
【ファイナル上司ファンタジー】なんだと思います。
福子のキャラなんかまさしくそれで、本作の女性キャラは揃っておばかさん(男性キャラもどうかと思う言動だらけですが、そこはスルーされる様子)。
素直で、可愛らしくて、精神の成長が小学生くらいで止まっていて、男のアドバイスを、「わぁー、すごぉーい!」って聞いてくれるタイプですよね。
だって、家族が病気になってもせいぜい仏壇で手を合わせたり、デートのことを心配したりするくらい。
結核専門医なんて思いつくこともない。
それで、立花の知的なアドバイスを受けて大喜び。
こういう、どこか既視感のあるヒロイン像や、現象って、海外だときっちり名前がついていて、批判対象なんです。
女性脚本家の書いた展開が世間の気に触ると妄想呼ばわりされるそうですけど、そういうSNSで切り取った推測でなくて、海外では名前までついた妄想概念を私は持ち出そうと思います。
福子みたいな、チョロくて、落としやすいけれども、肉体的には成熟している、そういうご都合主義ヒロインといえば、こちらの動画で描かれた”Born Sexy Yesterday”がございます。うぇえーい。
男が説明することで、無知な女が「えぇーそうなんですかぁ」と喜ぶ現象。
それを求めてくんな、ウザい、というのは「マンスプレイニング」という語で説明されますね。
◆女性に男性が偉そうに解説する「マンスプレイニング」を、1枚の漫画が的確に表現している
そういうことに「ウザい」という女は、この世界では出てこないのでしょう。
それどころか、ニコニコ笑顔で喜んでくれます。今時の女は可愛げがねえなあ、昔の女の子みたいになってくれよ、というファンタジー像にはガッツリとハマりますよね。
それが王道ってことか?
今日見ていて思い出したことがあります。
例のキャバクラを会社の費用で行こうとした上司です(参照:)。
若手女子社員に、俺の知っているエエ店情報を語り出したところ、その女の子が「あ、そのお店知っています!」と口コミサイトの評価を語り始めたんですね。
そこで、そのキャバ上司。
大激怒!!!
可愛くねえ女だと、イジメ始めたホドです。
昔の女なら、知っていても笑顔で同意するのに、最近の若い女は生意気でおかしい、という理屈でしたね。
女に知識や意志があると判明した途端に、あわてふためき怒り出す奴でしたわ。
この手のタイプからすれば、まさに甘くて最高のドラマだと思います。
んで、そこが本作の危うさでもある。
大河でも、そういう作品がありまして。
『西郷どん』のことですけれども、アレも昼間から主人公がキャバクラ入り浸っていたり、島流し先で寝室に女がやって来ていきなり脱衣しだしたり、妾がのこのこ仕事場に出てきたり。
史実ガン無視で、なんじゃこりゃの連続です。
しかも数字面でもウケてない。
◆西郷どん:2週ぶり放送 第37回「江戸無血開城」視聴率9.9%と初の1桁
朝夜揃って、大丈夫かな?
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
※U-NEXTでスグ見れる!
『まんぷく』や『半分、青い。』全話ほか多数の朝ドラ・大河作品を視聴できます。
スマホでもOKですよ。
↓
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
以下は、まんぷくモデル安藤百福氏の生涯です。
暗い場面のナレーションが明るいのは、朝ドラの「さわやかさ」と「軽さ」をはき違えたのかもだけど、それなら、安藤さくらさんのひねり出すような声も気になる。
朝ドラよりも映画向きかな。
もうほんとうに…わざとらしさの連続過ぎて…笑うところ??でも、すべってるで…と言いたい事満載…これは…長谷川さんのかわいさを見るドラマなんでしょうね…そう思うことにしました…。そして、お母さんの毒親振りが…もう見ていられない位辛い…(コントとして受け取れればまだ救われますが…)私は武士の娘です。を取ってつけたように言われても…ほんと…すべりまくりで…朝から氷河期のようです…これ…脚本家の方って…大阪出身ではないのでしょうか^^;(今、調べてみましたら…山口県のご出身の方でした…(T-T))
長谷川博己さんが、「わろてんか」の高橋一生さんになるのではないかという恐怖が…。
うふふキャッキャのラブコメにしたいのなら、なぜこの時代を、エピソードを選ぶのでしょう。
俳優さんに罪はないけれど、私はもうコントだと思っています。
レビュー、本当にお疲れさまでした。
大河、朝ドラともに試練の視聴ですね。
さて、作品中の結核の描き方についてひと言言わせてください。
よくドラマで咳き込んで喀血して、結核発覚!となりますが、喀血はかなり悪化してからだと思います。
その前に倦怠感、発熱、体重減少と段階を踏むので、咲さんはかなり前から自覚症状があったはず!
感染しても発病してなければ人にうつすことはないので、普通に生活しても大丈夫です。
とはいえ、それは現代の話。
まんぶくの当時は、もっと危機感のある病ではなかったでしょうか?
2カ月前に父を結核で亡くしました。
入院先は隔離病棟、お見舞いには工事現場で使うようなマスク、病棟で外してはいけませんでした。
ドラマのような気軽な病気ではありません。
福子たちのお見舞いのシーンには大変違和感を持ちました。
結核は今も高齢者には多い病気です。
もう少し描き方があるのでは?と思いました。
やたらと軽いナレーションや福子さんの演技も毎回毎回キツいもんがありますが、今日の回は特に酷かったですね(^^;
結核をよく知りませんが、そんなに周りに寄ってたかって大丈夫?って思ってしまいました。ちっとも病人に見えないし、普通に平成の人みたい。
あと乗馬のシーンですよね…あのいかにも笑ってくれってBGMがセンス無さすぎ。
吉元新喜劇でやったらああいうのでもウケるんでしょうかね?…って大阪のお笑いをバカにされる勢いですね。
もうなんだか出演者全員がわざとらしく見えてきました…(>_<)