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まんぷく一ヶ月の総評「倫理観なき“人気作品”のメッキがようやく剥がれてきた」

更新日:

すでに週一のスタンスとなりました『まんぷく』レビュー。

とりあえず一ヶ月目の総評だけマトメておきました。
まずは一言で本作を表現してみましょう。

“Rubbish!”
(ゴミカスめが!)

本作が自動車なら、こうなります。

以上。

これで終わりでもよい……とするのではなく、後学のため具体的に何がどうダメだったのか、分析したいと思います。

なお、この動画の元ネタを解説しますと、最初の動画はイギリス人モータージャーナリストであるジェレミー・クラークソンによる”Rubbish!”です。

2つ目の動画は、BBCの自動車番組『トップ・ギア』において、最低最悪のシロモノ認定されたモーリス・マリーナという車にくだされたお仕置き「ピアノ墜落」です。

このモーリス・マリーナが番組内で評価された言葉を元に、本作を語ってみましょう。

「これは時代考証力も、演技指導力も、まともなプロットも、役者の魅力も、勉強になる要素も、朝の活力を得るものも、一切ない。戦略ミスと手抜きでワザと酷く作られた不幸の塊だ』
※参考:『トップ・ギア』司会者チャード・ハモンドの言葉より

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露骨な手抜き

本作の手抜きは、見ていて露骨です。

・時代考証をやらずに、適当に作られたとしか思えない小道具類
・使い回しだらけ、役者に似合うかどうかまったく考慮されていないとしか思えない、ひどい衣装
・食品がテーマでありながら、不潔感が漂う髪型
・予算をケチったとしか思えない、ひどい戦中描写(空襲は下手くそな絵を揺らすだけで表現、戦地の苦難は俳優の顔のアップだけ)
・時間稼ぎとしか思えない、延々と続く単調なシーン
・同じカメラワークや状況で、まとめて撮影したとしか思えないシーン
・セリフのくどいほど露骨な使い回し(「武士の娘」とか「一緒にラーメン食べたやろ」など)
・あまりに多い説明セリフ

こうした手抜きを見ていると、現場の士気が露骨なほどに低下しているとしか思えないのです。

こんなニュースを見かけました。

「半分、青い。」より悲惨!?次期「まんぷく」安藤サクラに同情の声が集まるワケ | アサ芸プラス

安藤サクラ『まんぷく』絶好調も、NHK局内から“心配の声”続出のワケ|ニュース&エンタメ情報『めるも』

なんでも「100作目に気合いが入りすぎ」ていて、そのため本作は手抜きなんだとか。

うぅーん。それだけでしょうかねぇ。
どのような事情であるかはともかくとして、まっとうな作品を作りようもないから、現場が露骨に手抜きを始めたという惨状は伝わって来ますとも。

現場も不安になってきますが、こんな手抜き三昧を見せられる視聴者の身にもなっていただきたい。

本作をもっと大らかな目で見るべきという意見もいただいたそうですが。
私は1800円払ったラーメン屋で、インスタントラーメンが出されたら、厳しく抗議する性格なので、あしからず。

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セクシー劇場を朝から流されましても

本作は手抜きという時点で評価できません。
プロット作りの破綻はもう見ているだけで気が遠くなってくるほどです。

そうした破綻ぶりを補うために、本作が取り入れた手法がハセヒロセクシー劇場です。
ともかく立花(まんぷくモデル安藤百福)は、やたらとお色気を披露します。

・福子(まんぷく立花福子モデル安藤仁子)との再会場面では、ナゼかパンチラを披露
・浴衣姿でくつろぎ、謎の照明効果が発揮される夫婦の寝室が、頻繁に映し出される
・姑の鈴が、子作りを執拗に迫る場面が多い
・なんてことない会話シーンで、ナゼか風呂に入っている

入浴場面がついに入り始めたあたりで、気が遠くなって来ました……実在のモデルをドラマにしながら、よくまぁ、セクシー劇場なんてやらかすことができますね。

最も罪深い場面は、憲兵による拷問です。
勇気がある方、『まんぷく』と「拷問萌え」で検索を掛けてみて下さい。

「憲兵にいたぶられるハセヒロさんに萌えきゅん!」
「こういう、危ないけどステキな世界もあったんだ〜」

そんな感想が発見できてゲンナリです。

私は、人がドラマを見て、どんな感想を抱こうが、よほどのことがなければそのことをどうこう言おうとは思いません。
ただ、この拷問萌えについてだけは、一言よろしいですか?

戦時中の憲兵による拷問。
その悲惨さをふまえたうえで、萌えてきゅんきゅんできると。
それを、SNSで発信できると……なるほど。

実在した安藤百福は、この拷問で酷い目にあっております。
ついでに、小林多喜二の遺体写真でも、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

※こちらは小林多喜二の拷問場面がある映画『母 小林多喜二の母の物語』

こんな気分になったのは、『八重の桜』放映時に、

「会津戦争では女が捕まって手籠めにされたんだよな。興奮する!」

というような書き込みを見て以来です。

絶望的に気分が悪くなりました。

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倫理観の欠如

ドラマを見るうえで、私はさほど倫理観を重視しないと思っておりました。
前作は、倫理観が強固であるとみられる方が批判しており、朝ドラというのはこうも大変なものかと驚かされたほどです。

その思いも、本作で変わりました。
本作は、ともかく職業倫理以下、倫理観の破綻が酷すぎます。

・食事しながら髪の毛や顔を触りまくる(福子)
・電話交換係が、上司の裁断を仰がずに宿泊客の部屋まで行って謝罪する(福子)
・髪の毛をまとめていないホテルのフロント係(福子)
・客の前で私語ばかりしているフロント係(福子、保科)
・会社備品を盗み、3年間女性に渡し続ける(野呂)
・女の気を引くために、会社の備品を無償で使う(立花)
・アイデア勝負の発明家でありながら、素性のわからない部外者を、共同経営者に無断で勤務先に侵入させる(立花)
・居候先の主人が農作業をしていても、手伝う気すらない(立花夫妻)
・盗電して家の灯りを灯し続ける(立花)
・盗電し、子供を感電の危険性にさらしながら、魚を密漁。とがめられて逆上する(立花)
・身分証明に必要なはんこを、身元確認をろくにしないまま製造販売(立花一家)
・弱みのある神部をタダでコキ使う(立花一家)

職業人としてありえない行動。
法律的にもアウトであることを、こうも堂々とするとは……唖然としてしまいます。

「時代が違うから!」
「戦時中だし!」
「本作は、コメディ要素が強いから!」
という擁護もありますが、いえいえ、戦時中はむしろ現代より厳しかったわけです。
それは、立花の拷問描写からも伝わって来たはずですが。

コメディだったら盗みもOKだとか?
そんなわけはないでしょう。
まぁ、本作に倫理観がないことは、はなからわかりきっておりました。

台湾ルーツ削除の時点で倫理観がない

本作に倫理観がない――そんなことは放送前から予想ができました。
ついでに言えば、時代考証をやる気もないとわかっておりました。

その根拠は、【台湾ルーツ削除】です。
これについては、放送前から私も予想しておりました。

まんぷく事前予想~台湾ルーツ消失でマトリックスの【青いピル】はもう懲り懲り

ただ……。まさか、実在の人物の伝記をお色気シーンまみれにして、拷問場面までセクシーにするほど倫理観もプライドもないとは、流石に予測できませんでした。

イケメンホイホイ、セクシー場面満載にして、それでとりあえずそういう数字を稼ぐ。
好評ツイートだけを厳選して拾って、それをまとめて記事を出す。
そうすれば、ヒットしたことになるんですか?

賞の類いとは無縁の作品でしょうけれども、なんとなくヒット枠にすればとりあえずよし、といったところですかね。

倫理観もない、志もない。
そういう作品です。作っていて虚しいでしょうね。同情はします。

さて、いつまで続くかな?

私は放映前から「0点」になると予測しておりました。
が、一ヶ月目にして他のメディアも、厳しい見方をするようになって来ました。

「まんぷく」終戦後に忠彦が帰還も"セットされた髪型"「悲壮感を感じない」と疑問の声|ニフティニュース

台湾ルーツ削除について突っ込む意見も、やっと出てきましたね。

朝ドラ『まんぷく』への「憲兵を悪く描くな」攻撃は異常! 首絞め、逆さ吊るし…本当の憲兵や特高の拷問はもっとヒドい

ネットでは日清食品や遺族の要望だろうかなどの見方も散見されるが、日清も遺族もホームページや著書で百福が台湾出身であることは普通に書いており、百福サイドの要望ということはあり得ないだろう。(同記事4ページ目)

この指摘もその通りです。むしろ、台湾ルーツであればこそ、チキンラーメンを思いついたというニュアンスも感じられるほどですね。

ラーメンという食文化、日本による植民地支配。安藤百福とその家族を描くのに、東アジア全体の文化的・歴史的背景を抜きに語るのはあまりに不誠実だろう。それをネグるぐらいなら、最初からインスタントラーメンも百福もモデルにしなければいい。

これはまさに私も同じことを考えておりました。
台湾ルーツを削除するくらいなら、インスタントラーメンも、安藤百福も、モデルにしなければよいでしょうに。

本作の優れた点があるとすれば、防御力の高さです。
演技派で育児中の女優を起用する。
男性脚本家。
時代モノ。

もし本作のような作品が、女性脚本家かつ現代モノであれば、どうなったことでしょうか。

ただ、この男性脚本家には、倫理観が問われることになる重大な過失がありまして。
このことは武士の情けとして触れずにおこうと考えておりましたが、せっかくの総評ですし、隠すことでもないでしょう。

脚本家の名前と『チェイス』で検索を欠けてみてください。

「脚本家のSNSでの発言が生意気!!」
なんていう、くだらないあげ足取りよりも、遙かに悪質かつ深刻な問題がおわかりになられるかと思います。

1ヶ月目にして、高い防御力の上っ面も剥がれ始めた『まんぷく』。
あと5ヶ月間で、どこまで落ちてゆくのでしょうか。

最後に、『トップ・ギア』司会者ジェームズ・メイの言葉を借りて、本作の果たすべき役割をしめくくりたいと思います。

「歴史の過ちは2作もいらない」

本作の果たすべき役割は、これ以下の作品を作ってはならないという、戒めになること。それだけです。

※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください

※朝ドラや大河がU-NEXTならスグ見れる!
スマホでもOKです(番組はときどき入れ替えがあります・ラインナップの変更にご注意ください)。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

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https://bushoojapan.com/theater/manpuku/2017/12/11/107228

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当サイトのリポートです


ラーメンの歴史は明治維新後にスタート~日本の歴史と歩み、世界の食となるまで

 

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