とあるところで、偶然、こんなフレーズを目にして絶句しました。
“究極のマネジメント能力”を身につけるヒロイン・福子
“発明家”として「世の中の役に立つこと」を理想に掲げ、邁進し続ける夫・萬平
はぁああああ!?
なんじゃそりゃああああ!!
会社備品や投影機で女の気を引くこと風の如く!
さりげなく盗電すること林の如し!
身分偽造の後押しハンコで儲けること火の如く!
ブラック労働で搾取し動かざること山の如し!
そんな風林火山の気合いで、今日も行こかーい。
『べっぴんさん』と比べて明らかに……
朝7:15からのBS放送で『べっぴんさん』から続けてみると、気がつくことがあります。
まず一つ目。
ナレーションの格差です。
本作のナレーターが悪いわけじゃありません。
とはいえ、菅野美穂さんのしっとりとした美声のあと、能天気そのもののキンキン少女声が聞こえてくると、やっぱり脱力してしまいます。
全てはキャストを決めた人のセンスであって、ナレーターそのものの責任ではありません。
二つ目。
衣装と髪型です。
なぜ安藤サクラさんを、不潔感あふれるバサバサヘアーと、オレンジ系の衣装ばかりにしているんですか?
彼女に似合うかどうか、ちゃんと考えました?
上が黄色、下がオレンジとか、組み合わせとしてなんじゃこりゃとツッコミたいものも……。
まあ、姉の喪中だろうが、目に痛いような明るい服を着ていましたもんねえ。
彼女自身にはもう少し落ち着いた色と髪型の方が似合いますってば!
それこそ『べっぴんさん』のすみれのような落ち着いた服装と、まとめ髪がよいはず。
似合うかどうか考えていない衣装って、現場の士気が低いんだな、って思いますよね。
【41話の視聴率は20.5%でした】
役者を馬鹿にしているとすら思う
『おんな城主 直虎』では、柴咲コウさんは若い頃からダークカラーの衣装が多かった。
ヒロインならば、明るく可愛らしいピンクやライトブルーでもよいはず。
あの色合いは、柴咲さんの個性に一番似合う色を選んだんだなぁ、と思わず唸らされたもんです。
なぜ、演者に似合うかどうかより、一般的な可愛さしさ重視の不自然な衣装をさせるのか?
それってつまりは、
・ヒロインの幼さ
・可愛らしさ
などを強調するためではないでしょうか。
『まんぷく』だけじゃなく、ほとんどカズレーザー状態だった『わろてんか』のおてんちゃんもそうでした。
正直言って、役者さんを馬鹿にしているとすら思います。
戦前からの舞台となるドラマだと、ずーっと赤系を着させ続けるとか、神経を疑われますよ。
日本では長いこと、赤系の色は若い娘を強調するものだったんだって!
『あさが来た』では前半こそ赤い振袖がぴったりだったあさが、だんだんと落ち着いていったでしょっ!
世界の巨匠だって苦労してるのに何してんの?
はい、今日はしょうもない男二人が大活躍ですね。
ちょっとマトメてみましょう。
まずは昨日から呆れ返っている忠彦です。
何度も強調している通り、こいつの絵は商業用じゃありません。売る努力もしていません。
つまり、タダの趣味です。
こういう、
「妻子の助けさえあれば好き勝手に描いていても真の芸術家になれる!
というのは大嘘やからな!
あのルーベンスすら『夜警』の発表当初は依頼主から大ブーイングを受けました
「なんやこれ、大口スポンサーのわいの顔、よう見えんやろ!」って。
さらに王室画家であったゴヤ。
彼も芸術性とスポンサーとの間に挟まれ苦労しました。
「かーっ、王室関係者ウゼエ、戦争でやってきた軍人ども勲章つけて描けとかうるせえええ、まったく芸術家っていうのは最悪最低だぜぇええ!」
そんな風にゴヤが散々苦労する様子は、『宮廷画家ゴヤは見た』でもご覧になってください。
こういう大物芸術家ですら、
「肖像家に手元まで入れるのであれば、手間がかかりますねえ。そのぶん、オプション代いただきますよ」
なんて調子でした。
伊藤若冲は実家が裕福だったから
日本も似たようなもんですよ。
市井の浮世絵師なんて、売れるかどうかが死活問題。
それこそアンケートに縛られている漫画家みたいなもんです。
伊藤若冲はそういう縛りがない貴重な存在で、個性たっぷりの画風が魅力的ですけどね。
それは彼の実家が割と裕福な商人で、かつ弟に家業を任せきりにして、お金に困っていなかったからです。
ちなみに生涯独身です。
※編集注:小説『若冲 (文春文庫)』も面白いですよ
忠彦の本質はネトゲ廃人では?
それが忠彦ときたら何なのでしょう。
【いい加減退場させたれよ枠】の真一まで引っ張ってきて、福子(まんぷく立花福子モデル→安藤仁子)が説得に向かって。
「妻子の支えで芸術を極める忠彦さぁん! 感動しましたあ!」
ってやりたいの?
いやいや。単に忠彦の実家が金持ちだからじゃないですか。
妻子は関係ない。
絵は完全に趣味。だってそれで食えてないんだから。
なのに、寝食忘れて体調崩すってタダのアホやん。
昨日は娘に向かって「画家の娘なら覚悟しろ!」なんて言ってて、思い出すと爆笑が止まらないんですが。
要は、忠彦の本質は
【ネカフェに引きこもってオンラインゲームに没頭し、体調崩すネトゲ廃人】
です。
だいたい、真面目に絵で食っていくつもりならば、体調管理くらいすると思うんですよね、
あの破天荒だった前作の秋風先生が、
『アシスタントにも食事を与えて、寝袋まで用意して、どちゃくそジェントルマンやん!』
と思えてきました。五平餅、美味しそうだったし。
この作中の絵は苅谷昌江さんという画家さんが担当されているのですが、そのような仰り方はいかがでしょうか
前にまんぷくは「タイムスリップした現代人」と書かれてたのを思い出したけど、明らかに火垂るの墓よりも劣る。
まんぷくの世界がみんな幼稚な甘ちゃんだもん。
下手したら、清太の方が逞しく見えてしまう。
忠彦のヨゴシが幼稚だな~と思ってみてました!笑
お遊戯会じゃないんだから、もっと真面目に悲壮感を出してよって感じです。
忠彦復活の電話を受けた福子も、忠彦の体調や克子・タカの心の心配より先に
「じゃあまた来れるんやね」って、一瞬なんのことかと思いましたが、
ああ、タカをタダ働きさせたくてウズウズしてたのか!と思い至り……。
そっか、福子が必死で忠彦を説得しにいったのは、忠彦や克子たちのためじゃなくて、
タカをこき使って自分たちが楽したいためだったんだな。と幻滅。
福子の私欲のために駆り出された真一が可愛そう。
たちばな家のひとたち、強欲が過ぎます。全然共感できません。
よくこんなの主人公にしたな。
塩の人たちも食うに困って自ら終業後に釣りをしている割には、よく難波に遊びに行きますね?まだ前回の塩の給料出てないと思うんですが。
なんか結論ありきの脚本と演出で本当に観ていてガッカリします。
本筋はもちろん「インスタントラーメン開発」という結論に向かっているわけですが、
それ以外を見ても登場人物のこまごました全ての行動が、ぜんぶその後の出来事を映すだめだけにありますよね。
「浮気疑惑をやりたいから、金のないはずの塩男たちに難波をうろつかせる。」
「世良にピンはねさせたいから、萬平をボンクラに描く。」
どういう境遇や道筋でその人物が、そういう行動に至ったか、ではないんです。
映したい場面を成り立たせる為に、無理やり登場人物というピースを押し込んでるだけ。
突貫工事のハリボテドラマです。
三流脚本に、三流演出。ぼんやり朝のBGM代わりに点けているひとや、ハセヒロの寝巻きや入浴シーンを見たいだけの視聴者にはこれで十分かもしれませんね。
克子が「忠彦さんが元に戻ってくれるって!」と2回ほど話してましたが、「もとにもどったの!」であれば克子の主観として受け止めますが、「くれるって」って事は、忠彦がそう話したからであり、つまり忠彦は自分が狂っている事を理解し、迷惑かけてる事も分かっていた確信犯ですよね。ただのかまってちゃん?ほんと、めんどくさい奴としか思えない…