まんぷく 125話 感想あらすじ視聴率(2/28)ラーメン発明秘話からして論理破綻

おはようございます。
昨日の放送を見ていて、こう突っ込んだ方も多いのでは。

「特許の意味がない!」
「特許が何かすらわからないで申請したの?」

これは、現実との整合性ゆえのミスですね。
決め手とならないどころか、史実における特許関連の描写については、猿渡側の言動の方が日清食品に近い。

無理に立場を入れ替えたのですから、そりゃあ歪みが生じるってもんで。
現実に即しているからこそ、猿渡側の方がまだマシに見えるのかもしれません。

もう残念としか言いようがありません。
日本のお家芸かと思っていたインスタントラーメンが、実は台湾で発明されていて、しかも日本で最も早く商品化したのも日清食品じゃない可能性が高い。

これって私みたいな一介のライターの手には余る、社会的な問題である気すらしてきます。

【125話の視聴率は20.9%でした】

絵画に描かれているのは肖像ではなくギリギリの日程

今朝、気になったのが、忠彦の絵です。

エロマンボ開眼以来、プロの画家との提携も終わったのか。悪化の一途です。
白地に赤を叩きつけた絵は、その白地の部分がキャンバスそのままで、下塗りすらしていない。

今日のタカ、神部、大介の肖像画にせよ、デッサンが……経験を経ることで画風変化があっても上手くなっていくものだと思いたいのですが、本作はどんどん劣化するというマヌケっぷり。

むしろ後半にこそプロと提携すべきだったんでは?

小道具だけじゃない。
福子以下、全員の衣装も手抜きかつ酷い。

こうした手抜きから見えてくるのは、時間の足りなさです。

作り手としては、
・働き方改革
・育児ママさんを主演にしたんだ!
という、苦しい言い訳をするのかもしれません。そのために、安藤サクラさんを起用したのではないかと疑いたくなるほどです。

あまりにお粗末なあらすじを見る限り、脚本の出来が悪い上に、ギリギリで仕上がっている印象を受けます。
だからこそ最低限の時代考証すらおろそかなのでは?

重ねて言いますけれども、こういうことはきっちり見れば明白なんです。

前作『半分、青い。』を見ていて、現場の士気が高く、作り手が脚本に納得しながら作り上げているなぁと感じたのは、
【バブルディスコの衣装】
を見た時でした。
妙にリアルで生々しく、だからこそ主人公らと同世代の男性視聴者も離さなかった。

よくできた作品は衣装担当者までノリノリになるよなぁ、と妙に納得したものです。

脚本なんて、好き嫌いがあって当然です。
そのことをどうこう言おうなんてつもりはありません。

ただ、これだけは言いたい。

現場がその脚本に納得できているのか?
プロとして、それが最低限クリアすべきラインでしょう。

そうでないと、駄作が生まれてきます。
出演者がインタビューで脚本を褒めない作品で、私が面白いと思えたものはありませんでした。

そして、ようやく、本作もクランクアップしたようですね。
撮影風景から想像してしまうのは、やっつけ仕事の文化祭を終えたヤレヤレ感。
自分たちさえよければいい、そんな空気です。

くだらない仕事だったけれども、手がけることでギャラが上がる現象もありますしね。

そんなわけで本作の脚本は筋書きを描くというより、作り手と背後にいる企業の妄想と神話を垂れ流すだけの文化祭になっています。
いやいや。文化祭にも失礼かもしれません。

競合商品は危険ですぅ!

今朝、胸焼けがしてたまらなかったのは、競合製品を全部悪いと言いたげな描写です。

現実問題として、日清以外にも多数のインスタントラーメンがある。

それが際立ってマズイ、価格が違う、食中毒を起こしかねない――そんな危険なことってありますかね。

日清神話を信じれば、発売当初はあったかもしれない。
ただし、台湾ですでに販売実績があったことを考慮すれば、日清サイドのみの主張を鵜呑みにはできないのでは?

だいたい、食品衛生だの、子供はたべちゃダメだの、どの口が言うんだ。

毒物ガマガエルでダネイホンを作ろうとした連中が、何を言うんだ。

小道具ショック!

「まんぷくラーメン」よりも競合製品の方がパッケージデザインがカッコいいという自爆っぷりに失笑しました。

時間がない中、Illustratorあたりで小道具担当者がササッと作った、そういう裏事情がモロに出ていて切ないものはある。
当時のデザインらしいレトロさがない。フォントや色使いもおかしい。

それでも、本物よりマシなんです。

鈴と吉乃

いったい鈴は今、何歳なんでしょう?
70才ぐらい?あるいは65とか?

いずれにせよ経理は無理がある。
モデルとなる須磨さんは、確かに一時経理を務めておりました。

しかし、この時期、会社の規模が大きくなる一方で、助手もなく一人で切り回すあたり、リアリティがゼロなんですわ。

ここは孫の吉乃を、助手や後任者とすべきだと思いますけどね。

吉乃だって、あの時代の若い女性が、油ギトギト、セクハラまみれの工場勤務なんて嫌でしょ。
つか、福子のモブ友達もまだ働いていたのか、という……。

「亭主元気で留守がいい」なんて嘘だーっ!

昭和には、こういう価値観がありまして。

そうそう、これがリアル昭和なんだっつの!

夫婦の間柄において、夫は家にお金を入れるだけで良く、常から家にいない方が妻にとって都合が良いということを意味する語。大日本除虫菊株式会社のCMのコピーから広がった言葉であり、1986年の流行語の一つにも選ばれている。(実用日本語表現辞典より)

現在では、科学的根拠まで明らかにされております。

◆「亭主元気で留守が良い」の科学的な根拠 夫が先に死んでも妻は変わらず元気:PRESIDENT Online – プレジデント

本作を見ていて感じるのは
【この現実を、受け止めたくない層がいる】
ってことですね。

そういう層を狙い撃ちにしてこその【ファイナルオヤジファンタジー】ですわ。

このゲームのヘビーユーザー、つまりは信徒のことですけど。
年齢層的に現役を引退し、じっと家庭にいるからこそ、昔は見られなかった朝ドラを見ることもできているんではないか? と推測します。

そういう信徒は妻が、
【在宅している俺に向ける目が冷たいぞ】
という現実を受け止めきれないのかもしれない。

そういうときに、タカといい、福子といい、しつこく繰り返されるこんな場面が出てきたらウハウハじゃないですか。

「あなたが家に戻ってくるのが遅いと、寂しいノォ❤︎」
「やっぱり、父親としてのあなたの顔を我が子に見せたいノォ❤︎」

本当にくだらない【ファイナルオヤジファンタジー】っすわ。ついていけん。

これに私のような異教徒は突っ込みます。

「亭主元気で留守がいい、それは科学的にも明らか。逃げるな!」
「父としての家事育児は丸投げしてきたのに、都合のいい時だけ父親ヅラって最低最悪だな!」

ゆえに、信徒とはわかりあえない。わかりあいたくもないですが。

ちなみに史実でのモデルとなった安藤百福氏夫妻ですが。
この頃は夫婦仲も冷静そのもので、夫は宝塚、妻は文楽と信仰に夢中だったそうです。

5 Comments

904型

皆様 これまでの投稿でお騒がせし、申し訳ありません。

孤独の胃弱さま ご意見を拝見しました。
私も同じことを感じ、思っていました。

投稿も、最初は「『まんぷく』と比べるとこんなに良いところが」という感じで始めたように思うのですが、『べっぴんさん』の方は物語の進行と共に登場人物も成長し、話がどんどん深くなるのに、『まんぷく』は何の進歩も変わりばえもない。日を追う毎に、『まんぷく』について考えたり書いたりすべき内容が無くなっていったという感じがします。

今回の第125話にしても、『べっぴんさん』ラストの方では、「『人を幸せにすること』とは? そのために服作りを通じて何ができるか?」という問いかけに至ったように思えたのですが、『まんぷく』の方は相も変わらず「自社製品の売れ行きは? どうすれば他社製品を淘汰できるか」にばかり汲々としている感じ。
話のスケールが違いすぎて、もはや『まんぷく』には何の感慨もありません。

せっかくTVを見るなら、楽しい気分になれる方が、様々なことに思いを馳せることができる方が、良いですよね。

『べっぴんさん』を再評価している方が少なからずおられることは嬉しいです。私もこれからの展開を引き続き注視していきたいです。

孤独の胃弱

「まんぷく」(と去年の大阪制作「わろてんか」)があまりに酷くて、リアルタイムではそんなに好きじゃなかった「べっぴんさん」をめっちゃ再評価した者です。

「べっぴんさん」は僅か2年前に放映された、同じくNHK大阪が担当した朝ドラであり、時代設定も似通っている、有名企業のサクセスストーリー。比較材料が揃っています。

またBSですと朝7:15~「べっぴんさん」再放送、7:30~「まんぷく」と連続で視聴することになり、差が目につきやすいのではと思います。

更に、「まんぷく」の内容が薄い。本当に薄い。度重なる回想シーン、焼き直しでしかない展開の連続で、正直コメントすべき点が
語り尽くされていると言っていい。一方で「べっぴんさん」は一定レベル以上の話の起伏、バリエーションが存在する。

以上をもって、私は「べっぴんさん」の感想に言及するのも致し方なし、気持ちもわかるなぁという考えです。

元飲食店店員

先日、飲食店の店員が仕事中に客席に座ることなどあり得ないと細かい事ですが気になって指摘させていただいたのですが今日の回でも首を傾げる事がありました。
仕事帰りの女性達が岡さん森本さんに「御苦労様でした」と声をかけてましたが…
「御苦労様でした」は上司が部下に使う言葉、同僚や役職が上の人に対しては「おつかれさまでした」というのが基本で間違えたら失礼な行為に当たるのは会社勤めの人間なら常識だと思っていましたが、昭和30年代の大阪では違っていたのでしょうか?
それは東京だけの話やというなら今回は勉強させてもらいました。

匿名

なぜここで、毎日毎日べっぴんさんの内容と絶賛コメントを書かれるのか、理解に苦しみます。
文章の量のバランス的に、まんぷく感想は付け足しのオマケのように感じますが。

匿名

度々ここで話題になる「べっぴんさん」の本日の再放送の内容は、「まんぷく」への皮肉に思えてしまう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA