全員マウンティング
考えてみると、本作は【マウンティング大好き人間】で溢れています。
鈴の「私は武士の娘ですっ!」なんて典型的。
「武士の娘なんだから面倒臭いことせんでもいいでしょお」
という、ただの甘えです。
あるいは、
「武士の娘である私にひれ伏しなさい、しもべになりなさい!」
というマウンティングの言い訳です。
本来「武士の娘」というのは、
「だからこそ誇り高く気高くあれ」
という自らを叱咤するためのセリフになるはずです。
それが本作ではどうでしょう。
要は、武士を小馬鹿にしてるんすな。
では鈴だけがアカンのか?
というと、実はそうじゃない。
「僕は発明家なんだ」
→だから戦時中だったり、戦後復興だったりで、世間が大忙しでも、日雇い労働なんてやらないし♪
「私の旦那様は発明家ですぅ」
→だから戦時中で大変でも、盗電魚取りしちゃうんですぅ〜
「私たちは人の役に立つことをしていますぅ〜」
→だからラーメン店の貸し切りくらいありがたがれ、こんな素晴らしい私たちに搾取されているオマエラは幸せなんだよ
「画家の娘なら覚悟しろ!」
→父親が趣味で体調崩すただカスでも、娘のお前は見守るんだぞ
毎日毎日、人間のクズがマウンティングを繰り返すこのドラマ。
これで王道ほっこりキュンキュン安心だとぉ?
従業員の給料に還元したか?借金返したか?
もう彼らの無責任、どちゃくそ最低さ、マウンティング大好きっぷりに目眩すら覚えて来ました。
世良から取り返した5,500円ではなく1,500円(はいはい、キレイなお金で良かったね)。
それを従業員給与に反映させるような言葉やシーンはありました?
塩を白くしたのは、ろくな食事も出ない中、頑張った若い衆のおかげでしょ!
なら、きちんと世良を話をつけて、本来の売り上げを取り戻して、それを給与に反映させる。
ついでに、世良の不正を見逃せなかった自分を恥じて、深々と皆の前で頭を下げさせましょうよ。
立花「僕がうっかりしていたばかりに、皆に迷惑をかけてしまった、すまん! これからはきっちりと管理して、こういうことはないようにする。取り戻した利益はちゃんと給料に反映するし、迷惑料として金一封を包んでおいた。これで難波ででもも楽しんできてくれ」
若者A「そないに頭下げんでも!」
若者B「いいんですか、こりゃありがてえ!」
そんなふうに盛り上げてこそ、ドラマになる経営者ではありませんか?
つか、そのくらい、頼むからやってください><;
あ、ついでに言うと花夫妻への借金返済も考えていませんよね。
回想シーンで花が出てくるたび、気の毒で泣けて来ます。悪辣夫妻に食い物にされているようにしか見えない。
山守夫妻を抱きしめたくなるじゃろが
だいたい、あんなに資金提供を受けたのであれば、毎日がヒリヒリして、身が引き締まるような思いになるはずでは?
長谷川博己さんの演技力で、そのプレッシャーに堪えてでも目を輝かせるなんて場面があれば、素晴らしかったはずなのです。
安藤サクラさんだって、キリッとした顔をしてもよかった。
ここで松坂慶子さんだけが、明るいちょっととぼけたコメディエンヌっぷりを発揮するとか、そんな場面があれば……いや、今の制作陣には無いものねだりですね。
登場人物たちの脳内は、ボタン連打で資金ゲット、これでますます儲かるウハウハ〜♪しかない。
大阪商工会の会長・三田村も、福子も、完全に結果のわかっている未来人視点で
「大阪経済を背負って立つ男」
と決めつけて話しているし。
・会社備品の使い方
・盗電
・はんこ作り
それだけでもかなり引いてましたが、製塩に突入してからの極悪非道っぷりがヤバイです。
ゆえに何度も何度も、この方たちは『仁義なき戦い』の
【全員山守】
なんだ、オマージュ作品なんだと自分を納得させるほかありません。
というかですね。
なんで朝ドラ見て、山守思い出さんといけんの?
立花カップルがものすごくカワイイ、見ていてほっこりするという方。
是非とも『仁義なき戦い』をご覧になってください。
立花カップルをそう思えるんなら、山守夫妻なんて可愛くってキュートで抱きしめたくなるじゃろが。
※『八重の桜』がU-NEXTならスグ見れる!
他にも多数の朝ドラ・大河作品も視聴できます(時期によって対象番組が異なりますのでご注意を)。
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
福子の妊娠がわかったときの、鈴の一言
「いつの間にー?」
ってのがゾッとしました。
やっぱり子作りを見届けたかったのかと…
前にどなたかがコメントされてましたが、『真田丸』の薫は本当にチャーミングでしたよね…我儘だけれど憎めない。
薫は「武士の妻」であることより「公家から招いた妻」であることを夫から要請されてますので、人質は嫌などの言動はむしろ容認されています。中盤くらいで、本当は公家の出で無いことが判明し、豪華な着物や扇へのこだわりは、高貴さをハリボテであっても装うために必要不可欠なアイテムだったと思うと、納得できるし健気とすら映る。なにより芯の通った部分もちゃんとある。特に、梅を嫁にするためにメリットをプレゼン(笑)する息子・信繁に対し、「好き合ったから夫婦になりたいと何故言わないのです」と正論でピシャっと言った場面。ああ、この人は愛情があるからこそ息子を叱ることができる、良い母親なのだと伝わってきて、圧巻でした。高畑淳子という女優にしかできないだろう味わい深い演技でした。(実のご子息の問題と時期的に重なってしまい複雑な思いはしましたが。)
対して『まんぷく』の鈴のキャラクター造形はなんなんでしょうね…。自己愛のかたまり?私は武士の娘です、と聞くたびに虫唾が走ります。彼女がそんなの嫌よぉ~とのたまう毎に「賢しらに僅かな不幸を見せびらかすな!」とエボシ様の声が脳内再生されます。
破綻していない物語の松坂慶子さんが観たい。というか破綻してない安藤サクラも長谷川博己も観たい。駄作を作りたいクリエイターなんて存在しないと信じていますが、本当に作る意義のわからないドラマです…。
まんぷくに対して懐疑的に思ってるNiftyからこんな記事がありました。
https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12173-126343/
会長役の橋爪さんへのインタビュー記事ですが、今回のドラマの内情がすべて出てる感じに思えた。
橋爪さんが朝ドラと知らないで出演を受けた話を見ると、NHK側に原因があると思った。
「わろてんか」さえ、もう少しましな展開だったと思えてくるようになりました。
正直、まんぷくお遊戯会から早々に離脱した内田有紀以外の俳優は汚点を残しつつあるよね(><)
つまらないを通り越して嫌悪感を感じます。
あのお茶出しの流れの辻褄合わなさは論外。しかも三田村会長がまたもや都合よく助けてくれるとは…。
こうやって下らないエピソードでぐたぐた引っ張っては土曜日に都合よく解決したことにして、残された疑問は無視するのがあと数ヶ月続くんでしょうね。「べっぴんさん」と「わろてんか」は何となくつまらなくなって途中で脱落したのですが、今思うと何と失礼なことをしたかと恥ずかしくなります。これほどの駄作はもう初めて!
今日のまんぷくに「福ちゃん賢い」「すっきりした」という感想がたくさんありましたが、全くすっきりしませんでした。
本当に、どうやってあの部屋に三田村会長がいることを聞き出して、どこでどうやってお茶を煎れさせてもらったのか。
そこから見せてくれないと唐突すぎてまさにコントですね。
三田村会長がよく知りもしない立花に、ほいほいと3万円を融資したのも、世良が大金を持ち歩いていて、それを全部福子に差し出すのも、ご都合を通り越してこれまたコント。
笑いの少ない吉本新喜劇として見ればいいのでしょうか。
世良に対する福子に、一休さんみたいだというツイートも見ましたが、製作は今後も福子にそういう働きをさせて行きそうな気もしてきました。
セクシーハセヒロは由美かおる、とんちの福子は一休さん。
「萬平さんは仕事をしてください!あとは私がなんとかしますから」
って毎日毎日いってますけど、萬平さんの仕事ってなんですか???
自分の管理責任能力のなさで世良にピンハネされたことを調査追求して解決する、
これは重要な責任者の仕事ではないですか?
えっ、違うの!?
妻から「あなたには責任を果たす能力がないので、私がどうにかします」
って言われてるってことですよ。
どんな脚本なんだよ………朝からげっそり。
福子が商工会の会長室に茶を持っていけた工程も謎すぎるし、
本人を見たことがないのに3万円をだす会長の脳みそもかなりマズイし、、、
もう、フィクションもドキュメントも中途半端にすら出来ないんだったら
最初からこんなドラマ作らなきゃよかったのにね、って思います。
これで満足してる視聴者って安上がりで羨ましいな~。